2008年05月29日

日本最長の海の上(2日目)

※この旅行記は2012年5月にアップした旅行記です。




■2008.05.29 高松→徳島→(南国)

■今朝も霧雨でテンポが狂い始め、、、
今日は、当初の予定では、朝に高松空港に寄ったあと、高知空港を経由して夜までに四万十あたりまで移動、明日、四万十から四国カルストを通って松山に戻ろうと思っていた。
ところが、昨日行こうと思っていた徳島へ行けず、高松空港にも今朝もう一度行かねばならなくなった。今日以降は行程の大幅な変更をせざるを得なくなってしまっていた。

朝から高松空港に寄るとなると、どんなに急いでも徳島に着くのは昼ごろ。となると高知に着くのは夕方以降になる。下手をすると外回りの撮影のために高知空港訪問は明日にせざるを得なくなる可能性が高い。この場合、明朝早くに高知空港に行かねばならないので、四万十や四国カルストに近いところに宿をとるのは難しい。
仮に高知空港へ今日午後に行けたとしても、明朝になったとしても、今日高知までは行くことになるから、今晩は高知で宿をとることに決定。携帯で楽天トラベルの検索をしたら、ビジネスホテル空港が5000円以下の値段でヒットしたので、滑走路を見ることを期待しつつ予約を入れた。

今日はまず高松空港を再訪問だ。昨日、日没で撮影できなかったさぬきこどもの国側から空港を撮影しようと思っていた。ところが、今日は朝から霧雨だった。とりあえず空港には行ってみたものの、霧はあまり晴れず、昨晩のほうがまだ見えていた感じだった。
高松空港は昨日ターミナル内を調査済。今朝は結局良い写真は撮れず、朝飯を軽く食べた程度で10時頃に出発することになった。

■テンポが狂う阿波を通り、、、
高松からは徳島への移動だ。海岸沿いの道を東進しようと思っていたのだが、一般道優先でカーナビを設定したら一度南下して吉野川沿いを進むルートが出た。地図をよく見てみたら高松空港は香川南部の山間部にあり、徳島県にかなり近接していた。ちょうど四国三郎と呼ばれる有名河川吉野川を見てみたかったこともあり、カーナビどおり進むことにした。

香川から国道193号線を南下して徳島へ抜け、吉野川に最初に出会う街が脇町だ。吉野川に日本最長の自動車用木製橋梁があるというので撮影したあと街の中心付近を過ぎようとしたら、うだつで有名な町並みがあるという看板が出ている。学生のときにうだつの語源を調べた際、この街の話が出ていた記憶があった。せっかくの機会だし立ち寄って実物を見てみることにした。

※うだつは、「うだつがあがる」という慣用句にもなっている家屋の構造のひとつだ。屋根に取り付けるものだが、高価な構造物であることから、いわゆる富の象徴だったのだそうだ。つまり、これを取り付けた(=あげた)家は、財を成したことを表し、自家の自慢をしたい人々はうだつをあげるのを競い合ったのだという。

うだつをあげた家々が立ち並ぶ一帯は、古い町並みが結構広い範囲に残っていて観光地になっていたのだが、午前中ということもあってか観光客は少なめだった。
町並みを軽く見学し、藍染の資料館を見た程度で脇町をあとにして東進を再開、徳島へと向かった。

脇町を出た段階で時刻はすでに12時でやや押し気味の時間帯になっていた。
そんな中、少し走ったところで「世界三大奇景」を謡う「土柱」なる観光地の看板があった。三大奇景といえばカッピドキアなんかが有名だろう。かなりの田舎町の中なのに世界的に有名な場所。なんだか気になったので、あまり時間をかけないよう小走りにちょこっと寄ってみることにした。

この断崖、上からも下からもその様子を見られるよう遊歩道が上下に整備されていた。時間があんまりないから小走りでまわって短時間で寄ろうと思っていたのに、遊歩道は意外と長く、小一時間を費やしてしまった。
まったくテンポが狂う訪問だった。

※土柱は、壁のような崖が露出し、柱が林立したようにように見えるという名所だった。世界でも例が少ない岩で出来た崖で、その珍しい見た目から、奇景と言われているのだそうだ。ただ、見た目は、専門家じゃないとただの崖に見えるだけ。広さもたいしたことなく、世界三大とはかなりの誇大広告に思えるほどだった。そんなだから、入口付近には土産屋が立ち並んでいたものの、観光客らしき人は見られず、田舎の淋しい観光地といった感じだった。うだつのあがらない観光地といったところだ。

shikoku03.jpg
古い町並みが残るうだつの里脇町。平日の午前中ということもあり、静かな観光地だった。


■テンポ悪く阿波を通り、、、
土柱からは徳島空港へ直行した。徳島市内へと抜けるメイン道路の国道192号線は渋滞表示が断続的に続いていたので、これを避けて、少し吉野川北側を並走する県道14号線を進んだものの、こちらも流れがあまり良くなく、時間がかかってしまった。
阿波を通りぬけるのは、阿波踊りのようにテンポ良くとはいかないようだ。

徳島空港には14時頃到着した。昼前には着いておきたかったのにずいぶんな遅れだ。
調査自体は小一時間で終了。遅い昼飯を食べ、外回りを一通り見てから、今日の最終目的地高知・南国へと出発した。

※徳島空港は海に飛び出た空港であるものの、街中の交差点を越えたと思ったらあっという間にターミナルがあり、周辺には住宅地もあるなど、かなり街に近い印象の空港だった。
ターミナル前面には阿波踊りの像があるなど徳島の玄関としてのPRが目立っていた。



徳島と高知の間には四国山地が横たわっている。吉野川に沿って延びる徳島道から高知道へ抜ければ、四国山地はトンネルで突っ切れるので一番手っ取り早いのだが、これから直行したとしても高知空港に着くのは夕方になるのが確実だ。中途半端な時刻に着いて日が落ちてしまったら、高松空港同様に今日と明日の二度手間訪問になってしまう恐れがある。昨日高松空港でそうなったばかりだったので高知へ直行するのにやや迷うことになった。
そんな状態だし、せっかく四国まで来たのだから、今日は高知空港に行くのは早々にあきらめ、日が出ている間に高知までの名所に寄るよう計画変更することにした。

高知までの間なら、有名観光地として、眉山、剣山、祖谷峡、大歩危・小歩危などがある。日が落ちるまで三時間位だから、眉山はパスして剣山から祖谷峡大歩危・小歩危へと一般道を抜けていくことにした。

徳島から高知へは一般道も、高速同様に吉野川沿いの国道192号線から国道32号線を進むのが分かりやすい。しかし、地図をよく見れば、剣山経由で祖谷へ抜ける、まさにこれから行きたい場所を直結する国道438号線があるから、そちらから高知へ抜けることにした。

剣山へ抜ける山道は思った以上のクネクネ道だった。
空港で国道438号線を通るルートをカーナビで設定した際、吉野川沿いを進む国道192号線経由のルートとずいぶん時間差が出て不思議に思っていたのだが、曲がりがとにかく多く、見た目以上に時間がかかるルートだった。なんともテンポの悪い通りだ。
剣山までの山道はところどころ狭い区間があったものの、結構訪問者が多いのか、山頂近くでもしっかり二車線が確保されていたものの、山道であることにはかわりなく、時速30キロもなかなか出せない道だった。

距離だけ見たら、一、二時間で着けると思っていた剣山。結局クネクネ道に泣かされて着いたのは18時前、日が落ちてきて少し暗さが出はじめてきた頃だった。
剣山山頂付近の見ノ越には駐車場があり、土産物屋があったものの早くも閉店後。手元の縮尺が大きい地図だとそこが山頂のような記載になっていたのだが、実際には山頂まで小一時間は歩かねばならないらしく、結局行くのを断念せざるを得なかった。

shikoku04.jpg
剣山の山頂付近では野性の鹿に遭遇。空港訪問で大型動物を見られたのはこれが初めてだった。パワースポットで神の使いに遇えるとはとても縁起がいい。神の使いだから目から光線が出ているわけではありません、、、、。


■テンポ良く橋は渡れず
剣山から先の道はやや狭い区間が長く続く山道に変わった。
ここからは木のつるを編んで造ったことで有名なつり橋祖谷のかずら橋と四国一有名な渓谷である大歩危・小歩危に寄ることにしていた。だが、剣山を出た時点で日が落ちはじめていたぐらいだから、大歩危・小歩危は断念せざるを得なさそうだった。

そんなことを考えながらとにかく先を急いでいたのだが、剣山を越えて20分ほど走ったころだろうか、突然、道沿いにかずら橋の看板が出てきた。先を急いでいたうえ、一瞬のことだったので、通り過ぎてしまったのだが、道沿いに駐車場があり、観光地のようだ。

手元の地図だとかずら橋はもっと先なはず。
なんだろうとすぐに引き返し、道路脇に細長く整備された駐車場に車を止めた。
車から外の様子をうかがうと、そこは奥祖谷の二重かずら橋なる場所だった。まだまだ先にあると思っていたかずら橋は実は二か所にあり、ここはそのひとつだったのだ。
このまま普通のかずら橋まで行くと、日が落ちて真っ暗な可能性がある。ここで済ませられるなら、わずかだがまだ明かりがあるなかで橋を渡れるんだから、なんともラッキーな事態だ。
暗くなりきる前にさっさと渡ってしまおうと、デジカメだけ持って、川へと下がる入口に向かった。

入口に行くとなんと受付があって入場料が記載されている。まさか橋を渡るのに金をとられるとは思っていなかったので、正直少し驚いてしまった。
ところが、車に財布を取りに行き、再び戻って窓口で支払おうとしたら、受付は完全閉店中だった。なんと時刻が遅くて営業時間外だったようだ。ただ、つり橋に下りる通路は閉鎖されておらず、フリーに通行が可能。町中の野菜直売所みたいに料金箱があるわけでもないし、仕方がないのでそのまま素通りして川に向かったら普通に橋を渡ることができた。

※つり橋は二つあり一つは猿橋と呼ばれる屋根つき渡しだったのだが、係員がいない時間だから体験することはなく、もとの橋を渡って戻ることになった。
この橋付近にはキャンプが出来るスペースも設けられていた。つり橋は向こう岸との間の地元住民の通行に利用されているのかと思っていたのだが、どうもそうではなく、あくまで観光地として橋をかけているようだった。これなら金を取るのも納得だった。


shikoku05.jpg
つり橋はかなり頑丈に出来ているものの、編んであるだけなので穴だらけ。体は落ちないけど足ははまりそうなので、テンポ悪く慎重に渡り切った。


■最後の最後までテンポは戻らず、、、
奥祖谷の二重かずら橋から駐車場に戻るころにはだいぶ明るさがなくなってきていた。奥祖谷から小一時間で小便小僧で有名な祖谷温泉郷に到達したものの、ほぼ光がなくなってしまいタイムアウトとなってしまった。
かずら橋はこちら祖谷温泉郷のものが本場だが、真っ暗では危険なので訪問を断念。さらに、祖谷を抜けたあと大歩危、小歩危に寄ろうと思っていたものの、行っても真っ暗だから行かず、大歩危駅付近を通過しただけになってしまった。

大歩危からは真っ暗な国道32号線を南下することになった。
この道は香川と高知を結ぶメインルートだ。並行する高速があるものの、インターが遠いから、そのまま南国まで一般道で南下することに決めた。
国道32号線は吉野川沿いの山道で結構カーブが多い道なのだが、メイン国道だけにトラックが多かった。ただ、道幅は意外と広く、流れは結構良かった。夜だからかもしれないが、四国入りしてから初めてすんなりと通れた印象だった。

高知平野へ抜けたのは21時頃。平野に出る直前、南国インターを過ぎた直後に高知市方面へ向かう国道から分かれ、高知市の東隣にある南国市側にナビが誘導した。
高知空港は南国市南東の海岸近くにある。ホテルの位置を詳しく調べていなかったので、とりあえずナビは高知空港にセットしていた。南国インター付近からは御免駅東側を通る県道を進むルートのようだ。
そこで、道の駅南国風良里で、カーナビの目的地を住所検索で今晩泊まるホテルに設定し直して、さっさとホテルへ行こうとしたのだが、なぜかカーナビが指す向きがおかしくなった。

頭の中に刷り込まれた地図では御免駅付近まで南下した後、やや東気味に進むルートのはずなのに、空港を指すはずの行き先が空港とは逆方向の西向きになっているのだ。空港に向かうとなぜかUターンするよう指示が出る。
なぜなのかとよくよく調べてみたら、ビジネスホテル空港と称する目的地は、空港からはほど遠い国道55号線沿いに位置していた。車でも空港から15分くらいはかかりそうな立地だったのだ。

その名前から、イメージでは、空港近くの宿で、うまくいけば滑走路でも見えるかと思っていたのに、そんなことはまったく、まんまとホテル側の戦略にはまった感じ。競合が激しい高知市内などにもっと安いホテルがあったので、こんなんだったら、そっちにしとけば良かったと思ってしまった。

車をずっと運転してきて疲れてきているし、今日は最後の最後までテンポは戻らず。
ホテル位置にだまされた落胆は大きく、チェックインを済ませて、ホテル隣の牛丼屋で夕食を食べたあとは、すぐに寝てしまった。




■今日の教訓!

世界三大○○は本当にそうかは分からない!←良く下調べを
カーナビの時間検索は意外と正確!←距離と道路状況チェックを忘れずに
名前に空港が付いているから近いとは限らない!←だまされないように予約時に場所はチェック




■実際の旅程

05/29 THU
高松市内08:00(レンタカー)→09:00[高松空港]
[高松空港]10:00(レンタカー)→10:30脇町 うだつの町並み
脇町 うだつの町並み11:00(レンタカー)→11:30阿波の土柱
阿波の土柱12:00(レンタカー)→14:00[徳島空港]
[徳島空港]15:00(レンタカー)→17:45剣山 見ノ越(通過)
剣山 見ノ越17:45(レンタカー)→18:00奥祖谷二重かずら橋
奥祖谷二重かずら橋18:30(レンタカー)→19:30道の駅にしいや
道の駅にしいや19:30(レンタカー)→21:30道の駅南国風良里
道の駅南国風良里21:30(レンタカー)→22:00南国市内
(南国市内:ビジネスホテル空港 泊)


posted by johokotu at 18:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆旅行記 | 更新情報をチェックする
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