新型コロナウイルス密輸を空港検疫で捕捉できず、日本国内で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発症する事例が各地で多発しています。東京都では9月は12人確認されれています。オリンピック・パラリンピック期間後は激減し、ゼロの日が続きました。
■30日間で12人・すり抜け率0.017%
東京都は海外渡航歴有(いわゆる空港検疫すり抜け者)の陽性確認事例を、毎日発表の中で、人数だけ公表しています。9月は30日間で12人確認されました。7月、8月はいずれも51人でしたので、少し収まった印象です。ただ、すり抜けは本来いないはずで、今年1月までは一切考慮不要とされていた存在ですから、それでもまだ東京都だけで10人以上も存在するとは異常です。
12人のうち6人は、7日〜10日に集中。11日以降は3人しか確認されていません。異常な偏り具合でした。
最長で8月17日着の人がすり抜け陽性になっている可能性は否定できませんが、9月の空港検疫での検査数は30日を除いて70,124件で、今回東京都だけですり抜け陽性12人ですから、東京都で陽性確認されたすり抜け患者は、空港検疫を受けた人の0.01%〜0.02%程度(計算上は0.017%)いたことになります。相当数のすり抜けがいることが分かります。
とにかく多いです。14日間の隔離を絶対にしてほしいことを示すデータになっています。
(現罹患率は、日本国内、東京都内ともに0.023%)
■原因は東京2020オリパラ?
東京都では、緊急事態宣言が発令されているのに7月23日〜8月8日に東京2020オリンピック、8月24日〜9月5日に東京2020パラリンピックを行いました。
7月後半〜9月上旬に空港検疫すり抜け者陽性事例が急増している原因としては、
・五輪関係者(空港検疫検査は1回だけ+人数爆増)
・現地感染最悪のインドネシアからの緊急帰国者(空港検疫ですら既に罹患率が高い)
・夏休みで一時帰国した在留邦人(家族等団体での帰国が多く罹患リスクが高いことが多い)
のいずれかの可能性が高いと思われますが、五輪期間直前・開催中・直後にすり抜け陽性者が急増しているデータから、五輪関係者のすり抜けが非常に多いと推定される状況になっています。
単純に12人の行動歴(渡航元の国・地域)や属性(五輪関係か否か)だけでも知りたいところですが、何も公表されていないので、日本居住者は、原因も分からなければ、対策も立てられませんね。(入国者は隔離という対策を立てられます)
五輪関係者は、強制隔離対象国でも強制隔離しなくて良くなっています。このため、空港検疫の検査は全員が1回だけで済むため、一般入国者に比べると、すり抜けは増えている可能性があります。
例えばインドネシアから入国する場合、一般入国者は10日間強制隔離となり、入国時、3日目、6日目、10日目と4回も空港検疫で検査します。このため、空港検疫をすり抜ける率は当然下がります。
しかし、五輪関係者なら、これが1回で済んでしまいます。選手団は毎日検査はしていると言っても、その検査は日本国内に入ってからのものので、カウントは空港検疫ではなく、都道府県等保健所発表となるため、結果としてすり抜けとなるといった具合です。
空港検疫すり抜けが急増していると思われる状況である中で、ピタリと時期を合わせるように海外渡航歴有の陽性事例がここまで露骨に爆増しているとは少し驚きです。
ただ、今回の結果を五輪関係者と断定するのは実は難しいです。それは、すり抜け陽性者の詳細が何も公表されていないため。
すり抜け事例が集中している7日〜10日は、ほとんどの選手は検査終えた後のはず。単に、オリパラ期間中に選手団のせいで飛行機予約の取れなかった一般ピープルがやっと取れて入国が集中したとも考えられます。微妙なところです。
■国内感染拡大との不気味な連動?不連動?
7月、8月、9月と、空港検疫すり抜け事例を東京都のデータから追ってみました。
気になるのは、国内感染拡大との不気味に連動しているようにも見えることです。
東京都の感染は旧盆頃をピークに綺麗な山型になっています。パッと見、すり抜け事例が多かった7月下旬〜9月上旬と合致しています。
しかし、細かく見ていくと、すり抜け事例は、7月下旬と8月下旬に二つ山があり、東京都の拡大ピークの旧盆頃はグッと確認が減っていました。
そもそも東京都の感染拡大が始まったのは、6月20日頃からで、すり抜け事例が増え始めた時期よりだいぶ早いです。7月20日頃には一度収まりそうな動きをしているほどで、8月下旬以降のパラリンピック期間は、増えてもいません。
東京2020オリパラがすり抜け増加に寄与した可能性はほぼ確実と言えそうなものの、それが都内の感染拡大に影響したようには見えない結果となっています。
7月下旬〜9月上旬にすり抜け事例が爆増していたことは事実なので、14日間隔離をしないなど本当にありえない話ということだけははっきりしていると言えそうです。
■二次感染は不明なので要注意
東京都の場合、公表されているのは海外渡航歴有の人数だけ。しかも、毎日だいたい陽性者の半数は「確認中」ですので、実際には海外渡航者が出ている人数の倍程度いる可能性はあります。
その後追っかけ発表は一切なく、人種や渡航目的、隔離中の外出状況などは当然のように非公表ですが、個人特定に関係ない項目も含め、何も詳細は公表されません。
このため、12件を起因とする濃厚接触二次感染がどれだけあったのかは全く分かりません。
入国者起因の感染者は12人を超えて相当数がいるものと推定されます。要注意ですね。
それにしても日本の水際対策は、「すり抜けは非常に珍しい事例だ」という考えがあるのか、全然強制隔離を強化する様子はありません。報道機関もほとんど取り上げず、政府関係者や五輪関係者にいたっては自主隔離もなしで良いとされるほど。
こんなにはっきりしたデータがあるのに、対策をしようとすらしないのは不思議です。
結果を見れば一目瞭然。隔離しないとダメなんです。
「空港検疫の検査で陰性なんだから、バカ騒ぎしなけりゃ別に自由に動き回っていいじゃん。ちょっとそこまでコンビニ買い物やごみ捨て、家の前での蛍族ぐらいやらせろよ。」という入国者も見られるのですが、非常に危険です。
結果を見れば一目瞭然。ぜひ入国後14日間の隔離を頑張ってください。
空港検疫でのすり抜けは必ず発生します。
入国者が家族と接触しなけりゃ、家族に感染は拡がりません。
入国者が友人と接触しなけりゃ、友人に感染は拡がりません。
入国者が他人と接触しなけりゃ、他人に感染は拡がりません。
家族が入国者と接触しなけりゃ、家族に感染は拡がりません。
友人が入国者と接触しなけりゃ、友人に感染は拡がりません。
他人が入国者と接触しなけりゃ、他人に感染は拡がりません。
入国者が国内で接触しなけりゃ、国内に感染は拡がりません。
入国時検査の陽性・陰性は関係ありません。
入国時に検査するかしないかは関係ありません。
超人能力を持った選手かVIPか下々の者かは関係ありません。
変異株かどうかも関係ありません。
ワクチンを打ったか打たなかったかは関係ありません。
いいかげん、14日間の隔離をしっかり行いませんか。
入国者が家族と接触しなけりゃ、家族に感染は拡がりません。
入国者が友人と接触しなけりゃ、友人に感染は拡がりません。
入国者が他人と接触しなけりゃ、他人に感染は拡がりません。
家族が入国者と接触しなけりゃ、家族に感染は拡がりません。
友人が入国者と接触しなけりゃ、友人に感染は拡がりません。
他人が入国者と接触しなけりゃ、他人に感染は拡がりません。
入国者が国内で接触しなけりゃ、国内に感染は拡がりません。
入国時検査の陽性・陰性は関係ありません。
入国時に検査するかしないかは関係ありません。
超人能力を持った選手かVIPか下々の者かは関係ありません。
変異株かどうかも関係ありません。
ワクチンを打ったか打たなかったかは関係ありません。
いいかげん、14日間の隔離をしっかり行いませんか。
■東京都で確認されている海外渡航歴有事例(今年発表分)
1月31日間:27人
2月28日間:7人※2/28分の発表は公表無し
3月31日間:12人
4月30日間:22人
5月31日間:18人
6月30日間:15人
7月31日間:51人
8月31日間:51人
9月01日:1人
9月02日:2人
9月03日:0人
9月04日:0人
9月05日:0人(パラ閉会式当日)
9月06日:0人(パラ選手出国ピークこの辺)
9月07日:2人
9月08日:1人
9月09日:1人
9月10日:2人
9月11日:0人
9月12日:0人
9月13日:0人
9月14日:2人
9月15日:0人
9月16日:0人
9月17日:0人
9月18日:0人
9月19日:0人
9月20日:0人
9月21日:0人
9月22日:0人
9月23日:0人
9月24日:0人
9月25日:0人
9月26日:0人
9月27日:0人
9月28日:0人
9月29日:1人
9月30日:0人
→9月30日間:12人
※注意:東京都の発表は、毎日だいたい陽性者の半数は「確認中」ですので、実際には海外渡航者が出ている人数の倍程度いる可能性はあります。
STAY HOME NOW, FLY LATER