2015年09月05日

成田_国内線拡大鈍化

■成田国際空港(成田空港) 国内線拡大が鈍化、新設路線一年なし

成田国際空港(成田空港)の国内線の拡大が鈍化してきています。昨年10月に1路線が新設されて以降、新規路線の就航はなく、今冬ダイヤでも路線新設は発表されませんでした。

平成24年の国内線格安航空会社(LCC)の就航以来、成田は、新規4社が拠点化し、東京国際(羽田)と並ぶ関東の第二の国内線空港として注目されています。しかし、ここ一年は路線の伸びが急速に鈍化しています。

平成24年以降、成田では、24年に新潟線、鹿児島線、25年に大分線、松山線、高松線、美保(米子)線、新石垣線、26年に奄美線、佐賀線、熊本線と毎年新設路線が就航してきました(米子線と新石垣線は運休済)。
しかし、昨年10月にジェットスター・ジャパン(JJP)が熊本線を就航したのを最後に、今夏ダイヤでの路線新設はなく、今冬ダイヤでも新規路線の就航は発表されませんでした(3月にPeach Aviationが2路線を就航していますが、他社も運航している既存路線)。しかも、スカイマーク(SKY)の撤退で、昨年から3路線が減少しています。
今冬ダイヤでは路線減予定はないものの、バニラエアとJJPは減便傾向、春秋航空日本(SJO)も高松線運休を決めるなど、一時期の盛り上がりが欠けてきています。

羽田が50近い路線があるのに対し、成田はたったの17路線です。LCCの東京拠点と考えれば、まだまだ就航できそうな路線はありますが、大阪国際(伊丹、26路線)はおろか関西国際(関空)と同数どまりとなっています。15年ほど前から参入が始まったいわゆる新興航空会社が就航する羽田路線数(16路線)ともほとんど変わりません。便数も新千歳線や那覇線などの幹線に偏っており、結局、幹線以外の就航意欲は弱いことが判明した形。新しい目的地への旅という点では、LCCはあまり寄与していないようです。

さらに、気になるのが、障壁の高い国内線を運航できる航空会社として設立されたにもかかわらず、国内線の拡大を鈍化させるなか、国際線幹線へ就航する動きが目立つこと。LCCは、成田(LCCの言う東京)からの国内線の需要を喚起する強い材料にはなっていないようです。

羽田が発着枠でガチガチのなか、成田からのLCC就航は、地方空港活性化の切り札になるのではないかと見られていただけに、羽田ほどの発展はなく効果が限定的だったのは非常に残念な事態。この状態がいつまで続くのか、注目です。

(参考)羽田にあって成田発着のない路線 数値は羽田からの就航社数
稚内 1、旭川2、紋別1、女満別 2、中標津1、釧路3、帯広2、函館3、青森1、三沢 1、大館能代1、秋田2、庄内1、山形1、大島1*、八丈島 1、富山1、能登1、南紀白浜1、神戸2、鳥取1、美保1、出雲1、石見1、岡山2、岩国1、山口宇部3、徳島2、高知2、北九州2、長崎3、宮崎3、宮古1、新石垣2
*大島は10月25日から運休予定

こうしてみると、需要の太い路線として長崎、宮崎、北九州、函館、岡山、高知などはハードルが低そう。羽田では3便ルールがあるせいで既存就航社以外は就航に踏み出せない宮古や新石垣なども有力候補になり得るかもしれません。
ラベル:成田
posted by johokotu at 19:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 成田国際空港(成田空港) | 更新情報をチェックする
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