静岡空港(富士山静岡空港)を発着する国際線が先月末から今月4日までにさらに5路線が増加し、国際線の定期便は13路線となりました。利用者数も伸びており、年間80万人を超えそうな勢いです。
静岡発着の国際線路線は、今年に入ってから中国路線が大幅に増加しています。1月に天津線(天津航空(GCR))が定期便化されたのを皮切りに、3月に寧波線(中国東方航空(CES))、5月に武漢線(中国南方航空(CSN))、南寧線(CSN)、西安線(GCR)が就航。先月末からは、6月28日に鄭州線(CSN)、7月1日に温州線(CES)、2日に長沙線(CSN)、杭州線(北京首都航空)、4日に南京線(CES)と一気に5路線が増加しました。
地方空港でここまで国際線が一気に増加するのは極めて異例です。
利用者数は、今年に入ってから2月、4月と国際線が国内線を上回っており、5月以降も国際線は増便を繰り返していることから、引き続き国際線利用者が国内線利用者を上回るとみられます。4月は国際線・国内線を合わせた利用者数が昨年比56.8%増で、単純計算すると年間80万人を超えそうな勢いです(昨年の年度利用者数は約54万人)。
静岡は、国内線のドル箱路線にしやすい東京、大阪の両方への路線が成り立たず、開港時には酷評され、実際に国内線は利用がなかなか伸びていません。国内航空会社からは敬遠され、日本航空は開港早々に撤退、ANAも新千歳線と那覇線を細々と続けているのみ。新興社は拠点のフジドリームエアラインズ(FDA)以外は未就航で、FDAもなかなか定着できていません。
しかし、国際線であれば、東京-富士山-京都-大阪のいわゆるゴールデンルート上の立地と、東京まで約170キロという近さは魅力的。成田・羽田が混雑してなかなか就航できない中で、静岡はちょうどよい就航先となっている模様です。
地方空港では、羽田線頼みで、その利用を維持するにはどうするかという点に重点を置く空港がほとんどですが、静岡の場合は、国際線を重視する必要がありそう。国際線は急な減便リスクはあるものの、これまでにない発想で利用維持を考えていく必要がありそうです。
静岡県が推進している東海道新幹線の新駅はそのひとつと言えます。東海旅客鉄道は乗り気でないようですが、訪日客は新幹線に乗ることを目的のひとつにしていることも多いので、すぐに新幹線に乗れるようになれば、国際線からの乗り継ぎが定着する可能性が高く、何とか実現してほしいものです(海外では、ドイツのように空港で航空から高速鉄道への乗り継ぎが定着している国がありますね)。
ラベル:静岡空港