2017年03月03日

空港に泊まってみよう(2日目)

※2017年4月にアップした2017年3月の旅行記です。

■2017.03.03 成田国際→広島→尾道→岡南→関西国際

■だいぶ知られてきたSJO
今回の成田国際(成田)野宿は、うるさい輩もおらず、比較的ぐっすりすることができた。
3時半に照明が明るくなったので、ゆっくりと起き出し、4時過ぎに第3へと移動した。

第3に着くと、ジェットスター・ジャパン(JJP)の搭乗手続きが始まっていた。しかし、チェックインカウンター区画はJJPの場所以外閑散としていた。自分が乗る春秋航空日本(SJO)はチェッククイン開始が5時30分まで待ちぼうけだったし、バニラエア(VNL)に至っては、SJOが一時間半も遅れて始まってからもオープンする兆しすら見られなかったほどだ。
ダイヤをよく見てみたら、成田が動き出す6時台の飛行機はJJPの2便(新千歳行と福岡行)しかなく、7時台後半から便が増え始めるようだ。東京国際(羽田)なら6時台からかなりの便の国内線が飛んでいるのに、LCC天国のはずの成田はやる気が無さすぎだった

※成田の朝のダイヤのやる気のなさは、鉄道のダイヤを見ると理由が分かる。
成田への鉄道便は、始発時間帯、京成線は第2ビル駅に5時9分着(成田始発)、5時38分着(宗吾参道始発)、6時3分着(宗吾参道始発)、東成田駅に5時57分着(京成津田沼始発)便がある。上野からだと上野5時18分発が6時12分に着くのが最初。一方のJR線は、東京駅5時4分発の便が6時29分に着くがやっとだ。
空港第2ビル駅から第3までは大体15分位かかる。LCCの場合、チェックイン締切はだいたい30分前までだから、東京都内始発の鉄道便を考えると、6時台発の便への搭乗はそもそも無理だし、7時台前半発の便への搭乗もかなりリスクが高い。7時台後半以降の出発であれば少し余裕が出てくるし、8時台以降なら、関東のかなり広い範囲から鉄道でアクセスできることになる。7時台後半から便が増えるのは、そうした事が関係してそうだ。
関東の多くの利用者からしてみると、(羽田なら当たり前に利用できる)6時台と7時台前半の便は、成田は鉄道でのアクセスが難しいから、6時台でも7時台前半でも前泊が必要になるのだ。
6時台でも7時台前半でも条件が変わらないなら、7時台前半発を設定するより6時台発にして飛行機の稼働率を上げた方が良い。そう考えると、SJOは稼働率重視なのか集客重視なのかよく分からない中途半端な時間設定、バニラエアは集客重視、JJPは稼働率重視の6時台と集客重視の7時台後半以降を上手く使い分けていると言えそうだ。



保安検査前エリアは見終わってやることもないので、5時半にSJOの窓口が始まると同時に手続きを済ませ、成田での最大の目的である搭乗待合室見学のため、さっさと保安検査場から中へと入った。
今回はバス輸送だったため、保安検査場を抜けたすぐ目の前に待合室があったものの、とりあえずバスラウンジはパスし、第3ターミナル名物の連絡ブリッジを通ってサテライトの先端まで行ってJJPの搭乗風景を見学してから戻った。

SJO便への搭乗は、2014年9月以来、実に二年半ぶりだ。
前回はあまり人気がなかった印象だったが、だいぶ認知度が上がってきたのか、今回は若い女性も多くなり、団体客も見られるようになっていた。人気のないLCCだし、早朝便なので利用者は少ないだろうと油断していたのだが、半分くらい席が埋まっていた状態だった。
行きは明るい時間帯で、どうせ空いていると思っていたため、窓側席を指定していた。ところが、機内に入ってみると意外と客数が多い。2015年2月にスカイマークで福岡に飛んだとき、空いていたのに通路側を別の人に塞がれたことがあったので、今回も塞がれるのではないかとビクビクしていたが、三席並びには誰も来ず、快適に過ごすことが出来た。
座席の指定状況を見てみると、後方窓側を指定した自分より後ろ側は団体客が三席並びにフル配置。座席指定していない個人客は前から順番に埋まっていたようで、前方と最後方に利用者がまとまっている状態だった。
自分の回りは空席が多かったので、後ろの団体のおじさんが一人、席を移って良いかスッチーに尋ねていて、「席の移動はできません」「罰金なのか」「そうです」とやり取りしていたのは印象的だった。罰金と言う表現は正しくないけど、指定料金を払って指定している人もいるので、正しい対応だったのだろう。

飛行はすこぶる順調。名古屋あたりからは雲上飛行となってしまったが、快適な旅を楽しめた。

201703b.jpg
搭乗は横堀地区エプロンの424番スポットだった。第1、第2とも増築して搭乗橋が増えたが、2年前と変わらないバス輸送。朝早くてほかのスポットはまだ使っていない時間帯なのに、北端の第3で集合で、第2を完全に通り過ぎ、もうほとんど第1ターミナル地域に来ての搭乗となるのは、毎回毎回なんとなく気分が悪い。

■不安になる最寄駅
広島には定刻より早く8時半頃に到着した。
例のごとく東京国際(羽田)からの便より遅い到着。成田空港で野宿前泊してまで苦労して飛んできたのに、最初に広島に降り立てないのは、毎度のことだが、なんだか残念だ。

広島は昨年秋にターミナル改修が完了している。
サイクリスト向け施設を充実させたほか、到着ロビーには、せとうちSEAPLANESの窓口も新たに開設されていた。国際線は、大事故を起こしたアシアナ航空が撤退し、代わりに子会社のエアソウルが就航したため、カウンタまわりも変化していた。
一回りしただけでも細かいところが色々変わっていた印象だった。

館内を見学する関係で飛行機到着直後のバスには乗れなかったが、やや早着したので、想定していたバスより一本早い約1時間後の白市駅行きに乗車できた。20分程早く出る尾道行に乗ることも出来たのだが、今回は青春18きっぷ利用なので、利用できるJR線区間は活用したい。一度西側へ向かう遠回りになるものの、最寄駅の白市経由で尾道へ向かうことになった。

白市行きのバスは、広島県がかなり力を入れて宣伝しているけれど、接続する航空便がないせいか、利用者は三人だけ。通常の路線バスなのに、駅までの約15分間一切停車なしで、維持できるのか少し不安になってしまった。

201703c.jpg
広島空港最寄駅の白市駅。駅前にはほとんど何もなく、小さな交通広場があるだけだった。電車を待つ間に、外国人が二人降り立ち、連絡バスを待っていたが、事情を知らなかったら、不安でしょうがないだろう。

白市では約15分待ちで尾道方面に乗車でき、松永駅には11時前に到着できた。
この駅は白市駅ほど田舎の駅ではないものの、オノミチフローティングポートや常石造船に関する案内は一切なく、こちらも本当に最寄駅なのか、少し不安になった

バス停に貼られていたダイヤ表を見ると、オノミチフローティングポート目の前の境ガ浜バス停を通るバス(内海農協行)は約40分後で結構待つようだ。よく見てみると、1キロほど手前の浦崎付近まで行くバス(満越行)が10分後に出る予定なので、そちらを利用することにした。
境ガ浜に向かう道は、バスが通るにも関わらず、かなりの狭路だった。現地の人は慣れているのか、すれ違う車はあまり減速することもなく、スイスイ離合していたものの、初めての車は少し驚きそう。オノミチフローティングポートは交通の便が悪いので、レンタカーなどでアクセスする人も多いと思われるが、注意して進みたい道路だった。

浦崎集落を抜け切ったところにあった灘バス停でバスを降り、歩いて約10分強でオノミチフローティングポートへ向かった。


オノミチフローティングポートは、いまの日本では唯一、水陸両用機の旅客便に乗れる場所だ。ちょうど遊覧飛行の二便目が飛び立とうと準備をしていて、少し走って桟橋近くへ。タイミングよく離水を見ることができた。水上機の離着水はカナダのバンクーバーで見たことがあるが、日本で見たのはここが初めてだった。
周囲を見てみると、一機が奥の方の桟橋上で駐機中。飛び立ったのとは別の一機がほどなく着水してきた。どうも訓練をしているようで、結構頻繁に運用されているようだった。ここに来れば、暇をもて余すことなく離着水を眺めていられそうだ。

実は今回、時間と値段があえば、水陸両用機を体験したいと考えていた。
しかし、一日3便ある遊覧飛行は、一便目は出発時刻に間に合わない。二便目も飛行機がちょっとでも遅れたら間に合わない(ちょうど出発が見られたのがこの便)。三便目は大阪にその日中に着けるか微妙、と運航時刻の関係で利用が出来なかった。
直前に広島空港に専用待合所ができ、広島空港からオノミチまでチャーター便を飛ばせるということだったので、そういう利用も出来ないか検討をしたものの、チャーター運航のために遊覧飛行(50分)の三分の一のたった15分搭乗にも関わらず、値段が遊覧より高いことが判明し、断念せざるを得なかった。定期便化して値段が下がることを期待したいところだ。

フローティングポートの区画は、利用者しか降りられない桟橋以外は開放されていて、オープンなホットドッグ店やベンチもあった。そこで座っていても、別にスタッフに禁止されるわけでもなかった。
しかし、建物は完全な「オーナー様」専用仕様。事情通のオーナー向けであるせいか、そもそも入口が分かりにくく、なんとなく閉鎖的。遊覧飛行の窓口も、かなりお洒落に造ったせいか入口から受付まで、受付嬢に見られながら長い直線を歩かねばならず、ただ見学に来ただけだととても入りにくい雰囲気だった。
元々がお金持ちのオーナー向けのハーバー施設だし、遊覧飛行はそれなりの値段がする(50分搭乗で今回の成田往復より高い!)。一般民衆にとっては遊覧飛行も奮発して乗りに行こう!といった感覚だから、そうなってしまったのかもしれないが、滝川みたいにもっと気軽に楽しめる施設だったらなあ、とちょっと残念に思ってしまった。

そんなこんなで、なんだか長居できなかったのに加え、一時間後のバスを逃すと次のバスまで三時間も間が空いてしまうため、そそくさと退散することになってしまった。

201703d.jpg
オノミチフローティングポートはハーバー施設の一部を使用している。元々、このハーバーは常石造船を核とする常石グループの港湾施設を活用したものだ。すぐ隣には巨大な造船所があり、発着する水陸両用機とは比較にならないほど巨大な船舶と大型クレーンが見られた。

■急きょ寄り道寄り道
松永駅には13時前には戻れた。想定より三時間早い到着だった。
ここからは大阪の関西国際空港(関空)へと向かうだけだ。松永からは、最遅で17時に出れば今日中に大阪に着けるので、空き時間が4時間ほどある。この空き時間を利用して、岡南飛行場にも立ち寄ることにした。

松永からは岡山まで約一時間。駅構内の立ち食い蕎麦屋で昼飯を済ませ、南口からバスに乗り込んだ。
今回、岡南飛行場に初めてバスでアクセスした。岡南飛行場までのバスは、直行バスではなく、普通の路線バスでチョコマカ停車するため30分ほどかかるものの、日中20分程度の間隔で運行されており、岡山空港より断然アクセスしやすい空港だった。

岡南は、前回見学時から10年近く経っているが、大きな変更はなし。前回見なかった公園部分などもよく見て、少しゆっくりしたあと、再びバスで岡山駅へと戻った。

201703e.jpg
岡南飛行場前の公園や周囲の緑地には早咲きの桜が多数植えられていて、かなりきれいな状態になっていた。


岡山でのトータルロス時間は約二時間ほど。
駅に着いたらちょうど姫路行きがあったので、乗り換え一回で大阪に着けた。このまままっすぐ関空に向かっても良かったのだが、終電までまだ時間があったので、明日行こうと思っていたなんばシティ・エア・ターミナル(なんばCAT)跡地大阪シティ・エア・ターミナル(OCAT)にも寄り道することにした。

今宮で大阪環状線から乗り換えてJR難波に着いたのは20時頃。駅の上にあるOCATを覗いてから地下街のなんばウォークを歩いてなんばCAT跡地へと向かった。
なんばCATは、かつて南海なんば駅にあったシティ・エア・ターミナル(CAT)だ。二階中央改札口付近にあったようだが、店舗などが入ってしまい、JTBが案内カウンタだったことが分かった程度で、正確な細かい施設位置はよく分からなかった。

調査終了後はJR難波に再び歩いて戻り、そこから関空へと向かった。
夕食がまだだったので、最近大阪へ進出したぎょうざの満洲長居駅前店に寄り道し、夕食を済ませてから関空へ向かった。

関空には23時前に到着した。
今晩は、エアロプラザと第1を調査。エアロプラザの待合スペースは、すでに野宿客で埋まっていたので、空いていた第1の4階でベンチを確保して、ひとまずの就寝とした。

※なぜここで唐突に「ぎょうざの満洲」を出したのかというと、この店は、自分にとって、子供の頃から利用していた馴染みのチェーンであるうえ、飛行場とちょっとした関係があるからだ。
ぎょうざの満洲は、埼玉発祥の中華料理チェーン。本店は、日本初の飛行場である所沢飛行場跡地のすぐ近くにあり、一部の店舗は飛行場跡地に存在している。こじつけだけれども、飛行場巡りをするならぜひ寄りたいお店とも言えるのだ。
埼玉西部中心の出店で都心には出店していないので、関東人でも知らない人が多い。自分自身も神奈川に引っ越しして、ここ数年はめっきり行かなくなってしまっていた。そんな中で、都心や神奈川を通り越して、いきなり王将の地元である大阪に出店したと聞いていた。関空に向かう途中の長居にあることが分かったので、大阪の人に受け入れられているのか興味半分で行ってみたのだ。
客の入りはイマイチだったが、定番メニューも、3割プラスの旨さも、床のヌメリ感も、手拭きの箱ティッシュも健在で、なんだか安心して食べることが出来た。


201703f.jpg
埼玉・多摩ローカルの3割うまいを大阪で見られるとは、、、。大阪圏内では5店舗ほどが出店しているそうだ。

■今日の教訓!
[成田]第3ができてもSJOはやっぱりバス輸送が多い←しかも横堀地区エプロンで遠い
[尾道]水陸両用機には広島から!←広島・オノミチ間もチャーターできます。お金があれば是非!
[尾道]入口は少しわかりにくい←ビクビクせずに覗いてみよう
[岡南]早咲きの桜が見どころ←かなりきれいです

■実際の旅程
03/03 FRI
[成田国際空港(成田空港)]07:05(SJO621便)→08:45[広島空港]
[広島空港]09:35(芸陽バス)→09:48 白市駅
 白市駅 10:05(JR山陽本線)→10:37 糸崎駅
 糸崎駅 10:40(JR山陽本線)→10:56 松永駅
 松永駅 11:07(鞆鉄道 沼南線)→11:22 灘
  灘  11:22( 徒 歩 )→11:30[オノミチフローティングポート]
[オノミチフローティングポート]12:21(鞆鉄道沼南線)→12:42 松永駅
 松永駅 12:55(JR山陽本線)→13:05 福山駅
 福山駅 13:11(JR山陽本線)→14:11 岡山駅
 岡山駅 14:40(岡山電気軌道 41系統)→15:18[岡南飛行場]
[岡南飛行場]15:45(岡山電気軌道 41系統)→16:26 岡山駅
 岡山駅 16:44(JR山陽本線)→18:09 姫路駅
 姫路駅 18:11(JR山陽本線)→19:13 大阪駅
 大阪駅 19:17(JR大阪環状線)→19:33 今宮駅
 今宮駅 19:40( JR奈良線 )→19:42 JR難波駅(OCAT、なんばCAT跡地)
 JR難波駅20:47( JR奈良線 )→20:53天王寺駅
 天王寺駅21:03( JR阪和線 )→21:13 長居駅
 長居駅 21:49( JR阪和線 )→22:02 堺市駅
 堺市駅 22:09(JR阪和線・関西空港線)→22:50[関西国際空港(関空)]
(関空内 泊)

posted by johokotu at 18:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆旅行記 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック