2014年12月31日

勝手に空港10大ニュース

■年末特集 2014年勝手に空港10大ニュース


2014年もあとわずか。
今年ニュースな出来事があった空港を、johokotuの独断と偏見で10空港ピックアップしました。

1.那覇空港(沖縄県) 新国際線ビルが誕生し国際線が続々増便
空港の開港や廃止がなかった今年は、那覇の新国際線旅客ターミナル開業が一番の空港ニュースだったでしょうか。純粋なターミナル新設は、今年は那覇のみでした。
新しい国際線ターミナルは2月にオープン。那覇では同月にLCCターミナルも国際線対応の施設改修が完了するなど、国際線の強化が進みました。これまでターミナルのキャパオーバーで就航できなかった海外航空会社が続々就航し、増便が相次ぎました。

2.東京国際空港/羽田空港(東京都) 国際線ターミナルが拡張し大増便
話題の大きさでは羽田が一番だったでしょうか。日本最大の空港は今年も大きく取り上げられました。
3月と9月に国際線旅客ターミナルビルを増築し、日本初のトランジットホテルもオープン。3月に行われた国際線増便に伴い、国内線との乗継客も増加し、エプロン地域を走行する国内線連絡バスの運行が再開されました。国際線の拡大を背景に、日本で初めて年間利用者数が7千万人を突破しました。
年末にはC滑走路が延長。スカイトラックスの空港評価で5つ星も獲得するなど話題続きでした。

3.山形空港/おいしい山形空港(山形県) 便数も旅客数もアクセス交通も改善
羽田の政策コンテスト枠の発表や地方航空路線活性化プログラム案の募集など、今年は人を呼ぶための空港の動きも活発でした。
そのなかで特に盛り上がりを見せたのは山形でした。山形では、3月に名古屋線の開設と、政策コンテスト枠を活用した羽田線の増便が実現。山形駅方面と銀山温泉方面のバス運行が始まり、アクセス交通の強化も図られました。
昼1往復から朝夕2往復となった羽田線は、利用者数が倍以上で推移していて、政策コンテスト枠増便路線で唯一の成功事例になりそう。名古屋線は地方航空路線活性化プログラムに採用され、利用増加に向けた動きが続いています。
今年「おいしい」愛称もついた山形は、「飛んだら、イケる」便利な存在となりました。

4.佐渡空港(新潟県) 定期的な運航がまたまた廃止
華やかなニュースが多い中で寂しいニュースもありました。
佐渡では、新日本航空が長期運休のまま4月に撤退し、またまた定期的な運航が廃止されてしまいました。
過去から様々な航空会社が何度も就航と運休を繰り返してきた佐渡。今回は、就航に合わせて、アクセス交通も改善するなど定着を図りましたが、あまり効果がなかったようです。
そんな寂しい事態にもめげず、佐渡新航空路開設促進協議会では今年9月に新しいWEBサイト(→リンク)を立ち上げ、再就航に向けた活動を始めています。

5.三宅島空港(東京都) 運航が絶好調で利便性が大幅アップ
佐渡と同様の離島で、逆に定期便が定着したところもありました。
三宅島です。
半世紀に渡り運航してきたANAが3月に撤退し、航空路を維持できるのか心配されましたが、それを引き継いだ新中央航空の調布線が絶好調。火山ガスの影響でこれまで三〜四割しかなかった就航率が、4月に新規就航後は九割前後と大幅に改善されました 。機材は小型化したものの、毎日3往復化したことで利便性が著しく向上し、利用者も激増しています。大手から小さな航空会社に変更されたせいか、報道は全くと言っていいほどなく、ネット上ですらなかなか新しい話題が検索に引っ掛からなくなりましたが、小さくても大きな可能性があることを示した、今年一番の空港活性化例と言えそうです。

6.成田国際空港/成田空港(千葉県) 国際線は羽田に便を奪われるも国内線は拡大続く
JAPANの空の玄関口NARITAでは、ターミナルでは店舗区域のリニューアルが完了、エプロンの拡張も実施されるなど、施設の改良が進んでいます。
国際線は3月の羽田増枠で国内大手2社を中心に減便が相次ぎ、成田縛りの在り方も議論の的になりました。一方、国内線は8月に5番目の国内線格安航空会社である春秋航空日本が拠点として旅客便運航を開始。10月にスカイマークが撤退したものの、新路線として佐賀、熊本、奄美の各路線が開設されるなど、話題に事欠きませんでした。

7.関西国際空港/関空(大阪府) 民間委託への動きが加速
民間委託への動きが加速したのも今年の特徴でした。
開港20周年を迎えた関西国際空港(関空)では、ジェットスター・ジャパンが第二拠点化。施設では、旅客ターミナルビルがリノベーションの第一次オープンとなり、ターミナルビルの改良が進みました。
運営面では、昨年末に大阪国際空港のターミナルビルとの統合が完了し、今年は民間委託へ向けた手続きが本格的にスタート。運営権をめぐる新しい動きが注目を集めました。

8.三島村薩摩硫黄島飛行場(鹿児島県) 憧れの島に定期的な運航がスタート
今年は、非公共用飛行場で明るい話題がありました。
国内では数少ない村営の非公共用飛行場である三島村薩摩硫黄島飛行場に、8月から定期的なチャーター便が就航しました。
新日本航空が薩摩硫黄島-鹿児島線を週1往復運航開始したもので、安い運賃設定の乗り合いチャーター便で定期的に就航しています(その他の週6日も通常のチャーターは可能とのこと)。
硫黄島は、黄金に輝く海があるアイランダーや秘湯ファン憧れの島ですが、船舶便は週3往復のみ。航空便の就航で、より手軽に行けるようになりました。
(空の駅情報館では未訪問の飛行場です。)

9.阿見飛行場(茨城県) 廃止の波は今年も続く
非公共用飛行場でも寂しい話題がありました。空港ではなかった、飛行場の廃止です。
東京航空が運営してきた阿見飛行場では、4月にチャーター便の運航を終了。その後、大規模太陽光発電施設に転換する計画が進み、来年秋にも施設を新設すると発表されています。
ただ、廃止の動きは複雑。春には廃止の予定でしたが、駐機する飛行機の移転先がなかなか決まらずに夏まで先伸ばしに。夏に廃止されたと思いきや、11月に土浦市のイベントに参加した飛行機が離着陸するなど、完全廃止なのかよく分からない、中途半端な状態が続いています。
(まだ航空局のページでは紹介されていますね)

10.庄内山形能登鳥取福江宮崎 6空港が愛称空港の仲間入り
今年は、空港愛称の付与ラッシュで、なんと合計6空港に愛称が付きました。北から並べると以下のようになります。

・庄内空港 おいしい庄内空港
・山形空港 おいしい山形空港
・能登空港 のと里山空港
・鳥取空港 鳥取砂丘コナン空港
・福江空港 五島つばき空港
・宮崎空港 宮崎ブーゲンビリア空港

まずは1月に能登が愛称を決定しました。能登地方で売り出し中の里山里海をベースにした名称となりました。
続いて、3月に福江が正式名を入れない強気の命名を敢行。五島福江の愛称を変更し、これまでありそうでなかった植物名の愛称を冠した空港が日本で初めて誕生しました。
5月には、庄内と山形が、二空港同時に愛称を命名しました。形容詞を使った愛称で当然ながら日本初。オイシイトコ取りを狙った模様で、山形県管理の二空港で同時にPR活動を行うなど相乗効果を狙った愛称になりました。
続いて宮崎が10月、植物名の愛称として、カタカナのブーゲンビリアを採用しました。二空港目となった植物名愛称は空港内の植栽が命名の決め手になりました。
最後を飾ったのは鳥取で、11月に、同一県内の美保(米子鬼太郎)に続いてアニメの作品名を活用した愛称を発表。さらに県の名所の名前も入れ込む荒業で、びっくり命名が続いた2014年を締めくくりました。

このほかにも話題となった空港トピックスはたくさんありました。
が、独断と偏見で、10個に絞って今年の空港の話題を振り返ってみました。

2014年はエボラ出血熱への対応や衝撃的な墜落ミステリーなど航空業界が関わる暗い話題が強く印象を残した一年でした。
2015年はどんな話題が飛び出すのか。明るい年になることを願いつつ、2014年を締めくくりたいと思います。

今年も「情報交通ホットライン 空の駅情報館」をご覧いただきありがとうございました。

posted by johokotu at 03:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆その他の話題 | 更新情報をチェックする
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