■2009.12.13 種子島→屋久島→鹿児島→(指宿)
神社で日の出に縁起がええ!
2日目の今日は午前中種子島を南から北へ縦断後、西之表13時20分発のジェットフォイル「ロケット2」で屋久島宮之浦へ。午後、屋久島ではチャリを借りて空港へ行き、最終便で鹿児島に飛んだあと、指宿までレンタカーで移動することにしていた。
宿を出たのは6時半過ぎ。空がやや明るくなってきた頃だ。
フロントにおりたら誰もおらず、フロントにあった電話で事務室へ連絡したら眠そうな声が返ってきた。どこの宿もそうなんだけど、朝出るときはいつもこんな感じ。自分の場合は観光部分を満喫したいからレイトチェックイン・アーリーチェックアウトになるのに、滞在時間短いから格安、といったプランを設定するところがないのは残念だ。
さて、宿を出た後、すぐそばにあったエブリワンで、焼きたてパンを買い、朝飯調達後は、早速、島最南端の門倉岬へと向かった。
→エブリワンは南九州に多いチェーンコンビニだが、焼きたてパンや惣菜・弁当が魅力。この部分だけはスーパーのようで、普通のコンビニ+総菜コーナー+パン屋といった感じ。都内にある大手コンビニよりも使える店舗だった。
岬までは快適な道を10分強で7時頃到着。広い無料駐車場があったのでそこに停めてパンを頬張ったあと、外に出た。今日はよく晴れたすがすがしい朝だ。
門倉岬は鉄砲伝来の地として整備されていて、南蛮船を模した展望台や記念碑が建てられていた。先端に御崎神社があったのでお参りしていたら、ちょうど真後ろから日の出があり、参拝していた神社のガラス越しに真ん丸の赤い太陽が目に入った。低い雲があって海岸の先からはさっきまでまだ顔を出していなかったのに、このタイミングでの日の出とは。非常に縁起がいい感じがした。

種子島南端の岬である門倉岬。切り立った崖になっていて、眺めは抜群だった。
宇宙センターまでに寄り道寄り道
岬で日の出をゆっくり眺めたあと、車に戻ってこのあとの旅程を考えた。
船発が13時すぎだから、西之表には13時前に着きたい。となると、空港を12時頃には出ないとまずくなる。空港の見学時間を考えると10時位には南種子を出ざるを得ない感じだ。
ところがだ、、、。一番行っておきたい宇宙科学技術館は9時半開館。見学したらすぐに北に向かわないといけない時刻で、ややハードスケジュールになりそうなのだ。
今は7時半。どうしようか悩んだが、宇宙科学技術館開館まではまだ時間があるので、この間に南側の名所に立ち寄ることにした。種子島の名所のうち、少なくとも千座の岩屋だけは行きたかったので、岬から東海岸沿いを北に行きつつ七色坂観望所、ドラメルタン号漂着記念碑、宝満神社、広田遺跡といくつか名所に寄りながら千座の岩屋に行き、そのまま引き返して宇宙科学技術館に行くことにした。事前に入手したパンフだと、宇宙センターを見学できるツアーもあるようなのだが、午前の部でも11時頃だから完全にあきらめていた。
宇宙センターの敷地を横切ってゆっくり進んだら、千座の岩屋には9時頃に到着した。ちょうど売店が開店したところだった。岩屋は海岸沿いにトンネルのような穴が開いていて、中から美しい海を眺められる種子島一の自然スポットだ。やや満潮に近かったのか、奥の広い穴には海水が入り込んでいたので行くことはできなかった。
→千座の岩屋は種子島で最も有名な観光スポットだろう。広い駐車場も整備されているが、案内看板がたっていないので、どこが名所に当たるのかちょっと分かりづらかった。穴の中からのぞく風景は、晴れている日は撮影しづらい!
宇宙の港から空の港、そして海の港へ
千座の岩屋を見たあとは、再び南へ引き返して宇宙科学技術館へ向かった。種子島観光協会の地図だと岩屋から宇宙センターまで10分の記載があったが、それは一般人はほとんど立ち入れない宇宙センターの中心部までの時間だったようで、南端にある宇宙科学技術館までは20分弱はかかった。制限速度以上に飛ばしても10分では着かないだろう。
宇宙科学技術館は開館直後の訪問だったから、館内には他の客が誰もおらず、急ぎながらもゆったり見学が出来た。

宇宙科学技術館は種子島に来たらぜひ行くことを勧めたい場所だ。館内にはエンジンやシャトルの破片や部品など多くの展示品がある。航空と話題が重なる部分も多く、飛行機好きなら充分楽しみ学べる。(中の雰囲気が成田にある航空博物館に似ているような気が、、、)
開発拠点(つまりは将来の宇宙船発着地候補=宙港(海港、空港ときたら、、、勝手に命名!))に関する展示もしっかりしていて、空港ファンにも勉強になった。まあ生きてる間に宙港が一般化することはないだろうが、実現すれば当然取り上げますよ〜(笑)。100年後には今の日本の空港事情みたいに、世界に宙港造りすぎだなんて議論が出てるのかもしれない。
映像作品など見学に時間がかかるものを泣く泣く避けたものの、結局、宇宙センターを出たのは10時過ぎだった。
宇宙センターからは中種子中心部にある旧空港へと向かった。
旧空港までは30分強。まだ管制塔以外の建物は健在で、「種子島-枕崎」と気になる看板を掲げた小型機事務所も見えた。ただ、移転による地域への打撃は大きかったようで、空港前のホテル(中種子一目立つ建物)は廃墟になり、隣のタクシー会社は閑古鳥が鳴いていた。
→中種子町では高校生まで含めた住民に跡地利用に関する調査を行っている。
結果(旧種子島空港の跡地利用に関するアンケート調査結果(http://town.nakatane.kagoshima.jp/nakatane02/nakatane06.html))を見る限りでは、企業誘致やレジャー施設誘致を望む声が多いようだ。
旧空港(中種子中心部)から新空港までは10分強で、ちょうど昼便が着陸したところに到着だった。
昨晩軽く館内を撮影していたので、今日はレストランと売店見学がメイン。味チェックで食事をしていたら、昼便が出発する時刻になってしまい、走って外に出てターミナル北西側にある展望場所へ登るはめになった。
展望場所に行ってみると、カップルと家族連れが観望中。あとから老夫婦もやってきて、やはり飛行機の離着陸を眺めるのはどの年代にも面白いのだろう。ターミナルの真横の高台にあったが、ターミナルはまさに真横なので、あまり見た目はよくない。ただ、ススキがいい感じに生えていて雰囲気の良い写真は撮れた。
離陸を見届けた後再びターミナルへ戻り見学を続けた。おもしろかったのはロビーにあった喫煙所のJTの掲示広告。種子島らしく、鉄砲とともに伝わったとされるタバコ伝来の歴史について書かれ、楽しめるようになっていた。
空港見学を終えて外に出たら12時過ぎ。少し南へ戻って雄滝・雌滝に行きたかったのだが、時間がないので断念し、雄龍・雌龍の岩を見つつ、西之表に着いた。
レンタカー用の駐車場に着いたら、おじさんが一人寄ってきて「ガソリン満タンだからそのままでいい」と言う。名札もつけてなければ、社名入りの服を着ているわけでもなく、傍から見たらはっきりいって不審者だ。レンタカー会社には鍵付けたまま鍵かけて置いとけとは言われていたものの、レンタカーを狙った盗人だったら困る。とりあえず、引き渡してからターミナルに向かう途中でレンタカー事務所に引き渡し確認の電話を入れた。
電話に出たのはさっきのおじさんで、ちょっと変な間があいてしまった、、、。
西之表港はターミナルが改装中で、コスモラインの建物は仮設だった。窓口で購入したら、映画館みたいにその場で選択するタイプで、せっかくならばと窓側をとった。
空模様が悪い屋久島
種子島西之表港からは屋久島宮之浦港へコスモラインのロケット2だ。
ロケット2はボーイング製のジェットフォイルで、翼走時には時速80キロにも達する高速船だった。翼走時はほとんど揺れがなく快適。この船にはスッチーが乗っていて、ゴミ集めなども行なっていた。これは好印象。これなら少し高くても納得だろう。

ロケット2の船内。紺系色の上品なイメージだ。飛行機同様客室乗務員がいて、サービスを実施していた。(飲み物とかは出ません、、、)
屋久島までは約50分。
屋久島に到着したら、空が少しどんよりしていた。旅行前の天気予報では雨はなかったが、そのうち降りだしそうな空模様だ。
港からはすぐに観光物産センターへ行き、チャリを借りた。レンタサイクルの案内は一切なかったのだが、レジで、印刷してもってきたレンタサイクルの案内ページの写しを示したらすぐに借りることができた。1日800円。空港に近い小瀬田地区にあるという南邦石油で返したいと話したら、まったく問題ないという。ただ、この時に返却場所の詳細位置を聞かなかった。グーグルマップで空港前のガソリンスタンドが同名でヒットしたのだが、シマダスだと集落は少し離れたところにあって、本当にそこなのか分からないまま出発することになった。
宮之浦は島一番の集落だ。いまだにJAS全開の看板を掲げる旅行代理店があったりするなど鹿児島の離島にきた実感はわきやすい感じがした。
集落を走っていたら「救いの宮」という益救神社(「やくじんじゃ」と読む)の看板が目に入ったので、ちょっと寄り道。神社に詣った後、県道77号線を空港に向けて走りはじめた。
この島は九州一の高さがある宮之浦岳があり、かなり山がちに見える。だが、今日通るのは外周のほんの一部だからあまり上下動はなかった。
屋久島のほんの一部分しか走っていないのに面白いなと感じたのは、かなりジャングルチックであったことで、外周道路のすぐそばまで原生林のようなやや荒れた森が迫っていたのが印象的だった。
宮之浦の外れで屋久島大社に詣ったあと、楠川温泉によった。
この温泉は県道から盲腸道路を少し入ったところにある。夏場の観光シーズンは混雑するらしいのだが、駐車場が7台分ほどしかなく、アクセス道路には「混雑時は路上駐車」と、警察が見たら怒りだしそうな掲示が出ていた。厳密には温泉ではなく冷泉(といっても25.4度くらい)で、沸かしているという。森の中の温泉小屋といった感じでなかなかの雰囲気なのだが、狭い風呂場があるだけで外の景色は見えず、銭湯に近い存在だったようだ。

とても素朴な感じの温泉。人気は高いようなのだが、ちょっと狭すぎだった。
30分もかからず温泉を出たら、なんと小雨が降りだしていた。備え付けのドライヤーがなかったから髪を洗わなかったが、これは想定外。さすがは日本有数の降雨量を誇る地域だ。おかげで折り畳み傘をさしてチャリをこぐ羽目になってしまった。(雨はパラついた程度で10分後にはやんでいた)
小瀬田地区に入った際、ガソリンスタンドを探してみたが、それらしき
建物は見当たらず、早々にあきらめて空港へ行くことにした。集落を過ぎて道路が二手に分岐していたので、旧道側へ少し進んだら、野生のシカと遭遇。こっちがゆっくり止まったら足がすくんだのかじっとしたまま動かなくなったが、ちょっと見つめあった後、動き出したら、驚いて飛び跳ねて逃げられてしまった。
非常に短い屋久島滞在で、野生の大型生物を見られただけでもかなり得した気分だ。
小さいが凝縮された空港
空港に着いたのは16時過ぎだった。
事前の調査でグーグルアースを見た際、滑走路両端付近に道のようなものが見えたのだが、実際には北側はそのような道は見当たらず、南側は草が通せんぼする細かな道があっただけだった。
空港周辺はちょっとした商業地域になっていて、郊外立地型の薬局やスーパーなどが何件か見られた。目指していた南国石油はやはりターミナル目の前のお店だった。この先、安房あたりまで行ってみても良かったのだが、日が暮れる前にターミナルを撮影したかったので空港南側で引き返した。
やはりチャリの乗捨は非常に便利だ。
屋久島空港はこぢんまりとした一層のターミナルで、売店と飲食店は一店ずつ出店。それでも売店は木工品などが豊富、飲食店ではトビウオ料理もしっかりあるなど、小さいが質は維持している凝縮した空港といった印象だった。
そんな売店や飲食店でチンタラしていたら、いつのまにか時間ギリギリの搭乗になってしまった。
帰りの飛行機は一便前が欠航だったにもかかわらず、半分も埋まらないほどの混雑度。窓側を確保してはいたものの、外はすでに真っ暗で、あまり風景を楽しむことができなかった。
鹿児島まではほんの30分。鹿児島空港ではレンタカー貸出まで時間があったので、ターミナル内を見学がてら土産を買い物しようと売店を見てみたが、おいしそうなものはどれも日持ちが短く、長時間持ち運ぶには不適だった。
19時半にレンタカーの送迎を受ける。今回はできるだけ安くすませるために、準大手Jネット系列のスカイレンタカーを予約していた。この事務所は空港ホテル裏にあり、貸出を受けて、さっそく指宿に向けて出発した。
真っ暗な中いろいろ調査
指宿に行く前に、空港周辺の交通事情を調査することにしていた。
まずは高速道路にある鹿児島空港南バス停を現地確認。そのまま少し北側に向かい、嘉例川駅へと車を向けた。
実は鹿児島空港がある十三塚原台地の東側の谷にはJR肥薩線が走っていて、空港近くに嘉例川、中福良、表木山と三駅がある。空港アクセスとして使えるか調べてみることにしたのだ。そこでまずは北側の嘉例川へ向かった。嘉例川駅までは空港からは15分程度で、徒歩アクセスはほぼ無理だった。無人で真っ暗の駅を撮影後、続いてお隣の中福良駅へ、谷沿いの狭い道を走った。

嘉例川駅は古い木造駅舎が残る観光名所だ。九州で常に人気が高い駅弁の販売駅でもあり、土日の午前10時から販売されている。行ったのは土日とはいえ、午後8時位だったから、当然売り切れ、というか売り子すらいない状況だった。
夜なので外観の撮影はできなかったが、内部は非常に雰囲気のある木造駅舎だった。
次に向かった中福良駅も無人駅。中福良の集落に埋もれるように存在するこの駅は駅舎もない非常に簡素な駅だった。軽く見た後、距離計測のため一度空港へ逆戻り。昨日の昼間歩いたターミナル北側のトンネルを通る経路でターミナル前までは約6キロ強だった。こちらも徒歩でのアクセスは無理そうだ。
ターミナルをそのまま横切った後、今度はターミナル南側のトンネルを抜けて表木山へ。谷へ下りる狭い道でこちらはだいたい5キロ弱だった。なんとかぎりぎり徒歩圏内だが、あまり利用はしたくないだろう。
いずれの駅も、空港との間にはかなりの標高差があり、登りになる空港行きはチャリでもアクセスは大変そうな感じだった。
→肥薩線は空港アクセス線として経路変更も検討されていた。現在通過している地域から反発は出るだろうし、かなりの急勾配路線になるから実現することはないだろうが、あったらかなり便利だった。空港開設時に実現させるべきだったのかもしれないが、当時鹿児島県は鹿児島市内からの長距離にモノレールを敷くというバカげたことを真剣に考え、高速道路の建設推進を優先したために肥薩線は二の次。結局肥薩線が空港アクセス線に化けることはなかった。
表木山からは、肥薩線と平行するように狭い道を南下。鹿児島市内へと向かった。明日、鴨池地区にある旧空港跡地を見て回る予定でいたのだが、あまり時間がないから、いまのうちにモニュメント類がないか分かる範囲で調べようとしていた。
鴨池地区では真っ暗な中、まずは県庁を散策。それっぽい碑文は見当たらなかったので、海岸沿いの鴨池緑地公園へ行ったら南端近くで日本軍の石碑が見つかった。
完全に再開発された鴨池地区を車で少しウロチョロしたものの、これ以上めぼしいものはなく、明日、時間の許すかぎり探索してみることにして鴨池をあとにした。
すでに時間は23時近く。寝不足にならないように、できるだけ早く道の駅に着きたい一心で、枕崎に一番近い道の駅いぶすきに向かって車を飛ばした。
いぶすきにはなんとか日付が変わる前に到着。明日に備えてすぐ眠りについた。
■ここまでの教訓!
・南海の島々に行くときはエブリワンを有効活用!←焼き立てパンがおすすめ
・[種子島]観光地図は記載所要時間に要注意!←全体的に書かれている時間が短めの印象
・[種子島]空港ではタバコ吸わなくても喫煙ルームへ!←タバコの歴史が学べます
・[屋久島]乗捨可のレンタサイクルを有効活用すべし!←複数の集落で返却可能
・[屋久島]少なくとも折り畳み傘は持っていこう!←すぐ降ります
■今日の旅程
12/13
宿06:30(レンタカー)→門倉岬・千座岩屋等
門倉岬・千座岩屋等(レンタカー)→09:30宇宙科学技術館
宇宙科学技術館10:30(レンタカー)→11:00旧種子島空港
旧種子島空港11:30(レンタカー)→11:45[種子島空港]
[種子島空港]12:50(レンタカー)→13:00西之表港
西之表港13:20(コスモラインロケット2 104便)→14:10宮之浦港
宮之浦港13:20(レンタサイクル)→楠川温泉等
楠川温泉等)→16:00[種子島空港]
[種子島空港]18:00(JAC3758便)→18:30[鹿児島空港]
[鹿児島空港]19:30(レンタカー)→道の駅いぶすき<車内>
予定旅程
宿(レンタカー)→種子島見学→旧種子島空港跡地→[種子島空港]→種子島西之表港13:20(コスモラインロケット2 104便)→14:10屋久島宮之浦港14:30(レンタサイクル)→[屋久島空港]18:00(JAC3758便)→18:30[鹿児島空港]19:00(レンタカー)→道の駅いぶすき