2012年09月04日

初LCCにハラハラ(旅行後)

※この旅行記は2012年10月にアップした旅行記です。



■2012年09月 関西国際・長崎・岩国・福岡・北九州・東京国際の旅行後

離着陸時に風景を撮影しようとわざわざフイルムカメラを持ち込んだのに、初めて乗ったAPJでは、飛行機で初めてフイルムカメラの使用を禁じられてしまいました。これまで一度も経験したことがない電子機器使用の制限で、結局、一番景色が楽しめる離着陸時の撮影ができませんでした。
機内で安全のしおりを見ても具体的にフイルムカメラ使用禁止の記載がなく、納得がいかなかったので、帰ってから調べてみました。



まずは各社がどういう基準になっているかを調べてみた。

公式サイトを見てみると、一番詳しく記載があったのがスカイマーク(SKY)で、離着陸時も含め常時使用可能な例の中に「カメラ(デジタルカメラを除く)」が含まれていた。つまり、フイルムカメラの使用はOKとはっきり宣言している。

エアアジア・ジャパン(WAJ)とジェットスター・ジャパン(JJP)は運送約款中に記載があった。WAJは「安全上の理由から、当社は(中略)これに限定されない電気製品の機内での使用を禁止または制限することができます。」と電子機器だけにとどまらず、電気製品の使用を制限している(「できます」表記だから、使用できるときもあるということだろうか)。JJPは、「適用法令及び政府発表を遵守することに加え」と前置きし、具体的な電子装置名を挙げて使用を禁じているが、フイルムカメラは禁止品には含まれていなかった。

APJも含め、残りの各社は、みな似たようなもので、使用禁止品のみを記載していた。デジカメは離着陸時禁止品に該当しているが、フイルムカメラについては禁止の記載はないパターンだった。
これらの会社は使用可能品の記載がないので、フイルムカメラが使用禁止品かどうかはあいまいだ。航空会社によっては、「上記以外にも使用を制限している電子機器があります」といった記載をしてあいまい決着している例も多かった。


これだけを見ると、フイルムカメラは、WAJを除き、原則常時使用OKに思える。だが、SKY以外ははっきり使用OKと書いていないので、実際使っていいかは不安が残る内容といったところだろう。

実は、こんなあいまいな表現をしているから、フイルムカメラが使えるかどうか、以前、ANAには電話で問い合わせたことがある。
その時は、5分ほど待たされた後、フイルムカメラは常時使用可能という返答を得た。フイルムカメラでも、完全にアナログではなく電池駆動のカメラだと伝えたのだが、「デジタル腕時計の電源を切らなくていいのと一緒」と具体的に教えてくれた。なるほど分かりやすい解説である。Gショックの電池を抜けとは言われないと同じだ。

今回APJにも同様に電話で問い合わせてみたのだが、「「使用をお控えいただくこともあります」と記載がありますので、、、」「何らかの理由で使用を禁止したのだと思いますが、、、」と歯切れの悪い回答しか返ってこなかった。突き詰めて聞いてみたら、原則はOKなはずだが、スッチーの判断で禁止することがあるということだった。今回はこれにブチ当たったということのようだ。


なんだか釈然としないなあと思いつつ、さらに調べてみたら、そもそも電子機器類の使用制限は、航空会社が決めているのではなく、国交省の告示に基づくものであることが分かった。
のJJPが運送約款で「適用法令及び政府発表」と表現するのがまさにそれに当たるようで、多くの航空会社が提示している使用禁止の電子機器は、国の告示で示されたものをそのままコピーして出していただけだった。つまり、フイルムカメラを離着陸時に使えるかどうかは、国内なら全社共通で同じ基準の話だったのだ。
告示に基づけば、フイルムカメラは、使用禁止品に記載がないので、原則は常時使用OKなはずだ。ただ、告示では、常時使用可能なものの記載があって、そこには電卓、電気カミソリ、カセットプレーヤーの3品のみしか提示されていない。書いてあればはっきりするのに、フイルムカメラの記載がないからややこしいことになってしまっているようなのだ。
さらにやっかいなのは、WAJのように国の基準より厳しいパターンがあったり、航空会社のそのときの判断で禁止される場合もあったりすることで、この場合禁止基準はスッチーの判断次第となるから、乗った飛行機でフイルムカメラを使っていいかは判断しにくい。
今回のAPJも、通常は常時使用OKだが、スッチーが何らかの理由で禁止をしたというのが真相のようだ。


正直、使用を止められたとき、格安航空会社(LCC)だから、電子機器の使用制限をきつくしているのかと思った。離着陸時に写真が撮れないんじゃ今後は利用をやめようか、とまで思ったぐらいだ。

今回調べてみたら、APJも制限の基準は大手と同じであることは分かった(WAJはダメなんですよ、念のため)。
ただ、そうだとすると、本来使用できるものを理由もなくダメにされたので、スッチーの単なる勘違いにも思えてくる。計器類などに異常を生じさせる恐れがあるから電子機器の使用制限を設けているのであって、ダメと言われれば客は使用をやめるしかないのだが、使用禁止がスッチーのただの勘違いだったらたまったものではない。
利用者からしてみれば、使用は原則OKなのだから、禁止するのであれば、その理由を示してほしいところだ(例えば「機器の具合があまりよくない」とか「ペースメーカー使用者が近くにいる」とか簡単でいいと思う)。今回のAPJは理由の提示もなく頭ごなしに禁止されてしまったので、混乱することになってしまった。
APJは飛び初めてからまだ一年未満の航空会社だ。今後似たような対応で混乱する人が出ないことを期待したいと感じた。



LCCの就航で、生まれて初めて飛行機に乗る人が増えていると聞きます。日本人なら、旅行に行けば写真を撮りたくなるものですし、初めて陸から離れる離着陸時なんてまさに撮り逃したくない代表的な瞬間です。
しかし、初めて飛行機を利用する人は、離着陸時にデジカメを使えないなど知らない人も多いのではないでしょうか。デジカメやスマホの全盛期の昨今、フイルムカメラを持ち歩いている人など絶滅危惧種。離着陸時の機内でフイルムカメラを販売しているならまだしも、飛行機に乗ってからデジカメ使用禁止の事実を知っても時すでに遅し、一番写真を撮りたい瞬間を逃すことになるわけです。
写したいのに写せない、そんな不満感を増す使用制限。そんな中で、フイルムカメラを使っている人がポツポツがいます。「あの人も使ってるなら僕も私も」とデジカメを使ってしまう人も多いのではないでしょうか。「あいつも使ってる」と勘違いしてデジカメを使われては、それこそ危険。危険な時間帯と言われている離着陸時に計器類に異常が出でもしたら、、、。考えるだけでも恐くなってしまいます。

国交省の示し方があいまいなせいで、離着陸時のカメラの使用禁止が中途半端になっているようにも思います。フイルムカメラなら使えることをもっとはっきり示すか、あるいは逆にカメラの使用を全面禁止にしないと、離着陸時のデジカメ使用は一向に減らない気もします。
それにしても、国もなぜ常時使用可能品の例にフイルムカメラを記載しなかったのでしょうか。離着陸中に電卓や髭剃を使いたい人なんて、カメラを使いたい人に比べれば、ほとんどいないのではないでしょうか。
SKYのようにフイルムカメラは原則使えることをちゃんと示し、事前に持ち込むことを勧めたうえで、離着陸時は「デジカメはダメだが、フイルムカメラなら使ってOK」と放送を入れる。そうすることで、律儀にフイルムカメラを持ち込んだ人は白い目で見られずに離着陸時の撮影を楽しめます。さらに他人が見たときに「あいつもカメラを使ってるからオレもデジカメ使う」と勘違いする人とか、「あいつカメラ使ってる。計器に影響出ちゃうよ〜」とハラハラしたりいやな思いをしたりする人が減るのではないでしょうか。

初めてフイルムカメラの使用を全面否定されたことは、とても残念ではありましたが、飛行機の安全に影響が出るのは避けたいところ。あいまいで、ちょっと混乱を招いてしまう、乗る際の決まりごとを見なおしたところで、今回の旅を〆たいと思います。

posted by johokotu at 18:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆旅行記 | 更新情報をチェックする
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