国土交通省(国交省)は29日、31日から成田国際空港(成田空港)の離着陸制限(カーフュー)の弾力的運用を開始すると発表しました。
31日から始まるのは、航空会社の努力では対応できないやむを得ない場合には、23時〜24時に限り離着陸を認める「カーフューの弾力的運用」。同時間帯に定期便を運航することを目的として運用時間を延長するものではなく、やむを得ない場合に離着陸を認めるものとなっています。
29日に国、千葉県、成田空港周辺9市町、成田国際空港で構成される「成田空港に関する四者協議会」が合意し、確認書を取り交わしたことから、夏ダイヤが始まる31日から早速適用されることになります。
弾力的運用が始まる時間帯(23時台)に離着陸可能となるのは、「悪天候、異常事態、運航の安全確保等やむを得ない事由により通常の運航に影響を及ぼす事態に遭遇した航空機」で、「メンテナンス不備や作業の遅れ等、航空会社側の都合で遅延が生じた場合」や「恒常的な遅延を改善しない航空会社の場合」、低騒音機以外は対象外となります。
23時台に離着陸した場合、航空会社は、1回の離着陸につき、通常の着陸料の1倍に相当する金額をペナルティーとして課せられ、支払われたものは、騒防法第1種区域の6市町に均等配分するとしています。さらに恒常的な遅延を改善しない会社にはスケジュール調整の指導が入るほか、実施状況は定期的に公開されることになっていて、なし崩し的に運用時間が拡大されないよう配慮されています。
成田のカーフュー緩和については、昨年就航した格安航空会社(LCC)で、折り返し空港での作業に時間がかかることによる玉突き遅延で最終便の門限欠航が頻発したことから議論が本格化しました。
今回の合意では、航空会社側原因の遅延は対象外となっているため、LCCの門限欠航が減るかは未知数ですが、やむを得ず欠航となる国際線は減るとみられ、成田空港の競争力強化が期待されています。
■成田空港の離着陸制限(カーフュー)、弾力的運用へ(国交省公式サイト)
http://www.mlit.go.jp/report/press/kouku07_hh_000047.html
ラベル:成田