2023年12月31日

◆2023勝手に空港10大ニュース

■年末特集 2023年勝手に空港10大ニュース


2023年(令和5年)も最終日まで「情報交通ホットライン 日本空港情報館ブログ」をご覧いただきありがとうございます。

今年、空港利用者にとっての大きな出来事があった10空港を、当サイト管理人johokotuの独断と偏見に基づき、ピックアップしました。
一年の最後に、ほんの少しだけですが、今年の空港の動きを振り返ります。


1.熊本空港(阿蘇くまもと空港)/熊本県  九州地方  
 3月 新旅客ターミナルの使用開始
今年最も話題をさらった空港は熊本空港(阿蘇くまもと空港)でしょう。
3月に新旅客ターミナルが使用開始になりました。民間委託空港で、全く新しいターミナルでの運営は初めての出来事でした。九州初めてとなる保安検査場のスマートレーン化や自動チェックイン機の導入をはじめ、ほとんどの店舗を保安検査後エリアに配置するなど、大胆な取り組みが続きました。
7月には南阿蘇鉄道が全線再開して最寄駅の肥後大津駅(阿蘇くまもと空港駅)まで乗り入れました。そして12月には、熊本地震で運休した香港航空の香港線が復便するなど、今年は国際線路線が急増。熊本地震からの創造的復興が一気に加速し、年間通じて注目を集めました。
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2.高知空港(高知龍馬空港)/高知県  四国地方  
 5月 プレハブで国際線の受け入れを開始
高知空港(高知龍馬空港)では、5月、国際線定期チャーター便の運航が始まりました。しかし、国際線施設がない空港のため、急造されたのがなんとプレハブの国際線受け入れ施設でした。非常に珍しい施設で入国審査などを済ませてからターミナルに入るという貴重な体験が出来るようになっています。12月にはチェックインカウンタや手荷物検査場も仮設で整備しています。
定期チャーター便は好調で、夏ダイヤだけの予定だったものが、冬ダイヤ期間も延長。再来年の完成を目指して国際線施設の増築も決まるなど、話題が沸騰しました。
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3.関西国際空港(関空)/大阪府  近畿地方  
 12月 国際線出国エリアリノベーション
ターミナル施設を整備した中で、既存施設の改修で注目されたのが関西国際空港(関空)です。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の5類化に伴い、3月から国際線の第2ターミナルの使用も再開されるなど、国際線が少しずつ正常に戻りました。今年はそんな国際線関係の動きが目立ちました。
12月に第1ターミナルの国際線出国エリアをリノベーションし、3階中央に整備してきたウォークスルー店舗エリアが完成しています。今年出来た部分は、国際線を中央部へ移設する第二段階の動き。工事は来年以降も続いていく予定です。
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4.福岡空港/福岡県  九州地方  
 12月 国際線増築、駐車場強化続く
福岡空港では、既にコロナ禍前より利用者が増えた路線が出るなど、国際線の復活がめざましい状況です。そんな中で国際線の改修が続いています。10月と12月に国際線の増築が完成し、出国エリアが拡張。6つの搭乗口が新設されました。これにより、バスラウンジからではなく、搭乗橋利用する割合が大幅に増加しています。
コロナ禍後に人々に接触減少の意向が定着したのか、全国の空港で駐車場の混雑が拡大しており、福岡でも大混雑が続いています。そこで、今年は国内線側を中心に自動車アクセスの強化が進行。7月に南駐車場を開設したほか、12月には乗降レーンの整備も行われました。
一気に戻っている需要への対応が目立った空港になりました。
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5.東京国際空港(羽田空港)/東京都  関東地方  
 7月 第2ターミナル国際線運用再開など新設再開相次ぐ
ターミナルが順次正常化したのが東京国際空港(羽田空港)です。新しい施設のオープンやCOVID-19パンデミックで閉鎖や営業時間短縮していた施設の再開が相次ぎました。
1月に羽田エアポートガーデンが全面開業。国内空港では唯一のバスターミナルがオープンしました。同じ1月には第3ターミナルのトランジットホテルがコロナ禍中の休業から再開しています。
5月には第3ターミナルで24時間営業の飲食店が再開。24時間発着便がある空港として利便性が少し戻りました。
第2ターミナルの国際線施設は7月に再開し、ANAの国際線が2つのターミナルに分散しました。翌8月に第3ターミナルの国内線乗り継ぎ保安検査場、乗り継ぎランプバス運行を再開し、ターミナル間乗り継ぎが便利になりました。
また、コロナ禍中運休が続いていた船舶定期便が7月に再開。アクセスも改善しています。
11月にはHANEDA INNOVATION CITYがグランドオープン。一年中話題に事欠きませんでした。
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6.中部国際空港(セントレア)/愛知県  中部地方  
 7月 第2ターミナル国際線運用再開
空港が正常に戻ったのは中部国際(セントレア)も同じ。国際線の戻りが鈍い空港も、今年は動きが目立ちました。
まず、2月に総合リラクゼーション施設くつろぎ処をリニューアル。空港風呂やサウナの利用が再開されました。
5月には、国際線到着便の第2ターミナル利用が再開され、第2が全面再開となりました。全面再開に合わせて、2つのターミナルを結ぶ無料連絡バス、国内線到着便の優先バスの運行が開始されています。
店舗では、8月に到着時免税店が再開。国際線活用の象徴的な出来事になりました。
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7.秋田空港/秋田県  東北地方  
 3月 ORC就航、10月札幌線新設
2023年、運航路線で注目だったのは秋田だったでしょうか。
3月に長崎を拠点とするオリエンタルエアブリッジが中部国際線を就航。10月には増便もし、共同運航を設定したANAが中部国際線から自社便を撤退しました。同じ10月、日本航空(JAL)グループが新千歳線を札幌(札幌丘珠)線に切り替えました。新規就航の大きな変化に見えますが、実は、前者はANAがORCに丸投げしただけ、JALは路線が切り替わっただけ(+小型化)という、実質あまり変化の無いものになっています。
全国的にLCC就航が流行る中、秋田は完全無視され、ここ数年運航路線に大きな変化が無かった空港。そんな状況で、LCC無関係の路線変化は、見方によっては悪化とも取れる内容でもあったことから、大きな注目を集めました。
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8.中標津空港(根室中標津空港)/北海道  北海道地方  
 10月 JAL就航もアクセスバスは路線化
就航社が純増したのが日本最東空港の中標津。10月、JAL(北海道エアシステム)が新たに就航して話題になりました。JALグループとして12年ぶりの国内新規就航地で、久々に小規模空港が盛り上がる出来事でした。
一方で、同じ10月、空港リムジンバスが一般路線バス化、航空便の遅れに対応しなくなりました。バス会社の運転手不足から、並行する路線バス縮小に合わせて路線統合したためです。そんな状況のためか、新設されたJAL便に接続するバスは就航後すぐには運行開始とならない事態に。就航から遅れること1か月、12月に予約制の空港リムジンバスが実証運行として開始されています。
利便性がかたや拡大、かたや縮小。公共交通の維持の難しさを実感できる動きが見られました。
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9.波照間空港/沖縄県  沖縄地方  
 11月 定期的運航便が再開!?
運航便で注目と言えば、ついに波照間空港で定期的運航便が実現しました。11月、わずか5日間計4往復だけでしたが、新日本航空が毎日同一時刻のチャーター便(新石垣線)を運航しました。さらに、4月からはSpace Aviationのヘリタクシーの運航も始まっています。
波照間では、2008年10月にエアードルフィンが撤退して以降、15年間も定期的運航便の運休が続いています。2017年には新旅客ターミナルも整備し、第一航空の就航が計画されたものの、何度も直前になって実現しないまま。そんな中で、イベントとは言え、定期的な運航便が実現したのは、ビッグニュースでした。
来年はこのような小さな空港の大きな動きに期待したいですね。南の島の活性化、それはあなたの空の旅!小さな島のビッグな想いです。
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10.日本全国全ての空港
 5月 COVID-19 5類化で動き再開!
5月新型コロナウイルス感染症が5類化され、全国の空港で通常の動きに戻りました。
空港は感染防止の最先端を行く所ばかりで、多くの空港でウイルス検査施設が設置され、出入口の手指消毒液を置いたり、ソーシャルディスタンスの表示もしっかりされているのが当たり前でした。空港によっては、接触減少を図るために自動ロボットを活用したり、空気清浄を行うところも。街中のそこらの施設では体験できない、日本で最も安全安心な空間が提供されていました。入国の検疫最先端も空港でした。
外出控えで苦しかった三年を経て、今年は全国の空港が復活しました。
人が戻ってきた。これが今年最大の空港ニュースだったのかもしれません。
これからも最先端で頑張る空港を応援ください。
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2023年は、情報交通ホットラインが開設から四半世紀を迎えた記念年でした。
コロナ禍も去り、通常の空港訪問を再開でき、ほっと一息つけた一年でした。25周年を普通の空港の話題で盛り上げられたのは本当に待ちに待ったうれしい出来事でした。

来年はどんな年になるでしょうか。
来年も多くの人が空港に関心を持ってもらえることを願いつつ、2023年を締めくくりたいと思います。

今年も「情報交通ホットライン 日本空港情報館ブログ」を
ご覧いただきありがとうございました。
それでは、みなさま、良いお年をお迎えください。


2023年12月31日

posted by johokotu at 00:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆その他の話題 | 更新情報をチェックする