2010年03月17日

大分_SNAへ就航要請

SNA就航要請 羽田増枠にらみ 大分


大分県などで構成される大分空港航空路線拡充・定着化推進協議会は12日、スカイネットアジア航空(SNA)に大分空港への就航を要請しました

13日付の大分合同新聞によれば
大分県、県内5市と経済団体などでつくる大分空港航空路線拡充・定着化推進協議会(会長・姫野清高大分県商工会議所連合会長)は12日、スカイネットアジア航空(SNA・本社宮崎市)に大分空港への就航と東京線、沖縄線の開設を要望。官民連携で本格的な誘致活動に動きだした。就航の支援策としてSNAによる増資に応じる県内企業を募ることも決定。SNAは「4月中に判断する」としている。
と報じられています。


やっと本腰
大分は九州主要空港の中で、唯一新興航空会社のない空港。この影響か、運賃は他の空港に比べて高く、ダイヤは利用しづらくなっています。近年は便数が多い福岡や北九州に相当な客が流れているとみられ、ピークの平成9年には200万人を超えていた年間利用者が170万人程度に落ち込んでいます。
今回の就航要請は、これらが背景となった不安の表れ。10月に行われる羽田増枠をにらみ、最後のチャンスで要請を行った模様です。


スカイネットへ就航要請した勝算
大分合同新聞の記事にもあるように、10月の羽田増枠をにらんだ動きは、4月には就航路線が決定するため、誘致までは非常に短期決戦になります。
今回就航を要請した先は、南九州を中心に運航するSNA。日本の格安航空の代表格であるスカイマーク(SKY)や北九州に就航するスターフライヤー(SFJ)ではなく、SNAにねらいを定めたのは、羽田増枠への各社のスタンスが影響している模様です。10月に拡大する羽田増枠は各社とも4往復。しかしSKYは幹線重視で九州内では北九州や鹿児島、熊本、長崎などへの就航を目論み、SFJは福岡への就航に没頭するなど、大分など眼中にない状況にあります。一方SNAは羽田増枠では九州・沖縄への就航を目指すとし、大分がひとつの候補となっています。福岡や那覇と競争となればなかなか難しい面もあるかもしれませんが、大分・那覇路線も同時に開設を要望する今回の話は、長崎・熊本・宮崎・鹿児島の各空港で羽田線と那覇線を開設しているSNAのビジネスモデルが合致しており、訴求力は充分です。

この話は、すでに4日の大分県議会で広瀬県知事が表明していたそうで、毎日新聞によると、
SNAは宮崎、鹿児島などから羽田便を飛ばし、発着枠拡大に伴う計画も「九州、那覇からの羽田便をプラスアルファ」としている。県は、同じく九州に足場を持つ航空会社でも、計画が大分展開の可能性を含まないスターフライヤーやスカイマークよりも、条件が合致すると考えた。
と報道されています。

福岡や那覇に比べれば魅力に欠ける大分。ポイントとなるのは大分県の出資方針で、これは確実にセットで提案しないと、なかなか誘致が難しそうです。


地上交通がネック?
毎日新聞によれば、
SNAの佐竹俊哉・取締役企画部長は「大分は有力候補の一つ。将来的ポテンシャルはある半面、県西、県北からの空港アクセスにハンディがある。官民の協力体制でどれだけ補って頂けるか見極め、4月中に最終結論を出す」と話している。
としており、かねてから指摘され続けている地上アクセスの貧弱さが大きなネックになりそうです。
空港利用者の約2割弱の輸送を担ってきたホーバーが廃止されたこのタイミングで新規に路線誘致に動くというのもちぐはぐな気もします。

で、このタイミングで気になる記事がもうひとつ。
11日付の毎日新聞の記事では、
高速バス:佐伯−大分空港間、1便利用者わずか6.16人
と伝えています。
もともと大分空港が現在の位置へ移転した時、アクセスよりも管制のしやすさなどを優先したのですから、アクセスの向上に努めないと利用者減少はあっという間のような気もします。


ANAの意向は?
羽田・大分間は利用者は少ないものの、割引運賃が高止まりしていて単価が高い客が傾向があります。
となると気になるのはANAの意向。SNA参入で価格競争が始まるとみられることから、単価下落を嫌うANAがSNAの筆頭株主であることを盾に横槍を入れる可能性もあります。
共同運航の形も複雑。記事にもあるようにSNA就航により便数の純増を期待する声は多いですが、ANAが減便し穴埋めとしてSNAが入るだけとなると空港の収益増加にはつながりません。
沖縄線はかつてANAが運航していたということもあり、宮崎などと同様にANAとの共同運航として新規就航するのかもポイント。他の九州4空港のようにANA路線からの移管の形で那覇便を開設するわけではなく、SNAの判断で開設することになるだけに注目されます。


10月の羽田増枠の活用がどうなるか、決定する4月ごろまで大分県がどんな策を出してくるのか、目が離せません。



SNAに大分就航を要望 誘致へ本格始動(大分合同新聞公式サイト・13日の記事)
http://www.oita-press.co.jp/localNews/2010_126844296189.html

高速バス:佐伯−大分空港間、1便利用者わずか6.16人 /大分(毎日新聞公式サイト・11日の記事)
http://mainichi.jp/area/oita/news/20100311ddlk44020495000c.html

大分空港:スカイネット、来て 窮状救うか、県が経済界の支援期待 /大分(毎日新聞公式サイト・5日の記事)
http://mainichi.jp/area/oita/news/20100305ddlk44010631000c.html
ラベル:大分空港 SNA ANA
posted by johokotu at 22:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 大分空港(SPACEPORT OITA) | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック