2008年12月19日

初離島は最西端(1日目)

■2008.12.19 (東京)→神戸→石垣→与那国


やっぱり無賃乗車がいるムーンライトながら

今回は出発が羽田ではなく神戸。神戸へは前日深夜に東京を出るいわゆる大垣夜行(「ムーンライトながら」)と青春18きっぷを活用し、鈍行で向かうことにしていた。

18日の仕事が終わった後、22時頃自宅を出て、まずは京急線で川崎へ。そこから小田原までの片道きっぷで小田原へ向かった。
ムーンライトながらは、平成19年3月まで、川崎・横浜間が日付の変わる境目だったが、今は停車駅を厳選した上、横浜・小田原間で日付が変わるようになってしまい、小田原まで片道きっぷを買う必要がある。自宅最寄のJR駅は川崎なので小田原までは1110円かかる。青春18きっぷは1日あたり2300円だから、神戸の三ノ宮までは3410円の計算だ。
以前であれば、川崎にも停車していたので、川崎で乗車できたのだが、いまは川崎は通過だから、ひとまず先行列車で小田原まで行ってしまうことにした。

先行列車で小田原に着いたのが0時少し前。駅前のコンビニで食料を調達したのち、0時30分、到着したながらに乗り込んだ。
ながらは、停車駅での停車時間がかなり長く設定されていて、駅に停まるたびに人の流動がある。しかも、平成19年までは小田原以西で自由席になる車両が存在したため、指定席券を持たない客が指定席車両にまであふれ、夜行でありながらほとんど寝ることができない列車だった。だが、平成19年の改正からは完全指定席となった。これにより、指定席券を持たない無賃乗車客が徘徊せず、快適に眠れると思っていたのだが、不届き者はいるもので、今回も車掌から逃げ回る乗客が数人右往左往していてなかなか寝付くことができなかった

※ムーンライトながらは平成21年から定期列車から不定期列車に変更され、車両も、特急ふじかわなどに用いられるJR東海373系からJR東日本183・189系に変更されている。この日に乗ったながらが、自分にとっては373系最後のながらとなった。以前は、小田原までは完全指定席だったので、横浜あたりから検札が行われ、指定席券を持たない乗客は国府津駅で強制的に下車させる措置が取られていたが、全区間完全指定席になったにもかかわらず、強制下車させる様子はなかった。


大垣には6時前に到着。ながらで大阪へ向かう場合、毎度のことだが、大垣、米原と2回乗り換えをする。大垣は階段の上り下りがある不便極まりない乗り換え。大垣で乗り換える列車は姫路方面まで行く列車なのだが、後から来る新快速に抜かれるため、米原でさらに乗り換えをしていた。
今回も例にもれず、2回乗換を実施。米原からの新快速は座ることができ、ぐっすり寝ているうちに9時前には三ノ宮に到着した。
三ノ宮からはポートライナーで約20分。10時前には神戸空港に到着できた。



神戸便はまったく人気なし

神戸空港に来るのは2度目だが、前回は、出張で神戸へ来ただけなので、あまり見学できず、今回が初調査だ。飛行機は11:20発で1時間以上時間があるから、関空行のフェリーターミナルも含め島内をぐるり見学して回った。
ただ、コンパクトに造っただけあって、見学はあまり時間がかからずに終了。
おいしいスイーツが多いので、機内用のスイーツを物色し、搭乗待合室で搭乗を待った。

本土から石垣行の直行便は羽田、関西、そしてこの神戸と3便しかない。日本トランスオーシャン航空(JTA)は大阪空港を拠点にしていないから、神戸便があるのだろうが、羽田は早朝便、関西は午前便、神戸は昼間便といった感じでダイヤを分けている。

今回は、離島特例を使ったマイル消化で一気に与那国まで行きたかったので石垣直行便に乗る必要があり、この神戸便があったから石垣への直行便に乗れたのだが、もしも神戸便がなかったら、那覇経由になっていたかもしれず、本当に助かった形だった。だが、結局、この神戸便につながる石垣→与那国便はマイル消化に空席が出ず、自費で飛ぶことになってしまっていた

搭乗時刻になって乗り込んだら、20人ほどの団体客がいる以外は前の方の窓側席が埋まる程度の乗客しかおらず、拍子抜けしてしまった。早朝便の羽田・石垣便は満席で搭乗できなかったのにこれはないだろう。
関西地方からの場合、約1時間前に関西・石垣便が出るから乗客はそちらに流れている模様。関西便をもう少し早朝にするか、神戸便を午後便にするなどひと工夫が必要な気がした。(大阪や京都からのアクセスを考えれば、神戸便を8時前後、関西便を12時以降とする方が利用者にとっては利用しやすい。)

乗客が少なくて、3人席は完全に独占状態。飛行は極めて順調で、天気も良かったから、機窓も楽しめた。
徳島、高知上空を飛んだのち、奄美群島を横切って、一気に石垣まで飛んでいた。左側の窓側席を取っていたが、徳島、高知の両空港を眺められたほか、明石海峡大橋や剣山などがはっきり分かった。また、奄美群島はうっすらとではあるが、地図を見るように奄美大島から与論島までを一気に見ることもできた。
さらに、神戸空港で買ったスイーツはやっぱりおいしくペロリと完食。よく気の利く客室乗務員さんがいておしぼりまで持ってきてくれるサービスがあり、久々に飛行機を楽しめた気がした。


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一見混んでいるように見える神戸・石垣便。実は一番後ろの席だった自分の前、数列分は20人ほどの団体さんがいたので混雑したように見えるだけで、一般客はそのかなり前の方に20人ほどがいた程度だった。関西便と1時間差ではこうなるのも当然だ。



ぼろぼろの石垣空港に驚き

日本の西の端へと向かう旅。石垣までは3時間弱の飛行で14時ごろやっと到着した。
後で知ったのだが、この空港の名物は滑走路が短いため急ブレーキをかけての停止。普段慣れていない減速方法だったから、前のめりになるぐらいの急ブレーキにちょっと面喰ってしまった。

ここで与那国行に乗り継ぐわけだが、与那国行は約3時間後の16:55発。この待ち時間を利用して、この空港を見学することにしていた。今日与那国に渡っても明日には戻ってくるから、必要最低限の衣類などを小さなバッグに入れて、大荷物はコインロッカーに放り込み、見学を始めた。

石垣空港は羽田・関空・神戸・福岡からの直行便があり、那覇・宮古とはシャトル便のごとく頻発運航が実現している。離島へは以前、与那国・波照間・多良間への便が就航していたが、現在は、与那国だけになっている。そんな中、西表島や小浜島などの人気の離島への船が発着する石垣市中心部へも車で10分ほどで利便性が高く、利用者が急増中。飛行機だけでなく、船への乗換機能も充分な、那覇空港に次ぐ沖縄県第二位のハブ空港となっている。

出発ターミナルは2つに分かれていて、到着した到着ターミナルはその中間にある。まずは到着ターミナルと接続しているJTA側ターミナルを見学しようと入ってみたら、これがもうボロボロ。壁は至る所で剥がれおち、配管などもむき出しだった
石垣空港はずいぶん前から新空港への移転が計画されていてすでに建設もスタートしたから、管理する石垣市が大幅の改修を渋っているらしいのだ。このようなターミナルは味があって個人的には好きなのだけれど、壁面が落下して利用者がけがをしたら大変だろう。改修を渋っている状況は、八重山毎日新聞に詳しい(→「建物の老朽化進む石垣空港ターミナル(八重山毎日新聞オンラインへのリンク)」)。

一方のANKターミナルは、手狭のJTA側ターミナルを嫌ってかANKが参入を契機に独自に建ててしまったターミナルだ。平成に入ってから整備されたビルで新しくきれいだ。ただ、ほぼ那覇便しか飛んでいないためにJTA側ターミナルに比べると利用者はあまり多くない。

売店はJTA側ターミナルの方が充実していて、品ぞろえも豊富。生ものの取り扱いも多く、ここに来れば何でもそろうといった感じだった。
沖縄第2位のハブ空港で見学に時間がかかると思っていたが、意外とすんなり見ることができ、1時間以上時間が余ってしまった。後で考えたら、もう少しささっと見学を済ませ、石垣市中心部へ行くという手もあったのだが、そこまで頭が回らなかった。

※この空港の大きな特徴は、JTAグループとANKグループに建物が分かれていることにある。中規模以下の空港で航空会社ごとにターミナルが分かれているのは日本ではここ石垣だけ。しかも、空港ターミナルビル会社管理が全盛のなか、JTAグループの利用するターミナルは石垣市管理、ANKグループが利用するターミナルはANK管理となっている。航空会社が所有管理する旅客ターミナルもいまではここ石垣に見られるだけで、非常に珍しい存在だ。ちなみに貨物ターミナルの管理はJTAと面白い住み分けができている。


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石垣空港の旅客ターミナル。右側にJTAグループ、左側にANKグループが入居する。


最西端の島は真っ黒!

1時間ほど喫茶で軽食を食いながら時間をつぶし、与那国行に搭乗となった。
与那国行きの飛行機はRACのDHC8-Q100での運航だった。マイル消化では乗れなかったこの便。結局自費を出して乗ったのだが、39人乗りの飛行機は半分程度20人ほどしか搭乗していない混雑状況で、空席が目立った。やはりマイル消化ができなかったことに不満が残る搭乗だった


与那国まではほんの30分ほどの搭乗で、着陸は島北部を一度台湾側へ西進し、ぐるり反時計回りに回りながら西側からの着陸だった。

到着口を出ると、島の宿泊施設の人々が今晩泊まる人を待ち構えていた。驚いたのは、待ち構えていたほぼ全員が黒人のように真っ黒に日焼けしていたことで、一瞬異国に来たかと勘違いしてしまうほどだった。自分を迎えてくれた宿の女性スタッフも真っ黒で、さすが沖縄の日差しは違うというのを実感できた。
本当は、このまま空港に居残り、自分の乗ってきた飛行機の折り返しを見てみたかったが、迎えてくれた人を待たせるわけにもいかず、送迎車に乗り込んで、宿まで送ってもらった。


与那国島には祖内、久部良、比川と大きく3つの集落がある。空港からはいずれも車で10分ほどで、今晩泊まる宿は、日本最西端の集落である久部良の東はずれにある。

送迎してもらって宿で手続きをしていたら、夜間は管理人がいないという。今回は、楽天トラベルで与那国一安い宿を選んだ。レンタサイクルもあるし、海底遺跡ツアーなども企画しているので、口コミが高評価だったからあまり心配をしていなかったのだが、まさか夜間管理人がいないとは想定外。地元の人に色々と聞けないのはちょっと残念だし、火事とか起こったらどうするのかとても気になってしまった。

そんなことはさておき、日の入りの時刻が近い。ひとまず、日本の最西端の日の入りを見ようと、チェックインを済ませたあと、早速チャリを借り、西崎(「いりざき」と読む)へと急いだ。
西崎は、日本の地上の最西端。与那国に来たら絶対に外せないスポットで、間もなく日の入りという夕日を見に5人ほどが集まっていた。
この島は、晴れていても低い雲が出やすく、日の入りがなかなか眺められないらしいのだが、今日は夕日を見ることはできた。ただ、残念ながら海上にうっすら雲が出ていて、本当の日の入りは見ることができなかった。


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日本最後の日の入りが見られる西崎は観光名所。この日も多くの人が日の入りを眺めに来ていた。



夕日を見た後は、南牧場方面をチャリで回ろうとしたが、あっと言う間に真っ暗になってしまい、比川まで達することなく、途中で引き返す羽目になった。
宿に着くと、ちょうど管理人が去ろうとしていたところだった。
こっちは、昨晩からの旅の疲れがドッと出てしまい、夕飯に出る気力もなく、部屋に入ったらそのまま寝込んでしまった。

1時間ほど寝たころ、扉をたたく音がしたので、起きて扉を開けたら、同宿の女性が立っていた。
後で確認してみたら、この日泊まったのは、この女性と自分だけ。管理人がいないからたった二人でこの広い宿にいる状態になっていた。自分はそれでもいいけど、女性が一人とかだったら、なんともさびしいと感じるだろう。同宿の女性も夜間に管理人がいなくなることに驚いた様子だった。
話を聞いたら、この女性は沖縄の離島をいろいろ回っている人で、昨日まで最南端の有人島の波照間島にいたのだそうだ。今日の第1便で与那国へ渡ってきて、バイクで島内を観光、今日はこの宿に1泊、明日は北東部の集落である祖内にある宿に泊まるという。
そのまま日付が変わるころまで話し込んで過ごした。






■今回の教訓!

ムーンライトながらは寝れないものと思え!(←無賃乗車で右往左往する輩は必ずいる)
神戸-石垣便は穴場便!(←他の便が混んでいたら有効活用を!)
(与那国)行ったら絶対に西崎には行くべし!(←あたりまえか、、、)




posted by johokotu at 00:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | ◆旅行記 | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2009-10-18 05:22