静岡空港(富士山静岡空港)発着の国際線で、路線定着が進まず、不安定就航が続いています。今月も一気に3路線が運休し、国際線の路線数は一桁代(7路線)に逆戻りしてしまいました。
静岡では中国からの旺盛な観光需要を背景に、昨年から中国便が急激に増便しました。昨年1月から新たに就航した路線はなんと17路線にもなっています。
地方空港の有効活用がついになされるのか期待されていましたが、昨年度の冬ダイヤ以降は運休が目立つ事態になっています。
昨年以降の新設17路線のうち、先月までに10路線が運休。今月に入ってからも、1日から中国東方航空(CES)杭州線、7日から北京首都航空(DER)済南線、16日からDER瀋陽線と、新たに3路線が運休しています。国際線の路線数は7路線となり、ついに一桁代に逆戻りしてしまいました。
静岡ほどの急激な新規路線就航は、いままで地方空港では前例がありませんでした。このため、国際線誘致が地方空港のひとつの活性化策となりうるとして注目され、期待がかなり高かっただけに、残念な事態になっています。
わずか一年ほどでの失速となっていますが、短期就航がとにかく多い印象です。
昨年以降の新設17路線のうち、一年以上飛び続けたのは、継続運航中の4路線(CES寧波線・CES温州線・CES南京線・DER杭州線)と天津航空天津線のたった5路線だけ。残りの12路線は一年持たずに運休しています。就航期間が1か月ほどしかなかったチャーター便のような路線もあるほどです。
静岡空港では、新規就航から一年間は着陸料を免除しています。12路線は、言ってみれば、お試しタダ食いをされたと言えます。
収入がなくても、利用者は増えるので、警備費用や水光熱費といった空港運営の費用は増えてしまいます。路線定着が進まなければ、空港側のメリットはまるでありません(静岡県からしてみれば、空港は赤字でも、利用者が県内で買い物や食事、宿泊するなどして経済効果が出ればチャラという感じなのでしょうか、、、)。
ターミナル改修の話も出ていますが、これだけ就航が不安定だと、増便に対応させるべく増築しても、できた頃には運休となる危険性も否定できないでしょう。
空港運営の難しさがよく分かる事例で、路線をどう定着させていくか、これまでにない工夫が求められそうです。
昨年1月以降の静岡空港(富士山静岡空港)発着の国際線新規路線 ※経由便含まず
(運航継続中の路線)
CES寧波 2015/03/31-
CES温州 2015/07/01-
DER杭州 2015/07/02-
CES南京 2015/07/04-
(既に運休となった路線)
GCR天津 2015/01/28-2016/05/14
CSN南寧 2015/05/15-2015/10/23
CSN武漢 2015/05/15-2015/10/24、2016/01/25-2016/03/25
GCR西安 2015/05/16-2015/12/26?
CSN鄭州 2015/06/28-2015/08/23
CSN長沙 2015/07/02-2015/10/22
DER石家荘 2015/09/02-2015/10/24
DER塩城 2015/09/03-2016/03/24
CES合肥 2015/09/23-2015/10/**?
CES杭州 2016/01/10-2016/08/31
DER済南 2016/03/30-2016/09/04
DER瀋陽 2016/05/16-2016/09/12
GCR大連 2016/07/01-2016/08/15
ラベル:静岡空港