■2009.03.15 徳之島→鹿児島→東京国際(羽田)
また灯台で道に迷って、、、
今日は朝からよい天気だ。
今日のレンタカーは、宿泊した場所の真下にあるガソリンスタンドが開く時刻にあわせ、8時から14時までの借りることにしている。久々にゆっくり起きたのち朝風呂を済ませ、ほぼ時間通り出発となった。
まずは南端の喜念浜と喜念崎灯台に向かう。
特に灯台は、喜界島と同じように見つからないと困るのだが、今日は強い味方があった。
それは島のパンフだ。
このパンフ、地図は、イラストではなく地形図を使いその上から主要道路と観光地を書き込んである。印刷の関係でつぶれている文字があるものの、これなら位置関係は絶対正確。迷っても地図と周囲の地形、道路状況を見比べれば、ほぼ位置を特定できるし、距離や道の勾配もよく見ると推定でき、時間を読むのに非常に便利だ。
さっそく喜念崎灯台への道を調べる。行くには南端少し手前、喜念地区を抜けた先の佐弁地区で交差点があるのでそこを左折する必要がある。ちょうど喜念崎灯台付近は台地が広がっていて一周道路が陸側にやや入り込んでいるためだ。まずはその最初の曲がり角をインプットし、島一周道路を時計まわりに走りはじめた。
だが、、、
まず、喜念地区をほとんど意識せずに通過してしまう。
Uターンするのも面倒なので、喜念浜を早々にあきらめる。しかし、今度は、喜念地区を通り過ぎてからしばらく走るのに佐弁地区が分からない。加えて道が左に分岐するところがない。海側をチラチラ見ながら進んでいるのに灯台らしきものがまったく見えないのだ。
どうしたものか。そうこうしているうちに、あっという間に佐弁地区より先の目手久地区に入り込んでいた。地名からするともう通り越したぐらいの位置だ。いい加減左折しないとなあと思っていると、まもなくやや広めの道が左に分岐していた。
すぐに曲がる。
付近に灯台は見えないが、道なりに行けばなんとかなろう。しばらく進むとなぜか道は90度左カーブ、これでは来た方向に戻るはめになる。車を流しつつ戻るべきか考えていると、果たして目的の灯台が見えてきた。やはり行きすぎていたようだ。
喜念崎灯台は畑の砂利道を進んだ先、少し低くなった位置に半分隠れるように存在していた。
観光地になっていないこともあって、まわりは畑しかない。この付近は、畑作業している人が多く見られた。
隠れていた喜念崎灯台。
長寿の島、徳之島
続いて120歳と世界一長生きした、泉重千代さんの生家へ向かう。別のパンフには、平成に入ってから長生きした本郷かまとさんがいたことが載っていた。縁起が良いから両方行こうと、まずは、泉重千代さんの生家へ向かった。
喜念崎灯台を出た後、できるだけ海岸に近い位置を走ろうと地図では判別できない街中の小道をくねくね進んで面縄地区で一周道路に合流。面縄地区を過ぎてからもう一度海側の道へ出る。しかし、海岸はほとんど見えなかった。
再び一周道路に戻って、ちょっと進むと「泉重千代生家→」の看板が出ている。
さすがは世界一長寿島の自慢の観光地。きっちり看板があるのはうれしい。
地図上では桃色の中規模道路の表記だったので、看板を通り過ぎ、右折路を探すが、これがまったくない。
はて?路肩に車を止めて振り替えると、さっきの反対側に「←泉重千代生家」と書かれているではないか。ありゃ、通り過ぎてたか。
看板の位置まで戻ると、車一台がやっと通れる位の狭い小道がある。地図だともう少しメイン通りなんだけど、、、。対向車が来ないことを願いつつ進むと幅員はすぐに少し広がった。
生家はやや山側に入った高台にあった。立派な銅像がたっていた。
銅像をよく見るとこりゃじいさまではないですか。
泉重千代さんの銅像。世界一長生きした人が目の前に、、、。
自分は男より女が長生きと思い込み、かつ名前が千代さんだと思っていたため、泉さんを女だと思っていたのだ。「泉重 千代」さんではなく、「泉 重千代」さん。これはとんだ失礼な勘違いだった(汗)
銅像にあやまったあと、しばし休憩。「長寿の里公園」という名前の付けられ、木のイスがある。眺めがよい台地で、海の向こうに沖永良部島が見えた。
脇にある看板を見ると「長寿の道」として、泉さん、本郷さんの生家地図が載っている。この付近はなぜ長生きの人が多いのだろう。
水がよいのか?良い海風でも吹くのか?はたまたハブに咬まれたから?
いくら考えてもその理由は分からないが、自然豊かなこの土地だから、というのが一番の理由かもしれない。
続いて女性の長寿世界一、本郷さんの生家へと向かう。こちらは観光地化されていないのか、パンフに載っていない。が、泉さん生家にあった看板に、島一周道路から犬田布岬へ抜ける道の分岐付近にあると書かれていたので、ひとまず犬田布岬方面へと向かった。
再び一周道路に戻り、道なりに進むと10分かからず分岐点になった。すかさず左折、犬田布岬方面へ進む。だが、いつまで経っても生家の看板がない。
通り越したのか?
急きょUターンして分岐に戻り、さらに戻ると道端に看板が立っていた。本郷さん生家は観光地化されておらず、ただ看板が立っていただけだった。見落とすわけだ。説明板を読んだあと、写真を軽く撮り、すぐに犬田布岬に向かった。
眺めも造りも超どデカ
何度も何度もUターンを繰り返していたこともあり、犬田布岬に着くとすでに10時すぎ。ちょっと先を急ぐ必要がありそうだ。
犬田布岬は、徳之島観光連盟発行のパンフによれば、「琉球石灰岩の海食岸がつらなり、切り立った断崖に砕ける怒涛と絶壁の遠望に自然の雄大さを体感でき」る岬。北の方に向かって断崖を眺めることができる。また、岬先端部は高麗芝の芝生地帯になっていて、晴れている今日は、とても気持ち良い風景だ。
この岬には戦艦大和の慰霊塔がある。世界最大の戦艦関係ということもあり、かなりどデカの慰霊塔だ。今は平和な島々にも戦争があったのだということをしばし思い出し、そして考えさせられる場所になっている。
この岬は芝生地帯だが、ところどころ草むらがあり、ここでもやはりハブが怖い。しかもびっくりすることにところどころ立っている看板には「花は見るだけにしましょう」という青い字よりも先に「ハブに気をつけてね!」赤文字で書かれている。冬眠中なんだろうけど、こんな看板があるとちょっとドキッとしてしまった。
犬田布岬の駐車場に戻る。ここには喫茶と土産物屋があるようなのだが、訪れた日は都合により閉店中だった。喫茶は外観は非常に古い建物だが、モダンな内装のようだった。10時のおやつに徳之島の名物菓子でも出してやしないかと期待したのだけど、残念だ。
犬田布岬からの眺め。下にある看板にも注目〜。
鍾乳洞も見つからず、、、
犬田布岬を出るとすでに10時半。4分の1周しかしてないのに早くも2時間以上費やしてしまった。このペースでいくと時間があまりない。やや急ぎ気味に小島地区へと向かった。小島地区では、太字表記にはなっていないが小島鍾乳洞をメインとして行くことにし、さらに赤文字表記の「硫黄鳥島火山灰層」と少し手前にある太黒文字表記の「展望台」に寄ることにした。
地図によると、小島地区へは、中規模の道をまず東進して崎原地区へ行き、そこにあるT字路を左折して向かう形になる。中規模道路は小島地区で行き止まりのようになっているが、下絵の地形図には北側へ抜けるやや広い道が書かれている。小島地区の北側を流れる上成川の谷間を通って島一周道路へと出る道だ。鍾乳洞に寄ったあと、この道を通れば、島一周道路に出られるので、来た道を戻る必要はなさそうだ。最悪道に迷っても来た道を戻れば島一周道路には戻れるから、深く考えずに先に行くことにした。
徳之島で見ていたパンフの地図に加筆したもの(出典:「徳之島」徳之島観光連盟発行の無料パンフ)
(右側にある赤い線が島一周道路で、図の白い矢印のように北側へ抜けようとしていた)
犬田布岬の駐車場を出てすぐを左に曲がり、中規模表記の道を行く。表記と違い、よく整備された広い二車線道で快適に走れる。だがいつまで経っても地区のT字路が現われない。方向的にも太陽の位置から考えるに東進しているというよりはやや北気味。道は広いから間違えていないだろうが、もうずいぶん走ったはず。不安になりつつ走っていると、「←小原展望台」の看板が出た。小島展望台ではないが、小原と言えば、きれいな海岸があるはず。すぐに左折した。
左折した道は区画整理された畑の間を真っすぐのびている未舗装道。しばらくいくと十字路があり、遥か左側の畑の向こうに不釣り合いな建物が見える。一瞬展望台かと思ったが、左に曲がるよう示す看板はない。展望台は先にあるのかと、十字路を直進すると、道は右に折れ、次第に悪路になっていった。いつの間にか草ボウボウになった道を進むと今度は左に折れたあと、また右に折れ、さらに右に折れている。これでは来た方向へ戻ることになる。右方を見るとさっき走った道が平行している。
悪路に悩みながらしばらく進むと、気が付くとさっきの十字路に横から戻っていた。ダマサレタ、、、。
まわりを見渡すと建物はさっき見えたもの位。他に展望台っぽい建物はないので、ひとまずその建物へと向かってみた。
建物はやはり展望台だった。
中途半端に看板があるから騙されてしまった。大通りからの入口だけでなく、最後の曲がり角にも看板を設置してほしい。
展望台は、二階屋上が展望フロアになっていて、犬田布岬から続く海岸線を眺められる。沖縄もそうだが離島は意外と海岸線が崖というところが多い。ここもそれで、後ろに広がる畑は崖上の平らな部分を利用している。ここは海岸沿い。犬田布岬から崎原に向かうと、海岸沿いは通らない。一体ここはどこなのか、しばし休憩しながら、位置を確認する。展望台から見える風景(犬田布岬からの海岸の曲がり具合)や脇に川があることを考えると、これは小島地区にある太黒文字の「展望台」そのものだ。道路の位置関係がおかしいが、地形から見るとまさにそうだろう。
自分はいつのまにか小島地区に入っていたのだ。
この展望台は小島展望台ではなく小原展望台。すぐ脇に川が流れ崖になっていた。となると小原海岸はこの下だろうか。パンフによると「むき出しの鍾乳石と滝の名所です」とある。川の先に滝があるとか?休憩後、少し手前に崖下の川へ下がる道があったのでそれを下りてみることにした。
だが、川沿いの道に行こうとすると、草で覆われ川まですら下りられない。結局海岸に行くのはあきらめてしまった。
元来た道を少し引き返して舗装道に出て、そこを左折する。もしも小原展望台が、地図上の太黒文字の「展望台」だとすれば、ちょっと走れば小島地区の中心部に入るはずだ。
はたして結果は?と考える暇もなく、やや広めの道路を速度を上げ始めてあっという間に集落になった。それどころか幅員減少の表記が出たと思ったらいきなり道幅が半減以下になった。スピードを急に緩める。危ないところだ。ちょうど役場のようなコンクリ建物の脇で道は十字路になっていた。
ここが小島地区だろう。地図によると、小島地区に入るところで、Πの時に道が分岐しているはずだ(今来た道は右側の縦線)。左に進めば火山灰層、左手前は展望台、右に進めば上成川の谷間へと向かうはず。
だが困ったことにここは十字路だった。
Π字が十字路になっていたとしたのなら、火山灰層へ行くには直進が一番近い。ひとまず道を直進することにした。進むと道は左へカーブしている。これなら方向的には正しい。
ところが、、、、
道は少し直進した後、集落を右にみながら時計まわりにまわりはじめてしまった。Uターンしようにも車一台が通るのがやっとの幅しかなく、前進するしか方法がない。あれよあれよとクネクネ進むと、いつの間にか集落を抜けてしまい、長い下り坂になってしまった。ほぼまっすぐ進むと橋がある。
ちょっと様子がおかしいので、ここで再度路肩に停車し位置を確認した。直線道路と谷川という条件。地図を見ると、これは小島地区北側の最後に抜けようとした小道だったようだ。
これは行きすぎ。
となると、ひとまずさっきあった役場みたいな建物付近がΠ字路のはずだ。ひとまずそこに戻って仕切りなおすことにした。
すぐにUターンして役場もどきをめざす。来た道を戻るのは今日三度目だ。鍾乳洞も断層も見ずにこの地区を抜けるわけにはいかない。
途中、来た道と離れて進むと道の方向は確かに地図上と同じようだ。しばらく進んだ交差点に朽ち果てた看板が立っており、かろうじて小島鍾乳洞と読める。矢印は今行こうとしているまさに進行方向を示していた。
やはり行きすぎていたようだ。
そこからちょっと行くと役場もどきの交差点だった。地図だとこの位置で道が右斜め横、右斜め前、直進から左斜め前方向の三方向に別れるはず。だが道はほぼ十字路だ。さっきは左から右へ気が付かずに行った。地図を見返してみると、鍾乳洞は右前方にあるはずだ。右折路はさっき通ったが、すぐに左にカーブしていたから方向的には正しい。右折して再び同じ道路を通る。右カーブ付近でさっきは道なりに右方向へ行ったが、左折路があったので左折する。砂利道ではあるものの、方向はこっちのはずだ。
砂利道はクネクネしている。しばらく進んだが左右ともに鍾乳洞らしきものは見えない。車輪のあとはあるので車は通っているようだが、地図上ですら、当てはまる道が見当たらない。進んだ先で行き止まりになってバックでないと戻れないとつらいし、なにより借り物の車なのでこれ以上無茶はできない。小さなお墓への分岐路があり、Uターンできるくらいのスペースが久々にあったので、そこで引き返した。
鍾乳洞がダメなら、断層だ。再び役所もどきに戻り、今度は唯一通っていない道を行く。こちらもしばらく行くと砂利道になった。しかし、かなりでかく露出しているはずの断層は見当たらない。左側は、切り立った崖でいかにも断層が見えそうだが。それらしいものはまったくない。結局少し進んでも何もないのでまたまたまたまた引き返すことにした。
しばらく戻ると右側に下る道があり、その奥に断層露出面のような場所がある。思わず車を右へ進ませたが、看板もないただの崖だった。
今度は舗装路だ。またUターンするのは面倒なので、林へと消えていく、この道を進む。林を抜けて出たところは、さっき小原展望台へと曲がった分岐付近だった。
また戻ってしまった。
一体この地区の道路はどうなっているのか?謎だらけだ。
時計を見るとすでに11時を過ぎていた。これ以上の時間のロスは、この後に影響してしまう。 結局、断層もあきらめ、小島地区を北側に抜けた。
なぜ犬なのか
残念な思いを残したまま島一周道路に出て、そのまま北上し、犬之門蓋へと車を飛ばす。気がつくと犬之門蓋で、小島地区から結構距離があるのに、20分ほどで着いてしまった。さっきまであれだけ急いでいたのに、このペースなら、何とか島を1周回れそうだ。
犬之門蓋は、犬田布に続き、また「犬」だ。この島の人は相当な犬好きらしい。もっとも、シマダスによれば「かつて飢餓のとき、人畜を襲う犬を海中に投じたといわれる場所。」だという。読み方は「インノジョウフタ」で、ちょっと難しい(「イヌノモンガイ」かと思っていた)。どんな所かと言えば、季節風や波の浸食で、トンネル状に削られた断崖を見ることができる岩石名所。数ある名所の中でも特によく知られた名所のようで、徳之島を紹介するポスターなどにも出てきている。自分は、鹿児島空港で見たポスターにひかれて、ぜひ行こうと思ったところだ。やはり地方にきたら自然の造形は楽しむべきで、この場所はまさにそんな所を代表する場所だった。
ちょうど空港に近い平土野の南側にあり、空港の端っこも見える。うまくいけば、穴の中に飛ぶ飛行機を撮れるかもしれない。(写真にも微妙に滑走路の端が見えている、、、)
犬之門蓋は徳之島を代表する観光スポット。空港からも近い。
門蓋を出ると12時前だ。ここは、島の中心よりはやや北寄り。返却時刻までは2時間あり、少し急ぎ足で回れば島北部をぐるり一周できそうだ。
すぐに出発し、平土野から東に向かって山を越え北東の海岸沿いへと足を延ばした。
花徳から山(←海岸沿いにあるのに地名は「山」)、そして金見崎にかけての北東の海岸は、平地が多い南や西に比べ、山が海まで迫る地形だ。犬田布岬付近が海からすぐ断崖だったことを考えると、山と海との間に結構人が生活できる区域はあるので、決して南西側に比べて平地が少ないわけではないはずなのだが、どうも山がちなイメージが残ってしまっている。
北東端の金見崎へ向かう途中でハブセンターに寄るつもりでいたが、運転に集中しすぎたのかまったく気がつかずにいつのまにか通り過ぎていて、あっという間に金見崎に到着。なんだか、南側に比べると、横道にそれるつもりが全くなかったためか、距離が短く感じてしまう。それほどスピードを出したつもりはないのだけれど、島中央部の門蓋から30分ほどで着いてしまった。
金見崎を事前にネットで調べた感じでは、ソテツのトンネルがある風光明媚なところという情報だった。なので、勝手に薩摩半島の南端の長崎鼻のような観光地をイメージをしていた。
ところが行ってみると岬の先端におりられないばかりか、狭い道路があるだけで整備された駐車場がない。ソテツのトンネルは見えたけど、普通に狭い道がクネクネしている集落のど真ん中にあり、車を止めておけるスペースすらないのだ。観光地の岬の灯台なら周辺に駐車場があるのが定番だけれども、それもなく、灯台すぐ手前で集落が途切れた先にひとんちの庭のような広場があったので、そこに車を止めた。この辺はやや集落から離れており、誰もいない。2、30分位は止めても大丈夫そうだ。
灯台を撮影後、5分ほど歩いてソテツのトンネルへ到着。早速通るが、木の上からハブが襲ってこないか心配でびくびくしながら歩くことになった。トンネルは結構長い距離あった。畑と畑の間の道に地元住民がソテツを植えたのがきっかけらしく、集落のど真ん中にあるのは当然なのだ。畑と畑の間の道にトンネルを作っただけだから、駐車場なんて考えてもいなかったのだろう。そして、畑の区画にあわせて直角カーブが何か所かあるのが特徴で変化があってやや面白い。よく見ると、ソテツの向こうの畑では農作業している人もいる。これならハブに咬まれたら助けを求めればいい。徳之島観光で初めて安心しながら最後まで歩くと展望台があり、その下に売店サンゴセンターがあった。
サンゴセンターは今日初めて出会ったちゃんと営業している土産屋さん。これはよく見て回らないと、と入口を入ろうとすると、ガラスに懐かしいJASのマークが貼られている。なんだろうとよく見ると、この店はナイスウイングカード特約店だった。さらにびっくりしたのは、中で土産を物色していると、ななななんと、JASの観光キャンペーンのPRパネルがででーんと置かれていたのだ。
元JASファンとしてはやや興奮する展示物。
処分もできず、かと言って置く倉庫もないからなのか、ただ無造作に置かれているだけ。でも客としてはそれだけで満足してしまった(笑)。さすがは東亜航空系が強い群島。これから先もずっと展示を続けてほしいものだ。
駐車場がなくて止まるときはびくびくしていたが、最後は妙な満足感を感じつつ、金見崎を後にした。
金見崎の展望台から振り返った風景。中央にソテツのトンネルが伸びている。
地図の赤文字は意味なし?
金見崎を出て北海岸を西進、今度は北西端にある細字赤文字表記「ムシロ瀬」へと向かった。
ムシロ瀬は地形図だと崎原崎という岬にある。しかし金見崎のように灯台が立っているわけではないし、実際に行くとどこが先端部分なのか非常に微妙な岬になっている。白っぽい岩がムシロを敷き詰めたように広がる花崗岩の海岸線で、徳之島の中でも特殊な地形なのだとか。ここまで、ゴツゴツした感じの岩ばかり見てきたので、このツルツルした岩はアクセントとしてとてもよいと思う。犬之門蓋とぜひセットで見ておきたい海岸線だ。
ムシロ瀬はご覧のとおり白い岩地帯。
ムシロ瀬を出るとまだ12時半。小島地区を抜けてからかなり急ピッチで観光地を回っているせいか、意外と時間を食っていなかった。残りは、ムシロ瀬からほど近い山あいにある松原銅山跡のみ。この調子なら、13時過ぎくらいには空港に着けそうだ。
松原銅山跡は、徳之島のパンフでも写真入りだし、地図上でも細字赤文字表記なので、観光地化されているのかもしれない。鍾乳洞もどきだからぜひ見学をしてみたかった。尚子ロードの記念碑を過ぎてすぐ、「←松原銅山跡」の案内掲示が出ており、これは期待できそうだ。
わくわくしながら車を進めること5分弱。銅山跡は、天城岳のふもと、やや登った所にあった。
しかし、期待とは裏腹に、ここも残念ながら無人の場所だった。しかも観光地といった感じのところではない。
案内板は立っているものの、観光地化されていないので、駐車場も単なる草地だった。赤文字だからといって必ずしも観光地とは限らないのだ。
松原銅山は明治に発見された比較的新しい銅山。案内板によると、今ではのどかな農村風景が広がる松原地区が「全島の人たちが往来するようになり、たいへんな賑わいだった」とか。下から第1鉱洞、第2鉱洞、第3鉱洞があり、ハイキングコースのように整備されており、楽しめるようにはなっているのだが、、、(鉱洞内は立入禁止)。山腹にある銅山はまさに「ブッシュ」の中にある。これはなによりハブが怖い。咬まれて動けなくなったら最後助けを求められないのだ。ハブが怖くて襲ってこないよう折り畳み傘を振り回しながら第1鉱洞を覗きこみはしたものの、それより上に行く気にはなれなかった。
ガソリンは140円超
松原銅山跡からは松原海岸を経由し空港方面へと向かった。漁港に寄ったのは、ここから空港の北端が見えそうだったからだ。
松原漁港は空港があるリーフに囲まれた漁港で、人工港なのに海の色が非常にきれいなエメラルドグリーンで驚いてしまった。強い日差しを浴びた南の海はこんなところでもとても美しいようだ。
エメラルドグリーンが美しい松原漁港。
この漁港からは案の定、徳之島空港の北端が見えた。南側には、遠浅の海が広がっている。ちょうど沖の方が空港に遮られ、海水が淀んでしまう一角になるが、ここではアオサ(←徳之島の名物)の養殖場が広がっていて面白い風景。きれいな海と徳之島空港をからめて撮影できる個人的にはお勧めのスポットだ。実は、もう少し早ければ奄美行の飛行機の離陸を撮影できたのだが、タッチの差で間に合わなかった。
沖合に島のような部分があり、よく見ると釣りを楽しんでいる人が何人か見える。遠浅の海で、歩いてでも行けそうに見える。自分はライフジャケットを着ていなかったから行かなかったが、ちょうど飛行機航路の真下に当たり、北側で離着陸する飛行機をド迫力で眺められそうな場所だった。
松原漁港でゆっくりしすぎたのか、すでに時刻は13時を過ぎていた。空港周辺のスポットとして、浅間陸軍飛行場滑走路跡、西郷南洲上陸記念碑を見学。総合運動公園にも寄り、周辺を行ったり来たりした後、14時少し前に空港目の前のガソリンスタンドでレンタカーを返却した。
103キロ走行で、6.35リッター。まずまずの燃費走行だ。145円/L計算らしく920円とられた。だが、レンタカー代が6時間で3360円なので、大手に比べれば断然安い値段だろう。(家に帰ってから2007年発行のパンフレットをよく見たら、軽自動車は6時間以内3400円(車両保険別)と書いてある。車両保険にも加入していたはずなので、少し割引してくれたようだ。)
手続きを済ませると、目の前に空港入り口があるのに「送迎いたしますね」と言う。すぐそこだし、自分は入口から空港見学したかったこともあり、送迎は断り、歩いて空港に入った。大手のトヨタレンタカーもマツダレンタカーも目の前にあるのだが、たぶん送迎付。雨が降っていればとてもありがたいサービスだけど、快晴の今日は大丈夫だった。
ターミナル地区はやや横に長く、手前に貨物ターミナル、奥に旅客ターミナルがある。もともと貨物ターミナルを旅客で使用していたようで、エプロンを大きくして横に移転し、それに伴って旅客ターミナルも横に移転している。ターミナルの前は駐車場になっている。この空港の駐車場周辺は塩田記念碑や花を咲かせたソテツなど、小さいながら面白いものが見られるので、ぜひ入口からじっくり歩いてみたいところだ。
琉球風味は好きですか?
ターミナルに着いてまずは、空席の確認。チェックイン機で見ると、右窓席は後方も結構空いている。自分は後方右窓席が良かったのだが、予約時には後方の指定ができなかったので、ひとまず翼よりちょっと前(10番前後)の右窓席を確保していた。当日空港で、後方に変えてもらおうと企んでいたため、まず確認したのだ。空いているので、すぐ確保しても良かったが、どうせなら通路側に別の人がいない席に座りたい。「出発20分ぐらい前のぎりぎりまで待って、隣の席のいないところに変えてもらおう」とチェックインはせずに、ひとまず空港見学を始めることにした。ギリギリまで待って最悪後方が全部埋まってしまっても、翼よりちょっと前(10番前後)の右窓席は確保しているのだから、その席に座ればよいのだ。
この空港は横に長く感じる建物だ。まあ、横に広いといっても反対側の壁は普通に見えるぐらいの距離。出発ロビーと到着ロビーが両端にあり、その間に売店が横に3店舗並んでいるからそう見えてしまう。日本の空港ターミナルの多くは、売店や出発ロビーが2階にあり、その配置がなかなか把握できないけれど、この空港は、どこになにがあるかは一目瞭然だから利用しやすい。個人的にはこういう分かりやすい空港ターミナルは好きだ。
外側、内側ともサッサと撮影を済ませ、売店を覗く。各店とも商品数は豊富で、奄美群島で2番目に広い島だけあり、地元系土産が多い。結構買いたいものはあったのだが、旅費に結構使ったからあまり金がない。ご当地ペットと菓子を少々購入するにとどめ、レストランで食事をとり、時間をつぶした。
レストランでは、セット類はごく普通のメニューだが、ジュースなどに地元系のものが多く見られた。セットで唯一地元系のものとして琉香豚生姜焼きのものがあったので頼んでみた。酸っぱいというか独特な生っぽい辛み(←表現できない、、、)で、個人的には全く好きになれない味付けだ。そういえば、この間沖縄に行った時も地元定食屋で出てきたゴーヤー定食がこんな味だった。沖縄(ここは奄美だけど、、、)の人はこの独特な酸っぱさが好きなのだろうか、、、。ちょっと不思議な感じだった。
そうこうしているうちに出発30分前になったので、食事を終え、残席状況を確認しに行く。
すると、右窓席は、翼がかかる中央を除いてほぼ満席となっていた。これは残念無念。
「ひとまず、翼よりちょっと前(10番前後)の右窓席は確保できているからいいや」と続けてチェックインしようとすると、JALカードを機械が受け付けてくれない。しょうがないから携帯電話で操作をするがここでもなぜかチェックインができない事態。どうしようもないので、しぶしぶ窓口で航空券を発券する羽目になった。
また、QUICを利用できないじゃん!不便で仕方がないし、またまたまたまたマックのバーガーを逃した気がして面白くない。いつもなら座席指定にいろいろ説明をするところだが、座席も確保していることだし、こちらも何も言わず、向こうも何も聞かず、すぐに発券を終えた。
時計を見ると残りはあと30分を切ったところだ。駆け足で屋上にあがると、ちょうどこれからのる飛行機が到着したところで、これをササッと撮影して、再び急いで1階へ。大して混んでもいなかったので、ほとんど並ばずにすんなりゲートラウンジに入ることができた。
搭乗待合室は意外と狭い空間だった。中の撮影を終えれば、ターミナル内の調査は終了。ほっと一息ついた。
右ってどっち?
そういえば、座席は12番?それとも13番だったっけ?
座席で一息ついているとき、はっきり覚えてなかったことに気付き、搭乗券に書かれた座席を確認した。
ところが、、、
座席番号の所になぜか「5A」という文字が見える。
「10番台を予約したはずなのに、なぜか5番。しかもAは左窓席のような気がする。おかしい!!!!!左じゃ、空港が写せない!」。
頭の中がパニックになった。今回の旅で唯一天気が良くなりそうな飛行。右側でないと眼下に空港を楽しめないのはほぼ確実で、それをわかった上で、右窓席を予約していたはずだった。だが、目の前にある搭乗券には「5A」とある。
これはいったいどうしたものか。
大混乱になった頭を少し整理しつつ、改札口で準備をしていた係員に「真ん中ぐらいの右座席を指定したはずなんだけど、、、。右がいいんだけど、5Aって右側の座席ですよね?」とひとまず確認した。
すると、係員は「そうですね。Aは右側です。」と言う。
それならひと安心だ。大慌てになって損した。右なら問題ない。まったく人騒がせな座席変更だ。そもそも座席変更したなら発券時に言ってほしいものだ。ひとまず、右窓席であるようなので、それならひと安心。気持ちをクールダウンして飛行機へと向かった。
ところが、、、
飛行機に入り、5列目へいくと、通路から左前(つまり右窓席)を見ると人がいる。
あれ?????
よく見るとやはりAは左窓席だった。
そうだ、左からアルファベットはふられているんだった。右側って、入った通路から見て右ってことか!
落胆して席に座る。これでは、鹿児島までの間に空から飛行場は一個も見れない。なんということだ。
離陸準備まで時間があったので、毛布を配るCAさんに、「真ん中より少し前の右窓席を予約したんだけど。しかも、さっき窓口で右側ですと言われたんだけど。」と言うと、CAさんも困った様子。離陸しないと状況が読めない、といった感じだったので、「ひとまずはいいです」と離陸準備を優先させた。
飛行機はたぶん定刻通り離陸。落胆が大きすぎて、時間を見ることもできなかった。しかも、北側への離陸で左窓席からは徳之島空港ターミナルはおろか徳之島も全く見えなかった。東側へずれて飛ぶことを期待しながら、離陸から、カメラをずーーーっと構えるも、眼下はずーーーっと海だ。そうしているうちにベルト着用サインが消え、一通りのサービスがスタートする。だが、サービスのドリンクもそっちのけでカメラをずーーーっと構えていたが、全く意味がない。
しばらくしてやっと見えてきた島はどうも形からして横当島のようだ。撮ろうか迷ったが、とりあえず練習にと撮影。つづいて、ハート形の島が見える。この順番だとすると、これはほぼ宝島に間違いない。カメラを構えると、ちょうど通りかかったCAさんが「宝島ですね」と聞いてもいないのに後ろから声をかけてきた。まさに悪魔のささやき。これが宝島だとなると、奄美大島はとうに通り過ぎ、角度からすると、諏訪之瀬島は右窓眼下になる。そして、なんということか、このまままっすぐ行けば、屋久島もやはり西側を通ってしまい、こちらの窓からは見えない。薩摩硫黄島がなんとか捕えられるかどうかといったところだが、、、。空から見れたはずの奄美空港、諏訪之瀬島空港、屋久島空港は絶対に見えないことになった。
落胆がさらに大きくなった。
最初に見えた島。横当島。
それからしばらくしてCAさんが一人やってきた。
「後方になってしまいますが、右窓席が空いております。移動いたしますか?」と言う。だが、もう奄美大島も諏訪之瀬島も通過した時間だし、いまさら席を移動しても屋久島空港が見えるだけだ。そもそも、恥ずかしくて途中で席替えなどできるわけもない。さらに落胆しすぎで移動する気力すら湧かず、結局断ってしまった。
鹿児島が近くなると、雲が出てきた。薩摩硫黄島があっても雲が邪魔になりそうだ。そうこう考えていると、雲の切れ目に丸に近い島が見える。奥に他に島は見えない。おそらく黒島で、やはり薩摩硫黄島も右窓眼下だった。
あ〜あ。結局、雲が点在する空模様もあって、桜島や鹿児島市付近ぐらいしか撮影できず。鹿児島空港も南からの着陸で、まったく撮影できなかった。せっかく空から多くの空港を撮るチャンスだったのに、ミスミス逃してしまった。それ以上に、今回は、空からの眺めも考えて、調べつくして右窓席がベストだということがわかって、しかもしかっり予約までしてあったのだから、落胆は大きすぎ。これまで体験したことないぐらい悔しい体験となった。
自動チェックインキャンセルがいけなかった?
鹿児島空港に着いて、なぜ、予約が変わったのか考えてみた。
昨晩届いた自動チェックインのメールを見直すと、指定座席は12Eとなっている。前方の右窓席としてはベストな席だ。この時点ではまだ座席指定が残っていたことを考えると、原因は「自動チェックインのキャンセル」以外考えられないだろう。機種変更などは一切行われていないし、急に乗客が増えたという感じでもない。チェックインキャンセルと同時に座席指定もキャンセルされたと考えれば合点がいく。
では、なぜ窓口でチェックインしたとき、座席指定のことを全く聞かれなかったのだろう。通常なら窓側にするか通路側にするか聞かれるのに、今回はそんな質問はなかった。質問がもしもあったら「指定している通りだよ」と文句を言って、座席指定がキャンセルされていたことが分かっただろう。
おそらく、窓口の係員は「人気の高い前方」「人気の高い窓側」「人気の高い隣のいない座席」と好条件がそろった5Aが残っていたから、何も聞かずに発券したのかもしれない(このうち「前方」ってのは自分にとっては悪条件)。こっちはこっちで当然10番台の右窓席だと思い込んでいたし、自動チェックイン機で後方窓席が空いていないことを知っていたから、通常するように「できるだけ後ろの方」といった指定をしなかった。
発券直後に番号確認をしなかったのが悔やまれる。
今回の旅行では、空の天気は最後まであまりよくなく、最後の徳之島→鹿児島だけが雲があまりない、窓側席には絶好の天気だった。そこを取りこぼしたのだから、残念でならない。
最後の夜の空弁は、、、
まあ、いつまでグジグジしてても仕方がない。
気を取り直して、鹿児島空港を見学に入る。何度来ても広い空港だ。
羽田、奄美と空弁は確保できず、喜界や徳之島はそのようなものは見当たらなかった。「最後の空港ぐらいは空弁をしっかり確保しよう」と売店をのぞくと「空弁はゲートの中の店舗で売ってます」とつれない返事。この空港の空弁は種類が多いことを事前にチェックしていただけに、やや焦った。飛行機は19時45分発だから、1時間くらい前に入って、空弁を確保しようと時計を見ながらゲートの外の見学を始めた。
19時前、そろそろゲート内に入ろうと出発手荷物検査場に行くと、なんと、ロビーで人が固まりになっている。A番からE番までの5か所の入り口があるが、すべてに多くの人が並び、ロビーが人であふれかえっていたのだ。1つの入口に見える範囲で2、30人は並んでいる。日曜日最終便の時間帯。旅行から帰る人が多いようだ。
15分ほどかけてやっとこさ手荷物検査場を抜けた。
大混雑の出発口。掲示板にも多数の便が表示されていた。
売店へ行くと、、、
ほとんどの空弁は売り切れだった。わずかに残っているのは、鹿児島以外でも買えそうな普通の弁当。またも空弁を逃してしまった。
帰りの飛行機は時間通りに離陸、と思ったら、羽田の混雑の影響で時間調整してから離陸。疲れきった機内では完全に寝てしまい、気が付くと羽田に着陸していた。
これで今回の旅も終了。今回は仕事に影響なく無事に東京に戻ることができた。
→「帰宅してから、、、」へ
今日の教訓!
・自動チェックインをキャンセルすると座席指定までキャンセルされる!
・徳之島→鹿児島の眺望は絶対右窓!(←宝島、黒島などは左窓ですよ)
・夜の空港では空弁はまず売り切れだ!
2009年03月15日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック