百里飛行場(茨城空港) SKYやっぱり撤退! 共用空港の欠陥指摘
スカイマークは24日、9月からの百里(茨城)-神戸路線の運休を突如として発表しました。
準備に時間がかかって開港に間に合わず4月から就航したばかりのこの路線。さまざまな路線で路線定着まで持たずにすぐ撤退するスカイマークだけあって、わずか4か月という短さで、今回もあっけなく運休が発表となりました。
今回は、リリースで理由づけが公表されるという異例の撤退となっています。
リリースでは、3便体制での黒字化を目指したことを書いたうえで、
「ここに来て茨城空港は他の空港と異なり、自衛隊の指揮下で運航しなければならないことが判明いたしました。茨城空港と自衛隊との間でそのような取り決めがあるようです。」
と他者原因による運休であることを強調。軍民共用空港の宿命である、自衛隊都合での運休について、
「例えば、航空祭では運航ダイヤの大幅な変更を求められておりますし、観閲式では運航の中止を求められる可能性もあるようです。これでは定期便としての運航を行うことができません。」
とし、いつも同じ時間での運航ができないことのデメリットを指摘しています。
スカイマークは、増便ができないと黒字化できないことから、積極的増便を行っていく前提として、
「茨城空港と自衛隊との間で「民間共用」のスキームの見直し」
を求めていて、それが行われるまでは運休するという結論に達したようです。
1往復体制の現在は、比較的不便な時間の運航、東京直通バス未接続というハンディがありながら70%以上の搭乗率をたたき出しています。なんとも残念な運休ではあるのですが、この理由付けを見る限りでは、共用のスキームに百里独特の強い制限があるかのような印象を受けます。
日本には、他にも小松や米子などいくつか共用空港がありますが、結構ポンポン飛行機が発着中。空港(茨城県)と自衛隊間によるスキームによる制限が他の空港よりもきついのであれば、茨城県の調整不足ということだとも言えそうです。
ただ、ウィキによれば、百里飛行場は、関東地方で唯一戦闘機運用が可能とのことで、自衛隊の中でもかなり重要度の高い基地でしょうから、調整は難航を極めることは確実でしょう。
海外の多くのLCCがスカイマークの動向をうかがっていたと思うのですが、これによりLCCの選択肢から外れた可能性がかなり高そうです。
観閲式でのダイヤ変更はしょうがないにしても、高い税金かけて民間機用として2本目の滑走路を整備したのに、航空祭のようなイベントでダイヤ変更が求められるのは、スカイマークとしては想定外といったところでしょうか。スカイマークが主張するように、常に自衛隊都合で民間機運航が影響を受けるのであれば、「民間機用滑走路の整備は必要なかったんとちゃう?」という意見も出てきそうです。
逆に共用空港でダイヤ変更を求められることを想定していなかったスカイマークもスカイマークで、今後の動きに注目です。
■「神戸‐茨城線」の運休について(スカイマーク公式サイト)
http://www.skymark.co.jp/ja/company/press/press100624.html
2010年06月24日
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