2025年01月11日

●各空港のアクセス実力比較2

【成人休み特別企画】 今回計画されている熊本空港アクセス鉄道を整備してもアクセス実力は他空港以下?各空港のアクセス実力を比較してみた(その2)

昨日のコラムの続きです。)
成人休み特別企画〜
昨年8月と9月に、コラムとして、熊本空港のアクセスが不便な件について二回取り上げました。
【盆休み特別企画】 熊本空港はアクセスが不便なの?(2024年8月14日配信)
【秋休み特別企画】 今回計画されている熊本空港アクセス鉄道では目的満たせず意味なしか?(2024年9月20日配信)

コラム第三弾の今回は、熊本空港アクセス鉄道整備の続きを取り上げています。



コラム第三弾もまたまた熊本空港アクセス鉄道!またまた長いです、、、。
超絶文章長いですので、成人のお休みを使ってゆっくりお読みください〜〜



熊本はアクセス鉄道整備後も変化なし!!!

前段が長くなりましたが、前日のコラムで書いた内容を踏まえつつ、各空港のアクセス利便性の実力を見ていきます。

まずは、今回熊本空港アクセス鉄道が整備される熊本を詳しく見てみます

探っていく上で、まず、どこの空港も、基準となる「都市の中心部」をどこにするかが結構難しいです。
イメージとしては、都道府県庁か市役所(行政機関集積地)、商業集積地(百貨店立地等)、ビジネス中心地、金融中心地(銀行等の立地)、ホテル集中地、交通ターミナルなどが候補でしょうか。

多くの都市が、その都市の中心地を出すのが結構難しいのですが、実は熊本だけは、この「都市の中心部」の選出はとても簡単です。
熊本は、県庁は水前寺地区ですが、市役所、商業集積地、ビジネス中心地、金融中心地、ホテル集中地がいずれも通町筋〜辛島町周辺だからです。そして、交通ターミナルと呼べるのは、熊本駅と桜町バスターミナル、熊本インターチェンジでしょうか。
この中で選ぶのなら、県庁や熊本駅よりは、市役所、商業集積地、ビジネス中心地、金融中心地、ホテル集中地、桜町バスターミナルと、複数の中心が集中している、通町筋駅〜辛島町駅間のいずれかが最適そうに感じます。

観光案内などでは通町筋電停(通町筋駅)越しの熊本城がよく出てきますので、今回は、市役所からも近い通町筋電停を基準にしてみます。(市役所の目の前に熊本市役所前電停がありますが、市役所出入口〜通町筋電停間と、熊本駅出入口〜空港行きバス乗り場間は、いずれも200メートル弱の距離で変わらないので、通町筋電停も市役所前の電停みたいなものです。)

熊本は超一極集中型なので、この設定はとても簡単でした。福岡空港へのアクセスが便利すぎると嘆いていた熊本市長のお膝元、熊本市役所辺りは、まさに中心部中の中心なんです。

空港〜通町筋駅間は、
・直線距離=15キロ
・所要時間
 現在の空港〜肥後大津駅間︰空港ライナー(バス)7キロ15分
 将来の空港〜肥後大津駅間︰空港アクセス鉄道 7キロ10分
 肥後大津駅〜新水前寺駅間︰鉄道 17キロ25分
 新水前寺駅〜通町筋駅間︰バスor路面電車 2キロ10分
 空港〜通町筋駅間︰リムジンバス 17キロ44分

以上のような状況ですから、結果、熊本は以下のようになりました。

・現在[熊本]通町筋駅 15キロ44分(走行17キロ=バス)
 ※特快なら39分なので、最速という原則に照らし合わせれば39分ですが、特快は分析を行った頃は運行していなかったので、44分にしておきます。
・現在[熊本]通町筋駅 15キロ50分(走行26キロ=空港ライナー経由)
・将来[熊本]通町筋駅 15キロ45分(走行26キロ=熊本空港アクセス鉄道利用)

以上です。

なんだこれ、、、、、、、、、、、、、、、、、、。

計算間違ってないよね、、、、、、、、、、、、、。

熊本県はこんなものの整備に国が補助金出せって叫んでるんですか?
熊本空港アクセス鉄道って整備しても何も改善してないじゃん。むしろ所要時間は増え、しかも乗り換えが必要になりますね。笑笑
他空港と比較するまでもなく、今回のアクセス鉄道の無意味さが分かります。
確かにこれを30キロ移動として計算したなら、リムジンバス20km/時に対して、アクセス鉄道35km/時になるので、まだ妥当な数字に見えます。このため、改善した〜って勘違いしたまま喜ぶ人多そうですけど、、、。

鉄道線路を伝うルートで計算して「30キロ60分かかるところ、鉄道を整備して30キロ40分に短縮します。40分で30キロを走破するなんてすげーだろ。」じゃないです。
距離だけ正確に見たら、「15キロしかないのに60分もかかるところ、アクセス鉄道を整備して15キロ40分に短縮します。あれま、新線整備しても全然早くないわ!」です。
そして、時間もよく見てみたら、「15キロしかないのに44分もかかるところ、アクセス鉄道を整備して15キロ45分に短縮します。あれま、新線整備しても全然早くないわ!」です。

15キロしか無いのに、今はバスで44分もかかる(実際通るルートの距離は17キロ)。
だから新規鉄道を整備して15キロ20分程度にする(実際に通るルートの距離は17キロ程度?)。
それが真の空港アクセス鉄道による改善ですが、熊本はそうはできないようですね。





羽田も成田も数値が全然違う

こんな感じで、その空港の立地に対するアクセスの本当の不便さが見えてきます。

その他の空港もひとつ一つ見ていきましょう。
まずは、国際空港から。

■東京国際(羽田)
前述した通り、示されているグラフでは、
 14キロ14分→品川駅(鉄道 京急線経由エアポート快特利用)
と推定できます。

東京の中心地って、商業なら銀座辺り、金融なら日本橋辺り、ビジネスは新橋でしょうか?官庁街は霞が関ですが、都庁は新宿辺り(最寄駅は都庁前駅)ですね。そして、中心ターミナルって言ったら東京駅になりますかね?バスタ新宿を挙げる人もいそうですし、東北や北関東の人は上野駅って言う人も多そうですよね。色々考えられます。

東京都庁とするのがスマートだとは思うのですが、地方から見れば、東京駅が分かりやすいでしょうから、今回は東京駅にしてみます。
東京に行くときは、私は羽田からディズニーリゾートにしか行かないよ!という方もご勘弁ください。(千葉だし)
空港〜東京駅間の直線距離は15キロほどです。

アクセス方法は(1)モノレール浜松町乗り換え鉄道、か、(2)バスでしょうか。
(1)の場合は、羽田空港第1ターミナル駅〜浜松町駅間が空港快速で16分、浜松町駅〜東京駅間が快速で4分=合計20分です。
(2)の場合は、リムジンバスが40分です。
所要時間は(1)の方が短いので(1)を採用。示されているグラフと比べると、距離はほぼ同じで、少し所要時間が増えますね。

[羽田]東京駅 15キロ20分

このような感じで、出ている数字を一つひとつ見ていきます。



■成田国際(成田)
前述した通り、示されているグラフでは、
 61キロ36分→日暮里駅(鉄道 スカイアクセス線スカイライナー利用)
と推定できます。
しかし、流石に日暮里は東京を代表する主要ターミナルではないですね。それであれば、京成線は乗降者数が少ないですが、東北からの玄関口でもある上野駅(京成上野駅)の方がまだ適切と言えます。

成田は千葉県なので、この場合の中心地は千葉市内と思いますが、そこはグッと我慢して、東京の玄関口と捉えます。その場合、羽田と異なる場所にするのは不適切なので、東京駅にしときますね(新宿より近いですし)。
東京駅から成田国際空港までは直線距離56キロです。

代表的な行き方は(1)スカイアクセス線経由日暮里乗り換え山手線、(2)成田エクスプレス、(3)バスの3種類くらいでしょうか。
(1)空港〜日暮里間36分、日暮里〜東京間が12分=48分(乗り換え時間含まず)
(2)53分
(3)62分
です。所要時間は(1)が一番短いので、それを採用します。
結果、示されているグラフと比べると、距離は少し短縮ですが、所要時間は大幅増加ですね。
今回は乗り換え時間は含めていないので、スカイライナー経由が一番早いですが、乗り換え時間を考慮すると成田エクスプレスの方が早いかもしれないです。そんな感じで、乗り換え時間って結構重要な要素ですが、今回は無視します。

[成田]東京駅 56キロ48分



■大阪国際(伊丹)
示されているグラフでは、12〜13キロ程度で26分位です。
不思議なのは鉄道となっていること。大阪国際(伊丹)には、鉄道の乗り入れはなく、比較はバスかモノレールのはずなのですが、、、。
鉄道アクセスなのだとすると、
・阪急梅田駅→13.3キロ16分(モノレール+鉄道 大阪モノレール大阪国際空港駅〜蛍池駅間1.4キロ3分、阪急蛍池駅〜大阪梅田駅間が11.9キロ急行13分)
が合致しそうです。しかし、これは、距離的には合っていそうですが、時間が明らかに違います。乗り継ぎ時間を10分加えていますかね?
この空港だけは何を採用しているのか、全く分かりませんでした。

大阪の中心部はどこにすべきか結構難しいです。
駅で言えば、梅田駅/大阪駅と難波駅が候補でしょうか。
ビジネス街は梅田で、商業は難波〜心斎橋(道頓堀もこの辺り)なイメージですが、梅田は百貨店なども集中しています。古くからの街は本町辺りでしょうか。大阪市役所は淀屋橋、大阪府庁は天満橋辺りですね。東海道五十七次の終点である京橋や高麗橋なども候補では?
なかなか難しいですね。

伊丹空港だけでなく、このあと関西国際空港も出てくるので、どこか1か所に統一したいところです。
非常に難しいのですが、今回は映像などでよく出てくる道頓堀にしてみましょう。最寄りの難波基準とします。
伊丹空港〜難波間は15キロです。
アクセス方法は、(1)モノレール蛍池乗り換え鉄道梅田乗り換え地下鉄、(2)バスがあります。(1)は前述の通り空港〜梅田間16分+梅田〜難波間9分=25分、(2)は25分ですから、どちらでもといった感じです。

示されているグラフと比べると、距離は若干短縮で、所要時間はほぼ同じですね。

[伊丹]なんば駅 15キロ25分



■関西国際(関空)
示されているグラフでは、42キロ程度で34分位です。
・南海なんば駅→42.8キロ35分(南海ラピートα利用)
・天王寺駅→46.0キロ34分(JR特急利用)
です。南海のラピートα利用で南海なんば駅ですかね。

これが分析された時期は、日中のラピートαは消滅し、40分程かかるラピートβばかりの運行でした。このため、この所要時間で南海なんば駅に到達するのはほとんど不可能でしたが、最速で比較するので、この数値を採用しているようです。

伊丹同様に難波を基準とします。空港からの直線距離は35キロです。
難波まではバスも運行されています。しかし、所要時間は50分なので、ラピートαを採用です。

[関空]なんば駅 35キロ35分



■中部国際(セントレア)
示されているグラフでは、44キロ程度で28分位です。
・名鉄名古屋駅→39キロ28分(鉄道 ミュースカイ利用)
です。距離が異なりますが、時間は合致していますので、ここが採用されていそうです。

名古屋は三大都市圏の中心地ですから、広範囲に都市が拡がっています。中心部を選ぶのが難しいですが、栄〜久屋大通辺りが第一候補でしょう。県庁や市役所はもう少し北側に位置しています。
栄までは名古屋駅から2キロ強離れていますので、今回は栄を基準にします。

空港〜栄間は36キロ。
アクセスは(1)直通バスか(2)鉄道の二択。(1)バスは55分、(2)鉄道は空港〜名古屋間28分+地下鉄5分=33分です。
示されているグラフと比べると、距離は大幅短縮で、所要時間はやや増加ですね。

[中部国際]名古屋栄 36キロ33分



■名古屋(県営名古屋/名古屋小牧)
グラフには記載がないのですが、熊本からは名古屋飛行場にも直行便が飛んでいますので、名古屋のアクセスも確認しておきます。
中部国際同様に栄までです。空港〜栄間は9.4キロ。
アクセスは最寄駅まででも20分以上かかる中、直通バスだと25分と素早く着けます。

[名古屋]名古屋栄 9キロ25分



続いて九州各県を見ていきます。

■大分(SPACEPORT OITA)
示されているグラフでは、40キロ45分ですね。
該当するものを探しましたが、
・大分駅前→ノンストップが63キロ58分、各停が49キロ67分
・別府駅前→38キロ53分
・亀川駅前→32キロ37分
・由布院駅前→58キロ55分
・宇佐駅前→43キロ59分
・杵築駅前→20キロ41分
で、なぜか該当するものがないです。(いずれもバス)

バスと書かれているので違うとは思いつつ、まさかと思って、旧ホーバーの距離で大分駅前まで測ってみましたが、27+3.7キロ=約31キロなので違いますね。時間的には、ホーバー28分+バス15分で近かったのですが。

Googleマップだと別府駅が自家用車で38キロ44分と出てきます。それが一番近い気がします。まさか、これを採用してませんよね、、、。Googleマップの車の所要時間って全体的に短めのこと多いですよ、、、。
ただ、いずれも決め手に欠け、謎です。

仮に別府駅だとして、なぜ大分市内の拠点でないのかが謎です。これ、熊本で言ったら、第二都市なら八代まで、手前の都市なら菊陽(三里木)までの距離時間で計ってるのと同じってことでしょ?

少なくとも、比較対象が大分駅でないことは明らかです。それだったら、熊本も新水前寺駅での比較で良くないですか?

商業中心部はセントポルタやトキハがある(バス停だと中央通り)付近、行政中心部は大分県庁周辺、ビジネス中心地はその周辺といったところでしょうか。
いずれも大分駅から南側に一体的に拡がっていて、離れた県庁でも700メートルほどしかありませんから、比較対象は大分駅前でも良いですかね。
大分駅前は空港まで直線距離29キロです。

大分駅前までは、(1)バス、(2)杵築駅経由の鉄道があるでしょうか。
(1)バスは前述の通り最速58分、(2)杵築駅経由の鉄道は空港〜杵築間バス41分+特急25分=66分です。

示されているグラフと比べると、距離は大幅減少ですが、所要時間は大幅増加ですね。
ちなみに、大分はホーバークラフトを整備予定です。空港〜西大分港間が30分、そこから大分駅前まで10分程度の合計40分程度に短縮されます。(自宅から西大分港までと大分駅までの所要時間は大して変わらん、という人はとても多そうですけど、比較のときはなぜか大分駅始点とすること多いんですよね、、、。なんでなんでしょう。西大分港始点なら30分ですよ、、、。)

[大分]大分駅 29キロ58分



■福岡
示されているグラフでは、3、4キロで5分となっています。
地下鉄利用ですので、明らかに、
・博多駅→3.3キロ5分
ですね。

議論の余地無しと思うでしょうが、博多駅は福岡市の中心地とは少し違う印象です。
商業の中心は中洲でしょうし、天神には百貨店も集まっています。博多駅よりは、市役所もある天神の方が中心地という感じがします。そこで、福岡は天神を基準にします。

空港から天神までは直線距離で4.5キロ。地下鉄の所要時間は10分です。
示されているグラフと比べると、距離、所要時間とも増加です。

[福岡]天神駅 5キロ10分



■北九州
示されているグラフでは、23キロ33分ほどです。
・小倉駅→25キロ33分(バス ノンストップ利用)
を採用しているのでしょう。

この空港で異論を挟むとしたら、そもそも中心地は小倉じゃなくて福岡市じゃない?ということがありそうでしょうか。成田国際が千葉駅ではなくて日暮里駅を採用なのなら、博多駅基準でもおかしくはないです。
ただ、流石にそれでは北九州の玄関空港という感じではなくなってしまいます。また、古くからの玄関口という考えで行けば、門司とか、その対岸の下関が適切ですが、それも北九州空港と北九州市の関係では不利に働きますので、今回は小倉市街で考えます。
小倉の都市圏は意外と広いですが、中心市街地は小倉駅南側に集中して拡がっています。旦過市場まででも1キロ無いので、小倉駅で問題ない気がします。
空港〜小倉駅間の直線距離は15キロです。アクセスは(1)リムジンバスか(2)路線バス朽網駅経由鉄道があります。
(1)33分
(2)空港〜朽網間17分+朽網〜小倉間19分=36分
ということで(1)採用ですね。

ちなみに、小倉駅からは、小倉〜博多間新幹線15分+博多〜福岡空港間地下鉄5分=20分で福岡空港にたどり着けます。(このくらいの短時間だと乗換時間もけっこう重要な要素に見えてきますね)
天神駅基準の場合は、小倉駅までバス33分+小倉〜博多間新幹線15分+博多〜天神間地下鉄5分=53分です。

[北九州]小倉駅 15キロ33分
[北九州]天神駅 65キロ53分




■佐賀
示されているグラフでは、14キロで35分位です。
 14キロ35分→佐賀駅(バス)
で完全合致しています。

佐賀市は、「駅前の業務地区とメインストリートである中央大通りが含まれる」として佐賀駅〜佐賀県庁間のエリアを中心市街地と定義しています。かつ、佐賀駅バスセンターを交通結節点としています。
佐賀駅から佐賀県庁までは1.6キロ。空港から見ると佐賀駅が最も遠いですが、バスセンターが交通結節点と宣言されていますし、今回は佐賀駅を採用します。空港から佐賀駅までは直線距離で12キロです。
アクセス交通はバス一択で、所要時間は変わりません。

[佐賀]佐賀駅 12キロ35分



■長崎
示されているグラフでは、39キロで44分位です。
・長崎駅→39キロ43分(高速道路・出島道路経由のバス)
なので、これですね。

長崎は中心地としてどこを基準とすべきか少し難しいです。
県庁は長崎駅前、市役所は魚の町、中心繁華街は坂本龍馬も遊んだ思案橋〜浜町辺りですかね。観光客は長崎新地中華街や大浦天主堂などに集まります(爆心地はどちらかと言うと郊外)。長崎駅からは、市役所が1キロ、思案橋が1.5キロ離れています。また、離島船舶が発着する長崎港は長崎駅に近く、捨てがたいです。
悩ましいところですが、県庁も海港も近いので、ここは長崎駅にしておきます。
長崎空港からの直線距離は19キロです。
アクセスは(1)バスまたは(2)新大村駅からの新幹線利用(3)船〜時津乗り換えバス利用が考えられます。
(1)前述の通り43分
(2)空港〜新大村駅間バス13分+新大村駅〜長崎駅間新幹線16分
(3)船空港〜時津25分+バス30分
最も早いのは(2)新幹線利用で29分ですね。運行便数が少ないので、現実的に動く人が多いルートは(1)かもしれませんが、最速で選ぶと(2)となります。
グラフ作成時には(2)はありませんでしたので、(1)採用だったものと考えられます。

[長崎]長崎駅 19キロ29分



■宮崎(宮崎ブーゲンビリア)
示されているグラフでは、6キロ程で11分程度に見えます。
これは
 6キロ11分→宮崎駅(鉄道 普通)
ですね。

宮崎の中心部は、繁華街ならニシタチ、百貨店も橘通三丁目辺りにあります。宮崎駅からは1キロほど離れています。ギリギリ許容範囲かもしれませんが、ここは敢えて橘通三丁目で比較してみましょうか。宮崎空港からの直線距離は5キロです。
アクセス方法は(1)鉄道で宮崎駅+バス、か、(2)直通バスでしょうか。
(1)鉄道11分+バス6分
(2)20分
ですから、鉄道利用の方がわずかに早いですね。

示されているグラフと比べると、距離は若干短縮ですが、所要時間は増加ですね。

[宮崎]橘通三丁目 5キロ17分



■鹿児島(鹿児島国際)
示されているグラフでは、40キロで40分。
南国交通の公式サイトで記載があり、
・鹿児島中央駅→39.7キロ38分〜41分(バス)
なので、鹿児島中央駅で比較しているようです。

鹿児島の中心部は、繁華街なら天文館でしょう。鹿児島市も中心市街地は天文館が中心としています。
港の位置から考えると、天文館あたりから鹿児島駅の間位が中心部でしょうか。市役所もこの辺りの立地です。県庁は鴨池空港跡地にありますが、こちらは再開発地区で、天文館あたりに比べれば、中心部とは言えなさそうです。
天文館は、鹿児島中央駅からは1.5キロ離れていて、全く別な印象ですので、今回は天文館通電停(天文館駅)を基準にします。鹿児島空港からの直線距離は28キロです。
アクセス方法はバス一択。現在は、新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響で路線短縮になっており直通出来ませんが、南国交通の公式サイトで天文館まで50〜55分という記述があるので、その最速時間をそのまま採用します。

示されているグラフと比べると、距離は大幅短縮で、所要時間は増加ですね。

[鹿児島]天文館通駅 28キロ50分



■那覇
示されているグラフでは、モノレールで6〜7キロ12分ほどです。
・旭橋駅→5.3キロ11分
・県庁前駅→5.9キロ13分
・美栄橋駅→6.6キロ14分
・牧志駅→7.6キロ16分
該当がないですね。距離だと美栄橋か牧志ですが、時間だと旭橋か県庁前です。
単純に考えると県庁前かと思ったのですが、良く分かりません。そもそも沖縄には主要ターミナル駅はないですし。強いて挙げれば、那覇バスターミナルがターミナル施設ですが、それは旭橋駅が最寄り。でも、距離は5キロほどです。

ということで、那覇の中心部をどこにするかは、結構難しいですね。
離島船舶の拠点は泊ふ頭。街中にはありますが、中心部とは少し離れている印象です。
商業の中心は国際通りです。この場合、旭橋〜牧志間のいずれかと言った感じです。
行政機関では県庁と那覇市役所は隣接地にあります。この付近には、デパートのリウボウもありますので、駅で言ったら県庁前駅がやはり中心部でしょうか。バス停だと、国際通り上に県庁北口バス停がありますので、今回基準は県庁北口バス停としてみます。

那覇空港〜県庁北口バス停間は直線距離で3.0キロです。なんと、福岡空港〜天神駅間より近いですね。
アクセスは(1)バスと(2)モノレール県庁前駅+徒歩があります。県庁北口は県庁前駅の駅前広場的な距離感の位置ですから、今回は同一とみなします。
(1)12分
(2)空港〜県庁前間13分
なんだ、駅基準に有利になるように色々考えた割にバスの方が早かったですね。

[那覇]県庁北口バス停 3キロ12分



続いて九州以外の所を見ていきます。

■新千歳
示されているグラフでは、48キロ程度で38分位です。
・札幌駅(エアポート快速利用)→46.6キロ37分
で間違いないでしょう。
札幌の中心部は、まずは大通公園が浮かぶでしょうか。ここは札幌駅から1キロほどです。繁華街のすすきのは、もう少し札幌駅から離れた方向です。
札幌駅南側一帯が中心街といった感じで迷うところですが、すすきのは札幌駅から見て大通公園を挟んだ反対側ですから、今回は札幌駅とすすきのの間ということで、大通公園(駅でいうと大通駅)を基準にします。
空港〜大通公園間は40キロあります。
アクセスは、(1)鉄道か(2)バスの二択。
(1)鉄道は札幌まで快速37分+地下鉄1分、(2)バスは71分です。

[新千歳]大通公園 40キロ38分



■仙台
示されているグラフでは、18キロ17分位です。
 17.5キロ17分→仙台駅(快速利用)
です。

仙台の中心部は、歓楽街は国分町辺りで、仙台駅からは1キロほどです。仙台市役所はその北側、宮城県庁はその東側。仙台駅西側に拡がっています。
駅で言うなら、あおば通駅や勾当台公園駅の方が中心部といった印象ですが、仙台駅からも1キロほどですから、仙台駅基準でも問題はなさそうです。

空港〜仙台駅間は直線距離で14キロです。
仙台駅までは(1)鉄道か(2)バスがあります。
(1)は快速が確かに17分ですが、実は快速は今1日1往復しかありません。実態は各駅停車の24分(空港公式サイトでは25分記載)利用がほとんどです。こういうところは少し考慮したいですが、最速列車を採用して比較しているので、17分となります。
(2)は35分ですが、運休しています。

[仙台]仙台駅 14キロ17分



■神戸
示されているグラフでは、8キロ18分といったところです。
 8.2キロ18分→三ノ宮駅(ポートライナー)
でしょう。

神戸の中心部は、駅で言うと、三宮〜元町〜神戸にかけてで、特に三宮〜元町間のイメージでしょうか。
百貨店は、阪急や丸井は三宮、大丸は元町。兵庫県庁は元町で、神戸市役所は三宮。中華街の南京町や港は元町の方が近いですね。
悩ましいところではありますが、阪急・阪神が拠点駅を神戸三宮としていますし、バスターミナル機能もありますので、今回は三ノ宮駅を基準とします。

空港〜三ノ宮駅間は直線距離で7キロと、示されているグラフより少し短いです。
アクセスは(1)ポートライナーが18分です。ただ、同路線の混雑を考慮して、神戸市などは(2)バス利用=20分をPRしています。今回は早い方を選択しているので(1)ですね。

[神戸]三ノ宮駅 7キロ18分



■広島
示されているグラフでは、48キロ程度で50分です。
 48キロ50分→広島駅新幹線口(バス利用)
で完全合致しています。

広島の中心部は、紙屋町〜銀山町あたりで、その中心にある八丁堀周辺は百貨店も集積しています。県庁はこの地区の西側です。広島バスセンターもこのエリアの西端にあります。
広島駅からは、八丁堀が1キロ強、県庁や広島バスセンターが1.5キロほど離れていて、完全にエリアが異なりますので、今回は八丁堀交差点(駅でいうと八丁堀電停(八丁堀駅))を基準にします。

空港〜八丁堀間は42キロです。
アクセスは(1)空港〜広島バスセンター間バス55分+路面電車4分か、(2)空港〜広島駅間バス50分+路面電車11分、(3)白市ルート空港〜白市駅バス13分+白市駅〜広島駅間鉄道46分+路面電車11分があるでしょうか。
(1)59分が最も短いです。

示されているグラフと比べると、距離はやや減少で、所要時間は増加ですね。

[広島]八丁堀 42キロ59分



■松山
示されているグラフでは、6キロ15分ほどです。
距離は伊予鉄道のサイトに記載があり、
・JR松山駅→5.8km15分
・松山市駅→7.6km空港発24分空港行17分
です。明らかにJR松山駅が採用されていますね。

松山の中心部は、大街道の印象です。県庁はそのすぐ西側。観光客は道後温泉が多いでしょうが、街の外れですね。
大街道は松山駅からは1.8キロ離れており、一帯とみなすにはちと離れ過ぎですので、基準は大街道電停(大街道駅)にします。
空港からの直線距離は6.2キロです。
空港に鉄道は乗り入れておらず、アクセスはバス一択でしょう。所要時間は29分です。

示されているグラフと比べると、距離はほぼ同じで、所要時間は大幅増加ですね。

[松山]大街道駅 6キロ29分



さて、おそらく熊本同等の利用者数がある空港をメインで比較しているのか、以上の空港が比較対象として取り上げられていました。
熊本と似たような立地だと、新潟、小松なども参考になりそうですけど、グラフにないので、今回は比較しません。

まとめると以下のようになりました。

現在[熊 本]20km/時 15キロ44分︰通町筋駅 バス(一般)
現在[熊 本]18km/時 15キロ50分︰通町筋駅 バス(一般)+鉄道+路面電車
将来[熊 本]20km/時 15キロ45分︰通町筋駅 鉄道+路面電車

※[福 岡]97km/時 92キロ56分︰通町筋駅  鉄道(地下鉄)+新幹線+路面電車

[羽 田]45km/時 15キロ20分︰東京駅  モノレール+鉄道
[成 田]70km/時 56キロ48分︰東京駅  鉄道+鉄道
[中 部]65km/時 36キロ33分︰名古屋栄 鉄道+鉄道(地下鉄)
[名古屋]22km/時 09キロ25分︰名古屋栄 バス(高速)
[伊 丹]36km/時 15キロ25分︰なんば駅 バス(高速)
[関 空]60km/時 35キロ35分︰なんば駅 鉄道

[大 分]30km/時 29キロ58分︰大分駅  バス(高速)
[福 岡]30km/時 05キロ10分︰天神駅  鉄道(地下鉄)

※[福 岡]153km/時 51キロ20分︰小倉駅  鉄道(地下鉄)+新幹線
[北九州]27km/時 15キロ33分︰小倉駅  バス(高速)
※[北九州]74km/時 65キロ53分︰天神駅  バス(高速)+新幹線+鉄道(地下鉄)
[佐 賀]21km/時 12キロ35分︰佐賀駅  バス(一般)
[長 崎]39km/時 19キロ29分︰長崎駅  バス(一般)+新幹線
[宮 崎]18km/時 05キロ17分︰橘通三丁目 鉄道+バス(一般)
[鹿児島]34km/時 28キロ50分︰天文館通駅 バス(高速)
[那 覇]15km/時 03キロ12分︰県庁北口 バス(一般)

[新千歳]63km/時 40キロ38分︰大通駅  鉄道+鉄道(地下鉄)
[仙 台]49km/時 14キロ17分︰仙台駅  鉄道
[神 戸]23km/時 07キロ18分︰三ノ宮駅 新交通
[広 島]42km/時 42キロ59分︰八丁堀駅 バス(高速)+路面電車
[松 山]12km/時 06キロ29分︰大街道駅 バス(一般)




(1)[距離] 実は福岡より那覇 熊本は遠くない

空港への近さの比較です。直線距離で比較しましたので、潜在的な近さ比較になります。潜在的に近いほど、本当は行きやすい、便利なはずですので、この数値は空港アクセスを考えるうえで、本当は最も重要な数値です。

[那 覇]3キロ
[福 岡]5キロ
[宮 崎]5キロ
[松 山]6キロ
[神 戸]7キロ
[名古屋]9キロ
[佐 賀]12キロ
[仙 台]14キロ
[熊 本]15キロ
[羽 田]15キロ
[伊 丹]15キロ
[北九州]15キロ
[長 崎]19キロ
[鹿児島]28キロ
[大 分]29キロ
[関 空]35キロ
[中 部]36キロ
[新千歳]40キロ
[広 島]42キロ
[成 田]56キロ


97空港比較したわけではありませんが、20空港の中では、最も近いのは「那覇」でした。
最下位はダントツで「成田国際」。「広島」も遠い遠いと言われますが、まさにそのとおりです。
「新千歳」も遠いですが、広島ほどの遠さを感じている人は少ないのではないでしょうか。このあたりは後述する所要時間が関係しています。

「熊本」は真ん中位。羽田や伊丹と同等です。
熊本は、広島や大分等とともに「遠い」と言われますが、全然遠くないですね。熊本のイメージの悪さが際立ちます。




(2)[時間] 鉄道があると早い 熊本は時間かかり過ぎ

空港への所要時間(最速列車利用時、乗換時間無視、待ち時間無視)の比較です。
これが短ければ短いほど、アクセスに時間がかからない便利な空港です。
空港を利用するとき、距離を見る人はあまりおらず、結局は所要時間で見る人ばかりでしょうから、利便性や印象はこの数値が最も重要です。

[福 岡]10分
[那 覇]12分
[仙 台]17分
[宮 崎]17分
[神 戸]18分
[羽 田]20分
[名古屋]25分
[伊 丹]25分
[松 山]29分
[長 崎]29分
[中 部]33分
[北九州]33分
[関 空]35分
[佐 賀]35分
[新千歳]38分
[熊 本]44分
[成 田]48分
[鹿児島]50分
[大 分]58分
[広 島]59分

結果は予想通りというか、巷の印象通り「福岡」の圧勝でした。
一方熊本は随分遅いです。時間がかかる不便な空港という印象になるのは納得です。

順位が距離と大きく異なるのは、
 良い方に振れている→新千歳、仙台、羽田、中部、関空
 悪い方に振れている→松山、大分、佐賀、熊本
といったところ
でしょうか。
こりゃ、「熊本」は酷いですね、、、。実際の数字以上に、ダントツ最下位感があります。新千歳の方が近いと思っている人もかなり多そうですね。
そして、こうやって見ると、福岡があるのに、北部九州の各空港は自滅してますね。




(3)[速さ] 成田・中部は実は速い 松山・那覇・宮崎・福岡は実は遅い

本来は速ければ速いほど利便性が高いという評価になるべきですので、この順位の高い空港が、アクセス鉄道の実力が高いと言えます。
しかし、距離が長ければ所要時間も長くなってしまうので、アクセス利便性という点では、これだけを見てもあまり意味がありません。
理想的には、この順位でトップと同じようなアクセス交通を導入すれば、空港アクセスの利便性は上がるということになります。

[成 田]70km/時︰鉄道+鉄道
[中 部]65km/時︰鉄道+鉄道(地下鉄)
[新千歳]63km/時︰鉄道+鉄道(地下鉄)
[関 空]60km/時︰鉄道
[仙 台]49km/時︰鉄道
[羽 田]45km/時︰モノレール+鉄道
[広 島]42km/時︰バス(高速)+路面電車
[長 崎]39km/時︰バス(一般)+新幹線
[伊 丹]36km/時︰バス(高速)
[鹿児島]34km/時︰バス(高速)
[大 分]30km/時︰バス(高速)
[福 岡]30km/時︰鉄道(地下鉄)
[北九州]27km/時︰バス(高速)
[神 戸]23km/時︰新交通
[名古屋]22km/時︰バス(高速)
[佐 賀]21km/時︰バス(一般)
[熊 本]20km/時︰バス(一般)
[宮 崎]18km/時︰鉄道+バス(一般)
[那 覇]15km/時︰バス(一般)
[松 山]12km/時︰バス(一般)


高速鉄道を整備した「成田国際」がトップでした。
一方、最下位は、空港から街まで出やすいと評判の「松山」です。この結果は意外だった人も多かったのではないでしょうか。
鉄軌道が整備されている空港は総じて良く、最低でも30km/時程度は確保されています。新千歳、成田、中部、関空は60km/時超えです。
目を引くのは「福岡」。実は全然速くありません。熊本市長も博多駅から空港まで約5分とその速さ(正確には時間の短さ)に驚いていますが、速さという点で見ると、実は鉄道の中ではかなり遅いです。それだけ空港が街の中にあるということです。
逆に、成田国際とか広島などは速すぎるぐらい。でも、誰一人として「中心部まで早い(近い)」と言わないのだから、不思議なものです。これがイメージの怖さでしょうか。


熊本は「一般道路を走るバスでトロい」と言われています。現状は20km/時位です。一般道路は30km/時が標準ですから、かなり遅いですね。
しかし、熊本同様に中心部まで一般道路しかない所だと、佐賀(21km/時)、那覇(15km/時)、松山(12km/時)などの例もあり、実はそこまで悪くはないといった印象です。名古屋は都市高速道路を使うのに22km/時、鉄道と組み合わせても宮崎は18km/時といった所もあります。
ただ、これらは佐賀を除くと、移動距離が10キロ未満の所ばかりです。
「熊本」のように、距離が短すぎるわけでもないのに、速度が遅いというのは、かなり珍しい存在です。

前述の福岡や松山とかであまり不満が出ないのは、近いせいで所要時間が短いからなんでしょうね。
結局、距離がどうであれ、速度がどうであれ、いかに短い時間でアクセスできるかが最も重要になることが分かります。




仙台と比較して分かる熊本空港アクセス鉄道の無意味さ

各空港のアクセス実力は分かりました。
最後に、他空港の事例から熊本空港アクセス鉄道を考えます。

熊本に最も近い存在は仙台で、熊本空港アクセス鉄道を考える上で最も参考になる事例になります。
まず、空港からの距離は、熊本市中心部までは15キロ。仙台空港は仙台駅まで14キロ(歓楽街の国分町や宮城県庁までは15キロ)なので、ほぼ同じです。
続いて、バスの所要時間は、仙台空港〜仙台市中心部(仙台駅)間が35分の一方、熊本も空港〜熊本市中心部(通町筋)間の特快便が39分なので、こちらもよく似ています。
そして、空港アクセス鉄道がJR線からの分岐であることも同じ。仙台の場合、自前の整備距離は7.1キロです。熊本も現在計画されているものはJRからの分岐で7キロ程度ですから、とてもよく似ています。
仙台と熊本は、空港の置かれている状況が、多くの項目でそっくりです。

ところが、全く似ていない部分があります。それが鉄道整備後の全体距離です。仙台は18キロに対し、熊本は26キロほどになりそうなのです。
これはかなり大きな違いになります。
仙台空港鉄道(〜その直通電車)は仙台空港から仙台駅まで比較的直線的に結んでいます。ややクネクネした分で駅間距離は18キロとなっていますが、この距離なら各駅停車だと24分、快速だと17分で結べています。

熊本空港アクセス鉄道も、仙台と似たような感じで中心部から直線的なものが整備されれば、長くても20キロ程度20分程度で結ぶことは可能なはずです。
しかし、今計画されている熊本空港アクセス鉄道は、全く違います。現計画を整備すれば所要時間が40分になると自慢げにPRしていますが、時間がかかりすぎです。これは仙台をはじめ、他の空港と比較すればはっきり分かります。

今回の熊本空港アクセス鉄道に賛成の人たちは、鉄道ができれば60km/時近くになるっしょと、安易に考えている人が多いと思うのですが、実は今計画されているアクセス鉄道が整備されても、20km/時のままです。今の計画案では、整備するだけ無駄なんです。
この最大の原因は遠回り経路なこと。直線距離を縮めるのは空港を移転しない限り無理なので、熊本空港アクセス鉄道は、整備する走行距離を縮めることをしっかり考えなくてはダメです。そして、それができないならできる限り高速化(例えば新幹線並みのスピードで走る)・途中の乗り継ぎを簡易にする(例えばホームtoホームで同時刻発着)などして時間を可能な限り短くすることをしっかり考えなくてはダメですね。

中心部で比較すると、熊本空港アクセス鉄道は、整備前後で所要時間は何も変わらないトンデモ案件であることが分かりました。せっかくアクセス鉄道を整備しようという機運が高まっているのに、計画が意味無しなのは、なんだか残念な限りです。

なんとか熊本空港アクセス鉄道の距離短縮・時間短縮を図ってもらいたいものですね。




ということで、3回にわたり、熊本空港アクセス鉄道計画を取り上げました。

私自身、熊本空港直結の鉄道整備は大大大大賛成なのですが、今の計画案がダメダメなのは残念でなりません。もう計画が走り始めていますので、いまさら内容を変えることはないのでしょうが、数年後に、「意味無しだったから、空港〜熊本市中心部間の短絡鉄道造ります!」とか「意味無しだったから、空港〜熊本市中心部間の短絡高速道路造ります!」とか言わないようにしてほしいものです。

よく、空港アクセス鉄道整備の効果として、近隣地域の活性化を挙げることが多いです。今回の熊本空港アクセス鉄道も、そこがずいぶん強調されています。
しかし、空港アクセス鉄道の本来の目的は、空港と中心部との間をいかに早く、いかに便利に結ぶかにつきます。極端な言い方をすれば、アクセス鉄道整備によって、空港が便利にさえなれば良く、空港周辺の発展は二の次でも良いわけです。

運輸は文明へのアクセスです。劣悪な公共交通アクセスを改善しない空港など、欠陥空港以外の何物でもありません。
なんとも残念な状況ですが、熊本空港アクセスが、より良いものになることを願いつつ、コラムを〆たいと思います。

長々お付き合いいただきありがとうございました。




posted by johokotu at 21:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆その他の話題 | 更新情報をチェックする

小値賀_空港概要

情報交通ホットライン/日本空港情報館/小値賀空港
日本空港情報館
小値賀空港

top.jpg
小値賀空港

■飛行場の概要
長崎県北松浦郡小値賀町にある地方管理空港(旧第3種空港)です。
長崎県北西部、五島列島北部に位置する小値賀島にある離島空港。島南東部の海沿いにある空港です。
かつてはオリエンタルエアブリッジにより定期便として長崎線が運航されていましたが平成18年に廃止されています。その後、平成25年までは年末年始、ゴールデンウィーク、夏期の年3回(平成25年は7月から半年間、毎週土日に定期的に運航)、小値賀町が補助金を出し格安チャーター便(福岡線)が運航されていました。令和7年1月現在、定期就航路線はありません。


■飛行場種別:地方管理空港(旧第3種空港)
■設置管理者:長崎県
■滑走路延長:800m
■空港コード:===/RJDO
■旅客ビル管理者:小値賀町(平成18年1月まで小値賀空港ターミナルビル)


■施設の見どころ:◎==== 小規模/シンプルなデザインのビルは目を引きます。運航がない日は建物内部には立入できません。
■見学者への対応:=====(平成21年9月現在通常時は立入禁止) 定期便未就航でターミナル内に入れなかったため不明。
■売店の充実度:=====(平成21年9月現在通常時は立入禁止) 定期便未就航でターミナル内に入れなかったため不明。
■アクセスの状況:===== 鉄道 無/バス 無(路線バスは徒歩30分ほどの所に空港入口バス停有)/島中心部から自転車で20分ほど


※就航路線は令和7年1月、そのほかの情報は特記以外平成21年8月現在のものです。
01.jpg旅客ターミナルの特徴
開港に合わせて完成したターミナルビルです。楕円形でレンガ調の珍しいデザインで、中央の小窓にはステンドグラスを配するなど、見ごたえのある外観です。
地上2階建。駐機方式はフロンタル方式、動線方式は1層方式です。ボーディングブリッジはなく、全便地上搭乗になります。館内のサインは不明。運航がない日は建物内部には入れません。
02.jpgターミナル前面
広い歩道がある前面です。建物の出入口は1口で、正面はスロープになっています。
バスのりばは1か所でバスポールが立っていますが、令和7年1月現在、バスは路線短縮されており乗り入れていません。
※徒歩30分ほどの所に空港入口バス停ありましたが、廃止になっています(空港入口バス停のあった場所を通る路線自体は存続)。

※令和06年05月01日︰空港入口バス停廃止
03.jpgロビー
正面入口から覗いた様子。
ランド側から見て左側にカウンタがあり、正面に出発口・到着口があります。搭乗待合室はない模様で、おそらく手持ち式の金属探知器による検査であると思われます。
04.jpg送迎デッキ
屋上が送迎デッキとして開放されており、建物正面に外付けされている階段でアクセスできます。入場無料。定期就航路線がない現在も開放されています。
柵は低く、非常に見やすい環境です。
05.jpg送迎デッキからのながめ
正面には海の向こうに野崎島を眺められます。
ターミナルビルは滑走路のちょうど中央付近に設置されており、飛行機が離陸する瞬間はやや斜め気味の撮影になることが多いようです。
06.jpg地上アクセス施設(駐車場)
ターミナルの前に無料駐車場があります。
07.jpgSEA VIEW
小値賀島南東側海上を航行する船上から撮影。
小値賀空港は、島東部の殿崎鼻付近で海に面しています。海岸沿いには大きく植栽で「おぢか空港」と書いてPRしています。
空港周囲は西側の一部を除くほぼ全域で車道がぐるり囲まれていて、良好な撮影スポットとなっています。写真の海岸沿いにも行くことができますが、肝心の飛行機が定期便は飛んでいません。

■就航路線(国内線)
  ANA   AJX   APJ   SFJ   ADO   SNA   ORC  
  JAL   TZP   JTA   JJP   SJO   RAC   AMX  
  IBX   FDA   SKY   TOK   NCA   NJA   DAK   TAL   EXC  
就航先運航会社
( )内は共同運航による運航会社
 (定期就航路線なし)
*1:小値賀町手配、エス・ジー・シー佐賀航空による運航の定期的チャーター便

就航路線変遷(平成21年04月01日以降)
※平成26年01月06日:SGC*1福岡 運休(1/5最終運航)
※平成25年07月20日:SGC*1福岡 就航

■空港所在地
空港所在地はクリック(Googleマップ)
■小値賀空港についてもっと詳しく調べたい方のリンク集
小値賀空港(Wikipedia)◎(フリー百科事典ウィキペディアサイト内)
※「情報交通ホットライン」は日本の空港を紹介する私設サイトです。
※小値賀空港の公式サイトではありません。

開設月日 2009.09.12
初調査日 2009.08.10
前調査日 2009.08.10

福岡_第2滑走路3月供用へ

■福岡空港 第二滑走路は3月20日に供用開始へ

国土交通省(国交省)は10日、福岡空港で建設を進めている第二滑走路を来年3月20日に供用開始すると発表しました。

滑走路が増設されるのは福岡空港。第二滑走路(2,500メートル)は、現滑走路と国際線ターミナルの間で増設工事が進んでいます。
この滑走路の供用開始により、現在年間17.6万回(38回/時)の滑走路処理容量が年間18.8万回(40回/時)まで、進入方式の高度化ができれば年間21.1万回(45回/時)まで拡大するとしています。

第二滑走路の供用開始に先立ち、昨年12月5日には現国際線ターミナル地区に建設している新管制塔を供用開始しています。

第二滑走路の完成で、福岡空港は既存(2,800メートル)の滑走路と二本化されます。
これにより、平成15年から進められてきた計画が供用されることになります。

福岡空港滑走路増設事業の供用について 〜観光・MICEの促進、地域経済への波及効果などの効果が期待されます〜(国交省公式サイト)
https://www.mlit.go.jp/report/press/kouku09_hh_000277.html

FUKa.jpg
▲昨年福岡に行った際に撮影した建設中の第二滑走路と福岡空港。
 写真は中央部を国際線ターミナルから見たもの。
FUKb.jpg
▲同じく昨年撮影した建設中の新管制塔。


ラベル:福岡空港
posted by johokotu at 02:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 福岡空港 | 更新情報をチェックする