■2009.08.15 沖縄那覇→与論→沖縄那覇→東京国際→(自宅)
与論上陸へ再挑戦
いよいよ旅も最終日。
今日は与論島へ上陸を試みることにしていた。那覇港を7時に出る船(今日はマリックスライン)で与論に向かい、島をチャリで一周、与論を17時15分に出る飛行機最終便で那覇へ。そのまま最終の羽田行に乗り継ぐ予定だ。
天気は、沖縄周辺にはやや雲が残りそうだが、与論付近は雲もなく今日も快晴予報。風も強くなく、船の揺れも少なそうだ。
実は与論島へは昨冬に一度行こうとしていた。ところが、那覇港から本部港経由で与論港へ向かう船が激揺れし、吐くために入ったトイレから一歩も出ることができない事態に。結局、本部港で急遽下船、与論上陸をあきらめていた。今日はそのリベンジ渡島でもある。
この時期与論は一番の観光シーズン。1日1便の冬と異なり、1日4往復飛行機が飛んでいる。ただし一般客向け割引はなく、片道15300円もかかる(新規参入で値段を上げざるを得ないFFC沖永良部便ですら15000円)。しかも、高い運賃なのに朝一便目は与論に12時過ぎ着と遅く、最終便は与論を17時過ぎ発と早くて使いづらいダイヤだ。冬の船の苦い思い出があるのであまり船には乗りたくなかったが、船なら飛行機より若干早く12時前には与論に着けるし、なにより節約のためには行きだけでも船にしたほうが良いから、那覇港7時発の船に乗ることにした。
今回乗船したマリックスラインのクイーンコーラルプラス。とにかくでかい船だった。コンテナの大きさと船の大きさを注目。
4時過ぎに起床後、行く準備を整えて6時にホテルを出た。モノレールで行くことを考えていたのだが、旭橋駅から15分位歩かねばならず着くのは6時40分位になる。混雑で乗れなかったら大変だから、ホテル前に待ってましたとばかりに停まっていたタクシーに乗り込み那覇港へ急いだ。
那覇港まではホテル前から10分強。盆休み中の土曜日ということで、混雑しているかと思ったが、到着した時点ではまだ客は少なく、結局乗船券はすんなり買えてしまった。
ただ、その後乗客が徐々に増え始め、普通の土日だった冬の時に比べて、結構混む事態となった。
この航路は二等でも自分の位置を割り当てられるので、横になれない心配はないのだが、マット一枚分(一畳よりやや小さい)しか占有できないし、かなりの詰め込みをする。空いていた前回は下船場所別に区画だけ指定され、マット位置は自由だったが、混んでいる今日は番号札をわたされ、マット位置まで指定されてしまった。しかも、帰省客や長期間リゾート客が多いのか、大荷物の人が多く、荷物スペースもあまり空きがなかった。
今日の船はマリックスラインのクイーンコーラルプラスという新しい船だ。
路線旅客船としてはかなりデカイ船で、建物で言ったら6階建位高さを持つ。当然客室も複数階層に分かれていて、車両甲板は1階から3階まで、客室も2階から4階まである。
客室は、雑魚寝スペースの二等のほかにも二等寝台、一等、特等、トラック運転手専用のドライバー室などさまざまな席があった。売店は小さかったが、土産に日用品小物、オリジナルグッズまでも販売。豪華客船に乗ったことがないから比較はむずかしいのだが、内装はかなり立派で、ゲームコーナーや露天風呂、最上階甲板にはヘリポートまで付いていた。
飛行機とこの船を比較すれば、サービスは船の圧勝。早さと揺れは飛行機の方が分があるが、値段が高いうえダイヤが悪すぎだからいい勝負をしている(たぶん10000円位で朝8時位の飛行機があったら船はかなりの影響を受けそうだ)。
船内は二等客室で横にならずにロビーやレストランのソファで座っている客も結構いた。与論まではレストランは開いておらず、楽しむことはできなかったが、凪いでいて揺れがあまりなかったこともあり、なかなか快適に過ごせた。
→那覇・与論間には飛行機は1日4便(夏)、船は1日1便就航している(船は大阪行が経由する場合もある)。船はマリックスラインとマルエーフェリーの交互運航で、いずれも2等は4100円(+燃油サーチャージ)。飛行機は15300円だから断然船が安い。所要時間は飛行機40分、船4時間45分で、こちらは当然ながら飛行機の圧勝。船だと自転車等は片道970円なので、那覇から持ち込むのも一つの手だ。
暑い暑いヨロン
与論にはほぼ定刻、12時少し前に着いた。
船着き場の海ですら、非常にきれいなエメラルドグリーンをしていて、出入口のある2階部分の甲板からも底が見えるほどきれい。若い男女グループが到着時にこのきれいさに大きな声ではしゃいでいた。
それにしても日ざしが痛い。予報通りの改正で、照り返しの光もまぶしいぐらいだ。昨日までに腕を焼きすぎてしまって、やや痛みも出てきていたので、この島では長袖を着て自衛することにした。
与論港に到着。海の色が断然きれいだ。岸壁部分には広いスペースがある程度で、小さなプレハブが立っているだけで、待合室は写真奥の少し高くなったところに位置している。
与論港は待合室が船着場からやや離れていて、下船口から徒歩10分ほどのところにある。待合室には小さな売店と軽食が各一店あったものの、窓口は事務所内崩壊の恐れがあるとかで閉鎖中。広いのにさびしい待合室で、たいして見るべきものがないからさっさと先を急ぐことにした。
港の待合室を出て裏手の道を約10分程歩いたら与論空港に着いた。
実は今日は大荷物を那覇に置いて来ず、ここまで持ってきていた。今朝は那覇空港には寄っていず、沖縄に大荷物を置いてくるとすれば那覇港でロッカーに入れるしかなかった。だが、帰りは飛行機だから、一度那覇空港と那覇港を往復する必要が出てきてしまう。与論は空港と港が近いから、ひとまず与論まで大荷物を持ってきて、空港で預け身軽になってから与論観光をはじめることにしたのである。
与論の滞在時間は5時間ほど。港周辺にはレンタサイクルやレンタカーがなかったので、中心部の茶花にある南国モータースで借りることにしていた。だが、空港から茶花にいく公共の足がない。しかたがないので30分ほど歩いて茶花へ往復することにしていたので、飛行機の集合時間を考えれば実質観光時間は3時間強しかなかった。
→与論島は、港から早くもエメラルドのきれいな海が広がるリゾートアイランドだ。形はちょうど丸っこいエンゼルフィッシュのような形をしていて、周囲は25キロ弱、人口6000人ほどの島だ。沖縄返還までは最南端(小笠原諸島を除く)ということでかなり賑わっていたという。今は当時ほどの賑わいはないらしいが、その人気は健在で、どこにいっても観光客だらけだった。
島の観光はリゾートの協力が中心。企業によるコラボPRも目を引いた。今年は空港がカルピスにジャックされ、島内各所にポスターが貼られていたし、島内で見た古い看板にはポカリスエットの協力看板が見られたりした。
港や空港は島西部(飛び出た部分)にまとまっていて島外からのアクセス交通の乗換は抜群にいいのだが、ダイヤが悪いし、そこから中心部への公共の足がまったくない。一応島内を一周するバス(経路上どこでも乗り降り自由)はあるのだが、飛び出た部分にある空港や港には一切寄らないし、船・飛行機の発着前後ですら待ちタクシーもいないのだ。ネットなどを見ると、「宿に送迎の相談を、」となっていて、日帰り観光客への配慮は一切ない。運賃高くて使いづらいダイヤの飛行機といい、なんだか殿様商売が目立つ島だった。
「時計周り」でチャリをこぐ
空港で荷物を預けてから空港内唯一の飲食店「ブルースカイ」でもずくそばを食べた。このお店、JALグループのお店とは関係はなく、店内も完全に喫茶風。昔よく喫茶にあったゲーム機付きテーブルを利用していた。
腹ごしらえして元気なった後、空港から茶花まで歩き、13時すぎ頃到着。16時までの3時間貸しでチャリを借りた。
→自転車を借りた南国モータースさんは町役場近くにあるチャリ屋さんだ。シマダスには「レンタカー・レンタバイク・レンタサイクルあり。」という文が載っているだけ、事前に東京で手に入れた島の観光パンフやネット調べたときもレンタサイクルの取り扱いのある店なのかどうかがわからないものばかりで情報がなかった。そこで、平日だった沖縄初日に、観光協会に電話して紹介してもらったお店だった。貸出代金は1日1300円だったようなのだが、勘違いして1000円でしたっけと一枚しかお札を出さなかったものだから、それで3時間OKになった。
茶花からは時計回りで島の外周道路を一周した。ルートはほぼヨロンマラソンの経路上だったようだ。
与論島はとにかく海がきれい。外周はほぼ海水浴場となっており、茶花からメーラビ、宇勝、寺崎、皆田、大金久(クリスタル・シーマンズ)、赤崎、パラダイス、兼母と寄れるだけビーチに寄った。それぞれのビーチは、さまざまな形態で、寺崎のように全然人のいないところもあれば、皆田のように船をメインに楽しむ浜、赤崎のように観光地の海、兼母のようにほぼホテル専用海岸など様々で、いろいろな楽しみができそうだった。
泳ぎはしないので各浜は軽く見る程度で、泳ぎ以外の観光地として、南東端で赤崎鍾乳洞、南側でサザンクロスセンターに寄った。
離島だとあったらどうにも寄りたくなってしまう鍾乳洞。この島は南東端の赤崎海岸近くにある赤崎鍾乳洞が公開されている。この洞がある一帯は与論のなかではじめて人が住み着いた場所と言われている。海岸から少し入った高台の上にあり、この高台は琉球王朝時代の城らしい。中は天井が低い鍾乳洞だったが、様々な形の鍾乳石を楽しめ、小さいながら見応えがあった。
続いて向かったサザンクロスセンターは、赤崎海岸からやや上下がある道をチャリで20分ほど西に進んだ高台にある。与論城跡に建てられた展望台付き資料館で、高い位置から空港を写そうとはじめから行くことにしていた場所だった。ちょうどこのセンターの西側はかなりの高低差がある崖になっていて、センターはその高台側にある。茶花や空港方面は上から見下ろす感じで、いい眺めが楽しめた(→写真は空港のページで公開予定)。驚いたのは展望フロアにYS11のプロペラなどが展示されていたこと。この情報は、サザンクロスセンターのパンフにすら載っておらず、おそらく空港見学だけを目的に島観光をしていなかったら、遭遇できなかった。これはラッキーな出来事だった。
サザンクロスセンターを出たらすでに15時すぎ。返却まであまり時間がないので空港周辺へ急ぐことにし、まずはセンター西側の急坂を下った。
→与論島をチャリでまわるに当たり、本当は時間が無くなるかもしれないから茶花からは、先に空港周辺を見てから半時計回りで島を回りたかった。だが、このサザンクロスセンター脇の急坂を登るのが無理、という情報を事前に得ていたので、今回、時計回りに回った。この大きな断崖は、与論城跡付近から茶花地区北側を結ぶラインにまっすぐ伸びるようにあり、南に行くほど差が大きくなる。茶花側は自転車を降りなくてもなんとか登れる程度の坂道だが、サザンクロスセンター側は自転車を降りて押さないと登るのが無理なほどだ。結果的に時計回りに回ったのは大正解で、もしも半時計回りをしていたら、この急坂でバテバテになってしまい島を半周すらできなかったかもしれない。
空港のすぐそばにあるパラダイスビーチ。こちらは緑が目立つビーチで、意外と人は少ない。空港周辺には北側滑走路の延長上に兼母海岸があり、離着陸する飛行機とともに良い写真が撮れることで有名だ。
立長地区を通過して空港までは20分ほど。やや風が強く、チャリをこぐのが大変だった。
空港周辺はところどころ外周に道が敷かれている状況で、滑走路端は南側は道がなく、北側は低い位置にあって滑走路を見ることができなかったが、ターミナルの反対側は広々として良い写真が撮れた。
空港近くにあるパラダイスビーチと兼母海岸、ヨロン駅(旧国鉄が設置した偽の駅で、駅名板とレール車輪が置かれている)に寄った後、茶花へ向かった。空港から茶花まではチャリだとほんの10分強。
ただ空港周辺でチンタラ色々寄り道していたせいか結局16時ぎりぎりでチャリを返却した。ちょうど3時間で島を一周。ちょっと見学したところもあるからこの時間だが、一周回るだけなら2時間位で行けそうだ。島一周はだいたいフルマラソンの半分の距離なので、マラソンプロの2倍の遅さである、、、(苦笑)。
失敗したのは、沖縄返還前にあったであろう最南端の碑を見に行かなかったことぐらいだろう。(あとで調べてみたがそんな碑の存在はヒットしなかった。島南端のチヂ岬もゴルフ場で普通には立ち入れなかった模様。)
結構混んでいた飛行機
チャリ返却後、いまチャリで来た道を歩いて空港に戻った。
空港に着くと、だいぶ人が集まっていた。小さな空港で、売店は小さな店舗が一店のみだったが、物色したら、小さいながらもなかなかの品揃えで、菓子から雑貨まで一通りのものは揃っていた。星の砂や与論の黒糖焼酎「有泉」、奄美群島の空港ではよく見られる袋入の豆も与論豆として販売されていた。
この空港には搭乗待合室がなく、JALの改札を通ったあとに金属探知が行われ、金属探知エリアの先はすぐにエプロンの出口になる不思議な造りになっている。
当然改札開始時刻は遅く、出発15分前にようやく始まり、その先も金属探知に手間取る人がいるせいで、なかなか先に進めなかった。
那覇行の飛行機は土曜の上り便だったが、八割方埋まる混雑だった。南風かと思って右窓席をとったのだが、やや西寄りの風だったのか北西へ離陸、すぐに左旋回したため与論の美しい形を拝むことはできなかった。那覇までは沖縄本島の西海岸を南下。右窓からは伊平屋、伊是名、伊江の各島を臨めたがやや雲が出ていていい写真は撮れなかった。
那覇空港はバス輸送のスポットで、荷物受取まではやや時間がかかった。実は、一昨日から6日目の南大東行、7日目の南大東発、そして今日の与論発と、ずっと同じスポット(12番?)を利用していて、連絡バスの運転手も昨日と同じ人だったようだ。
空港食堂で軽い夕食後、売店で土産を購入。荷物に詰め込んで預けたあとは機内用の菓子を買った。やることがなくなって、さっさとゲートラウンジに入ってしまったが、約1時間も待たされることになってしまった。こういう時、島々や空港に関する資料室みたいのが欲しいところだ。
最終便は満席で、沖縄旅行帰りの人が大勢だった。衝撃的だったのは機内で流れたニュースのトップが「新型インフル沖縄で初の死者」。
今いたばっかり。滞在中はインフル流行中のイの字も出てきてなかったのに、いまさら、、、。なんとも間の悪い放送で、不安なまま羽田に降り立った。
羽田行の最終便は満席だった。この便、羽田着は23時20分で、あまりこんでいないだろうと思っていたのだが、そこはやはり盆休み。考えが甘かった。
こうして8日間にわたる旅行も終了。長期出た割にまわった新たに行った空港は9つとあまり多くはない。それでも離島観光は色々楽しめ、充電は充分。仕事再開まではあと一日ある。しっかり休んでまた仕事を再開しようと帰路に着いた。
■今日の教訓!
・那覇-与論間は安さとサービスは断然フェリー!(←与論到着時刻も船の方が早い!)
・(与論)港・空港と島中心部のアクセスが不便!(←宿の送迎を頼むしか方法なし)
・(与論)島外周はほぼ海水浴場、自分に合った浜を探すべし!
・(与論)チャリで回るなら断然時計回り!(←反時計まわりだと与論城付近の急坂を上るのが大変
2009年08月15日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック