2011年05月29日

北海道へ弾丸旅行(2日目)

※この旅行記は2011年9月にアップした2011年5月の旅行記です。



■2011.05.29 (トマム)→(美瑛)→旭川→(深川)→(赤平)→(滝川)→(砂川)→(美唄)→(新篠津)→(南幌)→(余市)→札幌→新千歳→東京国際

今日も寝坊で時間がない!
タダ高速であるせいか、十勝平原SAには深夜まで地元の若者共が集結して騒いでいてなかなか寝付くことができず、やや浅眠りなまま朝を迎えた。
今の時期、北海道の朝は早く、3時には明るくなりはじめる。自然と起床し、まずはトイレで顔を洗おうと外に出たら霧雨で肌寒く一気に目が覚めた。

早速トマムに向かって車を動かし始めた。トマムまでは道東道で一本、小一時間で行ける。標高が高くなるにつれ霧雨で視界が悪くなったものの、車はほとんど走ってないからすんなり走ることができた。
トマムに着くと低い雲が垂れ込め山の上は見えないものの、下の方は霧が晴れて周囲ははっきり見える状態。小雨が静かに降る天気に変わっていた。

トマムは新潟の湯沢みたいに山のなかにタワーが立つスキーの名所のようだ。日高山脈の占冠村に位置し、ヘリポートは正式名は占冠ヘリポートというらしい。このヘリポート、お高いリゾート地にあるだけあって建物は別荘のような雰囲気。国内のヘリポートなんて、ろくな設備がないヘリポートが多い中で多くの人が利用したくなる所のひとつだろう。
ただ、まだ朝の4時。建物前のロータリーには入れたものの、建物は当然のように閉まっていて、少し豪勢そうな館内に入ることはできなかった。
ヘリポートはまだ数時間待たないと開館しないし、そもそも今日開く保証もないから、さっさと見学を終わらせて、すぐに美瑛に向かって走りはじめた。

トマムからは富良野を北上し、美瑛、さらに北上して旭川、そこから南西に進路を変え、深川、赤平、滝川、砂川、美唄、新篠津、南幌と集中地帯を通過、最後に余市、札幌(丘珠)とまわる予定だ。いまはまだ4時。新千歳21時発で、返却は一番遅くて20時で十分間に合うから、ゆっくりまわれそうだ。
ところが今日もいきなり眠気の襲来。30分ほど走らせた道の駅南ふらのでしばし睡眠に入ってしまった。20分くらいで起きようと携帯の目覚ましをかけたものの、まったく気が付かず、結局起きたのは7時だった。
いきなり予定より2時間遅れ。今日は飛行機に乗り遅れるわけにいかないから、まずは美瑛へと急いだ。

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観光地として有名なトマムにある占冠ヘリポート。山小屋のような美しい外観だが、朝早すぎて閉館中だった、、、。小雨なのが残念。


美瑛は南ふらのから1時間ほどのところだった。パッチワークのような畑で知られる富良野を抜けていく。朝まで降った雨が止み、霧が所々かかるなか、気温が上がりはじめ、畑から湯気がたつ幻想的な風景も見られた。

美瑛は滑空場だ。山に囲まれた平らな畑地帯に位置していた。大体の位置しか把握してなかったのだが、近くの道道966号線に大きな看板が立っていて、場所はすぐに見つかった(後でよく「ツーリングマップル」を見てみたら、「滑空場」の記載があった)。
滑走路近くまで寄ってみたかったのだが、当然のように閉鎖中で、入口の道路にチェーンが張られた状態。建物脇にバスなども見えたが、滑空場自体が入口からかなり先にあり、どんな飛行場かあまりよくは分からなかった。

美瑛からは旭川へ行く予定だったが、眠りすぎたせいですでに8時過ぎで、あまり時間がない。旭川は大雪山系も雲に隠れて見えず、空港と大雪山、といった写真を撮影することができないので、完全にスルーして深川へと急いだ。

深川も滑空場。美瑛からだと旭川をかすめて進んだ先にある。深川駅近くの石狩川沿いにある滑空場は、わずか数メートルのちいさな滑走路があるだけで、あとは草地だった。土手を下りた先にあるのだが、下りて行ったところにある看板には「関係者以外立入禁止」の文字が書かれていた。ただ、柵などは一切なく、一見するとただの河川敷の草地なので、ほとんど意味がないものになっていた。
この滑空場には平成13年から平成16年まで占用離発着場として「旭川模型航空協会」に占用許可がおりていたとの掲示があったが、今はどこが占用しているのかは記載がなかった。それによればラジコン飛行機用の滑空場とのことで、そんな滑空場を市で造っていることにちょっと驚いてしまった。

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滑空場の正面。立入禁止の看板の先に、地面に滑空機をデザインしたと思われる模様が描かれていた。滑走路は写真の右方向にずれて配置されていた。


場外離着陸場密集地帯へ
次に訪ねた赤平は深川から30分ほど車を走らせたところにあった。
こちらは空知川の河川敷にある。同じ河川敷だから深川と似たような感じだったが、土手の手前側には立派な管制塔を持った管理事務所があった。さらに、滑空場ではなく「場外離着陸場」という文字と小型機の絵が描かれたでかい看板がある。
これは期待できそうだ、と管理事務所へ近づいたら、入口には「住吉郷土資料室」と書かれていて、管理事務所としての機能はほとんど失われているようだった。
車を止めて土手に上がったら、短めの滑走路があるだけ、小型機がない代わりにラジコン飛行機を飛ばしている人がいただけだった。河川敷側には「あかびらスカイスポーツ振興センター専用空港」と立派な看板も立っていたが、空港というより飛行場というよりラジコン離着陸場という方がぴったりな感じだった。

このあたりまで来たら雨は止み、雲も取れはじめてきた。
赤平からは隣街の滝川へ向かった。この街には、滝川駅のすぐ西側にある石狩川河川敷に滝川スカイパークがある。
この離着陸場、市営の離着陸場としては日本最大級の規模で、ミュージアム(滝川市航空動態博物館)も設置されている本格派だった。ラジコン飛行機用になってしまったり、飛行機以外のイベント会場化してしまう場外離着陸場が多い中で、滑空機や小型プロペラ機の発着も多い優秀な飛行場だ。
訪れたときも滑空機が練習する合間をぬって小型プロペラ機による遊覧飛行が行なわれていた。今回見た場外離着陸場のなかでは最も飛行場っぽい飛行場。ミュージアムをひととおり見て、併設のカフェで昼飯を済ませたあと、すぐに砂川へと車を走らせた。

※札幌から旭川にかけては滑空場など場外離着陸場の密集地帯となっている。スカイスポーツの盛んな北海道で中規模都市が連なり、かつ石狩川などの河川敷が広く分布しているためだ。ただあまりにもたくさんありすぎ。いわゆるハコモノの代表格として、あん町がやったならオラが町も、と、どこの町も競うように建設した結果、町毎に持っている無駄な事態となっている。滝川は利用率が高く、一見成功しているように見えるのだが、ここも維持に市から毎年億単位のお金がつぎこまれているのだそうだ。駅近、市街地内なので、定期便でも飛べばまだ状況は変わるかもしれないが、巨大空港新千歳と旭川に挟まれた飛行場ではなかなか客も集まらないのかもしれない。

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滝川スカイパークの様子。滑空機やプロペラ機がひっきりなしに飛んでいた。駐機場わきにはこどもも楽しめるよう遊具などがおかれていた。


砂川と隣の美唄には公共用ヘリポートと農道離着陸場を近接している。今回の旅では両者に寄ろうと計画していたのだが、寄る飛行場の数が多すぎてうっかり砂川ヘリポートに寄り忘れてしまった。
寄り忘れにまったく気が付かないまま美唄の農道離着陸場へ。どうせ誰もいないだろうと思っていたのに、着いたら、駐車場からはみ出すほどたくさんの車が停まっている。
「なんじゃらほい」と思ってよく見てみたら、地元の子供たちが滑走路を使ってよさこいの練習をしていた。
よさこいは道を進みながら踊るので、まっすぐな滑走路は練習にぴったりなようだ。先頭では先導する形で車がゆっくり進んでいた。この車の上で指導者が拡声器をつけて指導中。きちんとした踊りができていないのか、飛行機の騒音以上にも思えるデカい罵声を浴びせていた。

場外離着陸場を飛行機関係以外のイベントで使用しているところには初めて遭遇した。なんとも淋しいことだが、こんな使い方でも有効活用されているだけまだマシな方だろう。


美唄の時点で13時。このペースだと余市がギリギリだから、新篠津、南幌へと急いだ。
新篠津も滑空場だった。本中小屋駅に近い、石狩川の河川敷にある。こちらの滑空場は滑走路が結構長くとられ、小型機も離着陸できる滑空場だった。ちょうど滑空機が離陸の準備中で、見ていたら、滝川ではプロペラ機が引き上げていたのに対し、こちらでは長いワイヤーを張り凧揚げ同様に風をつかんで飛び立つ方式で離陸をしていた。
この滑空場は札幌航空協会が管理しているようで、土手を挟んだ反対側にプレハブの事務所とグライダー用格納庫が設置されていた。

新篠津では離陸を一回眺めた後、すぐに出発してまた小1時間車を走らせて南幌へと向かった。
南幌には14時30分ごろに到着。なんぽろリバーサイド公園の一角にX字滑走路があるらしいのだが、よく整備された野球場と異なり、草ボウボウの空き地が広がっているだけだった。

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新篠津は滑空場と看板が出ていたが、それを空に飛ばすために小型機が活躍していた。


宇宙へ続く飛行場へ
これで離着陸場の集中地帯は終了。すぐそばの江別東インターから道央道に乗り、一気に余市をめざした。

余市は市街地近くの丘のうえに農道離着陸場がある。滑走路は農道とはあまり関係なく本格的な整備をされたものだ。余市といえばビールのイメージだが離着陸場のある周辺はりんごなどの果樹園が広がる地域で、離着陸場もアップルポートという立派な愛称がある。

飛行場へは東側からアプローチした。入口の看板に沿って山道をのぼったら、なんと滑走路手前の入口は閉鎖中で柵が設置されていた。飛行場は丘の頂上にあるのでその先は見えず、行けるかどうか分からない。
左右に脇にそれる道があったので、左に行ってみたら、どうも滑走路のすぐ南脇を通る平行路のようだ。
しばらく進んだら、わずかに滑走路が見える場所があり、滑走路を挟んだ反対側にターミナルが見えた。さらに少し進んだらテントと車、そして人が見えた。となると反対側の西側に入口があるのだろう。期待に胸を膨らましてそのまま直進、西側の入口に来たら、なんとこちらも閉まっていた。

???

ゲート付近には車が数台停まっている。まさか何かのイベントをやっていて一般人を締め出しているのだろうか。
ターミナルは滑走路の北側にあったので、今来た南側の道を引き返し、まず東側の入口に戻ったあと、今度は右側の小道へ入った。こちらは滑走路北側に沿った道で、実はこれが正解路。少し進んだら別のゲートが登場したのだが、こちらは開いていて、ターミナルまでそのまま行くことができた。最後の曲がり角で矢印が出ていないのもどうかと思うけど、とんだ遠回り。そんな間に小雨が降り始めるという最悪パターンにはまってしまった。

飛行場ではなにやら集団がテントを張って作業中。人はいるのに飛行機は飛んでいなかった。
飛行場を出発するころに雨はやや強くなってしまい、ふもとから見上げた写真はうまく写せなかった。

tour20110510.jpg
毛利衛さんの出身地として有名な余市町。農道離着陸場なのに、管理事務所の建物にはスペースシャトルの絵が描かれていて、宇宙を意識した飛行場になっていた。


余市からは寄れれば札幌飛行場に寄りたかった。帰りの飛行機は21時発で、最悪20時までに戻れればよい。札幌市内で渋滞にまきこまれなければ、札幌飛行場を最遅で19時に出れば間に合う。時刻は17時をまわったところだから、札幌に寄って行くことにした。
札幌飛行場は札幌インターから10分ほどの場所にあるものの、市街地で信号が多いから渋滞に巻き込まれることもしばしば。今回は札幌より手前の小樽市内でまずトロトロに遭遇。札幌で高速を下りたあとも赤信号続きで少しハラハラさせられてしまった。札幌飛行場には18時前に到着。すでに最終便が飛び去ったあとでカウンタと出発ロビーが真っ暗だったのは残念だったが、到着はまだ一便残っていたから開館中だった。
1階のチェックインカウンタはHACデザインではなく、丘珠空港仕様の珍しいもの。女満別就航を記念したパネル展示もあり、小さいながらも楽しむことができた。

ターミナルを出たあとは新しく整備されたという空港東側に隣接する空港公園に寄り、そのまま高速経由で千歳へ直行した。
千歳には19時すぎに到着。レンタカー屋は20時半までの店なのだが、着いたらすでに幟の片付け中だった。返却はスムーズで、不備がないか確認した後はすぐに空港へ送迎があった。
新千歳は昨日調査済。閉店直前の売店に飛び込んで夕飯の空弁を確保、搭乗待合室内を調査していたらあっという間に搭乗時間になってしまった。

帰りの機内はいつもの爆睡。気が付いたら雨が降る羽田で、強行軍の旅もあっという間に終了してしまった。




■今日の教訓!

空知の離着陸場はほとんど滑空場←休日は地元団体がいる場合も




■実際の旅程

5/29 SUN
十勝平原SA 03:30(レンタカー)→04:00[占 冠( ヘリポート )]
[占 冠( ヘリポート )]04:30(レンタカー)→05:00 道の駅南ふらの
道の駅南ふらの 07:00(レンタカー)→08:00[美 瑛(場外離着陸場)]
[美 瑛(場外離着陸場)]08:00(レンタカー)→09:00 道の駅ライスランドふかがわ
道の駅ライスランドふかがわ 09:00(レンタカー)→09:30[深 川(場外離着陸場)]
[深 川(場外離着陸場)]09:30(レンタカー)→09:45 道の駅たきかわ
道の駅たきかわ 09:45(レンタカー)→10:00[赤 平(場外離着陸場)]
[赤 平(場外離着陸場)]10:30(レンタカー)→11:00[滝 川(場外離着陸場)]
[滝 川(場外離着陸場)]12:30(レンタカー)→13:30 道の駅ハウスヤルビ奈井江
道の駅ハウスヤルビ奈井江 13:30(レンタカー)→14:00[美 唄(場外離着陸場)]
[美 唄(場外離着陸場)]13:00(レンタカー)→14:00[新篠津(場外離着陸場)]
[新篠津(場外離着陸場)]14:00(レンタカー)→14:30[南 幌(場外離着陸場)]
[南 幌(場外離着陸場)]14:30(レンタカー)→16:00[余 市(場外離着陸場)]
[余 市(場外離着陸場)]17:00(レンタカー)→17:00 道の駅スペースアップルよいち
道の駅スペースアップルよいち 17:00(レンタカー)→18:00[札幌飛行場]
[札幌飛行場]19:00(レンタカー)→20:00[新千歳空港]
[新千歳空港]21:20(ADO 028便)→22:55[東京国際空港]
[東京国際空港]23:00(京急線等)→自宅


posted by johokotu at 18:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆旅行記 | 更新情報をチェックする
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