2022年10月25日

水際放棄で検査激変 8月97%無検査/陽性の最大97%スルーと推定

◇2022年8月 水際放棄3か月目
水際放棄で検査激変よりはっきり
【検査率】さらに激減で入国者の97%はスルー
【罹患率】5月0.9%→6月0.1% 7月0.2% 8月0.2%に激減
陽性者の83%すり抜けと思われる異常危険状態


法務省は10月25日、出入国管理統計の2022年8月分の月報を発表しました。
これにより、水際対策で行っている新型コロナウイルス感染症の検査状況が判明しました。





【検査率】3%に激減 入国者の97%はスルー
2022年6月から、世界の国を青黄赤に分け、入国規制方法に差を付けました。
このうち、青は原則検査無し、黄は一部検査有り(一部検査無し)、赤は全員検査有となりました。
この振り分けにより、相当数のすり抜け事例が出ていると推定されていました。

2022年8月の入国者数は559,100人。検体数は17,005件と推定されています(8月3日発表分〜9月2日発表分までの合計)。
結果として、
最大輸送量(2万×31日)の90.2%の利用がありました。
そして、
入国時に検査している人は、入国者のわずか3.0%しかいませんでした。
感染拡大を防ぐには、隔離が最も有効ですから、入国時に必ずしも検査は必要ないです。しかし、自主隔離すらも実施不要と方針を転換した中、9割以上のすり抜けがあるのは、異様で異常です。

【検査率推移】
(2022年 8月) 検査率 3.04%=検体 17,005件/入国559,100人
(2022年 7月) 検査率 3.97%=検体 18,243件/入国459,740人
(2022年 6月) 検査率 7.55%=検体 26,788件/入国354,822人
(2022年 5月) 検査率101.25%=検体321,908件/入国317,946人
(2022年 4月) 検査率101.02%=検体269,445件/入国266,715人
(2022年 3月) 検査率103.30%=検体184,193件/入国178,308人
(2022年 2月) 検査率105.45%=検体 70,940件/入国 67,274人
(2022年 1月) 検査率104.82%=検体 80,363件/入国 76,667人
(2021年12月) 検査率103.08%=検体118,499件/入国114,962人
(2021年11月) 検査率105.74%=検体 91,310件/入国 86,355人




【罹患率】5月0.9%→6月0.1%→7月0.2%→8月0.2%に激減、陽性者の83%すり抜けと思われる異常に危険な状況

罹患率は、2022年5月に0.903%だったものが、2022年6月に0.123%、2022年7月は0.181%、今回発表された2022年8月は0.154%まで低下しています。
欧米便が多い羽田着の変化は特に危険で、2022年5月には1.205%(83人に1人陽性)だったものが、2022年6月には0.091%(1,100人に1人陽性)、2022年7月は0.139%(710人に1人陽性)、今回発表された2022年8月は0.102%(100人に1人陽性)まで異様な低下となっています。
また、福岡着が特に悪く、0.4%を超えています。検査がある国ではベトナムの陽性者が多く、なぜか福岡着が多い状況でした。

ちなみに、この罹患率は、全体のわずか3.04%の人の数値です。これを残り97%の人にも適用しないと、本当の危険度は見えてきません。
仮に、2022年5月の罹患率のままで推移していたと考えた場合、2022年8月の陽性者は5,048人に達しているはず。単純計算で4,186人、陽性者の82.9%が空港検疫をスルーして、日本へのウイルス密輸に加担したことになります。
仮に、2022年8月の入国者全員の罹患率を「陽性者数862/検体数17,005」と同じ(=5.07%)と考えた場合、2022年8月の陽性者は28,341人に達しているはず。単純計算で27,479人、陽性者の97.0%が空港検疫をスルーして、日本へのウイルス密輸に加担したことになります。
どっちの数値を取っても異常に危険です。

なお、前者の数値で考えた場合、検査率は3.0%(検査していない人が97.0%)に対して、すり抜け率は82.9%になります。検査のやり方が多少功を奏し、ややピンポイントで陽性者を拾い上げられていることは分かります(絶対数は少ないですので相当数のすり抜けがあるのは変わりません)。

世界の感染が急速に収まったとも考えられますが、どうなのかといったところでしたが、結局、検査しないから確認できなかっただけという状況になっている可能性が非常に高いです。
「日本で陽性者が激増しなければ良いですけど」と思われる数値で、実際に7月・8月に日本国内が罹患者が爆増した点を踏まえると、この爆増の原因はウイルス密輸に加担した入国者と言ってほぼ間違いない状況ですね。

本当は、国別の罹患率を調べてみたいのですが、入国者数は国別での発表はなく、外国籍者の入国人数データしかないため、分かりません。
本当は、国籍別の罹患率を調べてみたいのですが、陽性者数は国籍別での発表は1週間単位での発表しかなく、月ごとの人数データがないため、分かりません。(入国者数が週ごとの発表になれば、それでも分かるのですが、、、。)
本当に青黄赤が妥当かどうか、本当に外国籍者の入国が危険かどうか、公衆衛生に関心の低い国はどこかなどの検証は一切できないですね。
膨大なデータは蓄積されているけど、分析に使えない公表方法という、残念な状況になっています。

【罹患率推移】
(大幅緩和後 2022年8月)
入国者合計: 罹患率0.154%=陽性 862人/入国559,100人
新 千 歳: 罹患率0.000%=陽性 0人/入国 2,559人
成田国際: 罹患率0.134%=陽性 364人/入国271,724人
東京国際: 罹患率0.102%=陽性 176人/入国172,729人
中部国際: 罹患率0.314%=陽性 69人/入国 21,982人
関西国際: 罹患率0.226%=陽性 157人/入国 69,531人
福  岡: 罹患率0.482%=陽性 95人/入国 19,702人
那  覇: 罹患率0.368%=陽性 1人/入国 272人

(大幅緩和後 2022年7月)
入国者合計: 罹患率0.181%=陽性 830人/入国459,740人
新 千 歳: 罹患率0.000%=陽性 0人/入国 1,531人
成田国際: 罹患率0.186%=陽性 414人/入国222,810人
東京国際: 罹患率0.139%=陽性 213人/入国153,562人
中部国際: 罹患率0.312%=陽性 54人/入国 17,286人
関西国際: 罹患率0.246%=陽性 124人/入国 50,484人
福  岡: 罹患率0.183%=陽性 25人/入国 13,678人
長  崎: 罹患率0.000%=陽性 0人/入国 49人
那  覇: 罹患率0.000%=陽性 0人/入国 4人

(大幅緩和後 2022年6月)
入国者合計: 罹患率0.123%=陽性 438人/入国354,822人
新 千 歳: 罹患率0.000%=陽性 0人/入国 3人
成田国際: 罹患率0.129%=陽性 238人/入国183,957人
東京国際: 罹患率0.091%=陽性 100人/入国110,005人
中部国際: 罹患率0.159%=陽性 21人/入国 13,172人
関西国際: 罹患率0.186%=陽性 74人/入国 39,796人
福  岡: 罹患率0.066%=陽性 5人/入国 7,629人

(大幅緩和前 2022年5月)
入国者合計: 罹患率0.903%=陽性2,870人/入国317,946人
成田国際: 罹患率0.842%=陽性1,425人/入国169,248人
東京国際: 罹患率1.205%=陽性1,087人/入国 90,180人
中部国際: 罹患率0.520%=陽性 68人/入国 13,080人
関西国際: 罹患率0.687%=陽性 255人/入国 37,097人
広  島: 罹患率0.000%=陽性 0人/入国 4人
福  岡: 罹患率0.461%=陽性 35人/入国 7,600人

入国者合計 罹患率推移:
(2022年 4月) 罹患率0.872%=陽性2,325人/入国266,715人
(2022年 3月) 罹患率1.414%=陽性2,521人/入国178,308人
(2022年 2月) 罹患率2.368%=陽性1,593人/入国 67,274人
(2022年 1月) 罹患率5.400%=陽性4,140人/入国 76,667人
(2021年12月) 罹患率0.937%=陽性1,077人/入国114,962人
(2021年11月) 罹患率0.219%=陽性189人/入国86,355人





出入国管理統計統計表(法務省公式サイト)
http://www.moj.go.jp/isa/policies/statistics/toukei_ichiran_nyukan.html
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8月入国_56万人弱 新規入国減も

◇2022年8月入国者 約55万9千人強
前年より約47万人強増・546.8%増
青国は増加気味、黄国は減少気味
五輪影響?前月は欧州は増加小幅だったのに今月は軒並み増加
外国籍者 韓国連続トップ 短期滞在は前月より減少、新規入国は減少傾向、旅行できるも入国に検査必要な夏休みのせい?


法務省は10月25日、出入国管理統計の2022年8月分の月報を発表しました。2022年7月の日本への入国者数は459,740人で、外国人178,686人・協定該当者15,027人が入国していたことが判明しました。



総合
2022年8月の入国者数は日本人318,325人・外国人223,670人・協定該当者17,105人=合計559,100人でした。
前年(2021年)8月(86,436人)に比べて約47万人強も増加・546.8%増加です。

2021年8月は、「検査対象は入国者全員」「外国人新規入国は「原則」停止」「一部の国で強制隔離開始」の時期です。
2022年8月は、規制が大幅に緩和され、「検査対象は入国者の1割以下」「外国人新規入国は原則許可」「強制隔離国はわずか4か国」となっています。前年と比べるとかなり入国者が増えています。

[同年前月(2022年8月)との比較]
入国者合計 472,664人増加(+546.8%)
日本国籍者 272,770人増加(+598.8%)
外国国籍者 188,705人増加(+539.7%)
協定該当者 11,189人増加(+189.1%)


今年6月1日に入国規制が大幅緩和となりましたが、ジリジリ増加が続いています。




空港別
最も入国者が多かった空港は成田国際(成田)。271,724人(前月比+48,914、全入国者の49%(前月比+1P))
東京国際(羽田)は172,729人(前月比+19,167、同31%(前月比-2P))
中部国際(中部)は21,982人(前月比+4,696、同3.9%(前月比+0.1P))
関西国際(関空)は69,531人(前月比+19,047、同12%(前月比+1P))
福岡は19,702人(前月比+6,024、同3.5%(前月比+0.6P))でした。

7月に定期便が再開した新千歳は2,559人(前月比+1,028、同0.5%(前月比+0.2P))、8月に定期便が一時再開した那覇は272人(前月比+268、同0.0%(前月比±0P))
仙台3人、名古屋が1人出ています(このほか出発便で新潟23人、大分10人国際線利用あり)。チャーター便でも就航しましたでしょうか。

前月と比べると、東京国際の割合減が目立ちます。空港数が増え始めており、全国へ広まってきた印象です。

入国者が全員米軍関係者と思われるのが、三沢、横田、嘉手納。合わせて587人おり、検査なしで入国している可能性があります(三沢は協定該当者、その他は日本人が多いです)。
定期便就航6空港から入国している米軍関係者(協定該当者)は16,677人いました。米国線が多い東京国際が多く、2か月連続で成田国際を超えました。




外国籍者の在留資格別
外国人入国者223,670人のうち、再入国は123,815人でした。新規入国再開で、99,855人が新規入国でした(前月よりいずれも増加)。

在留資格別でみると、永住者33,871人、日本人・永住者の配偶者10,768人、定住者6,763人、特別永住者2,374人など、元からの日本在住者はいずれも前月より増加でした。家族滞在は19,122人(うち新規入国4,450人)で新規入国は減少でした。
日本人・永住者の配偶者の新規入国は928人で、少し減少傾向な印象です。外国人配偶者が日本に入国できなくなって離れ離れになることが一時問題になっていましたが、解消気味なのでしょうか。

外国人新規入国一時停止で人材が入国できないことが問題となっていました。2022年3月以降それが解消されています。
学生関係は、留学が18,915人(うち新規入国6,418人)。新学年が始まって3か月経過しており、新規入国は前月よりも減少です。
技能実習(1号イ〜3号ロ合計)は15,268人(うち新規入国9,692人)と前月より2千人減少(2か月連続の減少)。特定技能(1号〜2号合計)は5,607人(うち新規入国1,526人)で前月より増加(新規入国は減少)でした。
若い人(学生や技能実習)の、特に新規入国は減少気味と言えます。

細かい分野別で多めだったのは、技術・人文知識・国際業務23,986人(うち新規入国2,744人、前月より増加(新規は減少))、教育3,747人(うち新規入国1,010人、前月より増加)、経営・管理3,038人(うち新規入国364人、前月より増加(新規は減少))、企業内転勤1,978人(うち新規入国694人、前月より増加(新規は減少))、外交1,347人(うち新規入国453人、前月より増加)でした。専門家は増加気味ではあるものの、新規入国は減少のものが多いです。夏休み休暇が関係しているかもしれません。
興行は3,390 人(うち新規入国2,941人)で増加が止まりません。
専門家の行き来は、やや増加気味になり始めているものの、再入国による出入りがまだ多い段階でしょうか。ジリジリ増加なイメージです。

短期滞在は63,766人(全員新規入国)で前月比3千人弱も減少でした。
旅行者が一気の増加が停止しました。

8月は、まだ国によっては入国時検査が必要でしたし、輸送量限定措置が取られていました。夏休みで出入りはあったものの、限られたパイを、日本在住者が使っていたとみられます。





外国籍者の国籍別
外国籍者は国籍別の人数が出ています。その国から来たかどうかは分かりませんが、国籍別をみてみます。
前月トップになった韓国が39,891人と先月より1万1千人強増加で2か月連続トップでした。
ベトナムは37,670人と先月比1万3千人強の増加で再び急増です。
米国が3千人弱増加で19,184人で続いています。
続いてフィリピンが5千人弱増加の17,132人。
中国が16,716人と2千人強減少で続きました。
以上の5か国が1万人超えでした。

今年前半多かったネパールは減少が続き4,384人でした。


軒並み大幅増加の国が多いのです。7月と同じような動きですが、前年7月がオリンピック絡みの入国が多かったせいか、7月は欧州各国からの入国は前年からそれほど増えていない一方、今回発表の8月はどこの国も前年比急増でした。

青国は入国が容易になったことから増え、黄国に指定されたからかネパールは減少気味でした。ベトナムは再増加局面に入った印象です。




空港検疫での国籍別の感染状況については、詳細を別途アップします。

<2022年8月入国者数>
入国者計 559,100人(前年 86,436人)
日 本 人 318,325人(前年 45,555人)
外 国 人 223,670人(前年 34,965人)
協定該当者 17,105人(前年 5,916人)

<2022年8月空港別入国者数> 日本人・外国人・協定該当者の3分類
<空港>
新 千 歳 2,559人(外国人 2,242人、協定該当者 0人)
三  沢 433人(外国人 0人、協定該当者 428人)
仙  台 3人(外国人 3人、協定該当者 0人)
成田国際271,724人(外国人113,026人、協定該当者5,371人)
東京国際172,729人(外国人50,286人、協定該当者10,258人)
中部国際 21,982人(外国人12,472人、協定該当者 78人)
名 古 屋 1人(外国人 0人、協定該当者 0人)
関西国際 69,531人(外国人34,311人、協定該当者 408人)
福  岡 19,702人(外国人11,108人、協定該当者 527人)
那  覇 272人(外国人 158人、協定該当者 35人)

<軍用飛行場>
入  間 5人(外国人 0人、協定該当者 0人)
横  田 131人(外国人 53人、協定該当者 0人)
嘉 手 納 23人(外国人 8人、協定該当者 0人)


<2022年8月外国籍者の国籍別入国者数 上位15位>※分かるのは外国籍者の国籍のみ(滞在国とは限りませんし日本人は含まれません)
矢印は、前年8月と比較したときの人数増減状況
韓 国39,891↑超爆増(前年比+37,049)
ベトナム37,670↑超爆増(前年比+37,161)
米 国19,184↑超爆増(前年比+15,242)
フィリピン17,132↑超爆増(前年比+15,640)
中 国16,716↑超爆増(前年比+12,709)
インドネシア 7,891↑爆増(前年比+7,238)
タ イ 7,672↑爆増(前年比+7,181)
インド 7,169↑爆増(前年比+6,754)
台 湾 6,608↑爆増(前年比+5,929)
英 国 5,043↑急増(前年比+3,596)
フランス 4,470↑急増(前年比+2,363)
ネパール 4,384↑急増(前年比+4,279)
ドイツ 3,880↑急増(前年比+2,821)
豪 州 3,312↑急増(前年比+2,741)
ブラジル 3,156↑急増(前年比+2,077)

出入国管理統計統計表(法務省公式サイト)
http://www.moj.go.jp/isa/policies/statistics/toukei_ichiran_nyukan.html

ラベル:検疫 感染症
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