■2009.05 利尻・礼文・稚内・弟子屈 旅行前
復活をあきらめ 礼文へ
春は実は旅行の季節。4月5月は新年度で予定が立たない人が多いうえ、春休みとGWでバーンと使う人が多い反動もあり、その前後は旅行需要が著しく少ない時期だ。加えて旅行会社は新パンフ配布開始の時期でもあり、いつもに比べると安いツアーが多くなる。国内を旅行する上でGW前後はかなりの狙い目と言える。
4月上旬、この旅行に最適な時期を逃すまいと計画をたてた。いつもの流れで、木曜で午前中に帰れる日を基準とし、金曜を休みにして、実質3.5連休となる日を探す。見事5月下旬にこの日程が来ることになったので、早速旅を考えることにした。本当のところはGW直後の週に行きたいところだが、仕事の入り方に依るからそれは無理だった。
今回は、5月下旬ということで梅雨入りの可能性もあることから、北海道に照準を合わせた。
北海道は18年6月に道東、20年7月に道南をまわっていて、行っていない空港は稚内、利尻、礼文、弟子屈の4つ。道東訪問以来、すぐに道北に行きたいとずっと考えていて、当然道北に行くべきだったのだが、礼文空港が開店休業続きだったためこれまであえてこの地区は放置していて、礼文空港の定期便復活まで待つことにしていた。
ところが、昨冬、礼文空港が4月から休止することが決まってしまった。こうなったらいつまで待っても再開が見えてこない。実のところ、休止の事実を知った際、春休み期間に休止前の様子を見ておこうと思ったのだが、雪の影響を危惧していけなかったのだ。礼文空港休止に便乗して空港ファンの心をくすぐるさよならツアーを企画するところでもありやしないかと期待を込めて待っていたのだけれど、そんな気合いの入ったツアーを企画する会社はあるわけなく、期待しただけ無駄だった。(←旅行代理店に聞きまくり、離島専門の旅行社にも行ったりしたがまったく無駄足だった、、、。)
これから再開を待っていると、最低でも6年間は待たねばならない。それまで道北行きを待っているのはもったいない。そうやって待っていてもすぐに行ってもおなじことだ。そこでこれを機会に行ってみることにした。
単純に初日稚内、2日目に利尻礼文、3日目に弟子屈とすると1日余るし、途中で紋別や女満別を通り過ぎる。2度目となるが大きな変化があったかもしれないし、ちょうど良いから寄ってみたい。
実は、18年6月の訪道は、空の駅巡りとしてはじめて本格的にまわったばかりで、調査に抜けが多かった。弟子屈など当時は知らず、すぐ横を通ったのに無視していた。さらに女満別はバス情報があやふや。釧路は霧で、中標津は工事中で情報が中途半端。紋別と女満別は旧空港が近くにありながらまったく調べていなかったなどなどだ。また、調べてみると場外離着陸場がこのあたりはバンバンあるらしい。
そこで、道北をまわるついでに道東の各空港もまわることにした。
使いづらく不安な1日1便ダイヤ
今回は、新情報が必要な空港は日本最北端に集中しているから、最北端側を早いうちに済ませ、そこからオホーツク海沿いに南下し、四空港の新情報と道東各空港の不十分な情報を調べるようにすれば効率がよさそうだ。
4月上旬、早速、地図&時刻表とにらめっこをはじめた。
理想の経路は稚内IN、帯広OUTで初日に稚内、二日目に利尻、礼文、三日目に紋別、女満別、弟子屈、中標津、最終日に釧路、帯広だ。だが、北海道はレンタカーを乗り捨てるとバカ高い。稚内までは飛行距離が長くて運賃が高く、単純に計算すると、宿泊費抜きでも特割往復65000+レンタカー三日20000+乗捨10000+船5000と、あっというまに10万になってしまいそうだ。
乗捨料のことを考えると、同一空港IN・OUTがベストなことはあきらかだった。だが往復とも同一空港利用だとあまり広範囲を回れないのが痛い。結構悩んだが、今回は、新しく訪問する空港は少ないし、回る範囲よりも値段の節約に重点を置きたい。同一空港IN・OUTなら、個人ツアーも組め節約になる。
そこで、同一空港IN・OUTとし、初日稚内、二日目利尻、礼文、三日目弟子屈、女満別、紋別、最終日旭川、稚内とまわることにした。
続いてダイヤを調べると、稚内は1日1便で昼頃の運航だった。これでは初日に乗り遅れる危険が高いし、最終日は半日しか使えず無駄が多い。(←夏場は2便に増便される。ただし、2便とも昼ごろの運行で、やっぱり扱いづらい。)
次の策として、間に新千歳経由や札幌丘珠を挟み込む方法を考えた。この場合、新千歳経由は夜間の設定なので、初日は昼過ぎに出て、最終日も結構遅くまで使えなかなかだ。一方の札幌丘珠発着は行きが朝、帰りも朝便だから初日は乗るのが無理だ。 新千歳経由で利尻から入るパターンはダイヤが昼ごろの設定で無駄が多いし、欠航した場合に動きがとれなくなってしまう(北海道島内発着なら天候が悪い場合に最悪離島行きを断念しても他を回れるが、利尻発着にしているとそうはいかなくなる)。
新千歳経由の稚内IN・OUTは、ダイヤが使えそうだが、片道2区間になり、運賃が高くなってしまい、これは大きな問題だった。さらに、初日が夜着で、外観の撮影ができないから、初日稚内の内側、二日目利尻礼文、三日目朝に稚内の外観となる。こうなると、三日目に弟子屈、女満別、紋別と回るのが厳しくなる。となると、最終日に朝一に旭川を調べるのが難しくなる。すると、最終日に稚内で乗り遅れる危険があるので避けたいところだった。
さらに良く考えてみると、そもそも、稚内IN・OUTにすると、各方面の便は1日1便しかないから、仮に欠航になってしまった場合に代替がきかない。最終日の便が欠航してしまうと、翌日の移動もなかなかできない事態に陥ってしまう。仮に翌日朝一便の札幌丘珠行に乗っても札幌に着くのは正午ごろ。最速移動で新千歳から帰ってきても羽田に着くのは15時位。稚内から直行しても羽田に着くのは14時位で、1日仕事を休まねばならなくなる。
何かうまい方法はないか?
頭を悩ましたあげく、旭川か女満別のIN・OUTで考えることにした。
両空港ともほぼ同じようなダイヤで、羽田便だけでもJALなら3または4便、ADOなら3便飛んでいる。仮に最終便が欠航して翌日振替になっても朝一便に乗れば昼前には羽田に着けるから、翌日から再開する仕事に関してはぎりぎり半休を切れば良くなる。それに旭川なら夜の間に新千歳に移動すれば、朝一便で9時過ぎには羽田に着ける。結局始業時刻には間に合わないが、仕事への影響は大幅に減る。(もっとも、旭川や女満別の朝一便はこれでも遅い。これは、2空港とも夜間駐機がないため、朝一便が到着便折り返しになるためだ。)
この二空港はダイヤには大差がなく、条件は大きくは変わらなかった。しかし、旭川の方が、
1.スカイマークが飛んでいて大手も安い
2.初日の昼便が正午すぎがある絶妙な設定
3.回り方により離島行きを二日目、三日目のいずれにもできる
4.緊急時に便数の多い新千歳への代替が可能
などわずかながら利点がある。JALツアーサイトで予約を検索すると、一泊付往復で34000円程度だ(ちなみに稚内往復だとこれが40000円位になってしまう)。これならレンタカー20000円と利尻礼文船代5000円と合わせ6万程度で済む。
結局、初日昼間に旭川に飛び夕方まで旭川を見学。レンタカーを借りて夜のうちに稚内に走り、二日目は朝一便から船に乗り利尻と礼文、三日目朝一で稚内を見たあと、紋別へ移動。四日目は女満別の残りと弟子屈、場外離着陸場の美幌、北見、愛別をまわることにした。
旭川INOUTは日程を流動的にできるという利点もあった。
旭川と稚内、同じく旭川と道東、道東と稚内は、それぞれ車で3〜5時間程度と絶妙な距離だけ離れている。仮に三日目に北見、美幌、女満別をまわれれば、四日目に中標津に足をのばすことが可能だ。また、利尻・礼文への渡島は二日目に予定しているものの、アクセスの船は予約不要だから、二日目の天気が悪そうで三日目が晴れていそうなら回り方を半時計まわりに変更し、二日目に道東、二日目の夜の間に稚内へ移動して三日目に利尻礼文、四日目に稚内という手も可能なのだ。
これらの行動が可能になった背景には、利尻礼文航路が一日4便の多頻度運航ということが大きい。普通離島は一島一日かかることが多く、これまでもダイヤが合わずに断念したりしてきた。ところが、利尻、礼文は、その日のうちに、対岸の稚内から渡って一日二島回り再び稚内に戻ることが可能なすばらしき地域なのだ。天気の急変や欠航が心配な離島で1晩過ごすことなく本土に戻れるのは大きいし、宿泊費が高くなりがちな離島に泊まらなくてよいというのは財布にうれしい。そして何よりネックになりがちな離島2島を1日(正確には半日ほど)で済ませるのだから、日程に流動性が出てくる。
もっとも自分は利尻も礼文も空港を見れればよいから、一日で利尻、礼文、稚内をまわりたかったのだが、利尻・礼文間の船のうち、利尻空港近くの鴛泊港を経由する便は昼間に二便しかなく、かつ礼文は島内を南端から北端まで移動しなければならないため時間がかかる。結局、稚内は別日に行くことにした。
早速予約を入れる。閑散期だから飛行機はすんなり予約できた。
予約の際、宿をどこにするべきかで迷った。初日の夜稚内だと夜中のうちに着けるか不安。となると二日目夜稚内か三日目夜道東かのいずれかだった。結局は値段と日にちで決定したのだが、網走がわずかに安く、稚内からの大移動で疲れてるだろうから、ホテルは三日目夜網走で消化することにした。
問題はレンタカーだった。大手のレンタカーは、三日以上借りる場合は、基本的に日割制をとるところが多い。初日の夕方に借りて四日目に返すと実質3日分程度の時間しか借りてなくても4日分お金がかかり無駄になってしまうのだ。これは大きなネックポイント。今回は利尻・礼文に行く間、二日目の半日は車を使わないのだから、もっと節約したいところだ。
そこでまずは地元系の格安レンタを探したが旭川空港周辺ではまったく見つからなかった。続いて時間制のところを探ると、準大手のJネットがある。大手に比べて若干安い値段設定だし、時間制を取るから3泊4日でも72時間14000円程度で済みそうだ。そこで、初日少し遅いが19時に借り、四日目19時に返す行程で予約をした。
利尻・礼文の島内移動で頭悩ます
続いて問題となったのが利尻・礼文の島内での移動だった。
まず利尻島。利尻空港は港近くにある。レンタサイクルがあれば借りてパパっと回りたいところだが、東京都内の観光案内所で手に入れた島のパンフにはレンタサイクル自体が載っていない。離島旅行者のバイブル「シマダス」ではホテル利尻が載っているだけで、さらにネットで調べてみても旅館がヒットするだけ。自転車は利用できなさそうだった。だが、レンタカーを借りるほど財布に余裕はない。この島の場合、地図を見る限りでは、空港と鴛泊港は歩いても1時間程度で行けそうだから、歩いて回ることにした。
一方、礼文島は条件がややきつかった。この島はフェリーが着く香深港と空港がざっと15キロは離れている。前述の利尻を歩きで回るのと空港開館時間関係上、礼文上陸は14時頃。稚内のフェリーが出る17時頃までの3時間ほどに回らなければならない。フェリーの集合時間はふつう30分前ぐらいだから、実質的に回れる時間は2時間半くらいだろう。こちらはネットで調べると、香深港にレンタサイクルがあることが確認できた。だが、町の公式サイトに風が強いとの記述があり、往復30キロをチャリで2時間半で往復するのはかなりリスクが大きい。そこで礼文だけはレンタカーを使うことにした。
早速予約を入れようとネットでレンタカー屋を探してみるが、大手以外はひっかからない。
「財布にあまり余裕がないんだけどなあ。」仕方がないのでやや高いのを覚悟しつつ、ニッポンレンタカーに予約を入れるため、公式サイトにアクセスした。ニッポンレンタカーは最小のKAクラスでも6時間6720円(保険付、安心コース)はかかるので、あまり積極的には借りたくないというのが本音。でも仕方がない。
ところが、、、、なぜかネットが受け付けてくれない。
「まさか閉鎖中じゃあるまいな?」と電話予約を入れると、礼文は電話じゃないと受け付けていないという。本当に面倒臭い流れだ。
面倒臭いと思いつつ、最小クラス、14時〜17時半、一人利用、安心コース+保険加盟、住所、氏名などなど、、、を伝えた。すると、営業所が17時10分までしかやっていないと言うので、結局、14:10〜17:10の3時間で借りることになった。さらに最小クラスに空きがなく、一つ上のクラスになるという。それは仕方がない。
予約が終わると「離島料金になる」と言う。値段を聞くと、なんとまさかの7000円強だと言う。まさに強打と言う感じ。よく聞くと、離島料金でそもそも基本料金が高いためだという。ただ、「基本料金以外にもガソリン代も込みですので」と言い訳されてしまった。まあ、単純に考えてみると、全部コミコミならまずまずの値段設定なのかもしれないが、よく聞いてみると、他の営業所と異なり、3時間ごとに値段を区切るらしいので、やっぱり高い設定のようだ。後で調べたら、通常なら、下から二つ目のクラス(SHクラス)は6時間6825円(保険付、安心コース)。礼文の場合は、これが3時間使用で7000円ちょっとだ。狭い離島でガソリンなんて大して食わないだろうから、割高だ。
さて、電話によるややこしいやりとりで、最後に契約内容の確認をしなかったのだが、これがあとになって大失敗の悲劇につながるとは、この時は思いもよらなかった。
とにもかくにも、今回はこうしてすんなり?全予約を完了。全部で2泊4日。あとは当日天気が良くなることを願うのみとなった。
■今回の予定旅程
5/21 羽田14:25(JAL1113便)→16:05旭川19:00→稚内
(旭川からレンタカー、車中泊)
5/22 稚内06:30(HLF07便)→08:10利尻13:15(HLF27便)→13:55礼文17:25(HLF54便)→19:20→稚内
(利尻徒歩、礼文島内はレンタカー、車中泊)
5/23 稚内→紋別→女満別→網走
(ホテルルートイン網走駅前泊)
5/24 網走→女満別→弟子屈→北見→愛別→19:00旭川20:20→(JAL1116便)→22:00羽田
(旭川までレンタカー)
ここまでの教訓
・利尻礼文はフェリーが超便利 (←なので、行程を組む際は最大限有効に使おう!)
・利尻礼文はレンタカーが高い!(←でもガソリン代コミコミです)
2009年05月20日
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