この記事は2010年6月に執筆した旅行記です。
■2006.03.07 東京国際・山口宇部
いよいよ空港訪問の旅へ
いよいよ初の空港訪問。
今朝は昼前に羽田を発って山口宇部へと向かう。
今回の訪問は大分への帰省ついでだから、ちょっと立ち寄る程度の形になりそうだ。
自宅から羽田空港までは昼間でも1時間半はかかる。
朝6時少し前に自宅を出た。羽田空港へのアクセスは、池袋へ出たのち山手線で品川へ回り込み、京急線へ乗り換えるというのが通常の方法だ。今回も最初はその方法で考えていたのだが、よくよく考えてみたら、山口宇部空港から先で利用する青春18きっぷをここでも活用しない手はない。そこで、JR線の区間を少しでも長くしようと、秋津・新秋津でJR武蔵野線へ乗り換え、そこから府中本町まで南下、府中本町から川崎までJR南武線、川崎から蒲田までJR京浜東北線で、京急蒲田から京急線でアクセスする方法に急きょ変更した。
新秋津は6:13発。府中本町には6:26には着き、南武線は6:31発に乗ることができた。
両線は都心部を通らないうえ、ラッシュには時間がまだ早いから、混雑は少なめ。途中駅で運良く座席を確保できたので寝ていたら、あっという間に川崎に到着できた。
武蔵野線も南武線も便数が少なく、秋津や府中本町は接続が悪いとかなり待たされるのだが、今回は比較的タイミングが良く、川崎には7:16に到着できた。
もともと秋津の時点で1便あとの電車に乗る予定で、蒲田には7:30頃に到着を考えていた。時間がかかると思っていた南武線まわりでも同じような時間で到達ができたのは新しい発見だった。(しかもこっち回りならラッシュの度合いが少ない!)
南武線で快速運転が開始されれば、北多摩地区の人間にはかなり便利になるに違いない。
※北多摩地区や埼玉県西部(東武東上線・西武線・中央線・京王線沿線)から羽田空港へのアクセスは、関東圏で最も不便な地域になっている。
鉄道の場合、池袋か新宿に出て山手線で浜松町・品川へ移動、浜松町なら東京モノレール、品川なら京急で羽田へ向かうのが主流だ。だが、この山手線の経路が曲者で、浜松町は池袋からだと真反対の位置にあり、外回り・内回りとも約30分かかる。品川なら近いのかといえばそうでもない。品川は多くの人の頭の中に山手線の南端のイメージが刷り込まれているが、実は南から3番目の駅になっている(最も南は大崎で、その次が五反田)。池袋からの場合、内回りでのアクセスが早いが、一度弧を描いて北上した後、再度南に向かって戻るような経路になるのだ。
バスの場合も、関越道から一度外環で北上した後、5号池袋線で都心部へ流入、西側へ振られた後に湾岸線へ抜ける大回り経路となり、所沢や川越からだと1時間半もかかってしまう。都心部へ向かうので、朝などは渋滞も怖い。
自家用車なら、バスの経路以外に、練馬で関越道を下りてしまい、環状8号線で羽田へ向かうことも考えられるが、環八はいつも混んでいて、練馬から羽田までは通常時でもだいたい1時間はかかる。混雑が激しければ1時間半以上かかる場合もあり、非常に使いづらいのが現状だ。
鉄道については、今回のように武蔵野線・南武線を利用するのも手として考えられるが、南武線は各駅停車しかなくとにかくトロい。快速でもできれば利用価値が格段に向上するのだが、そのような動きはまったく見られない。車についても外環が全通すればかなりの時間短縮になるのだがこれも通過地域の反対などで計画倒れで、環八や都心部で無駄な時間をかけ無駄な排気ガスを出す羽目になってしまっている。
これらの地域は、戦前から飛行機産業が盛んな地域で、かつ戦時中できた飛行場が結構残っている地域でもある。でも羽田に行くのはとても不便で、成田など都心部を横切っていくしかなく論外だ。そこで、米軍横田基地の共用化や自衛隊入間基地の官民共用化も叫ばれているのだが、前者は米軍の意向で拒否され、後者は滑走路の短さ(2000m)から実現化するのが難しい状態になっている。現状運用されている調布飛行場もあるが、入間以上に滑走路が短く大型機の就航は困難で、立川に至っては飛行場としての機能はごくごく少数で大部分が昭和記念公園となってしまった今、活用は不可能となっている。航空に関するものは多いのに航空利用にはあまり適していない地域になってしまっているのだ。
京急蒲田からは、羽田にすぐ向かってもよかったのだが、出発時刻まではまだまだ時間がある。そこで、航空の安全をお祈りするため、途中の穴守稲荷で下車し、穴守稲荷神社に参拝してから羽田へと向かった。結局羽田には8時すぎに到着となった。
今日はANAの利用。一昨年12月に開業した第2旅客ターミナルからの出発だ。
今回は超割での予約で、10,500円と高速バス並みの運賃で搭乗が可能。自動チェックイン機で発券してチェックインを済ませた。その後は、軽い朝食をとり、続いて空港内をグルリとしたのち51番搭乗口からの搭乗となった。
平日昼前の便ということもあり空いていると思っていたのだが、新幹線とも競合するビジネス路線であるせいか、ビジネスマンで結構混雑していた。比較的すいているはずの後方39Gを取ったのだが、通路側もほぼ埋まっている状態で、離陸から着陸まで身動きできない状態に陥ってしまった。
搭乗したのはエアージャパンのB767-300ERという機体だった。飛行機を降りて山口宇部空港の展望デッキから眺めるまで国際線使用の機体だったことは知らなかったのだが、飛行機に詳しい友人に聞けば、かなりおもろい運用だったそうだ。搭乗した時は機種がどうのこうのという点についてはあまり興味がなかったから、良く見てなかったけど、機内の撮影とかもしておけばよかった、、、。
搭乗したB767-300ERは、通常時国際線に使用されるエアージャパンの機体(JA8971)で、スーパーシートプレミアムの座席も国際線のCLUB ANAシートだったようだ(専門的言うと767-381型機らしいのだが、このあたりは全く詳しくないので、、、)。ANAの公式サイトだとボーイング767-300ER(2)として紹介されている。ウィキペディアによれば767-300の約2倍の航続距離を持つらしいけど、ERって一体、、、!?ちなみに写真は山口宇部で折返しANA696便として羽田へ向かう搭乗機。
駅前の山口宇部空港
山口宇部空港は瀬戸内海の周防灘に突き出た海沿い空港だった。
ターミナルは立派な建物が二つ並んでいて、国内線はその一方を利用していた。もう片方は国際線用なのだが、この空港は国際線は飛んでおらず、はっきり言うと無駄なターミナルだった。国内線にしても羽田線しか飛んでいないから、人はあまりおらず、なんとも閑散とした空港だった。
空港の見学は1時間もかからず終了。出発ロビーのレストランで昼飯を食べた後、ターミナルから歩いて約5分、空港入口前にあるJR草江駅へと向かった。
山口宇部空港は、空港の目の前に鉄道駅が存在する、日本の地方空港としては非常に珍しい空港になっている。だが、このJR草江駅、行ってみたら、トイレもなく、小さな待合所がポツンとあるだけの無人駅だった。駅前には小さな商店が1店あるのみだった。
どでかい近代的な空港の目の前に、ひじょーうにローカルな小駅。この差がなんとも面白い。
電車も1時間から2時間に1本というローカル線で、駅に券売機がないからバスのように乗車時に乗車券を受け取るスタイルだった。
乗った電車は、3駅先の宇部新川駅が終点だった。
草江駅を通る路線はJR宇部線という。宇部線は新山口と宇部間を結ぶ山陽本線の分岐線のような存在で、当然ダイヤも1通りなのかと思いきや、なぜかほとんどの電車は新山口・宇部新川間の路線で、空港から宇部方面へ出る場合、いちいち宇部新川で乗換をしなくてはならない。
このため、宇部新川で14分待ち。そのあとは宇部駅まで3駅だけ電車に乗り、山陽本線への乗換と面倒くさい話になった。
宇部では3分接続で山陽本線に乗換ができたのだが、なぜか激混みの車内で、そのあと下関まで突っ立ったまんま過ごす羽目になってしまった。
最終的に下関には15:17到着だった。草江・宇部新川間は10分で、宇部新川・宇部間は11分、宇部・下関間は41分だったのだが、チョコマカ乗換があったせいで、なんとも時間がかかった印象。これでは空港からのアクセスには到底使えないと思ってしまった。
※山口宇部空港と周辺のJR線の位置関係は非常にもったいない関係にある。空港周辺の山陽新幹線の駅は、西側が厚狭、東側が新山口だ。空港はそのちょうど中間点付近に位置している。山陽本線は、厚狭-新山口間に、小野田、宇部、厚東、本由良、嘉川と5駅があるものの、ちょうど空港周辺部は山側を通っていていずれも空港からは近くない。
一番の問題点は、空港と鉄道駅が遠いことでなく、この地域は海岸沿いが宇部・小野田の工業地帯になっており、山陽本線が通る山側よりも、海岸沿いの方が居住者が多いという点にある。そこで、宇部と新山口の間の海岸沿いを結ぶ路線として宇部線が健在で、そこにたまたま山口宇部空港の目の前の駅が登場してくるのだ。
宇部線は宇部から岩鼻、居能、宇部新川、琴芝、東新川、宇部岬、草江と駅があり、草江以東は新山口までの間に9駅が存在している。さらに居能駅からは小野田線が分岐していて、小野田駅との間の海岸線を結んでいる。山陽本線の宇部駅は宇部市の中心駅ではなく、宇部新川駅で、山陽本線が通る経路よりも宇部線沿線の方が居住人口は多いのだが、山陽本線が30分に1本程度の便数に対して、宇部線は1時間〜2時間に1本しかなく、空港アクセスとしては失格の路線になってしまっている。
このため、山口宇部空港からのアクセスはバスが主流。バス路線は、飛行機のダイヤに連動する形で運航されており、空港見学をした今回は良い便がなく利用することができなかった。バスは、宇部新川駅行のほか、下関駅行、新山口駅(昔の小郡駅)行が運行されているのだが、鉄道が不便だから設定されているようなもの。もしも鉄道が便利なら、宇部新川や新山口へは鉄道利用者がほとんどになるんだろうけど、現状は便数が少なすぎて、飛行機からの乗継で鉄道を利用している人はほとんどいなそうだった。空港からバスで拠点駅まで行かねばならないなんて、なんともばからしい話と感じてしまうちょうどよい例だろう。
下関では、5分間に合わなかったせいで宇佐行に接続できず、39分待ちで行橋行に乗車した。
ここから先は、大分空港の最寄駅である杵築駅まで日豊本線を南下するのだが、この区間は接続をよく考えないとひどい目にあう。小倉から日豊本線で南下する場合、15分に1本程度は電車があるのだが、途中で終点になる便が多く、1時間あたり4本のうち、1本は行橋、1本は新田原、1本は中津で終点となる。つまり、小倉から大分県北部の宇佐までの間はだいたい1時間に1本程度しかないのだ。しかも、宇佐から先大分方面へはなんと2〜3時間に1本程度で、小倉発16:27発の各停を逃すと次は18:28発まで利用できない。しかも宇佐駅での乗換はそのほとんどが40分程度待たされる最悪乗り継ぎで有名。距離から言ったら小倉から目的地の杵築駅までの乗車時間は2時間程度で済むのだが、とにかく便がないうえ、待ち時間が多く話にならないのだ。
山口宇部空港と言い、大分空港と言い、100万都市の北九州市や下関市の住民からしてみたら、アクセスが不便すぎる空港。両空港から比較的近い北九州空港が新たに整備されることに対して無駄だということは多いのだけれど、アクセスの悪さを考えたら、今すぐにでも整備してほしい空港なのだろう。
さて、鉄道のダイヤさえあえば、(旧)北九州空港に1時間寄ったとしても16時に小倉発で19時位には杵築駅に到着できる計算なのだが、実際のところは接続が悪すぎて、同空港に寄っていては、この日中に到着できなくなる恐れがある。下関駅で5分差で乗車できなかった電車に乗れれば、(旧)北九州空港に寄ろうと考えていたのだが、接続の関係で乗れなかったのだからあきらめるしかなかった。
終点の行橋駅では宇佐行が来るまで20分間があったので、新北九州空港行のバス乗り場を確認し、軽食を購入した。20分待ってやっと来た17:04発で宇佐へ向かった。
宇佐駅までは約1時間で18時に到着した。宇佐駅では到着の18:00から出発の18:35まで35分間も乗り継ぎ待ち。宇佐駅は駅前にコンビニすらなく何もないので、ただひたすら待合室でグータラ過ごしただけだった。
下関駅到着から宇佐駅出発まで合計で94分間も乗換時間があったのだが、そのほとんどで何もできず、(旧)北九州空港に寄れなかったのが非常に残念な記憶として残ってしまった。
※日豊本線の一般電車は、大分県北部にある宇佐を境に運行系統が完全に分断されている。間に山が存在することもあり、大分県北部は北九州方面とのつながりが強く、大分空港よりも北九州空港の方が利用しやすいとされている。新北九州空港の開港に危機感を抱いた大分県側は大分空港利用促進のために中津や宇佐と大分空港を結ぶ快速リムジンバスの運航を開始したものの、利用者増に貢献しているのかは疑問符が残る。
結局、杵築駅には18:56着。19:00発の杵築バスターミナル(BT)行バスに乗り、同BTでは約3分の乗り継ぎで国東行のバスに乗り換え。大分空港で一度降りたのち、空港から最終の目的地である実家へと向かった。
■今日の教訓!
・北多摩地区から羽田へは武蔵野線・南武線利用も注目←接続がうまくいけば早く行けることも!
・国際線機材か事前チェックしよう←座席予約時にスーパーシートの席配列に注目。767-30の便0の場合、スーパーシートが2-1-2配列なら国際線使用の可能性大。
・山口宇部からはバスで←鉄道は利用しずらい、見学している間にバスに逃げられたらタクシーで宇部駅に出るのも手
・宇佐を制するものは日豊線を制す←空港と全然関係ないですが、、、。日豊本線一般電車で北九州から大分へ向かう場合、宇佐の乗継が最大の問題点。事前によく調べるべし。
■今回の旅程
03/07
自宅(西武線・京急線等)→07:48穴守稲荷駅→穴守稲荷→天空橋駅08:04→08:08[東京国際空港]10:05(ANA 693便)→11:40[山口宇部空港]13:45(徒歩)→草江駅13:58→(JR宇部線)→14:08宇部新川駅14:22(JR宇部線)→14:33宇部駅14:36(JR山陽本線)→15:17下関駅15:56(JR山陽本線)→16:44行橋駅17:04(JR山陽本線)→18:00宇佐駅18:35(JR日豊本線)→18:56杵築駅19:00(大分交通バス)→19:11杵築BT19:13(大分交通バス)→19:45[大分空港]→実家
2006年03月07日
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