国土交通省(国交省)は21日、仙台空港の運営委託に係る優先交渉権者の選定に関して、審査に係る客観的評価結果、優先交渉権者の提案概要、審査委員会の審査講評を発表しました。
優先交渉権者に選定された東急前田豊通グループの提案概要によりますと、国内線の格安航空会社(LCC)は新規路線拡充を進める一方で、フルサービスキャリア(FSC)は増便を目指すのではなく路線維持を目指すとしています。仙台空港発着の国内線は現在FSCは4社なのに対しLCCは1社のみで旅客数は全体の16%ですが、提案では30年後には旅客数でLCCの比率を51%にするとしています。
施設面では、LCC等向けに固定搭乗橋を設置しないピア棟を新設し搭乗ゲートを増設するほか、旅客ターミナルビルの改修を計画。安全・保安面では、代表企業の交通インフラ事業と連携したスイスチーズモデルの考え方を利用。空港基本施設、旅客・貨物ターミナルビルを包括的・一体的に管理する「仙台オペレーションセンター」を創設するとしています。
特に評価が高かったのは、「目標とする空港利用者の利便性向上の水準及び空港用地内における空港活性化提案、空港用地外の事業者との連携提案」で2位以下を6ポイント以上上回る満点(15.0ポイント)、「旅客数・貨物量の目標値及び着陸料等の料金提案、エアライン誘致提案、その他提案」も他グループ提案より5ポイント以上の差をつけています。
「マルチモーダルハブ」として、鉄道やバスなどの他交通機関との円滑接続も提案しており、鉄道会社ならではの提案が評価されたものとみられます。
■仙台空港特定運営事業等の優先交渉権者の選定に係る客観的評価結果等の公表等について
http://www.mlit.go.jp/report/press/kouku05_hh_000070.html
ラベル:仙台空港