◇空港検疫(週間速報)3月3週目 検体数≒入国者数も陽性者も激増し罹患率増加厚生労働省(厚労省)は3月31日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の3月3週目(3月14日〜3月20日)分の速報値を発表しました。厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。2020年11月11日以降毎週水曜日に過去4週間分が発表されています。今回の公表で、2020年10月4日〜2021年3月20日分が公表されたことになりました。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じてる場合もありますが、分析に活用できます。
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[罹患状況推移分析] 罹患率が上がり始め2020年
10/04-10/10 検体12,421・陽性57=罹患率0.46%(日本国籍0.46%:外国籍0.46%)
10/11-10/17 検体 7,364・陽性24=罹患率0.33%(日本国籍0.29%:外国籍0.34%)
10/18-10/24 検体12,213・陽性46=罹患率0.38%(日本国籍0.39%:外国籍0.37%)
10/25-10/31 検体17,833・陽性47=罹患率0.26%(日本国籍0.22%:外国籍0.29%)
<11/01〜入国者の多い低感染国9か国が検査解除>
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍0.75%:外国籍0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍0.54%:外国籍1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍0.52%:外国籍0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍0.61%:外国籍0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍0.50%:外国籍0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍0.43%:外国籍0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍0.28%:外国籍0.62%)
12/20-12/26 検体18,835・陽性98=罹患率0.52%(日本国籍0.51%:外国籍0.54%)
12/27-01/02 検体13,123・陽性83=罹患率0.63%(日本国籍0.49%:外国籍0.75%)
2021年
01/03-01/09 検体14,098・陽性76=罹患率0.54%(日本国籍0.23%:外国籍0.72%)
<01/09〜全入国者検査開始>
01/10-01/16 検体21,399・陽性67=罹患率0.31%(日本国籍0.31%:外国籍0.31%)
01/17-01/23 検体22,678・陽性41=罹患率0.18%(日本国籍0.31%:外国籍0.15%)
01/24-01/30 検体10,076・陽性25=罹患率0.25%(日本国籍0.12%:外国籍0.37%)
01/31-02/06 検体10,435・陽性20=罹患率0.19%(日本国籍0.13%:外国籍0.27%)
02/07-02/13 検体 9,423・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.15%:外国籍0.26%)
02/14-02/20 検体 9,523・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.11%:外国籍0.28%)
02/21-02/27 検体11,779・陽性23=罹患率0.20%(日本国籍0.22%:外国籍0.17%)
02/28-03/06 検体14,086・陽性29=罹患率0.21%(日本国籍0.16%:外国籍0.26%)
03/07-03/13 検体14,467・陽性27=罹患率0.19%(日本国籍0.14%:外国籍0.25%)03/14-03/20 検体17,879・陽性49=罹患率0.27%(日本国籍0.20%:外国籍0.41%)検査数は、12月中旬〜下旬に日本国籍者が外国籍者の二倍ほどいたのに対し、12月5週目に日本国籍:外国籍=1:1.16と逆転。1月1週目に1:1.8、1月2週目に1:2.6、1月3週目に1:3.7とどんどん外国籍者が増えていました。
1月4週目に外国籍者が急激に減って日本国籍:外国籍=1:1.05とほぼ同じになり、2月1週目に1:0.88と日本国籍者が逆転。2月2週目は1:0.82まで進みました。
2月3週目に再び外国籍者が多くなり1:1.11になったものの、2月4週目は再び1:1.02とほぼ同数に逆戻り。その後は日本国籍者が多い傾向が続いており、3月1週目は1:0.86、前週3月2週目は1:0.63、
今週はさらに日本国籍者が増加し、1:0.52となっています。完全に年度末需要と推定されます。
検査対象が全入国者になっています。
検査数(≒入国者)の多さは、米国、中国、韓国、フィリピン、タイの順でした。
日本人は12月4週目に12,354人いたのに対し、1月以降は激減していますが少しずつ増え、今週は11,722人と12月レベルにまで戻りました。
外国人は大幅に減少が継続。1月3週目に17,873人だったものが、今週は6,157人と3分の1になっています。
10月の4週間は日本国籍者と外国籍者の罹患率に差はなく0.35%程度でした。
11月に入ってからは、日本国籍者、外国籍者ともに急上昇しました。外国籍者の方が多かった印象ですが、差は小さく、日本国籍者の割合も追いかけるように増えていました。
検体数が増加していますが、三日間強制隔離対象国が増えており、二回検査する人が増えていることも、増加した一因と推定されます。
前週と比べると、
日本国籍者は、検査数が32%増加に対して陽性者数は85%増加。外国籍者は検査数が10%増加に対して陽性者数は79%増加です。陽性者の増加が目立ちます。
このため、
罹患率は、日本国籍者、外国籍者とも悪化。特に外国籍者が大きく悪化しています。罹患率は、0.3%近くまで上がってきました。
日本国内の罹患率は、最悪のピークだった1月初旬でも0.06%(人口約1億2500万人のうち治療中+死者約70,000人)ですから、空港検疫は国内より著しく危険であることが分かります。
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[陽性者数多い国分析] 全23か国に拡大、パキスタンが急激悪化今週陽性者が確認されたのは、前週に続いて陽性者が出ているフィリピン、パキスタン、アラブ首長国連邦(UAE)、ウクライナ、ブラジル、ナイジェリアなどを含めて23か国でした。
最多だったのはパキスタンで9人と急激悪化しています。全員外国籍者でした。
ウクライナが6人で続き、フィリピンとUAEが各4人です。ウクライナは日本国籍が5人と多く、フィリピンとUAEはいずれも外国籍者が3人と多い状態でした。
米国がぶり返してきており3人、ハンガリーも3人。いずれも日本国籍者2人・外国籍者1人です。
続いてバングラデシュ、イタリア、エジプトが各2人です。バングラデシュは全員外国籍者、イタリアは全員日本国籍者でした。
残り14か国は1人ずつで、韓国、フランス、アフガニスタン、カメルーンが外国籍者なだけで10か国は日本国籍者でした。ブルガリア、カメルーン、セルビア(恐らく誤認識)、ボスニア・ヘルツェゴヴィナは入国者数が1桁なのに陽性者が出る異常事態です。
相変わらず欧米は日本国籍者、南アジアは外国籍者が多い印象です。
12月に変異株ばかりだった英国は陽性者0人が7週連続で途切れました。
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[罹患率高い国分析] 1%超えは23か国中15か国も罹患率は、
セルビアとボスニア・ヘルツェゴヴィナが最も悪く25.00%(検体4人中1人陽性=日本国籍者3人中1人)。カメルーンが16.67%(検体6人中1人陽性=全員外国籍者)、ブルガリアが14.29%(検体7人中1人陽性=日本国籍者1人中1人)で、合計4か国が二桁割合の超危険状態でした。
ウクライナが8.00%(検体75人中6人陽性)、ハンガリーが6.52%(検体46人中3人陽性)、エジプトが5.56%(検体36人中2人陽性)、アイルランドが5.00%(検体20人中1人陽性)、アフガニスタンが4.76%(検体21人中1人陽性)、パキスタンが3.81%(検体236人中9人陽性)、ナイジェリアが3.03%(検体33人中1人陽性)、イタリアが1.85%(検体108人中2人陽性)、ケニアが1.85%(検体54人中1人陽性)、UAEが1.83%(検体218人中4人陽性)、バングラデシュが1.74%(検体115人中2人陽性)と続いています。
1%超えは以上の15か国でした。
ウクライナ、パキスタン、ナイジェリア、UAEは前週から連続で1%超えの異常状態です。相変わらずアフリカと東欧が多い印象で、南アジア〜中東も増えてきています。
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[航空便利用者数分析] 航空利用者も増加合計の利用者数は、22,071人(前週比+3,642人)と前週から増加しました。
多くの国が利用者数が増加しています。最も伸びたのは米国直行便が5,069人(前週比+664人)、シンガポール直行便が1,398人(前週比+657人)、韓国直行便が1,514人(前週比+430人)などとなっています。
減少した国は少なく、ニューカレドニア直行便が166人(前週比-95人)が比較的多めに減少した程度でした。
皆増したのがミャンマー150人、インド56人。ハンガリーが10人皆減の0人でした。
変異株で騒ぎになっている英国直行便は409人(前週比+78人)でやや増加状況でした。
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[変異株陽性者数分析] 変異株陽性者四割超!!詳細発表された45人の陽性者のうち、17人が英国で確認された変異株、1人がブラジルで確認された変異株、1人が南アフリカで確認された変異株と判明しています。実に42%も占めています。
そのうち3人は3日遅れ陽性で、従来の入国方法ではすり抜けていた事例でした。
毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。
■週間速報内容03/14-03/20
全検査
合計 検体17,879陽性49 0.27%
日本 検体11,722陽性24 0.20%
外国 検体 6,157陽性25 0.41%
検体数の多い国
米 国:検体3,626 陽性 3=0.08%
日本国籍 検体2,929 陽性 2=0.07%/外国籍 検体 697 陽性 1=0.14%
中 国:検体2,461 陽性 1=0.04%
日本国籍 検体1,052 陽性 1=0.10%/外国籍 検体1,409 陽性 0=0%
韓 国:検体1,169 陽性 1=0.09%
日本国籍 検体 369 陽性 0=0%/外国籍 検体 800 陽性 1=0.13%
フィリピン:検体1,022 陽性 4=0.39%
日本国籍 検体 170 陽性 1=0.59%/外国籍 検体 852 陽性 3=0.35%
タ イ:検体1,013 陽性 0=0%
日本国籍 検体 926 陽性 0=0%/外国籍 検体 87 陽性 0=0%
罹患率の高い国
セルビア:合計 検体 4、陽性 1=25.00%
日本国籍 検体 3 陽性 1=33.33%/外国籍 検体 1 陽性 0=0%
ボスニア・ヘルツェゴヴィナ:合計 検体 4、陽性 1=25.00%
日本国籍 検体 3 陽性 1=33.33%/外国籍 検体 1 陽性 0=0%
カメルーン:合計 検体 6、陽性 1=16.67%
日本国籍 検体 0 陽性 0=0%/外国籍 検体 6 陽性 1=16.67%
ブルガリア:合計 検体 7、陽性 1=14.29%
日本国籍 検体 1 陽性 1=100.00%/外国籍 検体 6 陽性 0=0%
ウクライナ:合計 検体 75、陽性 6=8.00%
日本国籍 検体 59 陽性 5=8.47%/外国籍 検体 16 陽性 1=6.25%
■毎日の個別発表との誤差状況(3月7日〜3月13日)(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):49人
(B)毎日発表:45人中非公表0人(2か国滞在者4人(セルビアが誤発表とされています))
(誤差が出ている国)Aが超過していると非公表の可能性有
ブルガリア(A)1人(B)0人=Aが1人超過(日本国籍1・外国籍0)
オランダ(A)0人(B)1人=Bが1人超過
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水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7STAY HOME NOW, FLY LATER
posted by johokotu at 01:00| 東京 ☁|
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◇COVID-19関連
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