2010年12月18日

南の果てから(1日目)

■2010.12.18 東京国際→那覇→石垣→(波照間)→(石垣)

那覇でハブ体験

久々の空港訪問となる今回は土日のみの行程。一昨年同様八重山行になった。今日は羽田を朝一便で出て那覇経由で石垣へ。石垣からは船で波照間に日帰り渡島、石垣で一泊する。
羽田の旅客便が10月から本格的に24時間化され(注:元々24時間空港なんですよ。旅客航空会社が定期便を設定していなかっただけ)、長距離路線に深夜早朝便でも設定されるかと期待していたのだが、スカイマークは深夜便をやめてしまったし、朝は6時15分発が最早。せっかくとれた休みなのに、明るい時間を半日つぶす移動となった。もっとも羽田を朝3時発とか4時発が仮にあったとしてもアクセスの電車もないから意味がないのだけれど、、、。
金曜日の最終便で飛ぶことも少し考えたものの、結局仕事の残業で帰り着いたら23時過ぎだったから、土曜朝一便にして正解だった。

※那覇空港から先のことを考えると、羽田発3時台とか4時台の那覇行があってもあまり不思議ではない。羽田・那覇の現行の始発便はANAが06:15発(那覇09:05着)、JALが06:25発(那覇09:20着)、SKYが06:25発(那覇09:25着)。那覇から先の始発便は、粟国が08:30発(FFC)、久米島が07:45発(RAC)、宮古が07:25発(ANA)、石垣が07:15発(JTA)だから、現行ダイヤではこれらには乗り継げないのだ。泊港からの船便も8時台、9時台発が中心だから、現行ではあまり使いものにならない。これが、例えば羽田03:00発那覇06:00着等ができれば、朝の内に各離島へアクセスできるようになる。金曜日の夜に設定すれば、土曜と日曜で別々の離島を旅行し、日曜の夜に帰るという弾丸トラベルも可能となるというわけだ。ただ、離島需要なんてたいしてあるか分からないから24時間化されても設定する気はないのだろうけれども、、、。SKYが新石垣に参入した際に、新千歳00:30→羽田02:05/03:00→那覇06:00/06:45→石垣07:45みたいのを設定して那覇・石垣間の利用者を奪いに来ることも期待してます、、、

朝はやや寝坊してしまった。羽田に着いたのは出発30分前で、今回もバタバタ搭乗だった。土曜の朝一便で混んでいるのを覚悟していたのだが、真ん中席はだいたい空いている状況だった。
朝一便は遅れてくる客が多く遅延が多いものだが、今日はそんなことはなく、動き出しはほぼ定刻。離陸は新しいD滑走路からで、離陸後はあまり旋回はせずに三浦半島上空、静岡市上空を通過。静岡空港の南をかすめたあとは洋上航行だった。奄美などを上空から撮りたかったものの、静岡以南は雲が出ていて、結局沖縄本島までは撮影チャンスはあまりなかった。
那覇には島の東側を南進して、空港の南側から着陸した。予定時刻よりも15分早く10時前に到着。乗継便まで一時間あるので一度ゲート外に出て変更点などを見て回った。

那覇からの石垣行は第二便目だ。この便は羽田始発便から40-50分後に出発する便で、宮古行きも似たような時間に出る、乗継に便利な便に設定されている。那覇が沖縄地域のハブになっていることを実感する乗換を体験できる便でもあるのだが、羽田からの乗継客はあまり多くはなく、窓側が埋まる程度しか乗客がいなかった。繁忙期間がいよいよ始まったのにこの混雑とはまだまだ景気は回復していないということなのかもしれない。

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那覇着陸数分前には右方向に話題となっている辺野古や嘉手納飛行場も見えた。写真は名護市東部の様子。右下の岬がバン崎で、中央やや左側の湾が大浦湾。その左側の三角形の岬が辺野古岬で陸側の白っぽい所が辺野古基地。中央やや右上の白っぽい部分が名護市中心部。


せっかく右窓席が取れたのに、、、

石垣行は右窓席をとった。那覇→石垣間の航空路を調べると、宮古、下地島、多良間とも島の南側を通ることになっている上、ANAのサイトでも下地島が右窓から見えるとの紹介がある。さらに北風の今の時期は那覇の離陸では右窓の方が沖縄本島を見やすいし、離陸直後に慶良間を狙うことも可能だ。石垣も、空港は島の南側にあるから、市街地側上空を飛ばないようにするために南側から時計回りに着陸するので、右側席からは石垣島を一望できる。
つまりこの航路は、左側席だとほとんど海しか見えないのだが、右側席なら数々の島を楽しめるはずで、一気に数空港を見られるとワクワクしながら搭乗した。

離陸は予想通り北側への離陸。そのまますぐに慶良間諸島上空へと飛び、右側席からは慶良間の島々が丸見えだった。遠くに久米島も見えたものの、相変わらず洋上は雲が多い天気で、海面も半分ほどしか見えない状態が続いた。
石垣までは約1時間の飛行だから、30分程度過ぎたら宮古が見えてくるはずだったのでじっと宮古が見えるのをカメラを構えて待っていたのだが、なかなか見えてこない。離陸から35分過ぎたころ、眼下にちょこっとだけ環礁のようなものが見えた。宮古がなかなか見えないなあ、と思っていたら、40分を過ぎた頃にはなんと眼下に水納島が見えてしまった。どうも宮古の北端をかすめて下地島の北側上空えお通過してしまったようだ。当然多良間も見えなかった。
こうなると、経路は石垣の北側へ向かう形のように思えてきた。右側席からは石垣が見えないかもと思っていたら、「当機は只今石垣島の北端を航行し、この後は小浜島上空を通って石垣島空港に向かいます。島の風景を頼みたいお客様は左側でお楽しみください。」と無情の放送が入った。なんと、航路としては珍しい北側から反時計回りに進入するルートにぶち当たってしまい、期待していた新石垣や石垣島の風景はほとんど見ることができなかった。
雲はやや多かったものの、天気の良い航行だっただけに、宮古、下地島、多良間、新石垣、石垣と5空港分撮りそびれた気がして非常に残念だった。

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那覇→石垣間で搭乗したのはエアーネクストANAウイングスのアイランドドルフィン(B737-500機、JA358K)。後ろの扉から降機を体験し、到着口までは徒歩でアクセスするという貴重体験を味わう事ができた。


不思議な2社競合の波照間航路

石垣空港からは、接続する11時10分発のバスで石垣港へと向かった。空港線のバスは、JTA便接続の場合はホテル日航八重山経由で、ANK便接続の場合はANAインターコンチネンタル石垣リゾート経由で石垣バスターミナルへと向かう。バスターミナルは港近くにある便利な交通拠点で、約20分で到着した。
石垣港には空港よりも立派な明るいターミナルが建っていて、石垣島周辺に多数ある離島への玄関口になっていた。各運行会社とも大きく窓口を構え、パンフ類を多数配布して宣伝に努めていたのだが、乗船する波照間海運は建物の端の方でこじんまりと窓口を構えており、ひっそりとした窓口でチケットを購入、出港を待った。

乗船した船は8月に新規就航したばかりの高速双胴船ぱいぱてぃろーまという船だった。船内は完全バリアフリー化がなされており、多目的トイレも用意されているすごいもの。
これまで使っていた船は地獄にいるかのような揺れを体験できたそうなのだが、大きくなった分だいぶ揺れが少なくなったようだ。それでも、西表島新城島の間を抜けるまでの約30分はリーフが広がる遠浅の内海を航行するため揺れが少なかったものの、外洋に出てからは波に乗りあげた際にやや縦揺れが加わる状態だった。もっとも、波が高くなかったこともあり、大揺れはせずに無事1時間で波照間島に到着できた。

※石垣-波照間は波照間海運と安栄観光の2社が競合する航路となっている。通常2社以上が競合する航路はそれぞれ独自色を出してくるものだが、この路線は発着時刻は2社ともほぼ同じで朝昼夕の3便体制となっている。運賃は波照間海運3050円に対して安栄観光は3000円と微妙に安い運賃になっている。両社とも定員80名程度の小型船を使用していたのだが、波照間海運が今年8月から130名定員の高速双胴船を導入している。船の大きさは違えど、所要時間は両社ともほぼ同じだ。大きく異なるのは船の揺れで、この日泊まった宿の人によれば、波照間海運は横揺れ、安栄観光はジャンプする縦揺れが主流。地元民は横揺れに慣れていない人が多いせいか、小型船の安栄観光だと酔わないのに波照間海運では酔ってしまうという人もいるのだそうな。なお、安栄観光は郵便船を兼ねていて貨物取り扱いも断然多いため、定員が12人に制限されている。

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左が波照間海運のぱいぱてぃろーま、右が安栄観光のあんえい。


したくてもできない空の旅

やっと到達できた有人最南端の島、波照間島。

結局航空路の再開を待たずに来てしまった。

ひとまずチャリを借りるクマノミの送迎車で店舗へ向かい、チャリを借りて島へと出た。この島は一周20キロほどの小さな島で、3時間は時間があるのでぐるり一周回ってみることにした。

まずは島の市街地に向かった。市街地は島の中央部よりやや北西側に広がっていた。学校と広場を中心に家々が結構密集している。中心広場脇にあった仲底商店前には「日本最南端」と表示のあるコーラの自動販売機があり、有人最南端島に来たことが実感できた。(実際にはもう少し南側の南共同売店前などにもコーラ自動販売機は存在するし、ポッカの自動販売機なんかも見られたんだけど、、、)。
ただ、この島、中心部でもひと気はあまりなく、現地人よりも観光客に出会った印象だった。

中心部を出た後は北東方向へと進み、波照間空港に直行した。

波照間空港は当たり前のように閉鎖中
台風の影響で天井が落ちてから、ターミナルビルへの入館自体が禁止になっていて、柵が張られていた。開館していた時代は、飛行機が飛んでいない時間帯でも館内の売店に立ち寄る観光客もいたそうなのだが、今日は周辺ではほとんど人見ることがなかった。

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波照間空港に向かう途中、交差点などに空港利用を呼び掛ける看板がいくつか立っていた。公民館などが出しているもので、写真はその一例。「南の島の活性化 それはあなたの空の旅」。よい響きなんだけど、今はしたくてもできない空の旅なんだよね、、、。


最後の看板がない不思議な島

波照間空港からは時計回りに島を一周することにし、続いて最南端部へと向かった。

その途中、高那崎手前付近の交差点で道に迷っている夫婦に遭遇した。島を反時計回りに歩いて回っている途中らしいのだが現在地が分からないという。宿でもらったとみられる地図は少し古くてちょうどその交差点が記載されていない。こっちはシマダスの地図を手元に持っていたから、それを示して説明したら場所が分かった様子だった。
実は、この島は途中までは看板が出ているのだが、肝心の最後の曲がり角に看板が出ていないということが非常に多い島だった。地図に載っているような観光地でも現地に看板がない(というかあるにはあるんだけど目立たない)ので、自分もこの後何度か迷う羽目になった。

最南端の碑がある高那崎付近は、空港からチャリだと10分ほどで、海沿いは断崖絶壁になっている豪快な景観が楽しめる地域だ。星空観測タワーが建つ場所は非常に広々とした場所なのだが、実はこの位置は旧波照間飛行場跡地なのだ。
グーグルマップなどで航空写真を見ると、この辺だけ茶色っぽくなっていて滑走路が溶けてるんだなあというのがはっきりわかるのだが、現地に着いてみると、長い区間が平らであるわけでもなく、滑走路跡なんて全くないから飛行場があったようには全く見えなかった。

最南端の碑を見た後は、旧飛行場へのアクセス道路を通って北上し、波照間灯台を見た後は島一周道路を時計回りに回った。
島西端で浜シタン群落という名所があるというので、行ってみたものの、最後の曲がり角の看板が出ていない。そもそも浜シタンがどんな植物かも知らなかったから、結局探し当てられず、見学をあきらめてニシ浜へと向かった。

※浜シタン群落は、ペー浜という西端の海岸沿いにある植物だったらしい。海に出る道は確かにあったのだけれども、そこに看板が立っていなかったから、まさか海岸にあるとは思わず行かなかったよ、トホホ、、、。


ニシ浜は海のきれいな八重山の中でも特にきれいと有名な浜辺であるが、遊泳禁止と看板があり、冬場ということもあり、泳いでいる人は一人も見られなかった。ただ、名所は名所らしく、カメラをもった旅行者が2、3人チラホラ。そういえば、港からレンタサイクルの送迎の際も、「ニシ浜はそこの角を右ね」と店のおっちゃんが紹介していた。

ニシ浜を軽く見た後は、港に寄りつつ東進し、最後にブリブチ公園に寄ろうと思ったものの、結局この公園も看板がないので見当たらず。看板の詰めが甘いから、観光地が全然見つからず、3時間のバタバタ旅行は結局あまり多くの場所に寄れずに終わってしまった。

※ニシ浜は島内で唯一遊泳OKの砂浜。ただ、あずまや付近には遊泳禁止の看板が立っている。漢字で書くと北浜と書くため、現地でもニシ浜と片仮名書きされている(八重山方言では北のことをニシという)。
この浜は、キャンプ場ではないのだが、水道が完備されていることもあって1990年代には多くのキャンパーがいたそうだ。当時は長期滞在する浮浪者に近い人もいたそうなのだが、2000年にキャンパー間での殺人事件が起き、その後は島内のキャンプは全面禁止となってしまった。一泊2000円以下でも泊まれる宿が乱立している中で、キャンプをするというのもなんとも、、、。


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最後の最後に見れた日本最南端の交番。スケールがでかい、日本を代表する交番だろう。


初ドミトリーは、、、

帰りの船も波照間海運と安栄観光がほぼ同じ時刻に出港する不思議なダイヤだった。港で見ていたら、波照間海運は全然荷扱いがないのに、安栄観光は次から次へと荷物が出てくる。で、お客さんは波照間海運は40人ほどが乗船したのに、安栄観光は客がいないという面白い光景が見られた

石垣島までは一時間の航行。船内では疲れ果てて爆睡してしまい、大揺れするというこの船が揺れていたのかどうかもまったく記憶がなかった。

石垣に着いたら空はもう暗くなりつつある時間帯。特に寄るところもないので、徒歩10分ほどの宿へと急いだ。
今回泊まる宿は、初めてドミトリーというカテゴリーの宿に泊まることにしていた。いわゆる男女別相部屋の宿だ。同宿者から島の情報を入手できるメリットがあるらしく、与那国以降いつかは利用したいと思っていた。ただ、安いために質の悪い宿もあるとのこと。今回は事前によくネットをサーチし、口コミの良い宿を選んでみた。
ただ、実際に泊まってみたら、宿泊していたのは、他に男性1人、女性1人だけ。男性と同じ部屋になったのだが、部屋に入ってしばらくしたらその男性は部屋を出て行ってしまい、ドミトリーなのに相部屋の意味がない事態となった。
結局翌日のレンタカー屋の位置確認と夕食のために外に出た以外はやることがなく、夜12時ごろには就寝した。


「平成22年12月旅行記:南の果てから(旅行前)」へ
「平成22年12月旅行記:南の果てから(2日目)」へ





■今日の教訓!

ANAの那覇乗継は意外と便利
那覇→石垣は右席が眺めがいいとは限らない
波照間の船は意味なし2社競合←運航時刻がほとんど同じ!




■今日の旅程

12/18
自宅(京急線)→[羽田空港]
[羽田空港]06:15(ANA 991便)→09:05[那覇空港]
[那覇空港]09:55(ANA1761便)→10:55[石垣空港]
[石垣空港]11:10(東バス 空港線)→11:30[石 垣 港]
[石 垣 港]12:00(船 波照間海運)→13:00[波照間港]
[波照間港]13:00(レンタサイクル)→16:00[波照間港](波照間島観光・波照間空港調査)
[波照間港]16:45(船 波照間海運)→17:45[石 垣 港]
[石 垣 港]17:45(徒歩)→18:30石垣島 宿
(レンタサイクル クマノミ/宿 月桃屋)


posted by johokotu at 12:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆旅行記 | 更新情報をチェックする
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