■熊本空港(阿蘇くまもと空港) アクセス鉄道路線の環境影響評価方法書を縦覧開始
熊本県は13日、(仮称)都市高速鉄道阿蘇くまもと空港アクセス鉄道整備事業にかかる環境影響評価方法書の縦覧を開始しました。
縦覧が開始されたのは、(仮称)都市高速鉄道阿蘇くまもと空港アクセス鉄道整備事業にかかる環境影響評価方法書。肥後大津駅から熊本空港(阿蘇くまもと空港)を結ぶ新規鉄道路線を整備する事業の環境影響評価です。
環境影響を受ける範囲であると認められる地域の範囲は菊池郡大津町、菊池郡菊陽町、阿蘇郡西原村、上益城郡益城町の4町村。13日から9月12日まで、熊本県庁や大津町役場をはじめとする5か所で縦覧しているほか、熊本県公式サイトでも縦覧を開始しています。説明会は20日〜23日に地元町村で開催済みで、9月26日午後5時15分を期限に意見書の提出を受け付けています。
今回の事業は、肥後大津駅〜熊本空港間約6.8キロに鉄道路線を整備するもの。同区間は直線距離では5キロほどですが、熊本市内方面とは全く逆方向の東側に大きく膨らむルートで想定されています。
施設は、地上式(嵩上式(高架橋)、地表式、掘割式) と地下式(トンネル) で構成され、駅は両端の肥後大津駅と(仮称)阿蘇くまもと空港駅のみ。単線で途中信号所(行き違い施設/そこは離合施設と書いてほしかった、、、)を設けるとしています。
これまでの検討で、計画区間は約8分かかる見込みが示されています。
大津方面と結ぶことが目的の第一であれば良かったのですが、目的の中では、「熊本駅や阿蘇地域と、阿蘇くまもと空港が鉄道で結ばれる」ことを最前面に押し出しました。特に熊本駅方面は重視されているようで、「これまでの阿蘇くまもと空港へのアクセスは、一般道を走行する空港リムジンバスや、自家用車等が中心だったが、空港アクセス鉄道が整備され、熊本駅から阿蘇くまもと空港までの所要時間が約 60 分から約 40 分に短縮されることで、阿蘇くまもと空港が九州を支えるセントラル空港としての役割を担い、九州全域に向けた新たな観光ルートが形成されることが期待される。 」と続けて言及しています。
あくまでも熊本駅とのアクセス向上がメインで、熊本市中心部へのアクセス向上のためとは一言も触れられていないことに注意が必要です。(熊本市中心部の通町筋から阿蘇くまもと空港までの所要時間は「現在:乗換無しの約44分」から「鉄道整備後:乗換ありの約50分程度」に増長する見込み。)
目的の書き方からすると、熊本市内や阿蘇地域もリムジンバスの全廃などによる交通量減少に伴う渋滞減少や排ガス減少が期待されるところですが、熊本市や阿蘇市は環境影響評価の対象にはなりませんでした。(熊本市中心部に行くバスは残存させて熊本市内側は道路環境は今と変わらないということを暗にほのめかしているのでしょうか?)
今事業では、昨年12月に配慮書が公表されており、今回の環境影響評価調査方法書は、それに続く環境影響評価手続きとなります。
■(仮称)都市高速鉄道阿蘇くまもと空港アクセス鉄道整備事業にかかる環境影響評価方法書の縦覧及び説明会の開催について(熊本県公式サイト)
https://www.hiroden-ms.co.jp/news/#news-261