特集 ニッポンの空港から振り返る平成七年
平成七年は、1月に阪神淡路大震災が発生しました。
大阪国際空港(大阪府)や前年に開港した関西国際空港(大阪府)は幸いにも大きな被害がなく、震災直後は物資輸送の拠点化。さらに王子公園など多数の臨時ヘリポートが開設され、空からの全容把握や救援輸送が大きくクローズアップされました。
この震災で空の輸送の有効性がはっきりしたことから、神戸沖でも起きていた空港アレルギーともいうべき空港反対の昭和の空気が一変。神戸空港(兵庫県)の整備決定へ動きが加速しました。
この年は、新技術として、計器着陸装置ILS カテゴリーVaの運用がスタートしています。霧が多い熊本空港(熊本県)と釧路空港(北海道)にまず日本で初めて整備され、その後各地に拡がりました(両空港とも現在はカテゴリーVbに更新済み)。視界が悪くても、より安全に着陸することができるようになりました。
平成七年は、多くの人が、自然災害と空港の関わりや、航空輸送の重要性を意識した年だったと言えそうです。
■平成七年 空港の主な出来事
01月:阪神淡路大震災発生、王子公園などに臨時ヘリポート多数開設
09月:熊本空港 計器着陸装置ILS カテゴリーVa 運用開始(V以上は日本初)
10月:釧路空港 計器着陸装置ILS カテゴリーVa 運用開始
12月:青森空港 ターミナル(国内線)増築