※2017年10月にアップした旅行記です。
■2017.08 大館能代・青森・秋田・山形の旅行後
今回の旅では、秋田、大館能代、青森と山の頂上付近を崩して造成された空港を回りました。
そこで、旅の終わりは、山または台地の頂上付近を大規模に崩して造成された空港を取り上げてみます。
■二割以上の空港が山の上
まずは、山または台地の頂上付近を大規模に崩して造成されている空港を列挙してみます。
・礼文
・釧路
・青森
・大館能代
・秋田
・福島
・神津島
・能登
・静岡
・但馬
・南紀白浜
・石見
・岡山
・広島
・高松
・対馬
・上五島
・大分県央
・熊本
・種子島
・慶良間
・新石垣
旭川や福江、それこそ成田国際のようにちょっとした山に整備された空港も多いので、厳密には抜けている空港も多いかもしれませんが、ざっと上げると上のような感じです。だいたい全国の空港の2、3割ほどが山の上にできた空港となっています。
これらの空港の特徴は、新しい空港が多いこと。古くからある場所でも、秋田、岡山、広島、高松、熊本、新石垣は、平野部にあった旧空港からの移転してきた空港となっています。
今回訪問した山形のように、古くからある飛行場は平らな土地に造成されていますが、新しい空港はそういう土地がほとんどないのでしょう。
空港は騒音などの問題から、都市近くから徐々に離れていっていますが、結局、海の上か山の上にしか造成できない状況になっているようです。
建設技術が向上したことも大きく、今回訪問した秋田空港は、その技術の高さから、土木学会賞技術賞を受賞しているほどです。
■不便な空港が多い
これらの空港は、山の上に整備されているので、アクセスがとにかく不便です。
鉄道が整備されている空港は皆無で、公共交通だとバスが重要なアクセス交通になっています。
各県の拠点空港となっている秋田、岡山、広島、高松、熊本、鹿児島、新石垣は航空便に関係なくバスが設定されているものの、航空便に合わせたバスしかない空港もあります。普段そこを通る人がいない山の上に整備されているので、航空便に合わせるものしか必要ないわけです。
上記の空港だと、大館能代、神津島、但馬、石見、種子島がそれにあたり、福島や能登、南紀白浜も便数は少ない状況です。
例えば、今回利用した大館能代では、航空便もバス便も1日2往復だけ。バスを逃すと、タクシーに乗るかレンタカーを借りるかぐらいしか選択肢がありません。
空港名にもなっている大館や能代まで向かうとすると30キロほど(=品川-横浜間に相当)もあります。出張で会社からお金が出るならまだしも、観光客がさすがにタクシーに乗れないでしょう。となると、公共交通を利用する場合、なんとしてでも1日2往復のバスに乗らなくてはならないので、到着後に空港で一服、あるいは出発前に空港で時間つぶしというわけにいきません。
街の中にある東京国際(羽田)や大阪国際(伊丹)、福岡などのように、飛行機に乗らなくても空港に行くというのが気軽にはできない状態。空港をいかに活用するかが叫ばれている中、設置場所が悪く、容易にアクセスもできないのは大きなハンデと言えそうです。
大館能代空港からは大館へはバス路線が運行しているものの1日2往復しかありません。秋田犬がラッピングされたかわいいデザインでPRしていますが、空港滞在にはあまり使えないバスになっています。
■空港周辺も合わせて整備
騒音問題に加え、土地がない。このため、仕方なく山の上に整備された例も多いと思われますが、山を大々的に切り崩して整備したこともあり、同時に公園などを整備し、人が集まる地域に変えている所が多いのも特徴です。
今回訪問した空港のうち、青森は公園などはなく完全に空港機能だけといった感じですが、大館能代と秋田は人の集まる施設を整備済。
秋田空港は、空港整備に合わせて、空港区域をぐるりと取り囲むように秋田県立中央公園を整備。大館能代も空港周辺ふれあい緑地があります。いずれもスポーツ施設や遊具、展望台などを整備しており、空港に関係ない利用者も多く見られます(アクセスは自家用車がメイン)。
最初に挙げた空港のうち、大館能代、秋田、福島、南紀白浜、石見、岡山、広島、高松は周辺が公園になっています。公園には空港を眺められる展望台があるのがド定番。新石垣ではビオトープなども整備、静岡には公園はないものの、展望台やビオトープ、さらに空港から少し離れたところに茶畑まで整備しています。
空港機能だけを見ると使いづらい空港も多い印象ですが、周辺整備により、ただの山の中だったところが、人が集まる場所に変化しているようです。
大館能代空港に掲げられていた周辺緑地のマップ。空港を眺められる展望台はもちろん、スポーツ広場、さらに雪国らしくクロスカントリーのコースまで整備されています。
島国日本はどこも山がち。空港を造るのも活用するのも大変であることがなんとなく分かりました。
そんな山の中の空港でももっと活用できることを願いつつ、今回の旅を〆たいと思います。
2017年08月28日
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