■東京国際空港(羽田空港) 無選抜延長した政策コンテスト枠路線、利用者数やや持ち直し 平成29年度利用者数
日本航空(JAL)とANAは8日までに、平成29年度の路線別利用者数を発表しました。ほぼ自動延長となった東京国際空港(羽田空港)の政策コンテスト枠選出3路線(山形-羽田線、羽田-鳥取線、羽田-石見線)は、利用者数がやや持ち直しています。
政策コンテスト枠の選出路線は一昨年3月で当初の設定期間が終了。なぜか再募集されることもなく、無選抜で増便の自動延長が決まり、5年目を終了しました。平成29年度は、延長二年目に当たり、引き続き利用が増えるのか注目されていました。
結果は、平成28年度は減少傾向でしたが、平成29年度はやや持ち直してきています。
山形線と鳥取線は、前年度からほぼ横ばい。二路線とも過去最高の利用者数を記録したものの、微増にとどまっています。増便前と比べると、山形線は6万人弱、鳥取線は5万人強増加しています。鳥取線は、平成28年度に冬期の大雪の影響があったせいか、平成29年度は提供座席数も増加したため、搭乗率は減少しています。
平成28年度に利用者数が減った石見線は、その反動もあってか、平成29年度は約2万人を積み上げ前年度比で2割近く利用者数を伸ばしました。増便前との比較では、利用者数は6万人強伸びており、三路線の中で最も伸ばしています。
一方、政策コンテスト枠選出で唯一落選した佐賀線は、ANAが自主的に増便をいまだに継続中。こちらも利用者数を伸ばしています。増便前と比べると、政策コンテスト選出三路線の約2倍に当たる13万人弱の伸びとなっています。
鳥取線と石見線は、5年経つのに、利用者数の伸びが増便分にまだ追いつかない状態です。
無選抜での増枠継続が正しかったのか、貴重な羽田発着枠の使い方が、相変わらず問われています。
■羽田政策コンテスト枠選出路線利用者数 左から利用者数、搭乗率、一往復当たりの利用者数 ( )内は前年比。
山形線
2013年度 1往復 28,527人(+11.2%) 52.1%(▲13.3P) 28,527人/往復
2014年度 2往復 74,687人(+161.8%) 68.0%(+15.9P) 37,344人/往復
2015年度 2往復 83,812人(+12.2%) 75.8%(+ 7.8P) 41,906人/往復
2016年度 2往復 84,478人(+ 0.8%) 77.7%(+ 1.9P) 42,239人/往復
2017年度 2往復 87,357人(+ 3.4%) 79.4%(+ 1.7P) 43,678人/往復NEW!
>>利用者数変化 増便前2013年→増便後2017年 +58,830人(+206.2%)
鳥取線
2013年度 4往復 315,153人(+ 9.6%) 64.2%(+ 4.6P) 78,788人/往復
2014年度 5往復 326,492人(+ 3.6%) 55.1%(▲ 9.1P) 65,298人/往復
2015年度 5往復 348,726人(+ 6.8%) 58.6%(+ 3.5P) 69,745人/往復
2016年度 5往復 353,541人(+ 1.4%) 66.9%(+ 8.3P) 70,708人/往復
2017年度 5往復 368,415人(+ 4.2%) 63.0%(▲ 3.9P) 73,683人/往復NEW!
>>利用者数変化 増便前2013年→増便後2017年 +53,292人(+ 16.9%)
石見線
2013年度 1往復 70,934人(+13.5%) 58.2%(+ 7.0P) 70,934人/往復
2014年度 2往復 105,199人(+48.3%) 49.8%(▲ 8.4P) 52,600人/往復
2015年度 2往復 115,784人(+10.1%) 52.2%(+ 2.4P) 57,892人/往復
2016年度 2往復 112,355人(▲ 3.0%) 46.8%(▲ 5.4P) 56,177人/往復
2017年度 2往復 133,960人(+19.2%) 56.8%(+10.0P) 66,980人/往復NEW!
>>利用者数変化 増便前2013年→増便後2016年 +63,026人(+ 88.8%)
(参考)佐賀線
2013年度 4往復 304,715人(+ 3.6%) 62.2%(+ 3.2P) 76,179人/往復
2014年度 5往復 371,370人(+21.9%) 63.3%(+ 1.1P) 74,274人/往復
2015年度 5往復 403,240人(+ 8.6%) 65.2%(+ 1.9P) 80,648人/往復
2016年度 5往復 403,105人(▲ 0.0%) 63.2%(▲ 2.0P) 80,621人/往復
2017年度 5往復 433,239人(+ 7.5%) 69.1%(+ 5.9P) 86,648人/往復NEW!
>>利用者数変化 増便前2013年→増便後2016年 +128,524人(+ 42.2%)
■JALグループ マンスリー レポート(JAL公式サイト、4/25発表)
http://press.jal.co.jp/ja/release/201804/004708.html
■ANAグループ実績 2018年3月(ANA公式サイト、5/8発表)
https://www.ana.co.jp/group/pr/pdf/20180508-2.pdf
2018年05月09日
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