◇2022年9月入国者 約57万2千人強
前年より約50万人強増・716.6%増
前月より減少国も 邦人は前月より減少
外国籍者 韓国連続トップ 留学や技能実習が再び増加に転換
法務省は11月25日、出入国管理統計の2022年9月分の月報を発表しました。2022年9月の日本への入国者数は572,109人で、うち外国人249,327人・協定該当者10,162人が入国していたことが判明しました。
ここ数か月、判明する入国者数を基に、検査率や陽性率を計算する分析を行ってきましたが、9月24日着分をもって検体数の発表が終了したため、今回は同分析は行いません。
前月分の分析 https://johokotu.seesaa.net/article/492865814.html
■総合
2022年9月の入国者数は日本人312,620人・外国人249,327人・協定該当者10,162人=合計572,109人でした。
前年(2021年)9月(70,064人)に比べて約50万人強も増加・716.6%増加です。
なぜか前月(8月)より減少でした。8月は海外旅行需要があったということなのでしょうか?
2021年9月は、「検査対象は入国者全員」「外国人新規入国は「原則」停止」「一部の国で強制隔離開始」の時期です。
2022年9月は、規制が大幅に緩和され、「検査対象は入国者の1割以下」「外国人新規入国は原則許可」「強制隔離国はわずか2か国」となっています。前年と比べるとかなり入国者が増えています。
[同年前月(2022年9月)との比較]
入国者合計 502,045人増加(+716.6%)
日本国籍者 274,514人増加(+720.4%)
外国国籍者 221,571人増加(+798.3%)
協定該当者 5,960人増加(+141.8%)
今年6月1日に入国規制が大幅緩和となり、急増後、ジリジリ増加が続いていますが、今月は前月より減少でした。
相変わらず米軍関係者は大して増えていませんね。これは、コロナ禍でも大量の米国軍人が入国していたこと=米軍関係者は入国規制の対象外であった可能性があることを示しています。
米国からの入国者は、現地出国前未検査者が多いと推定されること、協定該当者が増加する時期(前回の年末年始等)に米国からの入国者の陽性が多かった傾向がありました。また、成田や羽田から遠く遠く遠く離れた横須賀のホテルが隔離場所として指定されていた事例もあり、米軍関係者のすり抜けがあったと推定される出来事が多発していました。そろそろ、ジャーナリストなり、野党関係者なり、海外から帰国しない国会議員(存在意義が曝露の人)なりが、その辺の実態を暴露してくれませんかね。状況証拠から推定されるというだけなので、言ってみれば偏見に基づく外人差別なわけですが、米軍関係者の陽性者が大して多くなかった(=やましいことがなかった)のであれば公表しても別に何も問題はないでしょうし、こういった外人差別に繋がる疑念は早く払拭したいですよね。
■空港別
最も入国者が多かった空港は成田国際(成田)。268,697人(前月比-3,027、全入国者の54%(前月比+5P))
東京国際(羽田)は180,989人(前月比+8,260、同36%(前月比+5P))
中部国際(中部)は21,295人(前月比-687、同4.2%(前月比+0.3P))
関西国際(関空)は78,336人(前月比+8,805、同16%(前月比+4P))
福岡は21,783人(前月比+2,081、同4.3%(前月比+0.8P))でした。
7月に定期便が再開した新千歳は540人(前月比-2,019、同0.1%(前月比-0.4P))、8月に定期便が一時再開した那覇は0人(前月比-272、同0.0%(前月比±0P))。
このほか、百里3人の入国者が出ました(このほか出発便で名古屋4人国際線利用あり)。チャーター便でも就航しましたでしょうか。
前月と比べると、羽田と関空が目立って増加。成田と中部は前月よりも減っています。前月は空港数が増えましたが、那覇が0人となるなど再び減少気味でした。
福岡が、国際空港である中部を越えました。
入国者が全員米軍関係者と思われるのが、三沢、横田、嘉手納。合わせて403人おり、検査なしで入国している可能性があります(三沢は協定該当者、その他は日本人が多いです)。
定期便就航5空港から入国している米軍関係者(協定該当者)は10,009人いました。8月は夏季休暇からの復路需要があったためか、一気に減っています。相変わらず米国線が多い羽田が多く、3か月連続で成田を超えました。
■外国籍者の在留資格別
外国人入国者249,327人のうち、再入国は102,971人でした。新規入国再開で、146,356人が新規入国でした(前月より再入国は減少、外国人入国者総数と新規入国は増加)。
在留資格別でみると、永住者26,124人、日本人・永住者の配偶者8,789人、定住者5,321人、特別永住者2,460人など。元からの日本在住者は、前言と比べると、特別永住者が微増だった以外は減少でした。家族滞在は11,943人(うち新規入国3,805人)で減少でした。
日本人・永住者の配偶者の新規入国は898人で、減少傾向が続いています。外国人配偶者が日本に入国できなくなって離れ離れになることが一時問題になっていましたが、完全に解消しているとみられます。もう、皆いったんは帰り切った感じでしょうか。夏期休暇も終わり、移動する時期でもないですし。
外国人新規入国一時停止で人材が入国できないことが問題となっていました。2022年3月以降それが解消されています。
学生関係は、留学が38,016人(うち新規入国21,488人)。ここ3か月減少気味でしたが、海外の新学年を迎えて一気に増加に転じました。
技能実習(1号イ〜3号ロ合計)は17,014人(うち新規入国11,060人)と前月より増加(3か月ぶり)。特定技能(1号〜2号合計)は6,140人(うち新規入国1,972人)で2か月連続で前月より増加でした。
若い人(学生や技能実習)の、特に新規入国は再び増加傾向に転じたと言えます。
細かい分野別で多めだったのは、
技術・人文知識・国際業務19,711人(うち新規入国2,996人、前月より減少(新規は増加))、
経営・管理2,925人(うち新規入国319人、前月より減少)、
公用が急増で2,779人(うち新規入国2,516人、前月より増加)、
企業内転勤1,762人(うち新規入国744人、前月より減少(新規は増加))、
外交1,471人(うち新規入国1,016人、前月より増加)、
でした。教育は434人(うち新規入国59人)と前月より激減しました。
興行は4,681人(うち新規入国4,382人)で増加が止まりません。
専門家の行き来は、やや増加気味になり始めているものの、再入国による出入りがまだ多い段階でしょうか。ジリジリ増加なイメージです。
短期滞在は90,678人(全員新規入国)で前月比2万7千人弱も急増でした。
旅行者が一気の増加が再び始まっています。
■外国籍者の国籍別
外国籍者は国籍別の人数が出ています。その国から来たかどうかは分かりませんが、国籍別をみてみます。
韓国が42,691人と先月より2,800人増加で3か月連続トップでした。
ベトナムは33,235人と先月比4万4千人強減少。
中国が22,133人と5千人強増加で続きました。
続いて米国が1千人強増加で20,596人。
フィリピンは880人減少の16,252でした。
以上の5か国が1万人超えでした。
今年前半多かったネパールは減少が続き4,134人でした。
軒並み大幅増加の国が多いのです。7月や8月と同じような動きですが、8月よりも減った国も見られました。まだ、10月の規制解除前で航空便再開の動きも少なかったので、夏休みの移動分がグッと減った感じでしょうか。
青国は入国が容易になったことから増え、黄国に指定されたからかネパールは減少気味でした。ベトナムは再増加局面に入った印象です。
空港検疫での国籍別の感染状況については、詳細を別途アップします。
<2022年9月入国者数>
入国者計 572,109人(前年 70,064人)
日 本 人 312,620人(前年 38,106人)前月より減
外 国 人 249,327人(前年 27,756人)
協定該当者 10,162人(前年 4,202人)前月より急減
<2022年9月空港別入国者数> 日本人・外国人・協定該当者の3分類
<空港>
新 千 歳 540人(外国人 448人、協定該当者 0人)
三 沢 155人(外国人 0人、協定該当者 153人)
百 里 3人(外国人 3人、協定該当者 0人)
成田国際268,697人(外国人121,324人、協定該当者3,147人)
東京国際180,989人(外国人58,770人、協定該当者5,998人)
中部国際 21,295人(外国人13,241人、協定該当者 79人)
関西国際 78,336人(外国人41,456人、協定該当者 356人)
福 岡 21,783人(外国人13,823人、協定該当者 429人)
<軍用飛行場>
横 田 232人(外国人 205人、協定該当者 0人)
嘉 手 納 16人(外国人 5人、協定該当者 0人)
<2022年9月外国籍者の国籍別入国者数 上位15位>※分かるのは外国籍者の国籍のみ(滞在国とは限りませんし日本人は含まれません)
矢印は前月(8月)と比較したときの増減状況、増減者数は前年同月比
韓 国42,691↑超爆増(前年比+38,720)
ベトナム33,235↓超爆増(前年比+32,132)
中 国22,133↑超爆増(前年比+16,178)
米 国20,596↑超爆増(前年比+18,119)
フィリピン16,252↓超爆増(前年比+14,789)
インドネシア 9,784↑爆増(前年比+9,116)
タ イ 9,343↑爆増(前年比+8,984)
台 湾 8,222↑爆増(前年比+7,584)
インド 6,085↓爆増(前年比+5,482)
フランス 5,883↑急増(前年比+5,223)
ドイツ 5,641↑急増(前年比+5,210)
英 国 5,262↑急増(前年比+4,836)
豪 州 5,179↑急増(前年比+5,018)
ネパール 4,134↓急増(前年比+3,024)
マレーシア 3,259↑急増(前年比+3,004)
■出入国管理統計統計表(法務省公式サイト)
http://www.moj.go.jp/isa/policies/statistics/toukei_ichiran_nyukan.html