■2009.08.11 上五島→(中通島)→福江→長崎→(福岡)
曇り空から始まった中通島
今回唯一の車中泊。
日付が変わる頃までは上空に満天の星空、海上にたくさんの漁火が広がる幻想的な風景を楽しめたが、雲が広がってきたのか空の星が徐々に見えなくなった。
車内は、冷房を切ると暑くて逆に付けると寒い。外は風があるから窓を開ければ少しは違うかと窓を開けてたら蚊は入ってくるわであまり寝れずに一夜を過ごした。
朝起きると空は雲が覆っていた。天気予報を見てみると午前中はあまり天気が良くないようだ。今のところ船の運休になりそうな空模様ではないが、予報はこの後雨で、ちょっと不安な一日が始まった。
徐々に明るくなってきたので車を降りて津和崎灯台に向かった。
灯台までは、徒歩2、3分程度のちょっとした散策路で、まわりは椿園になっていた。
上には展望台があり、予想通り小値賀島が一望できた。空港もすぐ目の前にあるのだが、ややもやっていてはっきりとは見えない。スカッと晴れた昨日来れなかったことを残念に思った。
津和崎灯台への散策路。両側が椿園になっている静かな道だった。
ナンカしながら教会めぐり
展望台は中通島の北の端。
これから島東部にある頭ヶ島の上五島空港を経由しつつ、南端の奈良尾に12時頃までに着く必要がある。
距離からするとまっすぐ進んで空港見学時間を含めても3時間程度だろう。いまはまだ6時。3時間ぐらい余裕時間がある。東京の長崎県事務所でもらった新上五島町のパンフを見ていたら、教会が非常に多いようだ。この教会群の観光は有名らしく、観光しながらゆっくり南下することにした。
中通島の教会は集落ごとにあるかと思えるほど数が多い。
まずは津和崎灯台から島中部の有川に行くまでの間だけで、米山、中知、赤波江、江袋、小瀬良、大水、曽根、青砂ヶ浦、丸尾と9棟もの教会に寄った。朝早かったせいかほとんどの教会が閉まっていて、中をみることができなかったが、一つとして同じような教会はなく、非常に楽しむことができた。しかし、最古の木造教会で期待していた江袋教会が焼失して復元中、国指定重要文化財の青砂ヶ浦教会が工事中で見れなかった。
中通島中央部にある有川港。建物は新しくて大きくきれいなものだった。昨日乗った九州商船のフェリー・高速船に加え、美咲海運と五島産業汽船のフェリー・高速船も就航している。近代的な建物のわきにある丸ポストに注目!
有川では、昨日利用したフェリーターミナルに寄った。
この時点ではまだ8時過ぎ。館内を見学して回ったが、まだ売店などは閉まっていた。このターミナルには鯨賓館ミュージアムという捕鯨の博物館もあるようなのだが、当然ながら閉鎖中。
見るものがあまりないので、有川港は軽く見るにとどめ、県道62号線を東進して上五島空港のある頭ヶ島へ向かった。
空港のある頭ヶ島には9時少し前に到着。空港に行く前に頭ヶ島教会に寄った。
この教会は国の指定文化財で、非常に珍しい石造の教会だ。現地の案内板によれば、厳選された信者しか入れない教会だったようだ。
頭ヶ島教会ではじめて中に入ることができ、静かな建物内をじっくりみて回ることとなった。教会だから日本の建物にはなかなかない独特な内装。特徴でもあるステンドグラスからさす光が美しいものだった。ほかの教会の中を見れなかったのが非常に残念だった。
一通り見終わって出口に来たらスタンプラリー台紙が販売されていた。
おいおい。
ここまで9か所もまわってきたのに今更かい!
道の駅もそうなんだけど、この手のものは利用してるのにスタンプが押せないことが多く困ったものだ。ラリー帳を購入後、ひとまずスタンプをゆっくり押した。
9か所もスタンプが押せなかったのは残念だったが、一緒に置かれていたスタンプは、頭ヶ島にある二つの名所、この教会と空港を並べた絵柄。しかも今はない有川町のスタンプというラッキーなもので、ちょっと興奮してしまった。
国重要文化財にも指定されている石造りの頭ヶ島教会。非常に重厚感ある建物だった。
頭ヶ島は小さい島だが、かなり切り立った島で、空港は島の最高部に位置している。教会から上五島空港までは、かなりの急坂だった。
この空港も、空港自体は開いてはいるものの、ターミナルには鍵がかかっていて入れない状態になっていた。教会のような美しい外観のターミナルで、島に非常にマッチしたイメージだ。何もない空港だが、観光スポットにはなっているようで、見学中、3台ほど車がやってきていた(そのうち1台は自分の地元の所沢ナンバーでちょっとビックリ)。
外に階段があったために屋上にはのぼることができ、エプロンを眺めたが、当然ながら飛行機は見当たらなかった。上から中を覗ける窓があったので、覗いてみたら、中にプレハブのような小屋が建っている不思議な建物だった。
うどんの里でうどん でも、、、!?
空港も大して見るものがないので、さっさと見学を済ませてすぐに空港をあとにし来た道を戻った。
昨日から通算3度目の経由となる有川には9時半過ぎに着いた。ここには五島うどんの里というところがあり、有名な五島手延うどんを食べられるらしい。せっかくだからとブランチ気分で立ち寄ったら、売店ですら10時開店。レストランに至っては11時からで、名物を食べることなど全くできなかった。日本三大うどんのひとつなのだが、朝からうどんを食べる熱狂的な土地柄ではないようだ。
有川からは国道384号線を南下する形で奈良尾に向かった。
途中、鯛ノ浦教会(旧教会が名所)と大曽教会、それに福見協会には少し国道から離れて寄り道したものの、あまり残り時間がなかったから、見学する教会は国道沿いだけにとどめたが、鯛ノ浦、青方、大曽、跡次、真手ノ浦、中ノ浦、大浦、高井旅、福見の合計9教会を回ることができた。
時間も昼間の時間帯になり、中を見れる教会が増え、外観だけでなく、独特な内装もじっくり見学して回れた。
奈良尾には11時半頃到着。
ここでは、ツーリングマップルに載っていた奈良尾温泉センターに寄った。昨晩風呂に入っていないから汗だけでも流そうと寄ったのだが、ひと昔前の温泉センターで建物が古く活気がない。人があまりいないからさびしい感じをさらに強く感じてしまった。
この温泉、ホールは無意味にだだっ広いのに温泉自体は普通サイズ。最悪だったのは、コインロッカーがなく財布を窓口に預けざるを得ないのに、ドライヤーが有料だったこと。脱衣所には櫛やティシュすらなく、やや使い勝手が悪かった。逆に、良かったのは、無料飲料水があったことと奈良尾港裏手の丘の上にあるから眺めが抜群だったことで、風呂にゆっくりつかりながら奈良尾港を一望できた。
温泉を出たらちょうど12時のサイレンが鳴ったところ。返却想定時刻から少し遅れているので、そのままトヨレンの事務所に直行した。
→すぐそばにあったエネオスでガソリンを入れたら13Lで2060円。リッター151円でやや高設定だ。しかもエネオスなのにカードは使えずマイルもTポイントも貯められない店舗だった。
有川に比べややコンパクトな奈良尾港。この港にも観光案内所が設けられていて、売店を併設している。
奈良尾港に着いたらちょうど出航30分前だった。こちらは九州商船のみの就航だから有川港に比べややコンパクト。だが、福江や長崎便が就航していることもあり、20人ほどが乗船を待っていた。
ジェットフォイルは定時運航で、12:50に奈良尾を出港した。ジェットフォイル特有の縦揺れは若干あったものの、晴れてきたせいか揺れはほとんどなく快適そのものだった。
この船は指定席。自分は途中から乗船なのに三人席の窓側を配置されていたものの、通路側は誰も来ず、配置に配慮はしてくれていたようだった。
うとうとしてたらあっという間に福江に着いた。
→長崎・福江・中通島奈良尾を結ぶのは九州商船のジェットフォイルだ(同区間のフェリーは奈留島も経由)。経由する順番が逆回りの場合があり、奈良尾から福江に行くには13:00頃の便が始発便となる。福江・中通島奈良尾間はたったの45分。
風が強くて時間を無駄に、、、
福江に着くと日が出てきて暑い天気になっていた。
この島は直前になってレンタカーを借りようとしたが無理だったので、港周辺でチャリを借りて空港周辺を一周、借りたところにチャリを返却後、連絡バスで空港に行くつもりでいた。
ひとまずターミナルを見学し、中にあったうどん屋で五島うどんを食って腹を満たした。
これで準備完了。さっそくレンタサイクルがあるか聞こうと、館内の観光案内所に寄ったものの、前の客への対応が長い。奥には何人もいるみたいなのだが、対応してくれず、待ちぼうけをくらってしまった。仕方がないからパンフを漁ろうとしたら、壁に「レンタサイクル」と書かれた紙が貼ってあり、電話番号が書いてある。
観光案内が案内してくれないなら自分でかけるしかない。
さっそく電話をかけると、電話の先は港から10分ほどの武家屋敷通りふるさと館だった。行き方を聞いたら港からの道順を詳しく教えてくれたのだが、あとでよく見たら、ツーリングマップルにも小さく場所が書かれていた。
空が晴れてきた福江港。ターミナル内には売店が6店ほどが並んでおり、観光案内所、バス案内所も入居している利便性の高いターミナルになっている。切符売場にはポールが並べられ、時刻表を壁一面に張るほどのたくさんの船が就航しているようで、人も多く非常に活気があった。飛行機の進入路上にあるようだ。
ふるさと館でチャリを借り、さっそく空港周辺へ向かった。
空港まではそれほど距離はないのだが、ずっと上り坂。特に町の外縁部に急坂あって自転車を引いて歩く距離も長かった。正面から風が吹く最悪のコンディションで、空港周辺に着いた時にはバテバテになってしまっていた。
空港周辺までは30分程。この空港の外周道路はやや位置が低く、西側からターミナルのある東側はやや見通しが悪い。フェンスも高いので、相当高い脚立を持ってこないと撮影は難しそうだ。
ターミナルにはあとから行くからと、ひとまず半時計まわりに空港を一周したあと、すぐ西側にある鬼岳へ向かった。
鬼岳は福江島のシンボル的な存在の山。全体が芝生に覆われた山で、上からの眺めが最高だろうと目指したものの、上り坂がとにかくきつい。空港周辺に来るまでにバテバテになってしまっていたこともあり、途中であきらめ福江市内へと戻ることにしてしまった。
後で調べたら、中腹にあるコンカナ王国のすぐ近くまでは行っていたようで、もう少し頑張れば良かったと少々悔やんだ。
福江は市内にも武家屋敷跡や城跡が名所としてある。城跡にあった心字が池五島氏庭園などに寄ったものの、15時半にはふるさと館に戻ってきてしまった。
暑くてしょうがなかったので、ふるさと館内の喫茶で氷を食べまったりしたものの、それでも空港行のバスまではまだ時間がある。やることがなくなってしまったので、さっさと行こうと結局タクシーを呼んでしまった。
手続き開始までまだまだだった、、、
空港まではほんの10分、料金はちょうど1000円だった。バスは290円だから、まあ、まずまずの費用。さっさと空港に着けて座席指定ができるやと思っていたら、なんと搭乗手続開始は1時間前からだった。
なんとも無意味な話。こんなだったら、もう少し頑張って鬼岳に登っておくべきだった。壱岐に続いて、またまた、時間を無駄に過ごすことになってしまった。
仕方がないので、ターミナル内のレストランでまったり過ごし、時間をつぶした。
1時間前になり、手続きが始まったと思ったら、なんと、隣のANA窓口にいた職員が横に移動してオリエンタルエアブリッジ(ORC)の手続きを行っていた。まだ共同運航も開始していないのにそんな感じがする光景で、なんとも変な感じだった。
→ORCは11月1日よりANAとの共同運航を開始することが決定した。予約システムがANAシステムに移行されるため、事前の座席指定も可能になる模様。ANAの自動チェックイン機が使えるようになるから1時間前まで待つ必要もなくなりそうだ。
実は今回の旅行前、ANAとORCの共同運航が秋から始まる情報は得ていたので、ANAのマイルをためるためにも、五島入りは秋以降にしようかと思っていたのだが、長期休暇がとれるか分からないから、今回なんとか来ることにしてしまったのだ。
飛行機はほぼ定時の運航。長崎空港が筆頭株主の航空会社はどんな感じかと期待はしていたが、短い飛行でサービスらしいサービスはほとんど受けられなかった。
長崎には18時半頃到着。まだ明るさが残る海上空港のエプロンを楽しむことができたのが印象に残ったぐらいだ。
まだ明るさが残る長崎空港に着陸。日本の航空会社では珍しい緑を使った機体が特徴だ。11月からはANAとの共同運航がスタートし、長崎の翼もいよいよANAに取り込まれてしまう。
長崎空港は前回来たときは増設工事の真っ最中だった。今回降り立ってみたら、大幅に売店区画が広がり、教会の様な内装が特徴だった開放感あふれる出発ロビーが狭くなってしまっていた。
館内のモニュメントは非常に増加していて、一通り調査と撮影を簡単に済ませ、19時40分のバスに乗って大村駅へ向かった。
今日はこの後、福岡まで戻る必要がある。長崎や佐世保の市内であれば高速バスをすぐ利用することができるのだが、自分は今その中間の大村市にいる。安く福岡に戻るため、青春18きっぷを利用してJR線で行くことにしたのだ。
事前に調べた結果では、早岐まで45分程度(快速)、早岐-鳥栖間が1時間半程度、鳥栖-博多間は1時間程度で、充分今日中に間に合うはずだ。運賃は普通切符を買うより18きっぷの方が安いので、日付印を押してもらおうとしたら駅員に「本当にいいんですか?」と二度も念を押されてしまった。
実際のところは、大村20:00発の快速シーサイドライナーに乗れたものの、この列車は接続が良くなく、早岐で51分待ちを食らってしまった(結局大村を55分後に出る便でも同じだった、、、(怒!))。やっと来た鳥栖行から博多方面への接続は1分で完璧だったものの、この列車はなぜか南福岡で10分程度も停車して貨物と特急2本を通過待ち。
結局、博多に到着したのは日付が変わった0:01だった。
(わずかではあるものの、0時を過ぎたおかげで、大荷物を入れていたコインロッカーはさらに1日分料金を取られてしまう羽目になってしまった。)
コインロッカーから大荷物を取り出して、2日目に続いて泊まるパークホテルへ直行した。
明日からはいよいよ沖縄へ上陸する。ここまでの汚れた服をまとめて新しい服を取り出し、出発に備えた後、さっさとベットに横になった。
■今日の教訓!
・(中通島)集落ごとにあるぐらい教会めぐりはすべき!
・(中通島)うどんの里でうどんが食べられるのは11時以降!
・(中通島)奈良尾の温泉にはドライヤー・ティッシュを忘れずに!
・(福江島)鬼岳は自転車でも行ける距離。ただし上りは超きつい!(←下りは超快適です)
・(福江島)福江市中心部でも観光名所は複数あり!(←城跡は大部分が高校なのであまり入れません)
・ORCの搭乗手続は1時間前開始だから空港に早く行っても意味がない!(←11月からはANA共同運航開始。もっと前から可能に!?)
2009年08月11日
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