2010年09月04日

最後の広島西へ(1日目)

■2010.09.04 東京国際→神戸→鹿児島→広島西→鹿児島→神戸→(大垣)

大移動の初日
初日の今日は広島西訪問がメイン行事だ。朝一便で羽田を出た後は、深夜まで飛行機と電車による移動が続く。
6時前には家を出て羽田を少し楽しもうと思っていたのだが、朝起きたのが6時直前で、搭乗までバタバタとなってしまった。

今回羽田から搭乗するSKY301便は神戸を経由する鹿児島行で、SKYに乗るのは九州本島を訪問したとき以来約3年ぶりだ。前回と大きく異なるのは事前に決済、座席指定ともに済ませられた点で、今年に入ってから設置された自動チェックイン機も使えるなどサービスの質が大幅に改善されていた。
唯一分かりにくいと感じたのは経由便の案内で、羽田では神戸行と鹿児島行が別々に表示されていて、まるで別便のようだった。

※厳密にはLCCではないが、和製LCCとして知られるSKY。なんとなく質が悪いと思われがちだ。LCCはサービスがちゃんとしていないところもあると聞くがSKYは別にそんなことはない。確かに飲み物を出さないなど、A社やL社にあるようなサービスはないが、せいぜいその程度。飲み物配布がないから客扱いなど必要ないのだけれども、乗った便にはスッチーが4人も搭乗していた(行きの飛行機で乗務していた係員の一部は帰り便でも乗務していた。仕事拘束時間かなり長い気がするんだけど、スッチーは搭乗中の時間だけが計算されるのかな?)。
狭いと思われがちな座席は腰をずらしてもなかなか膝がとどかない間隔で、A社やJ社の一部機体より広い。なにより皮張りシートだからまったく悪い感じはなかった。今年導入された自動チェックイン機は、非常口座席や最後部座席も含めた座席変更も可能で、窓口に行かねば指定できないJ社のものよりはるかにスグレモノだった。
唯一質が悪いのが定時運航で、国内の主要航空社の中ではダントツで定時出発率が悪いのが特徴だ。


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羽田空港での案内表示。二つ並ぶ表示機に別々に表示されているうえ、神戸行と鹿児島行で便名が異なるため、全く別の便のように見える。SKYが使うスポットは3つほどあるようで、今回は北ウイングの23番スポットからの搭乗だった。


遠回りルートも遅延なし
前回利用した時は、搭乗開始から席が埋まるまで結構時間がかかっていたが、今回は満席に近い状態ながら慣れた人が多いのか搭乗は比較的スムーズだった。ただ羽田の朝の混雑にはまってしまったせいか動きだしがいきなり10分遅延。離陸は定刻より20分も遅かった。

しかも飛行ルートが最も時間がかかるルートだった
まず羽田では、空港敷地内をグルリ反時計回りに半周してC滑走路へ向かい、順番待ちをした後、北へ向かっての離陸。空港での移動距離が最長で、離陸後もグルリ時計回りに回っての西進になるから、最も時間がかかる。
一方の神戸の着陸は、神戸のはるか北方を一度大きく西進し、三木付近で反時計回りに旋回して南下、ぐるりまわって西からの着陸と、最長経路をとった。ちょうど西進後に旋回を始めた時、左窓からは山陽自動車道の三木サービスエリアが見えた。
当然遅れると思っていたのだが、神戸までは約70分とゆっくり目の時間設定がされていて、着地はほぼ定刻だった。

飛行中の天気は雲量2程度とよく晴れていて、機窓からのながめは抜群だった。左窓席をとったため、離陸直後の羽田は撮れなかったものの、セントレアや伊丹は上空からよく見えた。

神戸では35分の乗り継ぎ時間がある。乗り継ぎ客もいったん降りる形になるのだが、鹿児島行の場合、神戸までと神戸からは同じ座席だから、そのまま乗っているものと勘違いして降りる準備をなにもしていない客も多く見られた。まだ4日目だが、乗り継ぎ客は20人ほどはいただろうか。多少時間はかかっても安けりゃOKといった感じの若者が多かった。
せっかく神戸に降り立ったから機内用に空港限定商品の一口スイーツでも買おうと思っていたのだが、地上係員に聞くと、いったんゲート外へ出るのは認められないらしい。仕方がないので唯一のゲート内店舗であるANAFESTAで物色するしかなく、シューアイスと簡単な駅弁しか確保することができなかった。

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神戸空港での電光表示。羽田から鹿児島に向かう客は301便なのだが、神戸→鹿児島間の133便の表示しかなく、301便は表示がない。羽田からの場合、羽田で2枚発券され、1枚は神戸→鹿児島用の搭乗券なのだが、これには301便と記載されているから、いったん降機した際に誤って別の搭乗口に行く客がいそうで怖い。


神戸は反対者が多い?
神戸では追い出しに時間がかかったせいか、搭乗開始は5分遅れだった。
再び搭乗したら、座席はきちんと整理されなおされていた。わざとゲロ袋を持ち去っていたのだが、それもちゃんと補充されていた。35分という短い停泊時間によくやるものだ。

神戸の搭乗は観光客が多いのかややチンタラ気味。関西人はセコセコしてるイメージがあったがどうもそうでもないようだった。搭乗開始が遅かったこともあり、10分ほど遅れての離陸となった。さっき西から着陸したから、今度は東へ離陸するものとばかり思っていたのだが、実際には西への離陸で、徳島、高知、宮崎を経由する経路で鹿児島へと直行していた。同じ左窓席だったので、離陸後は淡路島がよく見えた。

就航してからまだ四日目。神戸からは羽田・神戸間の半分くらいの搭乗率で、まだまだ浸透していない感じだった。ちょうど後ろに乗った客が50分という飛行時間に「家から学校行くより早い!」と驚きの声を上げていたが、この速さこそが飛行機の醍醐味だろう。
台風9号が沖縄付近を北上中で、宮崎辺りから雲が出始めてきたものの、鹿児島空港上空はちょうど切れ目。南側からアプローチしたあと空港東側を北上し半時計まわりに旋回しながら北側から着陸したため、左窓席からは空港がよく見えた。

※後ろの席にいた二人は、一人は飛行機初体験、一人はあまり乗らない客のようだった。話が神戸空港の話になったので聞き耳をたてていたら、一人は「関空も伊丹もすぐだし神戸なんかいらんやろ」「この空港は税金で出来てんだ、おかしいやろ」「神戸空港反対署名に署名したもん」などと声高に話していた。空港ファンとしては聞き捨てならない会話なのだが、それにしても彼はなぜ反対までした神戸空港を当たり前のように利用しているのか、こちらは理解不能だった。

最近よく来る空港のひとつになった鹿児島。沖永良部訪問のついでにFDAのカウンタを撮ろうと今年2月に来たばかりなのに、今度はSKYのカウンタが増設されているのでそれを撮る必要があった。
SKYは建物一番北端にある4番搭乗橋に接続した。折り返しは奄美便で、羽田から通しで乗っている人もいたようだった。SKYのチェックインは2時間前からで、羽田から奄美に行く場合、奄美まではチェックインできない。そこで一度ゲート外にあるカウンターに行く必要があるのだが、なんとカウンタは搭乗橋から見ると建物の反対側に当たる一番南端にあり、歩行距離はかなり長そうだった。

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鹿児島空港で、離陸に向け地上移動を始めたSKY機。地上支援の車両もSKY専用のものが登場していた。


神戸に行くより時間をかけて広島西へ
鹿児島では、SKYの折り返し便を撮影した後、まだ写真がなかった鹿児島空港南バス停を撮影。西郷公園などに寄っていたら、あっという間に時間がきてしまい、すぐに広島西行に搭乗することになった。

広島西行はJACのSAAB340Bによる運航だった。36席しかこの機材は、最後列の12番と2番には窓がない。3番から9番にかけては翼とプロペラがかかるから、下界の景色を楽しもうと思ったら、1番か10番、11番に座るしか方法がないのだ。予約は11C。本当は1人席の左側が良かったのだが、10番・11番が埋まっていたから、指定ができた窓側席にした。
搭乗したら飛行時間は55分だと言う。さっき乗った神戸→鹿児島は50分だったから結構長い時間がかかる。距離は前者223マイル、後者329マイル程度だから、ジェット機の早さを強く実感することとなった。

鹿児島空港からの離陸は南側に向かってで左旋回したから鹿児島空港はよく見えたのだが、その後は佐賀関や屋代島がよく見えた程度で、上空をかすめた大分空港や岩国飛行場は残念ながら左側でみることはできなかった。55分とは言っても、外を眺めていたらあっという間に広島西に着いてしまった。

荷物はうっかり預けなかったので、すぐに到着ロビーに出たのだが、広島西に降りたらすぐにチェックインカウンタへと向かった。
座席の埋まり具合の関係上、復路は左窓席だったのだが、今乗ってきた時に見えなかった大分空港や岩国飛行場をぜひ見たい。これにはどうしても右窓席を確保する必要があるから、交渉したうえ、無理を言って1C席を確保してもらった。これで帰りに両空港を眺められることになった。

その後は空港見学を後回しにしてすぐに滑走路をはさんだ反対側の太田川放水路沿いに移動、折り返し便の離陸を撮影した。

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ターミナル地区反対側の太田川放水路沿いの道から見た広島西飛行場。小型機が多数停まっているのが見える。この空港は、広島市沿岸部の埋立地にできた飛行場だ。三菱重工工場の隣接地にあり、飛行場より工場の看板の方がデカイのが見て取れる。


それにしても日差しが非常に強い日で立っているだけでもつらい。撮影後はそそくさと退散し、ターミナルへと戻った。これで最後になるであろうターミナルをゆっくり撮影してまわったものの、なにせ小さい空港だからあっという間に見学が終了してしまった。時計をみたらまだ14時半と出発まで二時間ある。
どうやって時間をつぶそうか困ったが、二時間では市内に出るには少し時間が短い。悩んだ挙げ句、海側にあるマリーナホップに行くことにした。空港前を通過するバスはマリーナホップ行で一時間に5、6本と高頻度で運行がある。車の行き来も多いので、商業施設のある港かなにかかと思いながら前に来たときも気になっていたのだ。

空港から歩くこと15分程。マリーナホップはいま流行のアウトレットモールだった。ただ、空室が目立ち、入居テナントも知らないところばかり。遊園地付であったものの非常にちゃっちく、せっかく併設されているマリーナもまったく生かされていない。首都圏でいったら御殿場とか軽井沢、那須みたいに有名高級テナントが立ち並び人であふれる様子を期待したものの、わざわざ行きたくなるようなものではなかった。
空港を空撮できるかと観覧車に乗ってみたものの、全然高さが足りず、結局小一時間過ごしたあとすぐに空港に戻ることになってしまった。

空港に戻ったらまだまだ閑散状態で、結局往路の搭乗者は13人だけだった。観光客需要がありそうな土曜ですらこの状況だから維持するのは大変なのだろう。広島西を拠点に単純往復を繰り返す飛行機だが、一度遅れるとなかなか回復できないようで、到着、出発ともに10分程度の遅延となっていた。

機内に入ったら、座席は後ろの方のみ埋まっていて前列にいるのは自分だけ。ただ一人乗務していたスッチーとの間にやや気まずい空気が流れてしまった。
広島西からは南に向かっての離陸だった。これから南西方向に向かうのだから、離陸後は右旋回するものとばかり思っていたのだが、なんと航路の関係からか飛行機は大きく左旋回してしばらく進んでから右に傾く経路をとってしまい、上空から空港の様子を捉えることはかなわなかった。もっとも右窓からはすぐに岩国飛行場が見え、続いて大分空港、旧大分空港を含めた大分市、さらには大分県央空港も確認することが出来た。残念ながら大分県南あたりから台風の影響か厚い雲が出てきてしまい、南九州の風景を楽しむことはできなかった。

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鹿児島空港に戻ったらちょうど雨の止み間だったようで、45度ほどの虹が姿を現していた。行きも帰りもこの機体(JA002C)だった。


計器故障を誘発するデジカメ撮影する確信犯にイラッ
今日二度目の鹿児島。もともと一時間弱しか乗り継ぎ時間がなく、ビクビクしていたのだが、10分遅延でかなり焦ってしまった。
こういうとき、ゲートの中だけで手続きできれば便利なんだけど、搭乗会社が異なるからそういうわけにもいかず、南端から一度真ん中にある到着口を出て再び南端のSKYの窓口に行き、手続きを済ませたあとは北端の搭乗口へと大忙しだった。当然買い物もろくにできなかった。

帰りのSKYは行きよりも混んでいた。
搭乗したら、ちょうど反対側の窓側席に、デカいデジカメ一眼をかかえた、見るからにオタクっぽいおじさんが乗っている。こっちは一眼じゃないけれど、離陸前からパシャパシャやろうと思っていたから、なんだかかぶっちゃったなあと恥ずかしくなってしまった。

自分は飛行機に乗るときはいつも三台のカメラを持ち歩いている。一眼のような高級機種はないが、一台はハイエンドデジカメ(ずいぶん前に購入したもので今のコンパクトより劣る機能もあるけど)で飛行場撮影にはこれを使っている。もう一台はコンパクトデジカメで看板などを写す記録用だ。これに離着陸時に使用できるようフイルムカメラを持ち歩いている。おかげでバッグは常にパンパン。苦労して持ち込んでも撮影中にスッチーが「デジカメ撮影はおやめください」と言いにくるのでそのつどフイルムカメラと説明しなければならない。今回も神戸→鹿児島、鹿児島→広島西、広島西→鹿児島と三回注意され、その都度フイルムですと説明しなければならなかった。

さらに困るのが他の客だ。こっちはわざわざフイルムカメラを使っているのだが、傍から見れば、デジカメかどうかの見分けがつかないから、離着陸時に撮影していると白い目でみられてしまう。質が悪いのが「あいつも使ってる」と離着陸時にデジカメを使いはじめる客がいることで、こればかりは勘弁してほしいところだ。
反対側に座ったマニア風の客は、まさにそのデジカメ勘違い旅客だった。はじめのうちは我慢していたようなのだが、こっちが撮影しているのを見るや、デジカメでパシャパシャやりはじめたのだ。
こっちは目が点
悪質なのは、離陸前にスッチーがまわっているときは使う素振りすら見せなかったのに、動きだしてスッチーが座席についたのにあわせてデジカメを使いはじめた点で、離陸中止まるところを知らないほど連写して撮影しまくり。時々再生モードで撮影した映像を確認しながらの余裕の撮影を繰り返していた。
見るからに事情を知っているオタクだったのだが、計器類の故障を誘発する離着陸時のデジカメ使用はやめてもらいたい。こっちはカバンをパンパンにしてまでフイルムカメラを持ち込んでいるのに、ちょっとイラッとしてしまった。


帰りの便は宮崎を越えた辺りで夜になり、徐々に周囲は夜の闇に包まれた。
ただ、わずか50分の飛行だったので、宮崎を過ぎて四国が見えたと思ったら、あっという間に高度を下げはじめ。徳島を越えたら室内照明を暗くするサービス?があり、山陽の夜景を楽しんでいたらあっという間に着陸だった。

tour201009f.jpg
宮崎を過ぎたあたりで窓から斜め後を眺めたら、台風の雲の上が夕焼けに染まる美しい光景を楽しむことができた。


神戸で旅程中止はOK
神戸にはほぼ定時到着。チケットは羽田まであり、当初は羽田に向かう予定だったのだが、名古屋飛行場でデッキを開放している情報があり、急遽明日訪れることにしていたので、急きょ今日はここで降りることにしていた。
本当は払い戻して買い直すのが良いのだが、前割20での購入で変更できないから、そのままで途中打ち切りを実験してみたのだ。

結果はOK。

結局神戸で降機後はそのまま到着ロビーへ出て、10分後にはポートライナー車内におさまっていた。神戸空港で少し時間をとりたかったのだが、今日は大垣まで行かねばならないからゆっくりしているわけにもいかず、すぐに三宮経由で東海道線へ。
三宮で乗り換えたら、ちょうど大垣行の快速が来たので、これはラッキーと乗り込んだものの、後続の長浜行新快速に追い抜かれることに尼崎で気付き乗り換え。米原まで爆睡で過ごして乗り換えたら、始発にうまく接続してくれ、大垣には23時には到着できた。

大垣では地元系食堂でもあれば寄りたかったのだが、この時間では無理。
鹿児島空港で空弁を確保していたので、夕食を食いっぱぐれることはなかったが、ちょっとしたつまみを買いたい。駅前行けばコンビニぐらいはあるべ、と外に出たものの、それらしいところが見当たらない。よくよく調べてみたら、この駅前にはコンビニはなく、5分程離れた場所が最寄コンビニだという。これにはさすがにビックリ。奥の細道終着地は寂れた印象が残る街になってしまった。

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■今日の教訓!

神戸の離着陸は西側のみ?←滑走路延長に明石海峡大橋が見えます
SAABは1番・10番・11番←その他の席は窓なしか眺望障害あり
離着陸時はデジカメ使用はやめよう←フイルムカメラの撮影も白い目で見られちゃいます
乗継便途中打ち切りOK←差額は返金されません




■今日の旅程

09/04
自宅(京急線)→[東京国際空港]
[東京国際空港]07:30(SKY301便)→08:30[神戸空港]経由地09:15→10:10[鹿児島空港]
[鹿児島空港]12:10(JAC3707便)→13:10[広島西飛行場]
[広島西飛行場]16:40(JAC3708便)→17:45[鹿児島空港]
[鹿児島空港]18:30(SKY338便)→19:35[神戸空港]経由地(現地で途中降機)
[神戸空港]19:59(ポートライナー)→20:17三宮駅
三宮駅20:25(JR山陽本線 快速大垣行)→20:45尼崎駅
尼崎駅20:52(JR東海道本線 新快速長浜行)→22:23米原駅
米原駅22:28(JR東海道本線 新快速長浜行)→22:59大垣駅
(青春18きっぷ使用/アパホテル大垣駅前 泊)


posted by johokotu at 12:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆旅行記 | 更新情報をチェックする
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