2009年03月14日

奄美群島へ(3日目)

■3日目 2009.03.14 奄美→沖永良部→徳之島

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まずは奄美大島


フェリー状況は???

 4時起床。外はまだ暗い。
 外の天気は、、、やっぱり雨だった。相変わらず風も強い。
 沖永良部に飛んでから徳之島へフェリーが運航されないと、その翌日に徳之島へ渡ったとしても鹿児島行の飛行機に間に合わず、特典航空券が無駄になる。さてどうするか、、、。
 ひとまずは、名瀬港に行き、フェリーの状況を確かめよう。

 5時前、非常に早い時間だが、名瀬港に着くと、学生など多くの人でごった返していた。ちょうど5時30分に徳之島、沖縄那覇方面へと出発する船便があるのだ。風雨はともに相変わらず強く、こちらの便は抜港の可能性がある条件付き運航だった。
 自分が今日沖永良部に飛べた場合乗ることになる沖縄那覇発のフェリーの運航状況が気になるところ。今日は出港するのか調べようとしたが、運航会社が違っており確認が取れない。このフェリーの沖縄那覇発は7時。閉じている窓口に置いてあったフェリー時刻表をとり、7時前後に那覇に電話して運航状況を確かめることにした。沖永良部に行けるようなら、10:30発に乗る必要がある。ひとまずはそのまま空港へ行き、空港開館直前にフェリーの運行状況を確認したら、飛行機をどうするか決めることにした。

 空港には6時半頃着。空港は8時開館なので、やってくるのがやや早すぎた。風雨はまだ強く、フェリーには最悪の天気が続く。
 車内でまず沖縄にフェリーの出航状況を確認する電話を入れた。

 運航状況は「泊(那覇)・奄美大島間で条件付き運航」だった。

 これはまずい。沖永良部に飛行機で飛んでもフェリーが抜港したり、途中欠航したりすると、明日、徳之島へ行けなくなって、特典航空券が無駄になる。天気予報では、午後から晴れる予定だが、風が残っているのが気になる。

 、、、、、

 熟考した結果、今回は沖永良部への渡島は断念することにした。残念だが、帰れなくなるよりはましだ。
 早速、携帯で、沖永良部便の予約をキャンセル。明日、徳之島を回れるので、徳之島便は2便目を予約し、今日は半日、奄美大島観光することにした。徳之島便は実は1便目「×」、2便目「△」で、ぎりぎりの予約だった。


カヌーもあるマングローブパーク

 徳之島へ切り替えた時点で、予約さえできれば、空港に来る必要は全くなかったことになる。7時に徳之島便に切り替えてすぐ奄美大島観光に出ることもできたが、せっかく空港に来ていたし、良い座席をとりたかったのもあり、1時間待って空港開館と同時に入場し、席を確保に走った。
 入場すると、徳之島便だけ、2便とも「満席」表示。もう少し予約が遅かったらあぶなく飛べなくなるところだったようだ。1便の沖永良部便すら満席になっていないのに週末徳之島へ行く人が多いのだろうか。
 早速、窓口でチェックイン。昨日から三度目のJACのSAABだ。飛行時間が短くトイレに行くこともないだろうからと、ひとまず、後方窓際を確保するため、「後方窓側、できれば左側で」と注文した。切り返しで係員には「満席との表示はありますが、1便目に空きがございます。予約変更いたしますか。」と聞かれたが、あくまで午後便予約で、とチェックインしてもらった。
 朝一での予約だったので、すんなり10Aを確保できた。眺望抜群、隣は誰もいないという最高の席だ。

 席を確保できたので、続いて奄美大島を観光へと向かう。
 奄美空港出発は14時15分。空港見学に1時間半かかるとして、12時半ころまで4時間はある。南端まではいけないが、中央部付近までは行けそうだ。観光パンフを見ていると、昨日泊まった道の駅のすぐそばにマングローブの群生地があるようだ。すぐに車で戻ることにした。
 営業の人々が動き出す9時頃、ちょうどコンビニがあったので、駐車場に停車し、沖永良部のレンタカー屋にキャンセルの電話。さらに今晩泊まる松山石油へ電話を入れた。松山石油の宿は徳之島東部の亀津地区にある。予約時、フェリーで行くことを告げると亀徳港まで迎えに行くと言われていた。だが、徳之島到着は島西部の空港。バスだと1000円もかかる距離で送迎してもらうわけにもいかないので、送迎を断り、バスで直接行くことをと伝えた。

 マングローブ群生地には9時半すぎ頃に着いた。なんと、着いた群生地は昨晩泊まった道の駅だった。明るくなった駐車場から見る景色は、昨晩とは全然違う開放感あふれた土地だった。
 ここまで空港から1時間半ほどだ。ここに寄ったら、もう戻るしかないだろう。

 早速、マングローブを眺めに行く。徳之島に行くまでに雨は止むかとずっと心配していたが、道の駅に戻った時には、雨はほぼ止んでいて傘はほとんど必要なかった。
 ひとまず、展望台に行きたかったのだが、窓口に行くと展示室見学とセットで500円だという。支払って、展望室に入ると、ゲージの中にハブがいる。こんな恐ろしいところに昨晩泊まっていたのか、、、。まさかこんなところで、ハブに出会うとは思わなかった。ゲージが壊れてなくてよかった、よかった、ホント(苦笑)
 展示室は大した展示はなく、見るものがほとんどないので、すぐに展望台へと向かった。展望台へは、なぜかモノレールで登る。頂上に簡素な展望台が設けられており、マングローブ群生地を高い位置から眺められた。展望台からはかなり広範囲に群生しているのが見て取れた。モノレール運転者の説明によると、日本で2番目に広い群生地だとか。自然はすごい。昨晩から雨続きだったが、最後に雨がやんでくれたことに感謝だ。
 再びモノレールで下に戻ると、ちょうどカヌー体験者がスタートするところだった。この公園では、1500円で、群生地をカヌーで巡るツアー(約60分)をしているという。時間があれば参加したいところだったが、今はもう時間がないし、濡れてもいい格好ではなかったので、諦めて出口へと向かった。

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日本第二位の広さを誇るマングローブの森。奄美大島に来たらぜひ見ておきたい。


 窓口は道の駅の案内所を兼ねており、観光案内も実施していた。ハブを見たら、やはりアマミノクロウサギも見てみたい。いまは10時で、まだ、30分ぐらいは余裕があるので、展示施設があれば、よっぽど道から外れない限りいけそうだ。
 そこで、島内でアマミノクロウサギを見られる場所を尋ねてみたのだが、なんと「天然記念物なので、飼育はしていないんです」との返事。よく聞くと、夜間行われている民間主催のツアーに参加しても見られるかどうか分からないほどなのだという。「島の人も野生のクロウサギを見ている人は少ないんですよ」と笑っていたが、見たこともない生物を観光資源にするあたりは脱帽だ。それにしてもこんな有名なウサギが、こんなにも見づらいものだとは思ってもいなかったので、残念無念だ。

 仕方がないので空港に戻ることにした。そのまま、来た道を北へ逆戻り。この道を通るのは昨晩から4度目だが、雨が降っていない明るい状態ははじめてだ。このあたりは結構山深いところで、奄美大島は意外と山がちなのが分かった。広さからいってもチャリでの島内巡りはまったく不可能だ。

 再び空港に戻ると時刻は12時過ぎだった。


チンタラ搭乗にイライラ

 奄美空港は奄美群島の拠点空港で、離島とは言え都道府県中心空港レベルの大きさがある。チェックインはすでに済んでいるので、見学を開始。館内だけでも見学には30分ほどを費やし、ひと通り見終わったのち、レストランで昼食をとった。

 徳之島便は14時15分発。13時30分にはゲートラウンジへ入ると、JEX大阪便がちょうど重なる時間で、やや混雑していた。ラウンジ内は結構狭いスペースで、便が集中すると混雑しそうだ。

 徳之島便は10分前に搭乗改札が開始され、階段を下りて歩いて搭乗となった。プロペラ機で再び地上搭乗。すでに日も差してきている状況で、雨にぬれずにすんだ。すぐに待合室にいた人たちのほとんどが飛行機に乗り込んだ。
 機内に入ってすぐ、搭乗開始と同時に来た人は全員乗り込んだが、なぜか席が半分程度しか埋まっていない。朝の時点でも、搭乗前の時点でも「満席」表示だったはずなのに、である。さらに不思議なことに、出発時刻が近付いてきてもアテンダントが入口付近でじっとしたままなのだ。こっちはシートベルトを締めて準備万端なのに、拍子が狂うなあ

 ???

 しばらくして原因が判明した。まだ、全員乗り込んでいなかったのだ。しかも1人や2人ではない。
 出発時刻頃、パラパラと10人ほどが乗り込んできて、出発時刻が過ぎてから、機内はほぼ満席になった。しかも、遅れてきた10人ほどは、すでに乗り込んでいる人のなかに友人がいるようで、遅れてきたにもかかわらずペチャクチャ喋りながらの搭乗でなかなか落ち着かない。
 「こいつら、飛行機に乗り慣れてない離島の若者か?離島独特ののんびり搭乗にもほどがある、、、。」とちょっとイライラしていると、やっと出発準備が始まり、定刻よりかなり遅れて飛行機は動き出した。

 飛行機は、北風のために北側へ離陸だった。右旋回で再び空港上空を通りぬけたが、左側席からは現空港も旧空港も眺めることはできなかった。右側席なら現空港と旧空港が一望できたはずでちょっと残念だ。
 だが、こちらの席はこちらの席で、この後、徳之島空港をばっちり眺められた。これで左右五分だ。徳之島付近は非常に面白い経路をとる。飛行機はまず徳之島東岸へ近づき、島の北側で右旋回したのち徳之島上空を横切って、西岸にある空港へと向かう。このため、左側席からは徳之島が丸見えだったのだ。徳之島空港では南側からの着陸で、空港北部からぐるり反時計回りにまわって着陸してくれた。

 出発の遅れの影響か、やや遅れて徳之島空港に着陸。すでに上空には雲の切れ目が見え始めてきていた。ただ、風は相変わらず強い。そのせいで着陸時は結構揺れて、やや酔ってしまった。この空港もエプロンを歩いての降機で、ささっと撮影しながら建物に近づいた。

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徳之島空港に到着したJAC便。なんとナンバーが8888。末広がりではないですか!


 手荷物受取場に最後まで残っていると、奄美空港で遅れてきた人たちは10人以上のグループであるようだ。
 到着ロビーに出ると、何のグループかが判明した。
 てっきり島の仲間たちだと思っていたこの人たち、実は、翌日この島での公演を控えた在京劇団(劇団○季)関係者だった。ロビーでは歓迎会が行われようとしており、「歓迎 劇団○季様」といった紙をもった観光課か何かのお偉さんぽい人たちが囲み、人であふれかえっていた。
 それにしても、この人たち、公演が始まったあとに大きな音を立てて入場してくる客が来たら、どう思うのだろう。これまで良いイメージしか抱いていなかった大型劇団だけにちょっと残念だ。

 この空港に到着時、奄美便到着の後に鹿児島便が到着することになっていた。亀津へ向かう路線バスはそれを待っての出発のため、空港出発までやや時間があった。この時間を利用して到着ロビー脇の観光案内所でいろいろ名所を聞こうと思っていたのだが、案内所の人は、歓迎会に来た人たちと雑談したり、歓迎会を見たりで、一観光客の自分には全くかまってくれず、名所は分からずじまいとなってしまった

 しかたがないので、ラックに入った島のパンフだけもらい、バスに乗り込んで出発まで待つことにした。バスの客は同じ奄美便に乗ってきたビジネスマン一人だけ。結局、鹿児島便からの乗車はなく、客2人でバスは走り始めた。
 久々にゆっくりできる時間。発車10分ほど、天城町役場の前までは記憶があるのだが、ほどなく深い眠りについてしまった。


格安旅館も部屋は広々

 はっと気付いて目を覚ますと、バスはちょうど亀徳港を通り越したところのようで、すでに亀津地区へと入りこんでいた。空は明るく晴れ渡っている。
 今晩の宿は、「亀津の南端でメイン通り沿い」という知識しかなかったため、どこで降りればよいか分からない。ひとまず、次のバス停で降ろしてもらおうと急いでボタンを押し下車した。すると、空港で乗っていたもう一人も同じバス停で下りてキョロキョロしていた。バスに客は誰もいない。結局このバスは2人だけを乗せて運行されたようだ。廃止にならないことを願いたいところだ。

 さて、ここは亀津の中心付近。
 自分はとにかくこのメイン通りを南へ行けばよいのだろうと、とりあえず看板を探しつつ歩き始めた。柱という柱に松山石油の広告があるものの、場所が分からない。こうして5分ほど歩いてもそれらしい建物が見当たらない。仕方がないので、宿に電話を入れると、さらに南に歩けと指示が出た。しばらく歩いて、やっと目的の宿である松山石油にたどり着いた。
 実は、自分がバスを降りたのは亀津でも結構北の方。松山石油は亀津の南端にあり、もう少しバスに乗っていても良かったのだ。

 ガソリンスタンドの窓口で、早速、宿泊の手続きをすると、なんと、ガソリンスタンドの上層階に案内された。上部に宿があるようだ。
 2000円の格安宿、どんなものかと覚悟して入ると、なんと、10畳以上はあると思われる天井が高い広々とした部屋だった。寮を改造した感じだ。風呂は、洗濯機置場のようなところにやや小さめの浴槽があるだけ、アメニティはほとんどないが、大量に積まれたタオルが使いたい放題。雑誌も大量に積まれており、生活臭がぷんぷんする部屋だ。それでもこれで2000円ならかなり安い方だろう。

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宿から見えた東海岸。太陽の光が差してきた。


 日没前に宿につけたので、しばらくは亀津地区を散策することにして、大きな荷物を置いてすぐに街に出た。
 徳之島のハブは日本一獰猛で木の上から襲ってくると聞いていた。道路脇の街路樹から襲ってくるのではびくびくしていたのだが、公園の横を通ると、子供たちが普通に木登りをしている。そういえば、旅行前に東京で訪れた鹿児島県の観光案内所でも「夜間やブッシュ(←林のこと)に入らなければ大丈夫です」と言っていたのを思い出した。しかも今は冬場だ。変温動物のハブもまだ動きは鈍いだろう。あまり怖がりすぎるのも良くない。
 フェリーはどうなったのだろう。波は穏やかだし、これなら通常運航だったかもしれないと、亀徳港まで行ってみた。すると、まだ、フェリーは到着していなかった。2時間ほど遅れての運航であるという。2時間遅れでも運航していれば、沖永良部に行けばよかったと少し後悔したものの、あとのまつり。まあ、奄美大島のマングローブ林も見れたし、良しとすることにした。
 途中にあったファミレスで夕食をする。

 ファミレスで携帯を見てみるとメールが来ている。JALからだ。
 遅延かと身構えたが、明日の飛行機の自動チェックイン完了通知だった。
 まったく困るなあ。
 指定した座席は仮設定。本当は後方右側窓席が良かったのに、事前指定では翼がかからない一番後ろの右窓席は12Eしか指定できなかったから、しかたなく指定し、当日空港で空きがあれば指定替えをしようとしていたのだ。右窓席にしたのは、奄美の島々の空港を撮影したかったから。事前に調査すると、徳之島を出た飛行機は奄美大島の西側、諏訪瀬島の西側、屋久島の西側、薩摩硫黄島の西側を通る。種子島や喜界島はこれらの島よりさらに東にあり、通常より東側を通ったとしても右窓席ならはずれがない。左窓席ではだめで、右窓席は必須だ。ただ、できれば、人の多い前の方ではなく、翼の後ろ側の右窓席でゆっくりしたい。勝手にチェックイン完了では座席が確定してしまうではないか。

 すぐにチェックインキャンセル作業に入る。
 「まあ、明日空港で空き状況を確認してより後ろの指定ができれば指定替えをしよう。それにしても面倒な自動化だなあ。」とちょっぴりめんどくさがりながら、操作を済ませた。

 しばらく亀津をぶらぶらした後、20時前には宿に戻った。3日連続で早起きだったので眠く、さっさと寝ようとした。
 だが、その前に、ひとまず、明日の徳之島のまわりかたを簡単に考える。
 亀津から南に進路をとり、まずは時計回りに半周。天城到達時点で時間があると判断すれば、天城から東に進路をとり、そこから北部を反時計回りに一周して空港へ向かおう。空港で手に入れたパンフを見ると、喜念崎灯台、泉重千代生家、犬田布岬、小島鍾乳洞、犬之門蓋、奄美物産ハブセンター、金見崎、ムシロ瀬、松原銅山跡といった観光地が目に入った。パンフに写真できれいに写っていた小原海岸が地図上になくどのあたりか分からないが、南の伊仙町ということだけはわかったので、海岸沿いを走りつつ探すことにした。
 眠気には勝てず、21時には早々就寝した。





今日の教訓!

 ・奄美のフェリーは意外と強いので旅程を強行すべし(←ただし遅延に注意)
 ・ハブは冬場の街中はほぼ心配ない(←もちろん注意をしてくださいよ)



posted by johokotu at 00:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆旅行記 | 更新情報をチェックする
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