2019年08月11日

DAL_羽田集約、代替は仁川

□DAL 羽田集約を公式発表、代替はソウル仁川を大々的に紹介

アメリカ合衆国(米国)の航空会社デルタ航空(DAL)は9日、関東の就航空港を、成田国際空港(成田空港)から東京国際空港(羽田空港)に集約すると発表しました。

DALが発表したのは、関東の就航空港の羽田空港への集約。2020年3月に成田から撤退し、就航便を羽田に集約します。
集約はしますが、羽田からの就航は7路線(シアトル、デトロイト、アトランタ、ホノルル、ミネアポリス、ロサンゼルス、ポートランド)のみになる予定で、かつて成田から多数運航していたアジア路線は、当該アジア諸国の航空会社でないために発着枠が取れないため全廃されます。
DALは数年前から成田発着アジア路線を続々廃止し続けており、現時点で残っている成田-シンガポール線は9月22日、成田-マニラ線は来年3月に廃止することも合わせて発表されました。


通常、この種の話題は取り上げないのですが、今回取り上げたのは、なんとなく日本の空港運営の大きな転換点となるような気がするからです。

今回の発表は、東京の空港変更に関する話題であるはずなのに、成田撤退で不便になる北米-アジア間の乗り継ぎ空港の代替として、日本の空港ではなく、韓国・ソウル(仁川)空港と大韓航空との共同事業が大々的に紹介されています。
いち航空会社の単なる空港変更ですが、今回の変更で、米国からアジアへの乗り継ぎ拠点としてされていた東京の位置付けが、ただ米国から直行するだけの都市に成り下がることになることをはっきり示された格好。他国から見ると、東京には乗り入れる価値の少ない空港しかないことを世界に発信されることになってしまい、アジア各国の空港間競争でも大きなマイナスになります。

また、DALは、2008年に旧ノースウエスト航空(NWA)と合併していますが、NWAは終戦直後に日本の航空路線を担い、日本航空の設立にも関わるなど、日本との歴史が最も深い米国の航空会社です。成田では外国航空会社で最も多くの便を飛ばしていた時期もあり、保持していた日本経由の無制限の以遠権を駆使して多数の日本発アジア路線も運航していました。そんな会社が、ついに成田を撤退し、他国に完全シフトすることになった点で、歴史的にも非常に注目すべき出来事です。

これらに加え、羽田再国際化の際に、成田の路線を残すことを要請した「成田縛り」を破る動き(いわゆる「羽田シフト」)が、ついに航空会社の公式リリースで大々的に宣伝される事態に。羽田の発着枠は、2020年3月に年間約3.9万回分増加することが発表されたばかりで、これから就航を検討する航空会社による羽田シフトが急加速する恐れが出てきてしまいました。

Delta to become largest U.S. carrier serving Tokyo-Haneda in 2020(DAL公式サイト、英語)
https://news.delta.com/delta-become-largest-us-carrier-serving-tokyo-haneda-2020
ラベル:NWA 羽田 成田 DAL
posted by johokotu at 19:00| 東京 ☀| Comment(0) | ◆ダイヤの話題 | 更新情報をチェックする

道7空港_優先者の提案概要発表

■北海道七空港 特定運営事業等、北海道エアポートグループの提案概要を発表

国土交通省(国交省)は9日、北海道七空港(稚内、旭川、女満別、釧路、帯広、新千歳、函館)の運営委託に係る優先交渉権者の選定に関して、優先交渉権者(北海道エアポートグループ)の客観的評価結果と提案概要を発表しました。

北海道エアポートグループの提案概要によりますと、「世界の観光客を魅了し北海道全域へ送客する マルチ・ツーリズムゲートウェイ」とする計画です。

七空港合計の路線数と旅客数は、提案時の60路線2,846万人(新千歳以外で19路線537万人)から、30年後に142路線4,584万人(新千歳以外で62路線1,048万人)まで増やすことを目指すとしています。
「7空港の明確な役割分担による航空ネットワークの分散・拡大」を目指すほか、「北海道の魅力発信と地域活性化への貢献」、「デジタルマーケティングによる段階的な観光流動づくり」、「安全・安心を最優先とする長期安定の空港運営」を進めるとしています。

国際ゲートウェイ機能を七空港に分散。七空港は大きく三つに分け、新千歳をグローバルゲートウェイ、函館と旭川を広域ゲートウェイ、稚内と道東三空港(女満別、釧路、帯広)は地域ゲートウェイとして戦略的に位置付けしています。国際線はグローバルゲートウェイがアジア圏ローカルと長距離、広域ゲートウェイが東アジア・東南アジア首都、地域ゲートウェイが東アジア首都と明確にターゲット路線を分けています。

各空港ごとの計画も発表されています。
新ターミナル建設が発表されたのが稚内と新千歳。稚内は、5年後までにターミナルビルを建て替え、道の駅機能を付加するとしています。
新千歳では、10年後までに既存国内線旅客ターミナルの南側少し離れた位置に内際共用旅客ビルのT3を整備、既存ターミナル間連絡通路からBRTを整備する計画です。
ビジネスジェット専用施設も、新千歳の千歳飛行場側の国際線貨物ビル地区と、帯広(専用格納施設とエプロン)の2空港に整備することが示されました。
また、新千歳では、5年後までの整備として、南千歳駅周辺の旧・千歳空港旅客ターミナル跡地にホテル・従業員施設の新設が示されています。

既存ターミナルの改修や駐車場の増強は、規模は様々ですが、全七空港で行われます。
稚内は、5年後までに、24時間駐車場・トイレ、空港広場を整備します。
旭川は、10年後までに、前面への大規模増築、10年後以降に国際線エプロン・施設の拡大を実施。ターミナル直結のエアポートホテル誘致も示されています。
女満別は、5年後までに、旅客ビルを拡張・リニューアル、国際線専用施設の整備、温度管理設備を備えた貨物ビルを新設するほか、10年後までに、リーズナブルな価格のホテルを誘致するとしています。
釧路は、10年後までに、現ターミナルの改修と増築による国際線専用施設設置を行います。
帯広は、5年後までに、カーブサイドの再編、10年後までに、国際線施設を増築します。
新千歳は、10年後までに、既存ターミナル間連絡通路を交通・観光センターに改修、T3に直結ホテルを整備する予定です。
函館は、5年後までに、国際線施設の拡張を行う計画になっています。

就航を目指す路線も各空港ごとに明確化されています。
明確に新規就航先が示されたのは、稚内が関西方面と台北、旭川が成田国際(成田)・神戸・関西国際(関空)・福岡・ソウル・北京・哈爾浜・天津・上海・香港・バンコク、女満別が成田・関空・ソウル・上海・台北、釧路が仙台・成田・中部国際(中部)・ソウル・上海・香港・台北、帯広が成田・中部・大阪国際・神戸・ソウル・上海・香港・台北、函館が成田・関空・高松・福岡・ユジノサハリンスク・ソウル・北京・天津・上海・香港・バンコクの各都市です。
新千歳は、欧米豪等だけでも5年後に倍増の6路線、30年後に8路線化を目指す内容になっています。
道内航空路線についての言及はありませんでしたが、旭川-新千歳、帯広-新千歳を結ぶ図は示されました。

航空以外の交通機関との連携等も示されており、北海道全体の周遊を意識しアクセス交通も考慮した注目すべき計画になっています。
新千歳が苫小牧港との連携するほか、函館で新幹線との接続強化、女満別と釧路の2空港は釧網本線の利用促進も示されました。特に女満別はアクセス向上が一つの項目として詳細が示されましたが、残念ながらすぐそばにある石北本線西女満別駅との具体的な連携はない模様です。

今回は、審査講評は発表されませんでした。

北海道内7空港特定運営事業等の優先交渉権者選定に係る客観的評価結果等の公表について(国交省公式サイト)
http://www.mlit.go.jp/report/press/kouku05_hh_000138.html
posted by johokotu at 01:00| 東京 ☀| Comment(0) | ■北海道地方(礼文・その他) | 更新情報をチェックする