再び自宅を出発し伊豆諸島周遊へ
旅行3日目。目覚めた時は自宅だから、旅行3日目というよりかは初日に近い感覚だ。
昨日までは天候不順による予定外の展開が続いた。これ以上天候不順は勘弁だ。今日から行程通りに戻れそうだが
、天気予報を見ると、明朝にかけて再び前線が通過するため雨模様。ちょっとイヤな予報だ。ひとまず今朝は昨日に引き続きよい天気。天気が持つこと願いつつ、伊豆諸島周遊に再出発した。
朝6時すぎに自宅を出て、まずは久里浜へ向かった。
船の久里浜発時刻は9時すぎだから単純に見ると少し早すぎるのだが、久里浜駅から港まで歩いて何分か分からないのでこの時間にした。
久里浜には、京急特快であっという間、自宅を出てから1時間もかからずに到着した。駅からは路線バスがあるようだが、歩いてもいけない距離ではない。駅員に道順を聞き、ゆっくりと歩いて出た。
昨日、神津島からのアクセスを飛行機に変更したことで緊急出費があったから財布が少しさびしい。まずはお金をおろそうと駅前のATMによるが、朝早いせいかまだ開店しておらず、結局お金はおろせなかった。
港には30分ほどで到着。
出発までまだ1時間以上あり、受付すらはじまっていなかった。ここは東京湾フェリーのターミナルで、すでに東京湾フェリーの船便は発着中。売店も開いていたからそこを見たりして時間をつぶした。
東京湾フェリーは旅行者、特にチャリ愛好家たちの御用達らしく、自転車でやってきた人が多く見られた。
このターミナルの券売機ではパスモも使える。ATMが利用できなかったせいで手元に現金があまりないので助かったと思っていたら、大島行は仮設カウンタでの受付で支払いは現金だけだった。まったくイタイ出費だ。発券の際、酔いやすいから通路側でと頼むと、座席はすでに決まっていて変更できないという。座席は120番。しょうがないからそのまま受け取り、乗船を待った。今日はそれほど波が高くないから、吐くことはないだろうけど、ちょっと不安だ。
出航10分前に集合がかかり、3、40人がゾロゾロと桟橋へと移動した。

竹芝からやってきたジェットフォイル。ピンク色の目立つ船体。
大島行のジェットフォイルは竹芝始発。竹芝から館山経由便と久里浜経由便がほぼ同時刻で運行している。どうせならもう少しダイヤをずらせばいいのに、なんとも無駄なダイヤ設定で、客は多くないだろうと思っていたのだが、竹芝からすでに多くの人が乗り込んでいた。
久里浜からの乗客はそのほとんどがツアー客で、座席は二層部。入口は二層部にあり、乗った客は次から次へと二層部へ消えていく。そんななか、個人客の自分は座席が一層部で、流れを無視したように階段を下りた。一階に下りたのはたった二、三人。大島椿の時期でもありツアー客が多かったのかもあるかもしれないが、この人数差にはちょっとびっくりしてしまった。
二階はほとんど人がいなかったのだが、一階に下がると竹芝からの客でほぼ満席だった。
自分の座席を探すが、なぜか110番台前後は130番台で、目指す120番台がない。あれっと思ってウロチョロしたら、目指す座席は一番後の列で隔離されていた。
一番後は一列空席で、自分の席は通路側。あとから入り込む久里浜乗船の人が分かりやすいように、座席を完全に分けているようだ。この措置は分かりやすくて好感が持てる。通路側の座席だし、これなら酔って吐いても周りに大きく影響せず済むからホッとひと安心だった。
ジェットフォイルの船内はフェリーというよりかは飛行機に近く、動きはじめと止まるときはシートベルトをしめなければならない。もちろんその間はトイレもダメで、飛行機より断然フェリーと言う人やのびのびしたい人には向かない乗り物かもしれない。かなり高速での運航で、窓外では波がかかるものの、揺れは少なく、まずまず快適。横揺れより縦方向に飛び上がるような揺れが強く感じられた。

ジェットフォイルの船内。横に広い飛行機の中といった感じ。なにせボーイング製ですから、、、。
実は近かった三原山の噴火跡は、、、
大島には1時間で到着。
快晴で凪いでおり、ほとんど揺れを感じずに到着した。
ずいぶん遠い印象があり、この歳になるまで来たことがない島だったが、こんなに近いなら長野とか福島行くより手軽に行ける気がした。
港は風の影響も考慮し、島北側の岡田港になった。一番メインは西側の元町港なので、やや条件が悪かったようだが、冬場は北西の風のことが多いから、こちらのことが多いらしい。
2つ以上船舶用港がある離島でははじめから就航港を分けているところも多い。だが、この島は違う。就航率アップのために柔軟な使い分けをしているのだ。レンタカーも島内の路線バスも港の使用状況に応じて運行方法を柔軟に変更している。つまり旅客船に関しては島全体で1港なのだ。2港を使っているとレンタカーの乗り捨てもしづらいけれど、つねに1港ならその問題は解消されるし、なにより、島側の港が変更するものの必ず1港に限定されていれば島外からの利用者にしてみればとてもわかりやすく使いやすい。
港に下りると椿の観光シーズンのせいか呼び込みが激しい。レンタカー屋を見つけて声をかけると、屋外でそのまま引き渡しになった。港にはたくさんのレンタカーが停められていて需要は多そう。こんなことならもう少し時間をかけて格安レンタを探すべきだったかもしれない。
大島では10時から3時間貸。このまま空港へ行って車を乗り捨て、昼過ぎ14:35発の八丈島行に乗る予定でいた。
空港見学は1時間もあればできるだろう。すると3時間余る。そこで空港見学は後回しにして、まずは島見物をはじめた。
3時間は島をグルリ一周できる程度しかない。だが三原山に行ってみたかったこともあり、島北部をまわるにとどめることにした。ツーリングマップルを見ると経路上には白砂青松100選の松山海岸や椿トンネル、椿園、リス園など見どころはたくさんあるようなのだが、三原山では1時間ぐらいは必要だから、ゆっくり寄っている暇がない。しかたがないので、ドライブ中心に行くことにした。
岡田港から時計まわりに海岸沿いを進んだのち、椿園で右折して三原山へと進行。そこから空港へと降りることにした。
外周道路は、ところどころ道幅が狭く、あまり走りやすいとは言えない。特に椿トンネル付近は椿を残した結果か、狭い区間が連続していた。小型車だったから良かったけど、対向車とのすれ違いにちょっと焦る区間もあった。椿園を過ぎたのち、すぐ右折して山を登る。この道はあじさいレインボーラインというから、6月ごろはきれいなのだろう。
まずは高いところから大島空港を見ようと、山腹火口へと向かった。山腹火口は、三原山に向かう途中、新火口展望台付近の分岐路を少し下るとみられる溶岩噴出跡だ。この分岐路は舗装がいたるところで陥没しているひどい道路で、昭和の噴火後そのまま放置されているようだ。それもそのはずで、山腹火口にある天然の駐車場から先に、まだまだ道路はのびているのに、どうやら噴火の影響でその先が埋まってしまっていた。ここに来る観光客は多くないのだが、ここから見る空港方面の景色は抜群。火山性の黒い岩々の向こうに空港や元町地区が見え、さらに相模湾を通して丹沢、富士山方面の山々が一望できた。昼過ぎになってしまい、ほとんど霞んでしまっていたが、富士山は裾野まで見えるようだ。
火口から大島空港を撮影した後、いよいよ三原山へと向かった。三原山は駐車場が外輪山の北側にあり、山頂へは結構歩かねばならない。ここが結構時間を食いそうだ。駐車場付近から火口を見ると、意外と遠い。片道1時間は覚悟してチョチョッと歩き始めた。
朝快晴だった天候は、いつのまにかやや風が強く雲が出る天候に変わってきた。船も運航したのだからたいしたことはないはずだが、砂が目に入るような風で、外輪山をグルリとまわる砂漠コースを行くのは避け、歩く距離の短いメインコースを進んだ。歩きはじめは結構距離があるように見えたが火口外周で一番近い火口展望所まではセッセと歩いて30分ほどだった。そこから火口を一周しても良かったのだが、パンフだと一周1時間程度はかかるとの書き方。やや時間がない。残念だが火口展望所にだけ行ってすぐに折り返してしまった。

三原山新火口を駐車場付近から。結構遠いように見えたけど、セッセと歩けば奥に見える山頂付近まで往復1時間程度だ。
三原山からの下山途中、八丈島空港で名物らしい島寿司を頼み忘れていたことを思い出し、八丈島空港に電話をした。明朝第一便で用意してほしいと告げると天気が悪そうだから用意できない可能性が高いという。空港名物を取り逃がすわけにいかないから、明日ではなく今日手に入れるよう変更。このあと寄ると伝えると、とりおきしとくと言う。人気の高い島寿司とはいったいどんなものなのか気になって仕方がなかった。
三原山から空港までは車で30分ほど。返却時刻までやや時間があったので、空港を一周。事前調査で北端にミルクセンターがあることを確認していたので、牛と一緒に空港を撮影できるかと期待していたが、牛は一頭もおらず、撮影はかなわなかった。
空港には13時前着。ひとまずレストランでボリュームたっぷりのランチを食べ腹拵えしてから見学を開始した。
日程を二つに分けたから、というか分けざるを得なかったから、預ける荷物はなく、チェックインも済ませてある。窓口に寄る必要はなかったのだが、撮影のために寄ってみるとなんと搭乗予定便は天候調査中。風が特にダメらしく、着陸できなければ運航しないと言う。まったく初日から散々なのにさらに天候のせいとは。今日なんかは朝から快晴なのに、運休の危機とは困ったものだ。
しばらくすると、羽田は飛び立ったとの情報。あとは着陸できるかどうかだけらしい。運航しなけりゃ船で帰るしかないか。天気は晴れだし、と楽観視し、ひとまず着陸する機体を写そうと屋上へ出たが、風が強くなりカメラを安定させるのもひと苦労だった。羽田からの便はこの風の影響で10分ほどの遅れで到着した。
撮影後は出発まで時間がないので、そそくさと待合室に入ったが、他に客が2人しかいない。「たったこれだけ?」と首をかしげていると羽田から着いた便から5人ほどが残り、最終的にたった10人ほどで八丈島へ向かうことになった。これにはさすがにビックリ。後で調べたら大島・八丈島便は常に搭乗率が著しく悪い便だそうで、おかげで、短い時間ではあったものの、プライベート飛行気分を味わえた。(この影響で10月からの休止が決定)。

全然人がいないANA849便。この搭乗率ではねえ。10月からついに廃止となってしまう。ちなみに当日券の場合は、東京・八丈島間は子の経由便のほうが安い。
新島や神津島を撮影できるかも、と期待して右窓席を取っていたのだが、新島が見えた程度で神津島はあまりよく見えなかった。三宅島は左窓からで海ばかりが展開。八丈島付近はもやっていた上、東側から時計まわりに大回りして着陸したため、空港を写すチャンスはほとんどなかった。
周遊最後の島、八丈島はひょうたん型
やや長い時間を要して着陸した八丈島は、さっきまでいた大島とは打って変わって曇り空だった。島寿司を確保した後、レンタカー屋の送迎を受けた。格安レンタなのに空港まで送迎ありとはありがたい。送迎してくれたレンタカー屋の主人は、一見、とても怖そうなおっちゃん。大丈夫かなあ、とは思ったものの、この人、実はとても気の利くおっちゃんだった。
送迎中天気を聞くと、「明朝は飛ばないんじゃないか」と不安な一言。朝のうちに前線が過ぎるから午後には飛ぶでしょうと言うと、24時間までは値段が変わらないから、もしも飛ばなかったら今と同じ時刻くらいまでは借りてていいと言う。格安レンタなのに太っ腹だ。
さらに、事務所に着いて貸出手続をしていると「今晩の宿は?」と聞いてくる。予約時に書いた通りで「パークホテルです」と言うと、さっきダブル送迎防ぐために電話したらキャンセルって言ってたよと不思議そうにしている。あれっと携帯で確認したら確かに予約が消えている。前日別件を予約取消した際に一緒に取り消してしまったようだ。どうしようかと焦っていたら、なんとすぐに直接ホテルに電話して話を付けてくれた。
格安なのにようやってくれるレンタカー屋だ。
ただ、借りた車は年季の入った代物で、扉も閉まりにくい。格安だから仕方がないが、ややガソリンはくいそうで、本業のレンタカーの方はちょっと手抜きっすか!?といった感じだ。
車を借りた後は、まず八丈富士の中腹にある牧場へと急いだ。
八丈島はひょっこりひょうたん島のモデルにもなった瓢箪型をした島で、空港がある低地を挟むように八丈富士と三原山の二つの山がある。空港北側にある八丈富士は八丈島を代表する山で、事前調査では山腹にあるふれあい牧場から空港が一望できることがわかっていた。本当は南側の三原山山腹から空港と八丈富士を一緒に写したかったのだが、そのような道がないようだったので、仕方なく八丈富士から眺めることにしたのだ。牧場からなら牛を絡めた写真もとれるかもしれない。実は空港見学をそこそこにして牧場へ急いだのは暗くなる前にその写真を撮りたかったからだ。期待しながら山を上がった。
牧場には16時少しすぎに着いたが、なんとすでに管理事務所は閉館していた。牛達の区画は真っすぐのびる遊歩道の両脇。道の最先端に展望台があり、残念ながら牛と一緒に撮影はできなかった。ひとまず空港を撮影したが、やや霞んでいたために、あまり良い写真は撮れなかった。
結局、そそくさと退散し、続いて八丈植物公園へと向かった。

牧場を展望台から振り返った様子。一本道の両側に牛がいる。残念ながら牛と空港と八丈富士といった構図の写真は撮れず。
八丈植物公園は、空港の南側、ターミナル地区の真向かいにある自然公園。滑走路越しに八丈富士とターミナルが撮れるのではないかと期待して行ったのだが、まず、滑走路に面した位置に大した道がない。しかもこの公園は空港よりも一段低い位置にあり、公園東側の道路端以外でターミナル地区を覗ける場所は存在しなかった。(→この場所で撮った写真は空の駅情報館の八丈島空港のトップ写真に使用中!)
八丈植物公園を出ると17時で、その後は空港へ向かった。明日雨だと外回りの撮影ができないから、まずは今のうちに撮影を済ませるためだ。中は明日見ることにし、外回りを中心に見学。17時半頃には見学を済ませ、徐々に空が暗くなる中、島の北半分を反時計まわりに一周した。
島の北半分はあまり名所がなく、真っ暗な中寄るところもなかったので、1周しても1時間はかからず、宿泊する八丈島パークホテルには18時半前には到着した。
このホテルは南国の木々に囲まれた一帯にあり、リゾートホテルのような立地にあった。ただ建物自体は年季の入った代物で、いかにも昭和テイスト。たぶん昔はリゾート旅館として客も多かったのだろう。だが、照明は落とし気味だし、ロビーにお客さんがおらず、とにもかくにも活気がない。個人的にはこういう古い建物は大好きなのだが、やはり活気がないと旅館って感じがしないから、ちょっと残念だ。
一度キャンセルをしてしまっていたこともあり、部屋は急きょ作ってもらったのだが、10畳以上はあるのではないかと思える大部屋の和室だった。旅館みたいに食事や布団上げ下げなどのサービスはない(=素泊まりである)ものの、この部屋に1人で泊まることを考えれば、宿泊費は安い設定の部類と言えるかもしれない。しかも、風呂は共同であったものの、宿泊客が他に1組しかいなかったようなので、貸し切り状態で、のびのびできた。ただ、部屋についていたトイレの電気のスイッチを見つけられず、やや暗い中用をたす羽目になってしまった。
荷物を置いたあとは、早速、八丈島空港名物空弁の島ずしを食べることにした。
八丈島空港をネットサーフィンしていて唯一目に着いた話題の空弁。明日葉と並び島の名物らしい。味はおいしかったが、どう見ても同じようなネタばかりだったし、何より購入時に販売員が中身の説明していたが、急いでたから全然聞いてなかったために何を食べているのかまったく分からず、楽しみ半減といった感じだった。
しばらくすると、雨が降り始め、風も強くなったのか、やや窓の外がうるさい。
明日の天気を見ると、午前中は強風+雨予報。午後は曇り予報で、予約した第1便が飛ぶのかやや気になる天気予報だ。まあ、こればかりは明日にならないと分からないし、仮に欠航してもその後まだ3便残っている。車も14時くらいまでは確保できているから、あまり深くは考えずに寝てしまった。

八丈島空港名物空弁の島ずし。ネタの名前を書いた紙でも入れてほしい。
■今日の教訓!
・久里浜から乗ると席を分離してくれている!(←たまたまだったのかな?)
・大島は山腹火口からの眺めは抜群!(←富士山見えればまさに絶景)
・大島-八丈島便は21年9月末で廃止!(←ついに周遊不可能に!?)
・八丈島空港名物の島ずし使ったネタはよく聞いておくべし!(←何なのかよく分からないので、、、)