2024年02月08日

2023年はコロナ前比14.7%減

□2023年空港利用者数 コロナ前の2019年比14.7%減でおさまる

国土交通省は1月31日に管内空港の利用概況集計表(速報値)を発表しました。全97空港合計の利用者数は、2019年より14.7%減の283,982,709人でした。

2023年は5月以降は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの影響がなくなっています。COVID-19の影響がなかった最後の年である2019年と比較しながら、どこまで利用が戻っているか軽く見てみます。

利用者数比較:最多は東京国際で約9割まで戻す
最も利用者数が多かったのは東京国際(羽田)で78,244,120人でした。
成田国際(成田)が31,184,691人、福岡が24,075,925人、関西国際(関空)が23,264,664人、新千歳が22,257,357人で続いています。

上位9位までは2019年比で利用者数を減らしています。羽田は2019年比で-10.5%と約9割まで戻しましたが、8位の中部国際(中部)が-36.8%であったのを筆頭に、関空が-26.9%、成田が-26.5%と、かなりの減少でした。
上位で利用が100%近くまで戻ったのは福岡で、2019年比-2.4%減でとどまり3位に浮上しています。
上位十位までで2019年比が唯一増えたのが神戸で3,434,858人(2019年比+2.1%)。増枠により便数が増えたことが大きく影響しました。11位以下も50位までで2019年より増えたのは、32位の名古屋(小牧)、44位の下地島、45位の札幌(札幌丘珠)、50位の三沢のみでした。
上位の各空港の利用者数は国際線が特に影響しており、関空は中国線が多いことから回復が遅い状況。中部は国際線がなかなか戻らなかった一方、福岡は国際線が急回復しています。羽田は国際線増枠が効いていると言えそうでしょうか。そう考えると、羽田シフトの影響をモロに受けた成田は頑張ったと言えるかもしれません。

2019年に1000万人を超えていたのに、2023年は1000万人を下回ったのが中部。新たな1000万人超え空港はありません。
同様に2019年に100万人を超えていたのに、2023年は100万人を下回ったのが旭川と山口宇部。新たな100万人超え空港はありません。
2019年に10万人超えで2023年に10万人を下回った空港はありませんでした。種子島と調布が新たに10万人を突破しました。

全体で見ると、離島は利用が増えているところが多いです。
礼文、千歳、佐渡、福井、八尾、岡南、大分県央、小値賀、上五島の9空港は旅客の利用がありませんでした。

増加率比較(増加側):最も増加が著しかったのは下地島
2019年比の割合で最も増加したのは、2019年は利用ゼロ人だった伊江島(356人)と波照間(41人)。利用がそれなりにいる空港で最も増加率が良かったのは下地島で432,625人(同+296.0%)でした。
松本が259,831人(同+66.7%)、粟国が1,317人(同+54.9%)、札幌が424,832人(同+53.1%)、屋久島197,145人(同+35.1%)と続いています。屋久島を除きいずれも新規就航などがあった空港です。
下地島と札幌は40万人を突破しました。波照間は、11月に行われた新日本航空のチャーター便などの人数とみられます。

増加率トップ10のうち、6空港が離島でした(下地島、屋久島、奥尻、北大東、利尻、種子島)。

増加率比較(減少側):最も減少が著しかったのは佐賀
一方、2019年比の割合で最も減少したのは、利用者ゼロとなった小値賀と岡南。利用がそれなりにいる空港で減少率が悪かったのは佐賀で483,557人(同-40.5%)でした。
静岡が489,627人(同-39.2%)、富山が355,234人(同-38.2%)、中部、北九州が1,129,407人(同-35.6%)と続いています。
佐賀、静岡、中部は国際線の回復が遅い印象です。国内線の影響を強く受けたのは北九州といったところでしょうか。


COVID-19が5類に引き下げられたのは、2023年5月。通常利用に戻ってからは8か月間で、単純に考えれば2割〜3割程度の減少はあり得る数値です。
2019年比は-14.9%でおさまっており、航空利用がそれなりに増えていると言えそうです。


2023年の空港別利用者数(2019年比較)
空港名2019年2023年増減
 旅客数(人)順位旅客数(人)順位 
東京国際87,406,105178,244,1201-10.5%
成田国際42,413,928231,184,6912-26.5%
福  岡24,679,617424,075,9253-2.4%
関西国際31,807,820323,264,6644-26.9%
新 千 歳24,599,263522,257,3575-9.5%
那  覇21,761,828619,120,6416-12.1%
大阪国際16,504,209714,752,6967-10.6%
中部国際13,460,14988,507,3738-36.8%
鹿 児 島6,075,21095,516,2139-9.2%
神  戸3,362,720133,434,858102.1%
仙  台3,855,387103,419,78711-11.3%
熊  本3,492,188113,241,87612-7.2%
宮  崎3,410,361123,024,62213-11.3%
長  崎3,360,170142,879,99514-14.3%
松  山3,152,419162,749,94615-12.8%
新 石 垣2,614,822172,612,62316-0.1%
広  島3,166,572152,591,33417-18.2%
高  松2,152,430181,789,70618-16.9%
宮  古1,803,490211,732,68919-3.9%
大  分1,982,377191,721,01220-13.2%
函  館1,800,577221,599,94021-11.1%
高  知1,656,279241,573,20622-5.0%
小  松1,887,535201,409,68923-25.3%
岡  山1,611,958251,203,01524-25.4%
秋  田1,380,863261,180,10025-14.5%
青  森1,253,791271,148,55126-8.4%
北 九 州1,753,525231,129,40727-35.6%
徳  島1,218,852281,034,70628-15.1%
新  潟1,201,419291,033,25429-14.0%
出  雲1,051,155311,000,01530-4.9%
旭  川1,158,94830993,77531-14.3%
名 古 屋942,75333962,073322.0%
奄  美891,99034864,26533-3.1%
山口宇部1,028,16632848,63634-17.5%
女 満 別860,45836779,86935-9.4%
百里(茨城)822,20837738,26136-10.2%
釧  路866,97035727,86637-16.0%
帯  広701,55740639,28338-8.9%
美保(米子)692,13741547,75739-20.9%
静  岡805,19539489,62740-39.2%
佐  賀813,08238483,55741-40.5%
花  巻516,74243466,72442-9.7%
岩  国513,75044460,28743-10.4%
下 地 島109,24665432,62544296.0%
札幌(丘珠)277,42550424,8324553.1%
鳥  取417,74046370,91046-11.2%
富  山575,17242355,23447-38.2%
山  形366,67847351,25048-4.2%
庄  内442,56645341,06349-22.9%
三  沢309,52748325,052505.0%
松  本155,89861259,8315166.7%
対  馬257,68752251,58352-2.4%
南紀白浜182,15857241,9935332.8%
福  島282,43749224,52854-20.5%
久 米 島264,52451219,27755-17.1%
八 丈 島213,56954207,81356-2.7%
徳 之 島207,54255201,03857-3.1%
屋 久 島145,97363197,1455835.1%
中 標 津214,95653187,72559-12.7%
大館能代159,21460179,3466012.6%
福  江168,97459174,9466113.5%
稚  内203,65456172,92962-15.1%
能  登174,54458137,42863-21.3%
石  見152,72562133,59664-12.5%
与 那 国104,46366111,727657.0%
沖永良部119,63664111,19166-7.1%
種 子 島88,51369107,3046721.2%
調  布97,04167103,328686.5%
与  論78,2277086,3476910.4%
喜  界89,7296880,39170-10.4%
隠  岐63,7327268,149716.9%
紋  別77,2997165,12372-15.8%
利  尻45,1837455,0297321.8%
南 大 東47,8717348,369741.0%
天  草43,9827644,504751.2%
多 良 間44,8097544,12476-1.5%
但  馬42,1057738,40477-8.8%
壱  岐34,9927834,52778-1.3%
新  島32,3437933,279792.9%
三 宅 島29,1638030,220803.6%
北 大 東21,6518326,7588123.6%
神 津 島22,6388225,8558214.2%
大  島24,5398124,46983-0.3%
奥  尻11,8818415,6178431.4%
粟  国850851,3178554.9%
伊 江 島08935686-
慶 良 間1938614587-24.9%
波 照 間0894188-
小 値 賀587089-100.0%
岡  南288089-100.0%
礼  文089089-
千  歳089089-
佐  渡089089-
福  井089089-
八  尾089089-
大分県央089089-
上 五 島089089-
合  計332,894,031  283,982,709 -14.7%

posted by johokotu at 22:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆その他の話題 | 更新情報をチェックする

能登_異例 2か月先迄臨時

■能登空港(のと里山空港) 異例 早くも二か月先の三月下旬まで定期便欠航・臨時便特定便運航継続決定

ANAは7日、東京国際(羽田)-能登(のと里山)線について、定期便の欠航を3月28日まで延長すると発表しました。週3日運航している臨時便も3月28日まで延長します。

7日にANAが発表したのは、令和6年能登半島地震の影響による定期便の欠航と臨時便の設定。
定期便(1日2往復)の欠航、週3往復の臨時便運航とも、2月29日までの予定を3月28日までに延長するとしています。

地震災害に伴う定期便の欠航や臨時便の設定は、空港自体の復旧状況や周辺の高速交通機関の再開状況などに応じてきめ細かく対応するため、長くてもせいぜい1か月先くらいまでが普通です。早くも、2か月先まで予定を確定させてことは、かなり異例です。
また、復興需要もあり、旅客機が飛ばせるようになれば、それなりの便数を維持するのが普通ですが、2か月先まで週3往復だけという特定曜日のみの運航が継続することになりました。

少便数が2か月先まで決定したことは、移動する人が少ないことや、周囲の復旧状況が遅々として進んでいないことを意味しています。
極限られた地域のみの地震災害で、早くも既に世の関心は移っていますが、その実態はかなり過酷であることを示しているかのようです。

石川県では未だに能登方面への不要不急の移動は控えるよう要請中。ANAも羽田-能登線で能登復旧支援割を設定してはいるものの「現地受入状況を鑑み、レジャー目的での本運賃利用はお控えください。」と告知しているほど。1か月経ってもまだまだ復旧段階で、復興のフェーズに達していない厳しい状態が続いています。

令和6年能登半島地震に伴う運休および臨時便の設定について(2月7日更新)(ANA公式サイト)
https://www.ana.co.jp/ja/jp/special-notice/000873.html?p1=top&p2=ja&p3=global
posted by johokotu at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 能登空港(のと里山空港) | 更新情報をチェックする