2017年05月28日

維新を感じに萩・石見へ(旅行後)

※2017年6月にアップした2017年5月の旅行記です。
旅行前1日目2日目/旅行後


■2017.05 東京国際・山口宇部・石見の旅行後

今回訪れた石見空港では、しまねっこ吉田くんという島根の二大キャラクターによる装飾が目を引きました。
全国の空港ではここ数年、キャラクターによるPRが相次いでいて、2014年には中部国際空港(セントレア)でゆるキャラグランプリが開催されたほどです。
今回の旅の終わりはそんな空港キャラクターをゆる〜く掘り下げてみます。

■石見には空港キャラクターも!
まずは今回見学した空港から見てみます。

石見空港内には島根県の公式キャラクターであるしまねっこの特別コーナー「しまねっこ空の別荘」があり、到着出口では吉田くんのパネルがお出迎え。売店では、両者のグッズやお菓子が棚の一部を占拠していました。
しまねっこは島根県の公式キャラクター、吉田くんは元々アニメキャラクターで、背景は異なりますが、いずれも島根のPRキャラとして活用されていました。
実は石見空港にはこの他に空runちゃんという空港独自の萩・石見空港マラソンキャラクターも存在しています。こちらはマラソン大会のPRなどで活用されていますが、しまねっこや吉田くんに比べると露出度は少なめ。2011年に制定されたばかりの新しいキャラクターとなっています。
石見は、空港独自に加え、行政、さらにアニメと、三種類のキャラが活躍する珍しい空港と言えそうです。

一方、山口宇部空港は、空港の独自キャラクターがありませんでした。しかし、館内には、ときわ動物園の動物をベースにした置物が多数あり、山口県のキャラクターであるちょるる推し。空港内の売店では、ちょるるグッズが多数販売されています。
石見に比べるとキャラクターによる宣伝活動は少ない印象です。


■次から次へと出てくる空港キャラクター
二空港を見ただけでも様々なキャラクターが活用されている実態が見えてきます。

実は日本全国、多くの空港でキャラクターが活用されています。
まずは、全国の空港のキャラクターを列挙してみます。

・空港独自のキャラクター(年月日は発表日)
道内空港:きたぴょん H24年
紋別空港:(アザラシのキャラクター) H11年?
中標津空港:シマフクジェット H25年10月
女満別空港:結月ゆかり H26年2月4日
札幌飛行場:オカちゃん/タマちゃん ???
函館空港:ハコダケくん H27年3月
青森空港:ひこりん H17年7月19日
大館能代空港:ノッキー H07年12月
秋田空港:(シンボルキャラクター)???
花巻空港:はなっぴー H21年4月9日
庄内空港:まめうさ H24年7月29日
仙台空港:ヘロン君 H22年3月
百里飛行場:スカイスリー H20年5月28日
成田国際空港:クウタン H17年7月
東京国際空港:Starry H23年10月21日
新潟空港:米るくん/米ちゃん ??年8月8日
能登空港:スカイのっぴー H15年7月7日、NTQ(のときゅー) H27年4月
小松飛行場:こまQ H14年
名古屋飛行場:なごぴょん H22年2月17日
中部国際空港:セントレアフレンズフーとなかまたち H15年10月
大阪国際空港:そらやん H26年1月23日
関西国際空港:カンクン H6年9月4日
但馬飛行場:たじまる H8年9月6日
南紀白浜空港:ナンキー ???
石見空港:空runちゃん H23年
岡山空港:岡山空港の桃太郎 H24年?、ラクチンジャー H25年?
広島空港:ソラミィ H25年10月20日
岩国飛行場:ソラッピー H24年10月21日
徳島空港:うずぴー H22年2月
高松空港:たかポー ???
松山空港:まっくう H23年12月11日
福岡空港:ふっくーくん ???
大分空港:マーシャルくん H18年?
佐賀空港:むっぴー H10年1月
熊本空港:あそらくん H21年5月14日
天草飛行場:天空流くん H12年3月23日
宮崎空港:クーゴくん H24年
鹿児島空港:しろくまサンタ H27年11月13日
新石垣空港:ぱいーぐる H23年10月31日

・地域のキャラクター(空港内にぬいぐるみなどがあるキャラ)
稚内空港:出汁之介
旭川空港:あさっぴー・かぐらっきー
紋別空港:紋太
函館空港:エキゾーくん
秋田空港:スギッチ
花巻空港:たいわんこきょうだい
百里飛行場:ハッスル黄門
静岡空港:ふじっぴー
出雲空港・石見空港:しまねっこ
山口宇部空港:ちょるる
北九州空港:空港ていたん
福江空港:つばきねこ、ごとりん
熊本空港:くまもん
喜界空港:よろこびと
宮古空港:宮古島まもる君

・その他のキャラクター(空港内にぬいぐるみなどがあるキャラ)
札幌飛行場:たまちゃん(丘珠駐屯地キャラクター)
福島空港:ウルトラマンシリーズ
鳥取空港:名探偵コナン
美保飛行場:ゲゲゲの鬼太郎
出雲空港・石見空港:吉田くん
北九州空港:かもんちゃん


んー、とにかく多いです。
全国空港キャラクター大集合、みたいなイベントをやったら、すごいことになりそうです。

実は、今回、予想以上に次から次へとキャラクターが出てきてしまい、調べるのがひと苦労でした。
発表があった日にち(登場した日にち)が分からなかったものもたくさん。名前が分からないものもありました。一つの空港で複数のキャラクターがある空港もあったり、ほとんど知られていないキャラクターがあったり、航空会社や税関などのキャラクターもあったりと様々、、、、。
まとめている人がいないですし、まとめサイトなどだと抜け抜けなので、調べようがないんですね。頑張って探したつもりですが、上記には抜けている空港がたくさんあるかもしれません。

201705e.jpg
今回利用した石見をはじめ、中国地方の各空港では、数年前から、キャラクターを使ったPRがされています。写真は2014年に美保飛行場(米子空港)に掲げられてい中国地方の空港のPRポスター。


■空港独自キャラクターが多数
注目すべき存在は、やはりその空港独自のキャラクターです。
いわゆるゆるキャラが多いですが、女満別のように萌えキャラを使っているところもあります。空港だけに空を飛ぶ系のキャラクターが多く、その土地の特産品なども合わせるのがトレンドのよう。例えば松山は、特産品のみかんに翼を付けたキャラクターとなっています。逆に、大分のように由来がいまいちこじつけな感じの空港も見られるのが、面白いところでしょうか。
空港キャラはPRに使うのが基本ですが、多くの空港では、キャラクターグッズを販売しています。これらの品は、ゆるキャラマニアや空港ファンには垂涎の空港限定商品となっているので、細かい収入源となっているようです。(ラベルを貼るだけでも限定になりますし、、、)。
また、商品販売だけでなく、女満別の結月ゆかりは、ボーカロイドという音声制作ジャンルのキャラクターで、館内アナウンスにも使用されているなど、様々な活用方法が見られます。

201705f.JPG
大分空港で展示されていた独自キャラクターのマーシャルくんをベースにしたグッズ。由来がいまいちこじつけな感じ?

空港独自キャラは最近かなり出てきた印象ですが、実は結構昔から存在しています。紋別大館能代但馬天草など、小空港を中心に平成10年代前半には既に誕生しているところもあります。
転機となったのが、中部国際の開港ぐらいでしょうか。開港時に、セントレアフレンズフーとなかまたちを誕生させ、大きな話題に。グッズショップを開店するなど成功し、他空港で空港キャラクターが乱立する引き金になった印象です。
その後に開港した岩国新石垣でも、開港に合わせて空港独自のキャラクターが誕生するなど、いまや空港キャラクターがPRに欠かせない存在となっていることが窺えます。

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おそらく日本の空港では知名度一、二位を争うと思われるフー。展示も巨大です。

■玄関口だから地域キャラも多数
山口宇部空港のように、空港独自のキャラクターがいなくても、キャラクターが活用されている例が多くあるというのが、空港のもうひとつの特徴です。空港は地域の玄関口であるため、特に県営空港などを中心に、地方公共団体の公式キャラクターが地域のキャラとしてフル活用されているようなのです。
都道府県だと、岩手県が面白い一例でしょうか。以前から、県の公式としてわんこきょうだいというキャラクターがいるのですが、2016年には空港がらみのたいわんこきょうだいを誕生させています。
市区町村がらみだと、喜界のような小さな空港でもパネルが置かれていたりしていて、行政の関わりが強いところほど、活用していることが多いように思えます。新石垣に至っては、空港独自のキャラクター(ぱいーぐる)が、翌年に石垣市の公式キャラクターに昇格を果たしています。この場合は、岩手県とは逆パターンですね。
熊本くまもんは、言わずと知れた存在になっていますが、空港でもご当地グッズとして(熊本空港以外でも)販売されているのをよく見かけます。
こうしてみると、空港という場が、注目を集めるにはもってこいの場所であることが分かります。

201705h.JPG
旭川空港の到着ロビーには、地域キャラあさっぴーのぬいぐるみとかぐらっきーのパネルが周辺地域をPRしています。

■所縁のアニメキャラが増殖中
空港独自キャラ、地方公共団体の公式キャラに引き続き、最近多くなってきたのがアニメのキャラクターです。
米子ゲゲゲの鬼太郎が採用されて注目されたからか、空港の愛称にも名前が入った鳥取(名探偵コナン)福島(ウルトラマンシリーズ)などで採用されています。
鬼太郎、コナン、ウルトラマンともに、作者の生まれ故郷が近くにあり、その土地所縁のキャラクターと言えそうです。
一覧には出していませんが、新千歳では、ドラえもんや初音ミクなどをテーマにした店舗を、一つの重要な拠点として展開しています。
アニメキャラも、空港のコンテンツとして確立された印象です。

201705i.JPG
米子空港は完全に鬼太郎に占拠されている状態。右を見ても左を見ても妖怪だらけです。

■知られていない空港キャラ
そんな大増殖中の空港キャラクターですが、知名度はいまいちのようです。
多くの空港が、ゆるキャラグランプリに参戦していますが、順位は三桁や四桁が定位置のところがほとんど。宮崎クーゴくんは、平成26年に得票数28票(全国最下位とたった2ポイント差の1,692位)という不名誉な記録も打ち立てているほどです(組織票がなかったということなんでしょうが、家でネットしている空港勤務者が投票するだけでも、こんなに少ないってことはないのでは、、、)。
多くの人が利用するという空港のメリットが活かし切れていない実態が見えてきます。

子供の頃に親しんだことは染み付くとよく言われていますから、多くの子供に空港に来てもらい、関心を深めてもらえば、将来飛行機にどんどん乗ってくれる土壌になります。
今回利用した石見空港のしまねっこや花巻空港のはなっぴーなどは、明らかに子供がターゲットのキャラクター。キャラクターに会いたい子供が何度も足を運んでいくうちに空港が身近になり、大人になったときに空港に来るのが当たり前となれば効果は抜群だったということになります。キャラクターの設定は、どこまで意味があるかは一見分かりませんが、空港の活性化に必要不可欠な存在なのかもしれません。

201705j.jpg
2008年に秋田空港を訪れた際に見られたシンボルキャラクター。しかし、詳細は不明で、当時は地元キャラのネイガーの方が大々的にグッズが販売されていました。館内では、今も引き続き秋田県の公式キャラのスギッチが大々的に活躍中です。

キャラクターのおかげで、一人でも多くの人が空港に関心をもって、少しでも空港の活性化に繋がれば良いなあと感じつつ、今回もゆる〜い考察を〆たいと思います。
ぜひお気に入りの空港キャラを見つけてみてください。

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posted by johokotu at 18:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆旅行記 | 更新情報をチェックする
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