■年末特集 2018年勝手に空港10大ニュース
2018年最終日も、「情報交通ホットライン 日本空港情報館」をご覧いただきありがとうございます。
2018年もあとわずか。
今年、空港利用者にとって大きな出来事があった空港を、johokotuの独断と偏見に基づき、10個のニュースでピックアップしました。
一年の最後にほんの少しだけ、今年の空港の動きを振り返ります。
1.新千歳空港/北海道
大阪国際空港(伊丹)/大阪府
関西国際空港(関空)/大阪府
広島空港/広島県
:6月・7月・9月 相次ぐ被災も早期復旧
今年は日本各地で災害が多く発生。空港も大規模に被災したのが目立った一年になりました。
6月に大阪国際空港(伊丹空港)近くを震源とする大阪府北部地震が発生。当日は発着便の多くが欠航しました。空港自体はすぐに復旧しましたが、大阪高速鉄道(大阪モノレール)が数日運転を休止するなど影響が出ました。
その翌月の7月、豪雨により広島空港や岩国飛行場周辺が被災。広島空港では、水道の供給が止まり、店舗の営業が休止されました。周辺道路の通行止や鉄道の運休も多数出て、長期間に渡りアクセスに影響が出ました。
9月には、台風の高波で関西国際空港が浸水。風に流されたタンカーが連絡橋に衝突して破損し、利用者が空港島内に取り残されるという事態も発生しました。幸いなことに二期島側と橋の片側は被害がほとんどなく、早期に暫定運用で再開されています。
さらに、同じ9月には、地震で新千歳空港が被災。天井板が落下するなど大きな被害がありました。航空系機能は早期に復旧しましたが、ホテルなどは再開まで2か月を要するなど、影響が長期化しました。
2.神戸空港(マリンエア)/兵庫県
鳥取空港(鳥取砂丘コナン空港)/鳥取県
高松空港/香川県
:4月・7月 運営の民間委託が地方で拡大
流行りの民間委託が、今年も、複数の空港でスタートしました。今年は地方に大きく拡大したのが特徴でした。
4月1日から神戸を関西エアポート神戸が、高松を高松空港が、7月1日から鳥取を鳥取空港ビルが、それぞれ運営を受託しています。
神戸と高松では、民間委託に合わせて、新しいバス路線を開設しアクセスが向上。鳥取ではターミナルのリニューアルが行われ、より利用しやすい空港に変化しました。
3.奄美空港/鹿児島県:6月 ターミナルをリニューアル、新たにSKYも就航
今年はたくさんの空港で、ターミナルのリニューアルや増築が完成しました。中でも奄美は、新規にスカイマーク(SKY)が就航するなど、大きな効果が出ました。
奄美では、昨年から引き続き、二段階でリニューアルを実施。搭乗橋の増設や搭乗待合室の拡張を行っていました。
奄美地域は世界遺産登録を目指しているところ。今後予想される利用者増加に空港は早くも対応した形になりました。
4.旭川空港/北海道:11月 新国際線区画を増設、まん中な呼称も決定
大規模改修で注目されたのは旭川です。11月に既存ターミナル横に国際線ターミナルを増築、新区画として使用開始しました。使用開始に合わせて、呼称「北海道のまん中・旭川空港」とキャッチコピー「就航率99%の安心。」も策定しています。
冬ノ寒サニモ大雪ニモマケズ、雪でも着く飛ぶ旭川。命名150年を迎えた冬の厳しい北海道でも、ど真ん中でドンと構える旭川。抜群の立地と安定感に施設増設が加わって、冬も含めて気軽に利用できるようになるのか引き続き注目を集めています。
5.仙台空港(仙台国際空港)/宮城県:10月 小型機考慮のピア棟を増築
改修内容が話題となったのは、民間委託後の動きが止まらない仙台。新しいピア棟を増設し、話題となりました。
新棟は、各搭乗口に搭乗橋は設けずに地上搭乗とし、エプロンルーフを備える、小型機やLCCの運航を考慮した珍しいものになっています。売店は設けずに既存範囲を活用するなど、シンプルに増築。安く早く快適になる増築となっています。
ちなみに、増築に合わせて出発口のフラップ板(いわゆるパタパタ)が見えなくなったことが、ネット上で話題になりました(到着は大震災直前にデジタルモニタに変更済み)。
6.静岡空港(富士山静岡空港)/静岡県:4月・10月・12月 新区画がオープン、順調に民間委託へ
今年三度にわたり、少しずつ施設の拡大を行ったのが静岡です。
2015年に中国便の就航が相次ぎ、大混雑となっていた静岡空港。4月に国内線施設を増設した新区画へ移動、10月には国際線区画をリニューアルし、12月に全体の改修がほぼ完了しています。
新規の空港会社を設立せずに、既存の空港会社を活用する珍しい形での民間委託も来年4月にスタート予定で、その移行準備の流れとして注目されました。このまま順調に移行できそうです。
7.出雲空港(出雲縁結び空港)/島根県:3月 FDAが地方間路線開設
航空路線で大きな話題となったのが、出雲です。
フジドリームエアラインズが地方間路線として3月に静岡線、4月に仙台線を相次いで開設。5月には大阪国際線(伊丹線)が全便ジェット化し、完全にJAL運航(ジェイエアによる運航)に変わりました。
ここ数年、近隣の美保(米子)と路線の誘致合戦をしてきましたが、安定しない美保を尻目に、5年前と比べて一気に倍近くまで路線が増加し、注目されました。
8.中部国際空港(セントレア)/愛知県:10月 夢の展示施設FLIGHT OF DREAMSを新設
周辺の関連施設では、中部国際空港(セントレア)が最も注目を浴びたでしょうか。
10月、ターミナルビルの南側に、FLIGHT OF DREAMSがオープンしました。ボーイング787型機を展示し、航空系博物館と見られがちですが、実際は複合商業施設。ボーイング社の故郷シアトル発祥やイメージした飲食店を集めたテーマパークとなっています。
ボーイング社がアメリカ以外で公式ショップを出すのも初めてで航空ファンは必見です。
9.大館能代空港(あきた北空港)/秋田県:7月 20周年に戌年、秋田犬が大人気!
記念の年としては、今年は大館能代が話題となりました。
7月に開港20周年の成人を迎えた今年は戌年。大館能代空港は、秋田犬が出迎える珍しい空港で、館内も犬だらけとして有名。空港オリジナルの犬のぬいぐるみが完売が続くなど、戌年フィーバーで注目の的となりました。
話題性だけでなく、空港付近のアクセス道路も延伸され、利便性も向上しました。
10.上五島空港/長崎県:4月 世界遺産のパークアンドライドで活用
アクセスでは上五島が珍しさで注目。上五島空港では、すぐそばにある頭ヶ島の集落が、新上五島町で唯一、新たな世界文化遺産の関連遺産となり、そのアクセス空港として注目されました。
上五島空港は、定期便がないため、飛行機だと自家用機位でしか行けない空港です。注目されたのは、飛行機でのアクセスではなく、パークアンドライドの拠点として活用したことでした。頭ヶ島の集落への入場を規制するため、空港を発着するシャトルバスでのアクセスを義務付け、その発着場として機能させ、話題となりました。
2018年は、多くの空港で増築工事が完成。空港の更新が本格化した一年でしたでしょうか。災害も多く、空港運営の難しさを認識した年でもありました。
2019年は、どんな年になるのでしょうか。今年よりももっと安全で快適な年になることを願いつつ、2018年を締めくくりたいと思います。
今年も「情報交通ホットライン 日本空港情報館」をご覧いただきありがとうございました。
それでは、みなさま、良いお年をお迎えください。
それでは、みなさま、良いお年をお迎えください。
2018年12月31日