特集 ニッポンの空港から振り返る平成十四年
平成十四年は、航空業界が激動した年でした。
3月、新興航空会社の北海道国際航空(ADO)が破綻。10月には、大手航空会社の日本航空(JAL)と日本エアシステム(JAS)が経営統合します。
JAL・JAS統合で大手三社の横並び均衡が崩壊。大手航空会社でガチンコ勝負することになった全日本空輸(ANA)は、このあと、なりふり構わぬ施策を次々に進めていくことになります。
例えば、利用者向けでは、一万円乗り放題を企画したり、50便に一便で全員に一万円キャッシュバックキャンペーンを開催したりと、びっくり企画を敢行。経営面では、ADOをはじめとした新興航空会社に出資するという方法で実質的な規模拡大を進めるなど、競争激化へ備えていきます。
日本各地の空港は、大手三社が入ることをベースに造っていたために、JASが抜けて空のチェックインカウンタが目立つ所も出てくることにもなりました。
この年注目を集めたのは、4月に供用開始された新東京国際空港(千葉県/現・成田国際空港)の暫定平行滑走路。開港から24年も経て、2本目の滑走路が、暫定ながら、やっと整備されました。あらゆる分野で世界から周回遅れになりつつあった日本の置かれた象徴的状況を、少しだけ取り戻した、そんな感じでした。
■平成十四年 空港の主な出来事
02月:K-CAT 廃止(1/31チェックイン最終手続・2/7アクセス船舶便最終運行、日本唯一の船舶アクセスのシティチェックイン施設機能消滅)
03月:大分空港 新ターミナル開館
04月:新東京国際空港 暫定平行滑走路(2,180m)供用開始
04月:OCAT チェックイン手続 廃止(3/31最終手続)
06月:ADO 破綻
07月:TCAT 出国手続 廃止
09月:Kyoto-CAT 廃止(8/31チェックイン最終手続、日本唯一の手荷物受託までできる鉄道アクセスのシティチェックイン施設機能消滅)
10月:大島空港 滑走路1,800mでジェット化
10月:JAL・JAS 経営統合
10月:新東京国際空港 芝山鉄道開業
12月:新東京国際空港 第1ターミナル第3サテライト開館