■2010.12月 東京国際・那覇・石垣・波照間・新石垣(旅行後)
今回の旅行では日本の有人最南端島である波照間島に降り立ちました。南西諸島の先端にあたる八重山地方は複数の離島がひしめくアイランダー憧れの地。今回はそんな八重山内のアクセスなどを掘り下げてみます。
石垣島を中心に動く
八重山地方は石垣島と西表島が二大島となっていて、その周辺に小さな島々がひしめく諸島となっている。最西端の与那国島と最南端の波照間島がやや離れた位置にあるが、その他の島は石垣島と西表島の間に点在している。
石垣島が八重山の玄関で交通拠点の島となっている。沖縄本島からは飛行機でのアクセスが主流。平成20年まで那覇-宮古-石垣-台湾間の定期船が経由していたが、運航会社の有村産業がつぶれたため、運休、定期船でのアクセスは不可能になっている。
航空路は石垣空港へは那覇からは1時間に2本程度と頻繁に飛行機が飛んでいる。所要時間も約1時間と短い。一方で、本土から石垣への直行便は少なく、JTAが羽田から2便、中部と関空から各1便運航しているだけとなっている。本土-石垣間は旺盛な需要はあるようなのだが、石垣空港の滑走路長の関係から上り便は各地まで直行便が飛ばせないため全便那覇経由。ANAは下りも含め那覇乗り継ぎで割引を充実させている。
※那覇-石垣間の船舶航路については、平成18年まで同区間の旅客船を運航していた琉球海運が、飛行機に乗れない潜水病患者等の救済措置として、平成23年1月より貨物船による旅客輸送を行うと発表しました。患者に限る措置とのことですが、貨物船の一部を開放する模様です。
→「先島航路就航貨物船による旅客輸送について(琉球海運公式サイト)」
石垣島以外の各島へは石垣島から船か飛行機で訪問するのがメインのアクセスルートになる。
飛行場は石垣、波照間、与那国にしかなく、与那国を除き船での移動が主流となっている。というか船でしか移動ができない。石垣市街にはすこぶる便利な位置に離島行定期船が発着するターミナルがある。各島への高速船が頻繁に出入りしており、一番近い島なら所要時間わずか15分と至極便利だ。
本州の人間が八重山に行くのであればまずは那覇へ飛び、那覇から石垣へ飛び、さらに各島へ船で行くという3段階が基本パターンとなることを押さえておけば問題なく八重山へ飛ぶことができるだろう。
石垣港の最も海側にある「石垣港ターミナル」。かつて那覇-宮古-石垣-台湾を結ぶ旅客船が就航していた。
主な島への交通アクセス
■空港のある島々
・石垣島
中心地は島の南西端側。海港や空港も中心地にあり、最北端までは約40キロほどある大きな離島だ。石垣空港は市街地はずれの便利な位置にあるが、拡張の問題点から2013年に新空港に移行される予定。新空港は島の東海岸、中心地から車で30分ほどの場所になる。新空港は滑走路2000メートルで中型機の長距離就航が可能になる。現在の那覇経由便が直行便になる可能性は高く、開港にあわせてスカイマークが就航したいと表明するなど、開港と同時にアクセスが大幅に変わると見られている。
島内の移動は東運輸が路線バスを運行している。バスターミナルは海港のすぐそばにあり、交通利便性は高い。市街地については空港アクセスの路線バスが20分ヘッドで運航されている。島内各方面へは、北西側の川平方面や東側の白保方面への路線が設定されているが便数は少ないので事前調査は必要だ。
周辺各島とはすべての島と船便が就航している。
・与那国島
日本最西端の島。島中北部に空港、日本最西端集落である島西部の久部良に海港がある。
船アクセスが主な八重山諸島の島の中ではアクセス方法がやや特殊。船は、石垣から福山海運が週2便運航している。4時間かかるので主流の交通は飛行機なのだが、石垣からは午前1往復と週4日運航の午後便のみでやや利用しづらい。週4日の航空便は那覇-与那国-石垣-与那国-那覇と飛行するので、石垣を経由しなくてもアクセスは可能となっている。
島内の移動は無料バスが運行されている。
・波照間島
有人島としては日本最南端の島。島東側に空港、北西側に海港がある。
石垣からは波照間海運と安栄観光の2社により毎日計6便の船便があるが、2社ともほぼ同じ時刻での運行であるため実質朝昼夕の一日3便体制となっている。石垣-波照間間の所要時間約1時間とされているが、少し時化いるときは2時間くらいかかってしまうこともあるのだとか。飛行機は運航会社が倒産したうえ、空港ターミナルが台風で破損したこともあり、平成22年現在運航されておらず、空港がありながら活用されていない事態となっている(緊急時は使用する模様)。
島内は公共交通機関はない。一周15キロ程度なので一日あれば徒歩でも回ることが可能だ。
■空港のない島々
・西表島/・由布島
西表島は、島北部の上原と島南東部の大原、西部の白浜、船浮、網取の計5か所に航路の就航する海港がある。このほか、北東部の美原地区で小島の由布島が浅瀬でつながった状態になっていて、水牛車が使用されている。飛行場はない(緊急時用のヘリポートはあり)。
島の道路は、島を大原-美原-上原-白浜と半周するものに毛が生えた程度のみのような状態で、船浮・網取へは道路がなく通常は陸路からのアクセスはできない。
石垣島との間は、上原、大原の2港に就航があり、いずれも安栄観光、八重山観光フェリー、石垣島ドリーム観光による3社競合となっている。安栄観光と八重山観光フェリーは高速船のみ、石垣島ドリーム観光は高速カーフェリーも運航している。白浜-船浮-網取間は船浮海運によりフェリーが運行されている。
上原航路は外洋航行距離が大原航路よりも長く、上原は欠航でも大原は就航するということもあるそうだ。
島内の公共交通は島を半周する道路に路線バスが運航されている。
・竹富島
町名にもなっている竹富。石垣島から最も近い有人離島となっている。
海港は島北東部に1か所。飛行場はない(緊急時用のヘリポートはあり)。
航路は安栄観光、八重山観光フェリー、石垣島ドリーム観光3社の競合で高速船の所要時間は10分とされている(時刻表上は15分)。便数も非常に多く、安栄観光と八重山観光フェリーはそれぞれ日中30分ヘッドで運行されている(ほぼ同時刻での運行)。
島内は公共交通機関は港と集落・ビーチ間を結ぶ竹富島交通あり。一周10キロ弱なので一日あれば徒歩でも回ることが可能だ。
・小浜島
海港は島東部の1か所。飛行場はない(緊急時用のヘリポートはあり)。航路は安栄観光、八重山観光フェリー、石垣島ドリーム観光3社の競合で高速船の所要時間は25分とされている(時刻表上は30分)。運行は各社1時間に1本程度となっている。
島内は公共交通機関はない。
・黒島
海港は島北部の1か所。飛行場はない(緊急時用のヘリポートはあり)。航路は安栄観光、八重山観光フェリー、石垣島ドリーム観光3社の競合で高速船の所要時間は30分。運行は各社2、3時間に1本程度。
島内は公共交通機関はない。一周12キロ程度なので一日あれば徒歩でも回ることが可能だ。
・新城島(上地/下地)
西表島南東側にある2島で、北側の島を上地、南側の島を下地と呼ぶ。
海港、飛行場ともにない(緊急時用のヘリポートはあり)。航路は未就航で、石垣からはチャーター船を使ったツアーに参加したりしないと上陸できない。
島内は公共交通機関はない。一周10キロ強なので一日あれば徒歩でも回ることが可能だ。
・鳩間島
与那国、波照間以外で、石垣島周辺に密集している各島の中では石垣島から最も遠い位置にある離島。
海港は島南部の1か所で、飛行場はない(緊急時用のヘリポートはあり)。航路は安栄観光、八重山観光フェリー、石垣島ドリーム観光3社の競合で高速船の所要時間は40分。安栄観光と八重山観光フェリーは西表島などを経由する高速船を1日3、4便、石垣島ドリーム観光はカーフェリーを1日1便就航している。
島内は公共交通機関はない。一周4キロなので一日あれば徒歩でも回ることが可能だ。
石垣港の離島ターミナル。広々としたターミナルに多数の海運会社のカウンタが並んでいる。このターミナルに行けば各離島への観光ツアーなどの申し込みもできる。
八重山諸島は各島とも個性あふれる島々ばかり。石垣までは遠いですが、行ってしまえばアクセス抜群で一気に多くの離島へ行くことが可能です。石垣を拠点に離島の旅に行ってみては?
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2010年12月20日
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