※2017年10月にアップした旅行記です。
■2017.08.25 (自宅)→(秋田)→(大館)
■初めて仙山線で北へ北へ
今日は朝から秋田への移動だ。
まずは鈍行で秋田駅に向かうため、上野駅5時10分発から淡々と乗り継いでいく。
福島駅から先は、奥羽本線に出るために、米沢経由、仙山線経由、陸羽東線経由、北上線経由、田沢湖線経由といくつか候補があるのだが、秋田駅に最も早く着けるのは、接続が30分前後で上手く繋がる仙山線経由だ。新庄駅で一時間ほどの待ち時間があり、ちょっともったいないが、上野駅から宇都宮駅、黒磯駅、郡山駅、福島駅、仙台駅、羽前千歳駅、新庄駅と乗り継いで、秋田駅には18時過ぎに到達となる。
上野駅5時10分発に無事乗り換えられたら、宇都宮駅まではとにかく爆睡。宇都宮駅から仙台駅までは、18きっぷの時期でもあり、いつもの通り、ずっと同じ人がいる不思議な感じの行程となった。
二両編成の黒磯駅-郡山駅間と羽前千歳駅-新庄駅間は、立ちの人も多かったものの、ほとんどの列車は、乗り換え時によほどチンタラしない限りは座席確保には問題ない程度の混雑状況だった。
電車は全く遅れることなく、新庄駅までは順調に到達できた。
乗換駅である羽前千歳は、北海道の玄関口のような立派な名前が付いているものの、駅前には商店もほとんど見られないような小さな駅だ。無人駅で人も少ないので、跨線橋の木板は穴だらけ。橋の中では、黄黒の大きな蜂が何匹も遊んでいるほどだった。
そんな小さな駅ではあるものの、仙台方面から新庄方面に向かう人が多く乗り換えていて、ホームには30人程が残っていた。この駅は、ホームの屋根が一両分ほどしかなく、暑い日差しが照りつける今日は、カメラを抱えた明らかなオタク以外は全員が屋根のあるホームの端に集まってしまい、かなり混雑していた。
■河川氾濫にびっくり
新庄駅では、接続が悪く一時間弱時間があるため、乗り継ぎ旅中、初めてひと休みした。
駅員に秋田方面の運行情報を聞いたら、平常に「戻った」とのことだったので、この時点で秋田行きを最終決定した。
実は今回、秋田県内陸部で一昨日から大雨が降り続き、雄物川が上流3か所で氾濫したとの情報を得ていた。7月に続く氾濫で、秋田行きを少し躊躇ったのだが、今日から数日間はカラ晴れ予報。さらに、早朝までのニュースで氾濫位置の詳しい情報はなく、たいした映像も流れなかったため、大丈夫だろうと考えていた。
ところが、電光掲示がある京浜東北線と宇都宮線の車内では、秋田新幹線全線と田沢湖線の運休情報が延々流れてしまっていた。そこで、郡山駅、福島駅と乗り換え時に情報を探したものの、これらの駅には遅延情報板は出ておらず、秋田までたどり着けるのか不安なまま、延々七時間ほどかけて、新庄駅まで来ていたのだ。
判断を迷わせたのは、一度も奥羽本線が運休とは出ていなかったことと、理由が「大雨のため」と出ていたことだった。利用する奥羽本線が動いているなら問題ないはず。また、理由が線路冠水などではないから、雄物川の氾濫域はちょうど線路から離れており、それなら、雨が止んだ今は何の問題もないはずだからだ。
ただ、宇都宮以降情報が途絶え、本当に大丈夫か分からなかったので、引き続き運休なら、新庄で引き返し秋田行きを諦めようとも思っていた。そんななかで平常運行に戻ったと聞けたので、ひと安心だった。
新庄は、ちょうど新庄まつりの日で、駅前ロータリーを完全に囲って通れなくしていた。三日間に渡る祭りだが、降り立った時刻は山車が出ている時刻ではなく、祭り自体は、駅から少し離れた通りに出店が出ていただけ。時間があれば、少し離れた山車の展示場所に寄りたかったものの、昼飯を優先し、街の中にはほとんど寄らずじまいとなってしまった。
新庄駅からは秋田駅まで二時間以上同じ電車。一度座れば立ち上がる必要がないので、これは快適だった。
秋田県に入ってからは、雄物川の氾濫状況がとても気になっていた。
湯沢あたりは、雄物川の上流域だが、川が氾濫している様子もない。電車も遅れることなく進んだ。
もう氾濫は収まったのだろうか。より詳しく確認しようと、スマホでネットサーフィンしてみたら、どうも氾濫したのは、湯沢辺りではなく、大仙辺りのようで、まだ氾濫が続いているっぽいかった。しかし、鉄道に影響があるのかないのかがよく分からない。なぜなら、ネットサーフィンを続けたものの、なかなか氾濫した詳細場所を記した記事がないのだ。氾濫場所が分からないので、不安を完全には取り去れなかった。
色々なサイトを調べて、大曲駅に着く少し前に、細かい地名が入ったニュースをやっと発見。それによると大曲福見町と神宮寺、明日の花火大会会場辺りが該当するらしかった。
地図で調べてみると、大曲福見町と神宮寺はこれから向かう線路沿い。福見町は雄物川沿いではなく、溢れたとしたら支流の川のようだった。
ただ、大曲駅の直前の地域である福見町は、見たところ水が溢れているようには見えなかった。川の水も多く見えたものの、堤防を越えるような高さでは全くない。既に水が引いていたようで、これなら、もう大丈夫だろうと安心して大曲に到着した。
大曲では、田沢湖線が遅れているとのことで、時間調整が入ったものの、10分ほどの遅れだけで出発。大曲駅より北側の田んぼ地域も、少し水が多いように見える程度で、神宮寺駅周辺も何もなく、刈和野駅までは何ともなかったので、大仙も河川敷程度の氾濫で、時間が経ったいまは問題なくなったのかとひと安心していた。
ところが、雄物川が最も近づく、刈和野駅-峰吉川駅間で、衝撃が待っていた。
この区間に差し掛かった際に、線路沿いに一面の水面が見えてきたのだ。
地図を見る限りでは、この辺りは、川筋と線路の間には200メートル位はあるはず。それなのに、なぜか水面は線路スレスレだった。千と千尋の神隠しに出てくる電車の感じ。
よくよく見てみたら、川岸のものと思われる木の頭が隠れそうな位まで水位が上がっている状態だった。
普段の様子を知っている人だろうか、そんな川の様子を見て、短い悲鳴を上げる人もいたほどだった。
これほどまでの氾濫だったとは、想像もしていなかった。もう数メートル水位が高かったら、線路が冠水する状況。午前中はこのために運休をしていたのかもしれなかった。
※帰りに同じ区間を通った際に見てみたら、川の位置がどこにあるかパッと見では分からないくらい、結構離れた位置にあった。
こんなに氾濫した水に巻き込まれたらひとたまりもないだろう。早め早めに高いところに避難したい、そんな感じだった。
しかし、今回、テレビでも、ネットでも、ニュースでは、氾濫した地域の名前がなかなか出てこなかった。大仙と市の名前が出るのでも良い方。ほとんどのニュースは「雄物川上流3か所で氾濫」と言うだけで、詳しい位置はなかなか分からなかった。
そもそも大仙は上流か?川の長さから言ったら中流域のような気がするんだけど、、、。
峰吉川辺りは7月にも冠水したらしいので、危機感は持っていたのかもしれないが、テレビやネットニュースだけでは、もし、自分がその場に居たとしたら、自分の地区が氾濫範囲になりそうかどうかの判断は出来なかったかもしれないと感じてしまった。
ちなみに大曲という地名の通り、雄物川は、それまでとうとうと横手盆地を流れてきて、大仙市で大曲がりして狭い渓谷へと流れ込む。当然、その手前は氾濫しやすい地域らしいので、要注意だ。
雨が降るのが半日ずれていたら、運休にぶち当たっていたかもしれない。君子は危うきに近寄らないのだから、少し判断を誤ってしまった感じになってしまった。
そんなこんなで、少し冷や汗をかきながらも、なんとか大仙を通りすぎ、秋田駅には10分ほどの遅れで到達。最後は和田駅辺りで、秋田新幹線との並走というオマケが付いて、ちょっとした楽しみも味わうことができた。
それにしても、朝5時には東京を出て丸13時間。よくぞ飽きずに秋田に到達できた。13時間のうち、電車に乗っているのは10時間くらいだが、そのうち半分くらいはウツラウツラしてたから、何とか乗り越えられたのかもしれない。
■レンタカーの営業時間にびっくり
秋田では、約2キロ離れたレンタカー屋に向かった。
今回利用するレンタカー屋は9時〜21時の営業なので余裕はあるものの、できるだけ早く大館へ向かいたかったので、駅の中の観光案内所で近くの日帰り風呂をチョロっと聞いただけで、とにかく先を急いだ。
レンタカー屋までは、歩いて30分弱、18時45分頃に到着できた。
カウンターで手続きをしていると、まだ19時前なのに閉店作業が進んでしまい、手続きしていたら19時ジャストに照明も絞られてしまった。
!!!
実はこのお店、営業時間がおかしなことになっていたのだ。
手続きしてくれた店員によくよく聞いてみたら、ニコニコレンタカーの営業時間は9時〜21時で告知されているのだが、イエローハット自体は10時〜19時の営業だったのだ。
レンタカーの予約があるときだけ、準備や片付けをしながら営業するらしい。
なんとも不思議な出来事に当たってしまった。
※ニコニコレンタカーは予約の際、一時間刻みでしか指定できないので、今回は10時返却で選択していた。しかし、今回は9時半までには返却が完了しないと間に合わない。そこで最終日は、営業開始時刻の9時早々には返したい旨を話したところ、9時から30分間は開店準備中だから対応できるということだった(9時半-10時は朝礼があって逆に対応が無理らしい)。
そもそも10時-19時開店だったらこの店を選んでいないので、客としても店としても結果オーライだったのかもしれない。
秋田駅に着いたときはすでに日没直前。日の出前から東京を出て、丸一日かかったことになる。安さを取るか、速さを取るかといったところだろうが、LCCなら九州に往復一万円程度で行ける時代に、三万円も出して速さを取るわけにはいかなかった。今回、電車は往復五千円だから、新幹線や飛行機が往復一万円位だったら選択肢に上がっただろうが、さすがに三倍の値段となると選択できなかった。
■土砂崩れにびっくり
レンタカーを借りたあとは、近くのスーパーでペット飲料を購入し、西口側にある日帰り風呂華のゆに入った。
街中にありながら、露天風呂付きというゆっくりできるものだったが、休憩所にコンセントはなく、スマホの充電が徐々に減っていく状態。この後、調べ物をするのを躊躇することになってしまった。
風呂から出たのは20時半過ぎ頃。
明朝の大館訪問に備え、今日は大館に向かうことにしていたので、すぐに北へと向かった。
まずは国道7号線で道の駅しょうわへ。ここにコンセントがあればスマホの充電をしたかったが、トイレしか空いておらず、スタンプも押せずじまいだった。
道の駅しょうわからはすぐに出発し、井川で国道285号線(五城目街道)に入った。
遅い時刻だからか、285号線を走る車はほとんどなく暗い。なんだか車が少なすぎると思っていたら、暫くして五城目 バイパス通行止の表示が出た。
そういえば、7月の大雨の際に、五城目の国道で土砂崩れ通行止が発生したと聞いていた(これも詳しい区間を報道していたニュースは一つもなかった)。車が少ないところを見ると、通行止がまだ続いているのだろうか。
通行止だった場合、引き返して来た上、能代方面に迂回する必要がある。さっさと大館に向かいたいのに、それでは時間が余計にかかる。初めから、能代側へ回るか迷い所だった。
気になったのは、「バイパス」が通行止という表現だ。バイパスということは、旧道が並走しているはず。しかし、途中のコンビニでカーナビを見ても、地図上ではバイパスっぽい道がなかった。
道の駅五城目までの間が五城目の街の中で、色々な道でアクセスできるので、それのこととも思えるが、土砂崩れという位だから、少し山側のはず。
なんだかよく分からない。
道の駅五城目からなら、戻る距離も短いので、とりあえず道の駅に行って、(道の駅なら当然あるはずの)通行止情報を見てから考えることにした。
ところが、道の駅五城目では、通行止情報などは掲出されていなかった。
夜だからトイレ以外は開いておらず、こちらも当たり前のようにコンセントもない。
まだ、明日も明後日もあるのでスマホの充電が減るのが怖くて、詳しく調べられない。道の駅に情報がないせいで、道路状況がさっぱり分からないので、一か八か、先に進むことにした。
※最近の道の駅は、ただ昼間だけ開いている売店となってしまっている施設が多すぎて困ることが多い。ただの売店なら、夜も食料調達ができるコンビニの方が断然良い。そもそも、道の駅のユーザー(ドライバー)に最低必要な要素は、駐車スペースとトイレ、そして道路情報なのに、それがなかったら、道の駅と名付けてほしくない。地元のポスターを張り付ける暇があるなら、交通情報の紙一枚貼り付けてほしい所だ(ましてや、二ヶ月にもわたる通行止が近くにあるのに、、、)。夜に物を売れとまでは言わないけれど、最低限の設備がない所は道の駅の指定を取り消してほしい位だった。
仕方なく、何も情報が得られないまま、五城目を出発。285号線を北上した。
暫く走っていたら、路肩が崩れて土嚢が積まれている箇所がチラホラ。そろそろヤバイかなと思っていたら、富津内の手前で、通行止旧道迂回で左折するよう看板が出てきた。
バイパスは、この地区にある新道のトンネル部分わずか約1.6キロ分のことを指していたのだ。ちょうどトンネル出入口付近が土砂崩れにあったようで、ちょうど新道と旧道の並走区間だけが通行止になっていた。
迂回路は旧道だったが、旧道と言っても、ちょうどこの辺りは、民家が集まった場所。新道も最近できたばかりだったため、普通に快適路だった。
その後は、山の中で少しモヤは出たものの、順調で、あっという間に道の駅かみこあに(上小阿仁)に着けた。
ここもコンセントはなく、トイレ休憩後、すぐに北上を再開することになった。
かなり不安になってしまったが、結果オーライ。順調に歩を進めることができた。
山越えは順調に終了。秋田市内から三時間ほどで米内沢の里まで到達できた。この街中に入ったら、道路標識とカーナビが違う経路を示していた。カーナビに沿って左折をしたら、どうも街の中を通る旧道に誘導されたらしい。
失敗したと思ったものの、ちょうど秋田内陸線の米内沢駅前を通ったので、珍しいイベントでなにかと話題の路線だからと、ついでに駅舎を覗いてみることにした。
米内沢駅は、すでに終電後だったが、駅舎の電気が煌々と点いて明るい。
中でパンフを物色していたら、どうも鉄道からよく見える田んぼアートをやっているらしい。
比較的近くの阿仁前田と阿仁合の間で二種類のアートを見られるとのこと。明日は多少の時間があるので、明日の午前に急きょ寄ってみることにした。
米内沢から大館能代空港までは30分とかからない。信号もほとんどないので快適走行で、23時頃には空港に到着できた。
大館能代空港は道の駅併設になっているとは言っても、夜間は、空港駐車場を含めたターミナル区域は閉鎖されてしまう。道路側の小さな駐車場と公衆トイレ、そのまわりの公園の一部が利用できるだけだった。
今日はここで就寝としたかったのだが、よくよく翌日の動きを確認したら、今晩中に大館市内の道の駅ひないに行っておいた方が良さそう。
そこで、道の駅ひないまで移動してから就寝となった。
■今日の教訓!
・災害時は詳細場所を確認すべし←ニュースではなかなか出てこないので要注意
・レンタカーの営業時間は要注意←副業でレンタカーをしている場合、ネット表記と異なることも
・夜間の道の駅は使えない←物を買うならコンビニへ
■実際の旅程
08/25 FRI
自 宅04:00(自 転 車)→04:30川 崎
川 崎04:36(京浜東北線)→05:08上 野
上 野05:10(東北本線)→06:51宇 都 宮
宇 都 宮06:59(東北本線)→07:50黒 磯
黒 磯07:54(東北本線)→09:01郡 山
郡 山09:25(東北本線)→10:11福 島
福 島10:40(東北本線)→11:56仙 台
仙 台12:11(仙 山 線)→13:26羽前千歳
羽前千歳13:39(奥羽本線)→14:42新 庄
新 庄15:38(奥羽本線)→18:11秋 田
秋 田18:15(徒 歩)→18:45ニコニコレンタカー秋田広面店
ニコニコレンタカー秋田広面店19:00(レンタカー)→19:30華のゆ
華 の ゆ20:30(レンタカー)→21:00道の駅しょうわ
しょうわ21:00(レンタカー)→21:30道の駅五城目
五 城 目21:30(レンタカー)→22:00道の駅上小阿仁
上小阿仁22:00(レンタカー)→22:30米 内 沢
米 内 沢22:30(レンタカー)→23:00道の駅大館能代空港
大館能代空港23:30(レンタカー)→24:00道の駅ひない
(車中泊)
2017年08月25日
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