羽田空港国際線に行ってきました
と表題のとおり、昨日、東京国際空港(羽田空港)国際線旅客ターミナルに行ってきました。
開業後の様子をお伝えします。
が、あまり印象が良くありませんでした、、、と初めに言っておきます。
今回は、定期便就航前という人がまだ少ないタイミングで24時間空港の実力を見るべく夜間をメインに回ってみました。
混雑状況
まずは気になる混雑状況から。
昼間はかなりの人で込んでいることはすでにニュースなどでも話題となっていますが、さすがに夜間はあまり多くありません。それでも、昨晩の場合は、5時前後に2本のチャーター便が飛んでいたため、終電で来て泊まりという人が結構いました。
見学者は24時ごろまで断続的に来館しており、深夜時間帯も若者グループなどが数十組見に来ていました。
残念なのは館内の開館状況で、定期便就航前のせいか、1時頃から3時頃までは3階(チェックインロビー)以上の階層は完全にお客さんを締め出し。泊まりの人たちは1階と2階に追いやられ、椅子は寝ている人でいっぱいになっていました。中には「江戸小路見たかったのになあ」とこぼしている人も。
館内案内がデジタル化されており、営業時間を過ぎると「CLOSED」と色が変わるようにしているなど工夫は見られたのですが、24時間空いていることに表示されていた店舗も空いておらず、はっきり言うとデジタル化した意味なしといった感じでした。
(24時間営業していたのは1階のエアローソンと2階の一部ATM、みずほ銀行の外貨両替、手荷物宅配のうちANA、リフレッシュルーム程度)
今日以降は深夜便の運行が始まるので、状況が変わるのかもしれませんが、以前から24時間使えるのに「いよいよ24時間空港スタート」と大宣伝していた割には昨晩はあまりにもお粗末でした。
列の状況ですが、早朝時間帯は空いている出発口が少なく長蛇の列。回転は意外と速かったように見えたのですが、混雑状況に応じてブースを増やすといった仁川では当たり前の対応はありませんでした。
フライング表示の電光掲示板。表示の「Pista」「Cafe」はともに夜間閉店中。おそらくは31日以降の情報に合わせて表示しているんでしょうが、せっかく即日更新が可能なデジタル化したのに実態に合わせて表示しないとデジタル化した意味がないような、、、。
アクセス
電車の最終便は0時30分ごろ。早朝便に乗る場合、空港で一夜を明かさなければならない状況はまったく改善されていません。電車の場合、騒音問題や深夜時間帯のメンテナンスがあるから終日運転は無理との話ですが、お客さんが多い金土日だけでも終日運転を検討してみるのも一つの手ではないでしょうか。
始発便も遅く、早朝到着便のお客さんが強風の中大勢ホームで待っているのも見られました。
バスも早朝出発便に合わせた運行は皆無で、使い物になりません。
国内線との連絡バスは国内線ターミナルが深夜閉館のため0時過ぎから5時までなし。
国内線の東急ホテルに泊まっても早朝便に合わせた移動はタクシー以外できません。
駐車場は深夜早朝時間帯は全く余裕あり。今後定期便が飛んだあとどうなるかは注目です。
国際線駐車場がいっぱいになれば国内線駐車場に停めて移動してくる人もいると思うのですが、連絡バスも動いていないので、ちょっと不便ですね。
タクシーは夜通し係員が立っていました(◎)。昨晩はかなり寒そうでした。
国内線ターミナルに比べ羽田のお街にかなり近くなったのですが、駐輪場はやっぱりありません。駐輪場を整備したら地元のおばちゃんたちが大挙して見学に押し寄せるから無理なんでしょうが、、、。
京急の蒲田飛ばしの際、石原都知事が「自転車でも行けるんだから」と地元を小馬鹿にしていましたが、まずは置き場を整備しないと都内の駅前のように放置自転車であふれちゃいますよ、、、(まあ、それがTOKYOクオリティなんですが)。
ホームからターミナルへの近さは◎。モノレールは改札を抜ければすでにターミナルビルで、感覚的には神戸空港のチェックインカウンター-ポートライナー改札口より近いです(実際の距離は同じくらい?)。
とにかくモノレールは近いのが特徴。写真左奥にモノレール改札口があり、その先は羽田空港第2ビル方面行のホームになっている。感動的な近さ。ただ、この近さがあだになり、バス乗り場の屋根がモノレールのレールで分断されて雨漏れの原因に、、、。
館内全般
噂では聞いていましたが「中部の焼き直し」でした、、、。
なにより動線が良く似ており、江戸小路は完全にちょうちん横丁のパクリですね。中部に比べて格段に小さいですが、中部の人からしてみたら「真似しやがってふざけるな」といった感じでしょうか。
屋根などは国内線第2ターミナルそっくりで、各空港のいいとこ取りといったところでしょうか。
良く見てみると色々工夫を凝らしているんでしょうが、多分素人が見たら何か他の空港と違うの?といった感じになるかもしれません。そういえば大田区名物の黒温泉や餃子専門店、江戸名物の長屋や火消し(消防庁PRコーナー)、水路(成田はありますね)、なにより江戸の最大の特徴である渦巻き構造などはありませんでした、、、。
一番この空港ならではといった特徴が出ているのはTOKYOPOPTOWNで、HOTZONEは超縮小版ゲーセン+超小型版ショッピングセンター(SC)玩具うりばといった雰囲気。効率よく日本の人気キャラクターを集めたいなら使えます。プラネタリウムは乗継待ち時間の時間つぶしに最適かなあと注目していたのですが、上映は昼間15時前後に数回ある程度。早朝深夜についてもなにも見られません。
そしてもう一つ特筆すべきことが、あらゆる設備がターミナルビル会社(TIAT)仕様であること。館内の電光掲示板はもちろん自動チェックイン機、列整理用ポールなどもTIAT仕様で、統一感がとれています(◎)。
イメージカラーは、国内線で青赤を使っているので緑なのかと思いきや、やや青系に近い淡い青緑で統一しています。大韓航空の色に近く、日本の表玄関と言うよりは韓国の表玄関といった感じですね。
気になったのはバス乗り場で、屋根が途切れ途切れで雨漏れがひどかったです、、、。
展望デッキ
意外や意外にフェンスです。
2ビルの増築部がワイヤーで、中部の焼き直しということは!と期待していったのですが無駄でした。
月見台、富士見台は面白い発想で、多摩川側が眺められます。ただ床面を数段高くしているだけで、ランド側にフェンスを設けて建物端から眺めるものではありません。
売店
売店の商品ラインナップは、土産物中心とSC的な部分をうまく組み合わせている印象でした。羽田限定は若干見られますが、焼き直し商品か安っぽい箱モノが多く、他の空港に比べると羽田ブランド化はまだまだといった感じですね。
ロイズが一般売店で売っていたのには驚きました。北海道以外では、催事で出店するか、免税エリアでの販売しか見たことありませんでしたから、一般向けの常時販売となれば道外初ではないでしょうか。
品数は豊富なのですが、かゆい所に手が届いていない印象。
地方空港なら当たり前のようにある私のデジカメのメディア(コンパクトフラッシュ)、この空港はどこ行ってもありませんでした。
携帯充電器は携帯会社カウンターが開かないとありません。
飲食店
24時間開業店舗が複数ある模様。
昨晩は暫定便数期間であったためか、24時間店舗はなく、営業時間短縮も当たり前でした。夕食を京急駅内の玉ひでで食べようと22時ころ行ったのですが、なんと閉店後。結局夕食を食いっぱぐれました。
昨晩は最も早く4時から羽田食堂が開店していました。
おそらく今晩からは24時間営業本格開始でしょうか。
有名店をそろえたせいか、お高いうえ、昼間は行列我慢で入るしかありません。前出の羽田食堂も掲示されているメニューを見たら、そばでも700円もするぼったくり価格でした。
いい加減、日本の空港はこのあたりの改善ってしないんでしょうか。「空港経営」という本の中で、「Select Service Partner社の調査によると、総じて飲食店収入は空港収入の2〜3%に過ぎないが、空港イメージ形成への寄与率は20〜25%を占める」という調査結果も紹介されているのですが、日本は「値段が高い店か、うまくても高いうえ並ばないと食べられない店しかない」と思われてしまわないか心配です。
明日からはいよいよ本格運航開始。24時間空港として便利な空港が一つ誕生することになり、注目されます。
詳細は、今後空港概要でも取り上げていきます。
2010年10月30日
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