■宮古空港 SKY撤退で県負担割引適用へ
ANAグループと日本航空グループは26日、沖縄県の離島住民を対象にした割引運賃について、4月から5月まで沖縄県内3路線の値下げを発表しました。沖縄県が実施している沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業を活用するもので那覇-宮古線は初適用となります。
ANAとJALが発表したのは、沖縄県離島住民向けの割引運賃の値下げ。ANAは沖縄アイきっぷ、JALは離島割引が対象で、4月1日から5月31日までの那覇-宮古線、那覇-石垣線、宮古-石垣線の3路線で実施されます。
沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業は、沖縄県が実施している離島住民向けの施策。県が運賃の一部を補填することで、交通機関利用者の支払う運賃を軽減するもので、昨年4月以降、沖縄県内の離島航空便や船便に適用されています。2012年度のみの実施でしたが、2013年度も継続されることになり、今回の値下げ実施になったと発表されています。
事業適用による値下げ額は3000円〜6000円程度で、両社とも、那覇-宮古線(ピーク期普通運賃18600円)は11950円が7200円に、那覇-石垣線(同24100円)は15600円が9400円に、宮古-石垣線は8200円が4900円になり、いずれも大幅に値下げされます。
今回値下げが発表された路線のうち、那覇-宮古線は初めての適用になります。2012年度は、同路線にスカイマーク(SKY)が就航していることから、異様な値下げ合戦が繰り広げられ、片道3000円程度の運賃が出回っています。このため、4000円程度を補填する同事業の適用が保留されていました。4月からSKYが運休し、JAL、ANAともに大幅値上げすることになったため、今回、割引の対象に新たに設定されています。
不当廉売の議論にすらならず、企業努力で値下げできることが判明した運賃が、格安社撤退と同時に大幅値上げされたにもかかわらず、それを税金で補う今回の事態。沖縄県は、離島振興の観点から、国からの補助金が他県よりも多数設定されていることもあり、県民だけではなく、他県からも批判が出る可能性があります。
ただ、この制度の活用で安く離島から移動できるようになるのは利用者にとってはうれしいこと。SKYは6月からの運航再開を目指していることから、6月以降も制度が適用されるのか、適用された場合はSKY運賃も大幅に下がるのか、注目されます(SKYは普通運賃でも7000円台なので、適用されればそれだけで3000円台の離島割引が実現するはず)。
●那覇-宮古線
JALグループ
3/31までピーク期(3/30の例) 負担軽減事業対象外
普通運賃18600円
最安運賃(スーパー先特)3800円〜4000円
1日前型割引(特便割引1タイプA)8200円〜8400円
離島住民向け割引(離島割引)9800円
4/1から通常期(4/1の例) 負担軽減事業対象
普通運賃17500円
最安運賃(スーパー先特)5400円〜7200円
1日前型割引(特便割引1タイプA)14300円
離島住民向け割引(離島割引)11950円→7200円
ANAグループ
3/31までピーク期(3/30の例) 負担軽減事業対象外
普通運賃18600円
最安運賃(旅割55)3800円
1日前型割引(特割)5800円
離島住民向け割引(アイきっぷ)9800円
4/1から通常期(4/1の例) 負担軽減事業対象
普通運賃17500円
最安運賃(旅割55)5400円〜7200円
1日前型割引(特割)14600円
離島住民向け割引(アイきっぷ)11950円→7200円
SKY
3/31までピーク期(3/30の例) 負担軽減事業対象外
普通運賃7800円
最安運賃(フリー14) 3800円
4/1から通常期(4/1の例)
4/1〜運休
※JALとANAは、離島住民向け割引以外(値引き前の離島住民向け割引も含め)、ピーク期の3月の方が通常期の4月より安いですね、、、。これもSKY効果といったところでしょうか。
■2013年4月1日〜5月31日搭乗分の「沖縄アイきっぷ」の変更を届出(ANA公式サイト)
http://www.ana.co.jp/pr/13_0103/12-204.html
■JALグループ、2013年度上期国内線運賃の一部変更を届出(JAL公式サイト)
http://press.jal.co.jp/ja/release/201302/002428.html
2013年02月27日
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