■宮古空港 SKY撤退半年、那覇線は利用者減少したのに混雑は増加の悪循環
ANAと日本トランスオーシャン航空(JTA)グループは28日までに、今年度上期(4月〜9月)の利用者数を発表しました。宮古-那覇線は、利用者が減少した一方、混雑は激増するという悪循環になっています。
今年度上期の宮古-那覇線はスカイマーク(SKY)が撤退。一方で、伊良部島大橋の開通で観光客などの注目度が増しており、利用増加の期待も高いことから、利用者数がどう変化するか注目されていました。
利用者数の結果は昨年より37,363人、約6.5%も減少。観光推進による入島者増加の流れを、SKY撤退が吹き飛ばした形になってしまいました。
その一方で、便数はSKY分が3往復減少したことから、搭乗率が10ポイント以上も急増し、八割強で推移。利用が減ったのに混雑が激しくなるという悪循環にはまっています。
混雑の増加は沖縄県議会定例会で話題にのぼるなど地元でも問題視されています。ANAが夏以降、JTAも夏期期間は増便を実施したものの、混雑緩和にはあまり効果を発揮していないようです。
今年度上期のうち初期期間は、SKYの撤退発表前に各社の運賃が設定されたため、ANA、JTAともに対抗値下げを実施していましたが、夏以降は数日前購入の割引運賃でも、全便でSKYが設定していた片道運賃の数値(9,900円)を超える水準に戻ってしまっています。
昨年度上期のSKY利用者は94,159人でしたので、SKY分が全減したわけではありませんが、高くなった運賃と混雑を敬遠され、利用者数が減ったものとみられます。
今後、さらなる増便や値下げが実現するのか注目されます。
※なお、新石垣が似たような運航状況になりましたが、ソラシド エア(スカイネットアジア航空)、Peach Aviationが路線ごとの数値を発表しておらず比較ができないため、新石垣については取り上げません。
■宮古-那覇線 上期(4月〜9月)利用状況
左から利用者数、搭乗率 ( )内は前年比。
2015年度:JTA7-8/ANA5-6/SKY0 534,933人(▲ 6.5%)、84.9%(+12.0P)
2014年度:JTA7 /ANA5 /SKY2-3 572,296人、72.9%*
(*2014年上期の搭乗率は推計値)
■ANAグループ実績 2015年9月(ANA公式サイト)
https://www.ana.co.jp/pr/15_1012/pdf/151028.pdf
■JALグループマンスリーレポート 2015年9月(JAL公式サイト)
http://press.jal.co.jp/ja/release/201510/003539.html
2015年10月31日
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