2009年12月20日

地方空港も赤字

地方管理空港も赤字ばかり 毎日新聞が報道

19日の毎日新聞夕刊に空港関連の気になる記事が載っていました。
「自治体管理 黒字空港4カ所のみ」と題された、定期便が就航する自治体管理空港(地方管理空港?)54空港の2008年度の収支状況を調査した記事です。
(ネット版では収支の内訳表が載っていませんが、紙版では載っています)

この記事では、「着陸料と土地・建物等貸付料の収入2項目から、維持管理費(人件費、物件費)などを差し引いた額」を調査したようです。(鹿児島県の各空港は収入と支出の公表、東京都など一部の空港は人件費の支出額の公表なし。)
黒字だったのは、「秋田、富山、神戸、石垣(沖縄・石垣島)」の4空港のみで、名古屋飛行場が収支ゼロ、その他は赤字だったそうです。


一応2路線が飛んでいる広島西が最も赤字額が大きいというのが面白いところで、デッキなども閉鎖して維持管理費はたいしてかからないように思えるものの、やはりテナントが少ないせいで貸付料が少ないということでしょうか。広島県は撤退を表明していて、この記事のように5億以上も赤字なのであれば広島市だけではとても持ちこたえられそうにないですね。

今回の記事、一見すると「結構大変な空港が多いなあ」と印象ですが、よくよく考えてみると、この調査は、すべての収入からすべての支出を引いた額ではないという点が気になります。
地方管理空港の中には、自治体がターミナルも運営している場合が存在したり(石垣)、関連事業として宣伝広告を積極的に行うなど支出が多いだろうところ(能登など)もあります。さらに、そもそも運営している地方自治体からの運営資金は含まれていないので、純粋な収支ではありません。
運営している地方自治体から出る運営資金については、「不採算空港に対しては管理する地方自治体の一般会計などから不足分が補てんされており、厳しい自治体財政を圧迫している。」と、あたかも管理者が金を出すのがおかしいかのような書き方になっていますが、管理者が金を出すのは当然で、空港だけの収支で赤字か黒字か考えるのであれば、そもそも公共財を運営する組織(地方自治体)などいらないでしょう。(不採算空港でなくても、地方自治体が管理者なのですから、その地方自治体の一般会計から補てん(=運営資金の投入)はされてますよ、、、。)

記事では赤字額が多いその原因について詳しくは述べられていませんが、着陸料や貸付料の減免などがどの程度響いているのかは不明なまま。また、この状況が近年だけの傾向なのか、そもそも記事が言うように「採算度外視」で空港を乱立した結果、元からこのような傾向なのかも分かりません。
このあたり、もう少し掘り下げて、赤字は何が原因で、どの支出を抑え、どの収入を伸ばすべきか考えられる記事を引き続きお願いしたいですね。
個人的には定期便未就航空港の収支状況も気になっているところなのですが、、、。

自治体管理空港:黒字わずか4カ所 「採算度外視」響く(毎日新聞公式サイト)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091219k0000e040052000c.html
posted by johokotu at 16:35| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆その他の話題 | 更新情報をチェックする
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