東日本旅客鉄道(JR東日本)は11日、今年12月4日に新青森まで延伸する東北新幹線に導入する最速列車「はやぶさ」の運転開始日を平成23年3月5日すると発表しました。新型車両のE5系を使用する同列車は、東京-新青森間を最速3時間10分で結ぶ予定で、青森空港に就航する航空便に大きな影響が出そうです。
JR東日本では、東北新幹線の新青森延伸開業を今年12月4日とすることをすでに発表しており、3月5日からは最速列車E5系による「はやぶさ」の設定開始となります。
12月時点では現行車両を使用した「はやて」のみの運行。1日15往復で最速3時間20分で結ぶことが既に発表されています。「はやぶさ」の運行により、所要時間がさらに10分短縮され、東京-新青森間は現行(東京-青森間)よりも49分短い3時間10分になります。3月の時点では320キロまで出せる最高速度を300キロに抑えているため、320キロ運転を予定している平成24年度末にはさらなるスピードアップが図られる見込みです。
設定本数は、「はやぶさ」は東京-新青森間2往復、東京-仙台間1往復とまずは少数便でのスタートになります。新青森便は東京発は8:12発(新青森11:22着)と9:36発(同12:46着)、新青森発は6:10発(東京9:24着)と18:14発(同21:24着)と発表されました。時刻で比較した場合、航空便(12月ダイヤ)の東京国際(羽田)始発は青森8:45着で圧倒的に飛行機のほうが有利ですが、青森始発は羽田9:45着なので、新幹線のほうが東京滞在時間が長くなります。
サービス面では、日本の新幹線としては初となる最上級クラス「グランクラス」を設けることがすでに発表済。競合するJALの国内線で言うと「ファーストクラス」にあたるこの座席は、専用アテンダントサービスに加え、弁当・ドリンク、ブランケット・スリッパ・アイマスク、新聞・雑誌も提供することが決まっており、上質サービスを求める利用者が新幹線に流れることも予想されます(JAL羽田-青森便にはファーストクラス提供便はなし)。
今回ははやぶさの運賃も発表されました。
東京-新青森間の運賃と特急料金の合計は16,370円ではやてと同額の設定。グランクラスはこれらに加え特別車両料金(A)(10000円)を設定し合計26,360円とするとしており、時間・快適性と天秤にかける乗客も増えそうです。(JAL羽田-青森便はクラスJ利用で閑散期普通運賃31,100円、最速1時間20分)
なお、青森空港同様羽田-三沢線への影響も懸念されていましたが、はやぶさは、仙台-新青森間では盛岡のみの停車となるため、三沢飛行場発着の航空便への影響は最小限で済むとみられます。
東北新幹線延伸では、これまで羽田-仙台、羽田-花巻が開業と同時期に廃止になるなど航空便への影響が大きく出てきました。東京-新青森間は713.7キロ(予定)で東京-岡山間と似たような距離。600キロ〜700キロ程度は利用者がどちらを選ぶか非常に迷う距離とも言われており、高級化路線もスタートした新幹線と早さで売る飛行機の競合が目の離せない状況となりそうです。
■JR東日本プレスリリース(JR東日本公式サイト)
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ラベル:青森空港