※この旅行記は2012年10月にアップした旅行記です。
■2012.09.01 (小田原)→関西国際→長崎→(山口)
■到着は不思議な光景???
今回のながらはウロチョロ客もおらずにもの静かで、久々にぐっすりと眠ることができた。
ながらは大垣が終着だ。
大垣ではいつものようにバタバタと乗り換え。今回はながらの席が後ろの方の9両目だったので、いわゆる大垣走りには参加せず、米原までは立ちんぼで我慢することにした。
ムーンライトながらは大垣が終着とはいえ、大垣を最終目的地にする客はほとんどおらず、ほぼ全員が乗り換えをしている。にもかかわらず、10両分の乗客が乗り換える各停は5両編成で、各停で座るために多くの人が「我先に」と走って乗り換えるから「大垣走り」と言われる。乗り換える先の電車は各停の大阪方面行き。乗った客の大半は米原で接続する新快速に乗り換えるのだが、この列車、おもしろいことにほとんど客がいなくなる米原で車両を増結する。運用の問題があるが、ながらを米原まで走らせるか、各停を始発の大垣から増結して走らせればよいのに、そううまい話にはなっていないのだ。
ちなみに、大垣-米原間は床が見えないくらいの結構な混雑になる。立っている人は自分の居場所を確保するのがやっとなのだが、「我先に」と駅構内を走り回って席をとった人の中に、動き始めてから車内のトイレに出入りする輩が必ず数人現われる。立ってる人を押し退け押し退けトイレに行くのは本当に邪魔なのだが、ながらが大垣に着く前にトイレに行く人は少ない。大垣走りで席をとるのは、走らないと席がとれないと、事情をよく知っている人間だ。乗り換える各停が混んでいることも知っていると思うのだが、そんな、椅子に座れる事情通が何人も、混雑した車内を掻き分け掻き分けトイレに行く光景は、いつも不思議で仕方がない。ながらにいる間にトイレ行っとけと言いたくなってしまう。
米原ではトイレに行きたくなったので、ながら客が流れる新快速ではなく、その次の新快速に乗り継いだら、かなりスキスキだった。快適車内で座ったら、そのまま大阪まで途中の記憶がまったくないほど爆睡してしまった。
大阪には8時過ぎに到着。
このまま関空に行くと見学時間を4時間はとれる。大阪国際(伊丹)か八尾に行くことも考えたが、事前に何をしておかねばならないか分からないのがLCCだから、そのまま関空に向かうことにした。
関空快速でもウトウトしてたら、関空まではあっという間だった。
調べてみると到着直後にAPJの到着便があったので、まずはAPJ専用の到着口へと向かった。
今回見に行きたかったAPJの施設は、エアロプラザに設けられたため、かなり話題になっている。しかし、実はこの施設、出発関係のものしかなく、到着関係は施設自体がない。到着は旅客ターミナル前面のバスポールに着いて、それで解散するようになっているのだ。
※APJ施設を見学するために飛行機に乗るのだが、到着は専用施設がないため、関空着に乗る必要はない。そこで関空発のみ乗ることにしていた。
バスおりばは1番バスポールに近い北団体バス用の交通広場にあった。
ちょうど手荷物が届いたタイミングで、ANAのバケージ運搬車から手荷物をおろしているところだった。
少し遅れて乗客を乗せたバスが到着、ターミナルへと移動していった。
手荷物は、アクセスのリムジンバスのように地面直置きで受け渡しをしていた。屋根も通路幅分しかない中途半端な設置なので雨の日は濡れてしまいそうだ。手荷物預けが有料だからか受け取る人はあまり多くはなかった。
■脅しに焦る???
到着風景を見学した後は、国内線のカウンタエリアへと向かった。
3月に新規就航したスカイマーク(SKY)と7月に就航したジェットスター・ジャパン(JJP)が大手の並びにカウンタを設けているので、その見学だ。
大きく三つあるカウンタの中央はSFJが使っていないカウンタを設けていたが、いまはそれが縮小。SKYはその隣に小さいカウンタを開設しただけで、JJPは日本航空カウンタの一部を変更したから、開業以来初の5社体制になったにもかかわらず、広いカウンタはまだ空きなままだった。
昼飯を済ませてひと通り館内を見て回ったら、早くも12時前。出発まであと2時間だから、さっさと手続きだけ済ませておこうとエアロプラザへ向かった。
エアロプラザは南側の一部がAPJの施設に改装されていた。
LCCは1分でも遅れると飛行機に乗せてくれないらしいから、とにかく早くチェックインを済ませようとチェックイン機の前に行ったのだが、長崎便は12時45分からしか手続きができず、待ちぼうけを食らうことになった。
※LCCはチェックインの締切時刻が早く、大手と違うから気を付けろ、と新聞もテレビも大合唱だったのだが、開始時刻まで決まっていることは一切報道されてなかったから、ちょっと面食らってしまった。遅れないように早め早めに行動しても、あまり早すぎると意味がないのだ。大手の場合は朝空港が開いたときから手続き出来るから、LCCはカウンタ要員の稼働時間を絞って人件費を削減してるといった感じなのかもしれない。
そういえば数時間前から手続きという、この感じ、何かに似ているなあと思ったら、それは国際線の手続きだった。国際線も普通は手続き時間が出発2時間前〜30分前と限定されている。初めて成田の国際線を利用したとき、遅れてはまずいと3時間前に着いたら、カウンタが開いておらず、もう手続きを締め切ったと勘違いしてかなり焦ったことがあるのを思い出した。APJの場合は90分前〜30分前だが、要はそれと同じこと。国内線でも小さな航空会社の場合、似たように時間を限定しているところはある。マスコミが騒いでいる点はそんなに気にするようなことではなかったのだ。
手続き開始までは約30分。ターミナルに戻るのも面倒だし、たいした店もないエアロプラザに新しくできた待合スペースでひとり寂しく時間をつぶした。
手続き開始後、チェックイン機に行ったら、係員は数名いるものの、バーコード処理の手伝いはしてもらえなかった(他の客にはだいたい手伝いがついていたのだが、自分は声すらかけられなかった。サービスするときは金を払わせるというスタンスのLCCで唯一受けられる無料サービスなのに、こういうときにサービスを受けられないとなんだかとても損した気分だ)。
さらに、手荷物預けでは、X線検査機に通す前に「手荷物受託は有料です」と念を押された。自分はハッピーピーチプラスだったから手荷物一個は料金に含まれているはず。「無料のはずだけど」と言って納得はしてもらったものの、自信がない人には脅しのような対応にややドギマギしてしまった。
公式サイトなどの宣伝もポップな感じで楽しい印象を与えているのだが、これでは、慣れていない人にとっては飛行機に乗る前からお金のことで不安がいっぱいだろう。
今回のAPJで一番不安だったのは機内に食物を持ち込んでいいかどうかだった。エアアジアが持ち込み禁止らしいから、ここまで来る途中で飲んでいたペットボトル飲料を飲み干すか迷ったのだが、検査場の係員に聞いたら飲食物持ち込み可能とのことだったので、そのまま持ち込むことができた。
3階部分には、あまり目立たない位置に待合スペースがあった。
椅子があるだけのただだだっ広い空間。ほとんど利用する人がいなかった。
■急がせるのに急がない???
さて、今回の旅行の最大の目的は、APJ出発施設の見学から、APJの搭乗だ。
出発保安検査場が開いたら早速ゲート内へと入った。
ゲート内の区画はパーティションで区切っただけの簡素な施設だった。
保安検査場からは待合所までは、本当にこの先に待合所があるのか不安になるぐらい、装飾が一切されていない狭い通路。通路を抜けたら、簡素な売店とトイレ、50人ほどのソファがあるだけの小さな待合所に出た。
施設はたったこれだけ。
待合所はひとつ上の3階にもあったのだが、2階よりも広い空間ではあるものの、エスカレータで上ったら誰もおらず、少し薄暗い空間は長居したくない感じだった。待っている間、何人かが上ってきたものの、大半はそのまま下階に逆戻りしていた。
飛行機は予想どおり遅れでの出発。構内の放送では「10分遅れ」と案内されていた。
手続き締切の案内放送は頻繁に流れていたのだが、肝心の搭乗開始の放送がなかなか流れない。いつになったら搭乗が始まるのかとイライラしていたのだが、トイレに入った隙に3階には誰もいなくなってしまい、びっくりして搭乗口がある2階に下りていったら、ちょうど搭乗がはじまったところだった。
待合室にいる全員が済ませている手続締切の放送は何度もうるさく放送がかかっていたのに、搭乗開始の放送は一切かからないとはびっくりで、あやうく乗りそびれるところだった。
APJはこの専用施設からバス輸送だ。待合所のある2階から、おそらくは非常用と思われる狭い階段をおりた先に乗り場があり、前方、後方の二手に分かれて搭乗が行なわれた。
バスはほどなくして後方用から出発した。
エアロプラザから沖留めの飛行機までの間、ゲートの中をどう切り回したのか興味津々だったのだが、期待は見事に裏切られ、一度一般道に出た後再び専用ゲートからエプロンに入る経路を通った。
APJ用のランプバスは、エアロプラザ脇から出発する。一般道に一度出るので、バス側の安全対策がかなり練られたらしく、バスの窓が開かないなどの対策が施されていた。
ランプバスに乗って周囲を見回してみたら、バスには若い女性がいっぱい。加えて多かったのがおばあちゃんで、ANAとかJALに乗ったときに普通に見られる中年層はほとんど見られなかった。
この光景、どこかで見たことあるなあ、と思ったら、数年前にSKYに初めて乗ったときに見た光景だった。
いまでこそSKYは老若男女が乗っているが、昔は若い人、しかも女性が多かった印象がある。そのSKYは規模こそまだまだ小さいものの、JAL、ANAと良い勝負ができる航空会社に成長した。あのときは高齢者はほとんど見なかったのが今回と違うが、若い女性に選ばれる航空会社はこれから伸びていく会社なのかもしれない。
バスは5分ほどかけて沖留めの飛行機に到着。116番スポットのようだ。
折り返し時間を最小にするため前後2か所から搭乗させると事前に聞き、後ろから乗れるとウキウキしていたのだが、着いたらステップが前方のひとつしかない。しかも屋根つきと残念なことだらけだ。
さっさと降りようと出口へ向かおうとしたのだが、「機内整備の最終確認をするのでそのままお待ち」と、バスの中にカンヅメにされてしまった。
折り返し時間を最小限にし、出発時刻前でも1分でも遅れたら絶対乗せてくれないというLCC。客を急かすのはいいけど、急かすならすんなり搭乗させてほしい。
結局、車内で5分ほど待たされたうえ、機内に入ってからもなかなか搭乗が終わらず、飛び立つまでにさらに時間がかかってしまった。
機体を目前に5分も待たされ、搭乗前からグッタリ。さあ、いよいよ初めてのLCCへ。JA801Pだった模様。
■フイルムカメラが使えない???
機内は時間をかけて準備をしただけあって手入れはきちんとされていた。
扉が閉まったので、ベルトをし、デジカメからフイルムカメラに持ちかえて外の撮影をしていたら、スッチーに声をかけられた。
「電子機器は電源をお切りください」
ほら来た。飛行機に乗ると二回に一回は受ける注意だ。
パッと見た目はデジカメかどうかなんて分からないから仕方がない。いつもの調子でフイルムの見える窓を示し、
「フイルムカメラです」
と説明。
再び撮ろうと窓に振り返ろうとしたのだが、、、
「離着陸時は電子機器の電源をお切りください」
ときた。これにはさすがにびっくり。
「いやいや、デジカメじゃなくてフイルムカメラなんだけど」
「お使いいただけません」
「電子機器じゃないんだけど」
「離着陸時はお使いいただけません」
通路を挟んで反対側に座った赤ちゃん連れからは白い目が飛んできて、この上ない屈辱だ。
スッチーの指示に従わない場合、最悪飛行機からつまみだされることもある。仕方がないので、結局、カメラをしまうことになった。
確かに自分のフイルムカメラは電池駆動だから、電子制御している部分はあるはず。だが、JALやANAではフイルムカメラは離着陸時も使用OKなはずだ。APJは使用を独自に禁止しているのかもしれない、と、安全のしおりを見てみたものの、具体的な記載はなく、分からない。スッチーに禁止されたのだから、これは守らざるを得ないがどうも納得ができなかった。
結局、一番写真を撮りたかった離着陸時は写真が撮れず。空高くあがったら今日は雲が多い日で、佐賀くらいしか見られなかったので、離着陸時に撮影できない残念感がより強く残ってしまった。
雑誌等で読むかぎりでは、LCCはスッチーらが気さくに声かけてくるような記載があり、とにかく搭乗を楽しませてくれると聞いていた。
ところが、いきなりの撮影禁止措置。楽しみにしていた関西弁の機内放送も、降機直前の最後の最後に「ホンマ、お〜おきに!」と言われただけで、ほとんどなし。スッチーは商品の売り込みにくるわけでもなく、機内の写真を撮っていても、声をかけてくるわけもなく、どっちかというと冷ややか目線を浴びせられてしまった感じだった。
離着陸時のカメラ使用禁止に加え、ウキウキではまったく乗れない飛行機だった。
紫系の色使いできれいな印象にまとめられた機内。座席指定していない人は翼付近に集められたようで、前方にポツポツ、翼付近は左右6席すべてが10列弱満席、後方は自分と赤ちゃん連れ一組のみ、という異様に偏った席埋まりになっていた(翼付近に集めると安定しやすいのかな?)。だいたい中央席を使っているのに窓側も通路側も大量に空席とはかなりびっくりだった。
■長崎に着いたのに九州を脱出!!
長崎までは思った以上に短い航路で、巡行時間はあまり長くなかった。搭乗に時間がかかって動きだしは15分ほど遅れたものの、着陸はほぼ定時だった。
運航時間を少し長めに設定していたようだ。
長崎は昨年来たばかり。APJ就航で変化があったカウンタを見て、売店で夕食用の弁当を買い物したあとはすぐに空港を出て竹松駅へと歩いて向かった。
空港と対岸を結ぶ箕島大橋は渡りきるのに15分弱。渡り切ったあと旧大村空港のターミナルまではさらに20分ほどで、結局竹松駅までは1時間強かかった。
竹松からは関空までに使用した18きっぷを使い、再び電車の旅だ。
竹松からは諫早へ。着陸直前に諫早湾の締切堤防が見えていたのだが、大村から諫早まではかなり近い位置にあった。空の上から見たとき、締切堤防の内側と外側ではかなり海の色が違っていて驚きだったのだけれど、離着陸時は撮影禁止だから写真はなしだ(苦笑)。
諫早からは利用しやすい数分接続で鳥栖行きに乗り換え。鳥栖までは約2時間の乗車だから、すぐに爆睡モードに。気が付いたら鳥栖で、乗客がほぼ皆出切ったところだった。
鳥栖の乗り換えは約30分待ちだった。実はこの鳥栖の乗り換えと小倉、下関の乗り継ぎ列車は、自分の乗った電車の場合、やや待ち時間が多く、このあと来る電車でも下関で乗れる電車(終電)は一緒だ。この場合、竹松を乗った電車より20分遅い逆方向佐世保行きで間に合ったのだが、鳥栖の乗り継ぎが1分接続、下関も数分接続で遅れたらまずい。そこで今回は一本先の電車に乗っていた。鉄道ならほぼほぼ正確だから、そんなギリギリ乗り継ぎもOKだけど、LCCはもっとちゃんとしたリスク回避が必要かもしれない。
鳥栖からも爆睡紀行。まずは小倉まで約2時間。小倉から下関を挟んだ後、下関から1時間弱をほとんど寝たまま過ごした。
新山口には定刻の23時59分に到着。
駅前のセブンイレブンで飲み物を購入し、ホテルに直行。長崎で確保した弁当を食べたらすぐに寝てしまった。
竹松駅から諫早駅まで乗った電車はハウステンボス塗装の車両だった。
■今日の教訓!
・LCCは早く行き過ぎてもNG!←手続きは指定時間内で
・LCCはカネカネカネ!←まるで脅されているようです
・LCCは急がせるのに急がない!←ようは航空会社のマイペース
・LCCはウキウキできない!←気さくになんて話しかけてこないですよ
・LCCは座席指定はしておこう!←異様なほど極端に偏った配置をされます
■実際の旅程
09/01 SAT
小田原駅00:31(JR東海道線)→05:53大 垣 駅
大 垣 駅05:58(JR東海道線)→06:31米 原 駅
米 原 駅06:47(JR東海道線)→08:13大 阪 駅
大 阪 駅08:34(JR阪 和 線)→09:43[関西国際空港]
[関西国際空港]14:15(APJ175便)→15:30[長崎空港]
[長崎空港]16:00(徒歩)→17:00竹 松 駅
竹 松 駅17:19(JR大 村 線)→17:37諫 早 駅
諫 早 駅17:41(JR長崎本線)→19:48鳥 栖 駅
鳥 栖 駅20:09(JR鹿児島本線)→22:00小 倉 駅
小 倉 駅22:09(JR鹿児島本線)→22:23下 関 駅
下 関 駅22:47(JR山陽本線)→23:59新山口駅
(山口市内:アルファワン小郡駅前)
2012年09月01日
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