■2008年10月 富山・能登・小松・福井の旅行後
今回の旅では軍民共用の空港である小松飛行場を訪問しました。
今回は、そんな軍民共用の空港を取り上げます。
海外に目をやると、空港なんて軍民共用が当たり前。近くで言えば台湾とか韓国なんかでも空港は上空から撮影禁止になっているほどだ。だが、日本ではあまりその存在を聞かない。
まずは日本で軍民共用の空港がどのくらいあるのか状況を探ってみた。
札幌
千歳
三沢
小松
美保(米子)
徳島
調べてみた結果が上の通りだ。日本にある軍民共用の空港は上記に挙げた6空港があった。これらの空港は、航空法上は「その他飛行場」として分類されているもので、正式名称はいずれも「空港」ではなく「飛行場」と名付けられている。空港は全国に100近くあるのだから、軍民共用の空港はやはり多くはない印象だ。
日本の場合、そもそも軍隊はないのだから、軍民共用ではないんだろうけど、軍民共用の空港として扱われているのは、主に防衛省(自衛隊)と国交省が共同で管理しているところだ(三沢は米軍との共用でもある)。
つまるところ、日本にある軍民共用の空港は、自衛隊機(三沢は米軍機も、以下軍機と表現)も民間機も飛ぶ空港というのが一般的な整理になる。
軍民共用の空港は、民間はどちらかというとおまけな感じの空港が多く、三沢や美保は一日数便だし、千歳は現在民間便は飛んでいないほどだ。そんな中で今回訪れた小松は先に挙げた6空港の中でも民間機の便数が多いことで知られていた。
日本に軍民共用の空港が少ないのは、自衛隊の飛行場が結構存在し、民間空港と明確に分けていることが多いためと思われる。
たとえば、一例として帯広がある。ここは30年程前に帯広市内から郊外に空港が移転したのだが、元の位置は自衛隊の飛行場として存在し、軍は旧空港、民は新空港を使用する形に明確に分けている。
千歳も同じようなもので、民間は隣接する新千歳に移っている。
小松飛行場の航空プラザに掲げられていた航空基地時代との比較地図。この飛行場は戦前から続く軍飛行場だ。
日本地図をよくよく見てみると、日本は実は軍飛行場大国で、自衛隊専用の飛行場は結構いっぱいある。
例えば、関東周辺だと、埼玉の入間飛行場、千葉の下総飛行場、茨城の百里飛行場なんかが有名だ。立川の昭和記念公園の脇にも立川飛行場なんてのがあるのだが、都民でも知っている人は少ないかもしれない。
こんな飛行場は日本全国にゴロゴロあって、自衛隊側からしてみたらわざわざ軍民共用の飛行場にする必要がないといったところだろうか。
日本に軍民共用の空港が少ないもうひとつの理由は、実質的な軍民共用の空港が多い点も挙げられる。実は、先に挙げた6空港以外にも、航空法上の分類では完全な民間空港にあたる第一種から第三種までの空港に自衛隊がいるところがあるのだ。
よく知られているのは、名古屋や福岡、長崎、那覇など。自衛隊の区画は民間ターミナルがある区画とは滑走路をはさんだ反対側にあることが多く、なかなか意識しないだろう。しかし、これらの空港では、飛行機からのぞいていると自衛隊機が駐機しているのが見え、共用であることが実感できるに違いない。
このような隠れた?共用の空港はかなりの数見られるので、日本は意外と軍民共用の空港が多い国かもしれない。
こうして見てみると、日本は、パッと見た目は少なくても軍民共用の空港は普通に多数存在しているようです。そして、100近いと言われる空港以外にも、自衛隊用の飛行場が多数存在していることが分かりました。
日本には無駄空港が多すぎ、100も飛行場はいらない!とよく議論になりますが、日本は自衛隊用だけでもたくさんの飛行場があり、100じゃ収まらないほどたくさんの飛行場があるということを認識できたところで、今回の旅を〆たいと思います。
ラベル:小松飛行場