2009年03月13日

奄美群島へ(2日目)

■2009.03.13 鹿児島→喜界→奄美

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喜界島経由で奄美大島へ



天気が不安なスタート

 5時起床。いよいよ今日から本格的に今回の旅程がスタートだ。

 外はまだ暗い。朝風呂を済ませ、まずはiモードで3日間の天気を調べる。2日目の今日は曇りのち雨、午後ほど本降りの予想。3日目は午前中本降り、4日目は晴れと出た。天気図を見ると、ちょうど今晩前線が通過するようだ。テレビをつけて天気予報をチェックしても「強い雨になりそう」となかなか不安な予報だ。
 前線の位置を見る限りでは、奄美付近は今日の昼間はなんとか曇りで済みそうだ。ただ風はきつくなりそうで、明日(3日目)のフェリーの欠航が不安である。最終日は晴れそうで、万一離島に取り残されるようなことはなさそうなので、離島行を最終決定した。

 ひとまず身仕度を済ませ、6時半ごろチェックアウト。意外と快適に過ごすことができた。
 チェックアウトをしているとフロントの係員は「空港が開くのが6時50分ですので、あと10分ほどで送迎バスが出ます。バスが出るまで少し待ちになりますか?」という。便数が多い割に開館は遅いな?とは思ったものの、あと30分もない。早めに行って外回りの状況に変化がないか確認したかったため、歩いていくことを選択した。

 外は昨晩より少し強い雨。ただ、傘をさすべきか迷う程度だ。
 昨晩歩いたのとは逆経路で空港へ向かう。
 なんとか天気にもってほしいところだったが、空港に着くと早くも本降りになってしまった


ベストな席を確保

 約5分待って開館。扉は、警備員が外側から順番に開けていっていた。JALカウンターに直行しチェックインする。
 これから乗るJACはSAAB340B機。奥尻に行くのに乗ったことがあるが、そのときはあまり座席にこだわりがなかったので、どこが良い席かあまりよく分かっていない。ただ、席配列は、左側が1列席、右側が2列席で、前方から中央にかけては翼がかかることは知っている。喜界まではやや飛行時間が長くトイレに行く可能性もある。隣に迷惑がかかるのも申し訳ないので、「後方左側窓席」と注文をつけた。
 すると9A座席が確保できた。翼位置が不明だが、翼がかからなければベスト座席になる。さらに、奄美までチェックインをしてくれるというので、同時にチェックインして、こちらは10A座席になった。大きな荷物も奄美まで連続で預けた。

 その後、そそくさとゲートラウンジへ移動。飛行機遅延などにより4日目に撮影できないリスクがあるため、ひとまず、ゲートラウンジを南から北まで見学するためだ。だが見学は15分ほどで終了し、ゲート付近でしばし出発までの時間をつぶすことにした。
 JACが運航するプロペラ機ののりばは南端にある12番改札1か所だけ(同一時刻があるときは11番も使用)。北側にはない畳の椅子が設置してあるホッと一息つける場所にある。このあたりは、ちょうど正面がJACのプロペラ機の駐機スペースになっていて、窓の外に大小のプロペラ機が7機ほどが二重三重に並んでいるのが見える。かなり壮観で、おそらく鹿児島空港でもっとも眺め良い場所・良い時間帯なのだが、雨がますます強くなり、窓についた水滴で見にくくなっていた。
 今は朝の出発のピーク。JACプロペラ便は、7:50発福岡行、8:05発喜界行、8:15発沖永良部行、8:20分発屋久島行、8:25発岡山行、8:25発種子島行、8:50発広島西行とポンポン出発する。おかげで、ANAが利用する北側にはほとんど人がいなかったのに、12番改札付近は大盛況だった。
 喜界行も15分前に福岡行の搭乗があり、喜界島の表示は出発15分前にならないと出てこないほどだった。しかもこの日は前便の福岡行が、傘をさして歩いて搭乗だったものが、雨が強いために急きょバス搭乗になったために係員が手間取っており、10分前を過ぎてからやっと表示が出た。

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ランプバスから撮影した搭乗機。雨が強く、この先が不安だ。


 羽田ならランプバス輸送の場合、搭乗橋の場合より早い20分前には改札が始まるが、ここではなんと結局5分前改札開始だった。時間通り飛ぶか心配したのものの、ランプバスに乗り込んだのは全部で10人ほど。この人数なら5分前搭乗でもまったくの余裕だった。



風が強い中揺れながら着陸

 飛行機はほぼ定刻通りの運航。プロペラ機ということで、雨の影響を心配したが、順調な飛行だった。ただ、鹿児島上空は雲だらけ。種子島を過ぎてから雲は一時切れたものの、喜界島付近は曇っていた。せっかく窓側席をとったものの、地上の様子はあまりよく見えなかったのは残念だ。

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機内から見た空の様子。鹿児島上空は雲だらけだった。


 喜界島付近では、風の向きが不安定だったためか、複雑に旋回を繰り返し、少し酔ってしまった。飛行機は一度北側からの着陸を試みたようだが、少し手前で右へ90度ほど旋回。さらに進んでから90度左旋回を二回。またまた右に90度旋回し、さらに左に二回90度旋回と複雑な動きをしながら結局南側から着陸した。空港を上空から写そうとシャッターは何度かきったが、不安定な動きと酔い、そしてなによりももやっていた影響でできあがった写真はよくなかった(当然公開できず)。
 喜界空港へ北側からの着陸の場合は、直線的に着陸するから空から空港は見えない。一方、南側から着陸するときは反時計回りに回りこむ。いずれにせよ、喜界島の西岸を北から南へ飛行することになるので、空から喜界島や喜界空港を撮影したければ迷わず左席をとりたい。(飛行中の屋久島や種子島は右側のようなので、ここを撮りたい場合は右席がお勧めの模様)

 喜界島には定刻よりやや遅れて着陸。
 地上降機となったが風が結構強い。ステップで風にあおられコケそうになった。地上側で用意してもよいから、もう少し幅の広いステップであればお客さんも降りやすいのではないだろうか。この狭いステップ、体の弱い人にはややきついかもしれない。車いす利用者などが、このステップを理由に搭乗をためらっているという話をネットで見たことがあるが、なんとなくわかる気がした。雨が降っていたら、ターミナルまで距離もあり、歩いていくのが大変だろう。

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機内の様子。左が1列、右が2列になっている。


 喜界空港は非常に小さなターミナルだった。サッと見学するのであれば、折返便に乗るようにしても見学できそうな規模である。ただ、売店をじっくり見たかったし、喜界島観光もしたかったので、奄美へ行くのは2便目を選択していた。それもこの空港に発着する便数が多いからできたことだ。
 喜界は奄美へ1日3便、鹿児島へ朝晩2便飛んでいる。今回訪れる島の中では比較的扱いやすい空港だ。飛行機に乗るだけが目的なら、1日1便だけでもすぐ折り返せばよく、あまり気にならないだろうが、自分のように空港見学用に1、2時間は最低必要な場合の利用にはこの設定はうれしい。むやみに急ぐ必要もなく、島内観光も楽しめる、まさに時間を無駄にせずに済むからだ。(奄美群島でこれと反対なのが与論で、1日1便で2方面にしか便がなく、沖永良部→与論→那覇、あるいはその逆の経路を飛ぶため、空港見学後、次の便で先に行こうとしても無理な設定になっている(夏場は与論・那覇間が+3往復)。)


 空港見学は後回しにして、まずはレンタサイクルを借りる。事前にネットで調べた際、ターミナル地区の反対側にスギラビーチというきれいなビーチが広がっているということが分かっていたので、折り返し便を写すため、すぐに移動しようと考えていたからだ。
 売店で手続きをすると、「予約してないと別場所に保管している」との返事。車で1分ほどのところに保管場所があるので、と車で送迎してもらえた。どうも喜界空港売店のレンタサイクルは、街中のお店がやっているらしい。お店の前で降ろしてもらった後、なんだか営業していないように見えるお店のチャイムを鳴らすが、誰も出てこない。何度押しても無駄なので、空港売店に電話をすると、「あれ?鍵開いてませんか?」と言う。なんと、自転車のある倉庫の鍵は開いてるので勝手に乗ってけということだった。さすがは離島、チャリ盗なんてないんだろうなあと感心してしまった。

 ひとまずチャリにまたがり、ターミナルとは反対側のスギラビーチへ急いだ。
 それにしても、風が強くきつくて、なかなか前に進まない。出発する飛行機のプロペラ音が大きくなってきて、間に合わないことを覚悟しつつ、懸命にチャリをこぐ。
 スギラビーチに着くと、飛行機はまだ離陸前だった。ホッとひと安心しつつも、すぐに砂浜と飛行機を撮影できる場所に目星をつけ、サッと移動する。なんとかぎりぎり間に合って、海と絡めての撮影に成功した(→成果写真は空港のページへ)。
 風が強い中、空はやや暗い曇り空。晴れていればもっときれいな写真が撮れそうだ。今回は、本格的な写真ではないし、全自動で、ペペッと撮っただけなので、ぎりぎり間に合わせることができた。本格的なカメラで本格的にきれいな写真を撮ろうとしていたらたぶん間に合わなかっただろう。喜界空港は離着陸がそれぞれ1日5回繰り返されるので、比較的撮影しやすい環境が揃っている。ぜひ、きれいなビーチで撮影をお勧めしたい。


事前調査は大事だなあ、、、

 さて、ひとまずは空港周辺での撮影はこれで必要ない。喜界空港の出発時刻は14時35分。まだ10時なので4時間はある。喜界空港の見学+食事で1時間半取ったとしても2時間半は喜界島観光に充当できる。空港でもらった島のパンフを見ながら行動計画を立てた。
 島の周囲は約50キロ。チャリで2時間半では絶対に1周はできない。残念なのは観光スポットは島の北側に多いことだ。ただ、パンフを見ると、空港周辺の島南部にも、俊寛の墓、地下ダム、ガジュマル巨木、シツル崎灯台、荒木中里遊歩道などといくつか太文字の観光地がある。では、これら太字の観光地に寄りつつチャリを進め、シツル崎へ山を越えて南下し、外周道路で時計回りに空港へ戻ることにした。

 動きが決まれば、それに従うのみ。早速、喜界島観光をスタートした。
 ひとまずは、スギラビーチ一帯の公園内で滑走路に近づく。滑走路がよく見える公園で、なんと、隔てるフェンスは腰くらいまでしかない。有刺鉄線はあるが簡単に飛び越えられそうな高さだ。滑走路の飛行機に手が届きそうな感じがする開放感あふれた見学スポットと言える。この公園の脇にはゴルフ場があり、飛行機の離着陸を眺めながらプレーができるようだ。
 喜界空港を右に見つつ、空港を時計回りにまわる。すぐに港が左に見え、ぐるり半周すると喜界島の中心部に出た。この町は高い建物はまったくなく、道が妙に広く感じる街だ。ゆっくり町内を回りながら町役場を見たのち、第一の目的地、俊寛の墓へと向かった。

 俊寛の墓には俊寛の座像が建立されていた。俊寛は「平家転覆の陰謀が暴露して、喜界島に流された僧」(喜界町観光協会事務局発行の「喜界島情報誌Vol.1」から引用)。この話は平家物語でも出てくるそうで、1177年に発生した鹿ケ谷事件で「鬼界ケ島」に流された記述があるという。この鬼界ケ島は薩摩硫黄島という説もあり、そちらにも立派な像が建てられているそうだ。同島にも飛行場があるので、空港ファンなら見学の際、両者とも訪ねたいところだ。

 俊寛像をあとにし南の山を越えるため斜面を登る。それほど急ではないが、風が強く、チャリがなかなか前に進まない。続く見学地は地下ダムに定めたが、それらしき場所が全く見当たらない。パンフの地図上で文字があるあたりをウロチョロしたもののなにも見当たらない。とにかく風が強くてウロチョロしたくないというのが本音。結局諦めてしまった。

 続いて、ガジュマル巨木に向かった。
 巨木は案内看板があり、すぐに見つかった。山を下りきる手久津久地区に入ってすぐのところにその木はあった。町役場からだいたい40分強。予想より時間がかかった。巨木はとにかくでかい。この島はハブがいないので、少し近づいてみたりもした。

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手久津久にある巨木。かなりデカい。


 しばし休憩後、手久津久地区へ南下を再開。ほどなくして手久津久港に着いた。

 喜界町役場発行のパンフによると、この近くにシツル崎灯台があるようだ。だが、海岸沿いを探してみてもそれらしきものは見当たらない。もう少し南側なのか?島の外周道路を東へと進路をとるが行けども行けども見当たらない。探しながらゆっくり進んでいたせいか、上嘉鉄地区に入る少し手前で、町役場からとうに1時間は過ぎていた。このままだと時間までに空港に戻れない可能性もある。それもまずいので、この時点で探すのをあきらめてしまった。
 上嘉鉄地区は、南側に海、北側に断崖があり、その間が広い台地になっている。灯台を探しながらこの地区にきたとき、その断崖の上に白い灯台のようなものが見えていた。実は、これがシツル埼灯台だったようだ。ただ、崎の灯台であるし、なにより喜界島発行のパンフでは灯台の絵がシツル崎の左側、海の中に書かれており、海岸沿いにあるものと思い込んでいたため、見事にだまされてしまった。(→帰宅後ネットで調べてみると、北緯28°17'02''東経129°56'50''だそうで、、、)。事前に地形図でも購入しとくんだったなあと反省。

 とにかく事前調査は大事だなあ、、、。


風が強く時間が読めず

 上嘉鉄地区を出て、来た道を北西方向へ戻り始めた。すでに島一周道路だが、走る車が少ないので快適だ。手久津久に戻るまでの間はサトウキビ畑が多く、その一角に、ニョキッと煙突だけが立っているところがあった。「大和製糖喜界島工場」と書かれた煙突は、下部にあった工場がなくなったのか、ちょっとおかしな風景だ。
 サトウキビから製糖する産業が中心となる南の島々ならではの産業遺産で、ぜひともこういうものは残していってほしい。ちなみに、最近のTVCMを見ていると、喜界島はサトウキビ以外にゴマの名産地でもあるようだ。工場つながりで、ゴマ製造工場なんかも公開されていたら、それはそれで面白いのではないだろうか。

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大和製糖喜界島工場の煙突。畑にポツンとあり、ちょっとおかしな風景。


 手久津久地区に戻ると、道は北向きに変わる。風向きは南風が中心だから、このあたりで向かい風からやや追い風になり、走行しやすくなった。だが、一方で、これまで曇りがちだった空にお日さまが出てきてしまい、かなり暑い。朝、鹿児島空港の時点で来ていた上着を脱ぎ、Tシャツ姿になったが、日差しは強かった。あまり自転車をこぎたくない。この時点で時計を見るとまだ11時すぎで、さっきまで急ごう急ごうと思っていたのに、少しゆっくり戻ってもよさそうだったので、懸命にこいできた足をゆるめてゆっくり進み始めた。
 喜界島は、島一周道路に沿って多くの集落があるようで、上嘉鉄地区を出てからも手久津久、荒木、そして空港がある中里と集落が続く。地図を見ても、島一周道路に沿って、多くの地名が並んでいる状態だ。普通、離島の一角に集落が集中するところが多いと思うのだが、この島はかなり分散しているようだ。「シマダス」によれば、人口9000人ちょっとで結構な人口密度。奄美行だけでも飛行機が1日3便飛んでいる理由がなんとなくわかる気がした。
 校庭の真ん中にガジュマルの木がある荒木小学校を外から眺めて少し行くと、「荒木・中里遊歩道」の案内標識が出てきた。標識にしたがい、左に曲がる。そういえば、島一周道路を走っているのに、手久津久地区からまったく海が見えない。それもそのはずで、遊歩道との間に小高い丘があり、海から離れていたのだ。遊歩道まではこの丘を越えねばならず、いったんややきつい坂を上り下りしなければならなかった。

 息を切らして5分ほど走ると、遊歩道に到着した。この遊歩道がある島西岸は、岩が多い海岸線だった。岩と言ってもサンゴ礁が石化したものらしい。これだと、海岸沿いに道を作るのはちょっと大変そうだ。どうりで島一周道路が陸側にあったわけだ。
 ここから、空港付近まで、遊歩道が続いており、この道を行ってみたかったのだが、道幅が非常に狭く、上下動もあるようだ。自転車を押して通るのは難しそうなので、ちょっと歩いてみたものの、すぐに引き返してしまった。

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荒木・中里遊歩道からの眺め。


 島一周道路に戻り、空港方面へ進み始めると、ほんの10分ほどで、空港に戻ってきてしまった。手久津久へ行くのに時間がかかったから、帰りも結構かかるかと思ったが、戻りは追い風だったので、あっという間だった。風の影響を読み間違えてしまった。時計を見るとまだ12時。ちょっと戻ってくるのが早かった。とは言ってもこれから別の場所に行くには時間がない。ひとまず自転車を返却し、売店で食事をとった。

 食事後、見学をしようとターミナルをウロチョロするが、なにせ、バスターミナルのような非常に小さな空港。あっという間に見学が済んでしまい、やることがなくなってしまった
 飛行機まではまだ1時間程度はある。そこで、街の中心部を散策に出た。やはり広々とした感じの街だ。のんびり歩いていると、空港近くに土産物センター(スーパー)がある。覗いてみると、空港よりも箱菓子の品ぞろえはよさそうだった。しばらく散策後、空港に戻ると、ちょうどこれから乗っていく飛行機が着陸したところだった。


観光です!!

 今日は、夕方以降は奄美大島に上陸だ。
 奄美への飛行機は、マイルがたまる路線としては最短路線で知られる。14時35分、ほぼ定刻通り離陸。搭乗者はこれまた10人ほどだった。南側から離陸後、すぐに半時計まわりにまわってN字に進行、喜界島に近い位置から左旋回をして奄美空港は北側からあっという間に着陸した。左窓席から空港はまったく見えなかった。この区間、南風時は乗るなら右窓席だろう

 奄美着陸後、ケツでゆっくり手荷物受取場に入る(決してエプロンで撮影して時間を食ったわけではないので悪しからず、、、)。すると、そこでは、ベルトは使わず係員が荷物を持って待っていた。「すみません、、、(汗)」。場内をささっと撮影し、外に出ると今度は、レンタカーの人がこれまた遅いっ!といった感じで立っていた。
 こういうとき、ゆっくり撮影したい自分みたいな見学者には非常に恥ずかしい。

 レンタカー事務所は空港の目の前にあるが送迎付。24時間3000円という格安レンタなのにターミナルまで送迎してくれるとはうれしいサービスだ。
 送迎の短い時間の中で、風がいつもの強さなのか確かめるため、話を聞くと、ここ数日は珍しく風が強いと言う。明朝にかけ前線が通過するため午前中まで大雨の予想。風がいつもより強いとなると、明日、沖永良部に行けるか、そしてフェリーで徳之島にいけるのかやや心配だ。
 そうこう考えているうちにあっという間にレンタカー事務所に到着し、手続きが始まった。

 「お仕事ですか?」

 私服なのだが、バッグが仕事用のものをそのまま持ってきているうえ、一人での利用なので、レンタカー貸し出し時の世間話では、必ずお決まりの質問をされる。レンタカーの場合、手続きで利用目的を書くことが多いので、それほど気にならないのだが、観光案内所などででこの質問をされると結構恥ずかしい。(しかも純粋な観光ではなく、第一の目的は空港見学だし(苦笑)
 一人で旅行している人に話を聞くと、旅行中1回は、この質問はされるという。旅行って2人以上でするものなのかなあ?といつも考えてしまう瞬間だ。

 そんな話はさておき、手続きが終わる。24時間貸しだが、天候によっては明日は朝のうちに返却にくると伝え、車を借りる。なんと、1050円だと思っていた保険は525円で、税込3675円だった。しかも格安なのに、比較的新しい車。感謝感謝だ。


目ん玉は、、、

 まずは、車の状況確認と、奄美をどう回るか考えるため、空港駐車場に戻る。詳しい見学は翌日と決めていたので、晴れているうちにと、外回りを撮影するにとどめ、その後すぐに車で5分ほどの所にある奄美パークへと向かった。

 奄美パークは、旧空港跡地で、奄美空港の見学では、まず外せないスポット。現在は奄美の歴史などが分かる展示館になっており、観光名所になっている。地図上で旧滑走路の北半分が残っていることは確認していたので、横から滑走路が見れればいいやと思っていたが、なんと、ここには展望台が設置されており、高い位置から旧滑走路を眺められた(ただしガラス越し)。
 駐車場についた時点で、小雨がぱらつきはじめたが、なんとか展望台からガラス越しに水滴が目立たない間に旧滑走路を撮影できた。
 展望台からは左眼下に旧滑走路、右側やや奥の方に現奄美空港が見える。ガラス越しなので、撮影には適していないが、南側で離発着する飛行機はかなり間近に眺望を楽しめるようになっていた。

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展望台から奄美パークを眺める。ちょうどドームの中心を旧滑走路のど真ん中が貫いているらしい。この角度から見ると、旧空港の面影は全くない。


 さて、ひとまず、外回りの撮影はしたし、奄美空港内の調査は明日するとして、ここからは奄美観光だ。時刻は16時前。日没まで1時間ちょっとある。
 どこに行くか、空港で入手したパンフで調べてみる。

 とりあえず、北側かなあ。
 実は、今日は行きたかったところが1か所あった。それは、龍郷町の円集落にあるかがんばなトンネルである。このトンネル、東西方向にあり、上部の岩盤が龍の頭のような形。ちょうどトンネルが目のようになっており、春分の日前後の日没時に、トンネル越しに見える太陽で、目ん玉が入るように見えるという。奄美に旅行に出る直前、インターネットで、この情報を入手し興味をもったのだ。レンタカー事務所で聞いたが詳しい話は分からず、地元でもあまり知られていないところらしい。正式な場所は分からないが、集落に行けば分かるだろう。奄美大島の北端から反時計回りに海岸沿いを回るとちょうど日没のころに円集落に着けそうだったので、北端から回り込むように進行することにした。

 早速、北端へと向かう。まずは空港北方にあるあやまる崎へ。雨は降っても小雨、しかも日が出たり出なかったりと、不思議な天気だ。
 10分程度であやまる崎に到着。奄美十景にも選ばれている高台からの眺めはなかなかだ。晴れていれば、先ほどまでいた喜界島が見えるというが、残念ながら今日は見えるような状態ではなかった。

 続いて、最北端の笠利埼灯台へと向かう。こちらも車では10分ほどだった。笠利埼付近は高い岬になっており、灯台は岬の上にある。島の最北端なので、観光地化されているのかと思ったが、海岸沿いに浦島太郎のモニュメントがある程度。あとは、灯台の真下まで遊歩道が整備されているだけだ。崖下の海岸は観光地化する工事中だった。
 ハブをおそれながら、歩道をつつきつつ、灯台へと登ると5分ほどで高台にある灯台に到達した。
 笠利埼周辺は緑豊かで眺めは抜群。この灯台は奄美大島北部や喜界海峡を通る船にとって非常に重要なものだそうだ。現時点では、観光地化はされていないが、ぜひ多くの人に見てほしい場所である。

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笠利埼灯台を下から眺める。奄美大島最北端に当たる。


 雨はやみ、日もさしているが、上空に雲が多いのが気になる。かがんばなトンネルで太陽が見れるか微妙なところだ。ひとまず、笠利埼灯台を後にし、そこから半時計まわりにまわりながら龍郷町円集落へと向かった。

 日没時刻ごろ、円集落に到達。ちょうど道路の向こう側にそれらしいトンネルが見える。道沿いに看板があったので、寄ってみると、まさにそれだった。しかし、この日は結局、太陽は雲に隠れてしまった。ちょうど春分の日前後にここに来れたのに、日没を見れないのは非常に残念だ。龍の郷の竜のトンネル。なかなかのシチュエーションだ。

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結局日没が見れなかったかがんばなトンネル。竜の頭に見えますか?


 しばらくすると、あっという間に日が暮れて奄美の姿は見えなくなった。
 ひとまず撮影すべきものは済んだので、今日の泊地で奄美唯一の道の駅住用へと向かう。
 道の駅までは円集落から1時間ほどかかり到着は19時ごろだった。この道の駅は奄美大島のちょうど中央部に位置するが、意外と時間がかかる。奄美大島は結構デカイようだ。

 夕食は、車で止まれる地元系食堂が途中にあれば寄ろうかと思っていたが、そんな便利な食堂は一切なく、まさかまさかの二日連続コンビニ弁当になってしまった。車の中で食べて汚すと大変なのでひとまず、道の駅のホールで食事を済ますことにした。
 道の駅はトイレ以外夜間閉鎖されるところが多いが、この道の駅はホールを開放したまま。しかも、ここには夜間も道の駅のスタンプが置いてある。これまで道の駅にはたくさん寄っているが、夜の道の駅でスタンプを押せたのは2回目。夜間無人のところでは初めてだ。スタンプラリーも同時に行っている身としてはうれしい配慮だ。(もっとも今回の旅行ではスタンプブックを忘れてきてしまっていたのだが、、、、。

 しばらくすると、本格的に雨が降りだしはじめた。風も強く横殴りだ。
 前線は近いのだろうか。iモードで天気予報を調べると、明日の午前中までずーっと雨予報。明日、沖永良部には行かないほうが良いかもしれない。ひとまず、朝の状況を見てから決めよう。
 携帯のアラームを4時にセットし、21時には就寝した。






今日の教訓!

 ・離島には地形図を持って行くべき!(←見どころは事前に把握していくべきですね、、、)
 ・サーブの最適座席は9Aか10A



posted by johokotu at 00:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆旅行記 | 更新情報をチェックする
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