2019年02月07日

富士を眺めに大島へ(2日目)

※2019年2月23日からアップした2019年2月上旬の旅行記です。
(2月23日富士山の日特別企画)今回は富士山が関わる旅行記です。


■2019.02.07 →(大島 割れ目火口)→大島→(竹芝)→(自宅)

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さあ伊豆大島へ

■岡田港の早朝バスは3台並び
伊豆大島までの夜行便は、竹芝から7時間かかる。復路の所要時間は4時間半なので、速度を落とすとともに大島沖に停泊するなどして2時間半の余裕を見ているようだ。
23時半〜5時半は客室内は消灯されているので、睡眠には快適だった。

船は6時ジャストに岡田港に到着。まだ薄暗い中、岸壁へと降りた。
あまり利用客がいないように見えていたが、大島では50人ほどが降りていた。

ここからは路線バスで三原山温泉ホテルへ向かう。
どこが乗り場かもわかっていなかったが、岸壁を付け根まで進み、ターミナルを過ぎた左側、2番乗り場に3台のバスが止まっていた。

大島バスの公式サイトによると、早朝に着く大型客船の便に接続して「元町港 経由 御神火温泉行」「波浮港 経由 大島町陸上競技場行」「大島公園 経由 温泉ホテル行」の3種類のバスが運行されていると言う。しかし、乗り場も路線図も時刻表も公開されていないので、どこを通るのかは不明で、不安だらけだった。
そもそも温泉ホテルが、三原山温泉ホテルのことを指しているのかも分からない状況だったが、3つのバスの一つの正面表示機には「公園経由三原山温泉」との表示があったので、三原山温泉ホテルで間違いないようだ。

選択肢はほかにないので、とりあえず「公園経由三原山温泉」と出ているバスに乗り込んだ。

※三種類のバスのうち、今回乗らなかったのは、元町方面と波浮方面の二方面だった。
・御神火温泉行:元町方面のバス。大島公園ラインの経路で元町港へ向かい、港から御神火温泉まで運行される。元町港→御神火温泉間が早朝バスのみが通る経路だ。側面の表示機には「大島空港→支庁前→元町港→御神火温泉」と表示されていたので、空港にも寄るようだった。バスは2ドア都市型バリフリ車のものが使用されており、今日の乗客は10人ほどだった。
・大島町陸上競技場行:島南部の波浮方面へ向かうバス路線。島の西側沿岸を通って南部に向かう。元町地区の農協前まではノンストップらしく、そこから先は波浮港ラインと同一経路を取るそうだ。バスは観光バスタイプを使用。今日の乗客は5人ほどだった。


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到着したのは岡田港。岸壁からはまず真っすぐ進む。

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(左)岸壁の付け根まで進むとバスのりばの1番が正面、2番が左奥にある。
(右)早朝は全て2番乗場発。この日は左から御神火温泉行、大島町陸上競技場行、温泉ホテル行。

■温泉に着いたら霧だらけ
三原山温泉ホテル行のバスは、船を降りた人の流れがなくなった6時8分に出発した。
運行ルートは、岡田港から東進し、岡田港〜大島公園間を大島公園ラインと同一経路を経由、その後大島公園〜三原山温泉間はレインボーラインと同一経路を通った。
岡田港から三原山温泉を結ぶ昼間の路線バスは、三原山ラインと呼ばれ、西側から山へと上っていく。早朝バスは、昼間とは全く異なる経路でのアクセスだった。三原山ラインを通ると大島公園を通らないし、実際に乗るまで、どういう経路で行くのかずっと疑問だったのだが、単純に時計まわりに回る特別設定ルートでの運行だった。
バスは中型の1ドア2-2列タイプで、小さな観光バスに乗っている感じだった。

港からバスに乗った乗客は全部で7人だった。
一人が地元民で、途中泉津で降りていた。港から正面の運賃表を見ていたら、岡田港を出た際に泉津、泉津を出た後は、道路上の停留所名が次々出てくるのを運転手がカチャカチャ素早く切り替えてすぐに三原山温泉表示にしていた。運賃表で出てくるということは、ルート上のバス停での途中下車はできるということのようだ。しかし、泉津の利用者は、運転手とは知り合いだったようで事前に降りる場所を伝えていたので、途中のバス停で降りる場合には、事前に運転手に伝えておいた方が確実なようだった

残りの6人は温泉までそのまま乗車。温泉までは、三原山ラインの場合と同じ650円で、6時34分に到着できた。
バスから降りた人は自分以外全員ホテルへと入っていった。早朝から日帰り入浴もできるため、バス利用者以外でも来る人がおり、ちょうどバス到着時に3人組が駐車場に停めた車から降りてきていた。
三原山温泉は三原山の裏砂漠ルートの登山口に当たるが、こんな時期のこの時刻に三原山登山を開始する物好きはあまりいないのだろう。登山客であってもまずは温泉でゆっくりといった感じなのかもしれない。

自分はさっさと山腹噴火口(割れ目火口)へ行き、遠くがはっきり見えやすい朝の光の中で富士山を絡めた撮影をしたかった。この時間はここから先のバスはないので、山腹噴火口(割れ目火口)まで歩きだ。
都道207号線(三原山登山道路)を通って新火口展望台を経由するルートでアクセスした。

※三原山温泉から割れ目火口の撮影地までは、新火口展望台経由の経路と、湯場を経由して旧三原山ドライブウェイを通っていく経路が考えられ、グーグルマップ検索でも両ルートが出てくる。撮影地は割れ目火口の中でも下の方だったのだが、上の方だと勘違いしていた。このため、前者の経路が近いと思い込んでいた。さらに、竹芝桟橋で入手した、町が発行しているサイクリングガイドのパンフで、湯場〜割れ目火口間が通行止との記載があった。湯場の道路が通行止なら新火口展望台側に戻らざるを得ないので、あまり悩まずに新火口展望台経由を選択してしまった。
しかし、後でよく調べてみたら、湯場経由の道路は徒歩なら通行可能。湯場経由なら標高差60メートルほぼ下りで2.8キロ歩くだけで済んでいた。しかも、そもそもバスを一つ手前の湯場三叉路で降りたらほぼ平坦で1.8キロ歩くだけで済んでいたようだ。三原山温泉から新火口展望台経由の経路だと最初の2キロは標高差70メートルの上り坂、後半1.3キロは標高差80メートルの下り坂と上下動も多いきつめのルートだった。


昨日は雨で、今日は昨晩から晴れ予報(ただし午後から雲多めの予報)だったので、朝のうちは空気が洗われて富士山が綺麗に見えることを期待していた。
ところが、三原山温泉を出たら、周辺が霧だらけになってしまった。昨日の水分がまだ乾いておらず、気温が高くなってきたことで霧が出ているようだった。
最初の2キロは、最大10%程度の上り坂が続くなかで、霧のせいで真っ白空間。周辺の風景が見えない中での上り坂は、精神的にきつかった。

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三原山温泉から新火口展望台へと向かう途中は霧だらけ。先が見えない上り坂10%はきつい。

■割れ目火口で待ちぼうけ
新火口展望台には、温泉を出てから30分強で到着。今回唯一三原山の内輪山が見えるスポットだったが、相変わらず霧だらけで、ほとんど見ることはできなかった。

展望台から500メートルほど先の交差点(鎧端)を右折した先に割れ目火口がある。
鎧端からの道路は一気に急な下り坂になっており、1キロ程下ったところで車道はプツリと途切れている。道が途切れるのは、その先が火山噴出物に覆われるからだ。ちょうど車道が途切れた先から割れ目火口の遊歩道が始まっており、割れ目火口の撮影地は、遊歩道をしばらく歩いた先にあった。
撮影地には7時半ごろには到着できた。

※今回歩いた道路のうち、新火口展望台のある三原山温泉〜鎧端間は1986年の噴火から4か月後に開通した新道区間に当たる。ちょうど新火口展望台付近から先は外輪山の尾根を通るルートになっている。
1986年の噴火までは、湯場から割れ目火口の部分を通過し、鎧端を経由して御神火茶屋まで三原山ドライブウェイが通っていた。三原山ドライブウェイは割れ目火口で完全に分断されたために廃止され、現在は町道になっている。鎧端で右折した道路はこの三原山ドライブウェイの一部だ。鎧端付近の交差点は外輪山の尾根部分。ここから外輪山を下るために急な下り坂になっている。


撮影地からは、元町地区から空港にかけての領域を眺められるのだが、霧のせいで薄っすらとしか見えず。富士山はおろか、相模湾より向こう側はほとんど見えない状態だった。
ただ、風が強く霧は少し晴れつつあり、遠方の空は低い雲がかかっているだけで青い空もところどころ見えている。霧が出るときは、霧の上は晴れの時だから、晴れるまで待ちたい。新火口展望台の始発バスは9時43分発だから、最遅で9時までは撮影にチャレンジすることとし、風が通り抜ける寒い中、霧と低い雲が抜けてくれるのを待つことにした。

それにしても寒い。天気予報では、16度まで気温が上がる予報となっていたので、上着のフードを外してきてしまっていた。
風が冷たいうえに強めできつい。昨日竹芝のコンビニで確保したパンで朝飯を食べながら、ちょっとした岩の陰に隠れて霧が晴れるのを待った。

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割れ目火口に到着したのは7時半ごろ。到着した頃は、まだ霧は晴れないままだった。
富士山もまだ見えず、空港も薄くしか見えない状況だ。10年前より草が伸びていた。

■残骸だらけの旧三原山ドライブウェイ
強い風の吹く中45分ほど待った段階で霧が晴れ、富士山も相模湾も伊豆半島もはっきり見えるようになった。
昨日の雨で空気が洗われたのか、見える山々はくっきり。期待していた写真を撮影できた(→成果は大島空港の空港概要ページへ)。

※割れ目火口から富士山方向を望むことができるのは、火口が北西-南東方向に並んでいるからだ。富士山から伊豆大島にかけては、フィリピン海プレートが北西方向に進んでいるため、火口となる割れ目も北西-南東方向に並ぶことになる。そして、その延長上に大島空港があるため、割れ目火口の開けた方向に空港と富士山を同時に見ることができるのだ。
伊豆大島の側火口は、三原山を中心に北西-南東方向に火口が並んでおり、空港がその延長上にあるので、空港周辺にも火口跡(スコリア丘)が多数見られる。
伊豆大島では三原山を御神火として崇めており、昔から観光名所として多くの人が訪れる場所だ。近年は、島をジオパークとして売り出しているが、三原山北西側の割れ目火口から見える富士山と大島空港の風景は、プレートの動きという地球規模の地殻変動を体感できる、まさにジオパークならではの風景でもある。


空港と富士山を一緒に撮影できたので、とりあえず大島の第一目的は完了した。
少し時間を食ったものの時刻はまだ8時半。バスまでまだ1時間以上あるし、ここから空港までは予定通り歩いていくことにした。
新中央航空(NCA)調布-大島便の1便目は10時過ぎ頃に発着と思い込んでいたのだが、ここでNCAのダイヤを調べたら、木曜日は9:10着9:35発らしい。飛行機出発まであと1時間しかない。空港までは約9キロだから走れば間に合うかもしれないが微妙なところ。間に合うかわからないが、せっかく大島まで来たので、飛行機を写すために、無理しない範囲で少し走ってみることにした。

今回撮影をした割れ目火口は、1986年C火口列と呼ばれる側火山の火口群だ。最近の噴火である1986年の大噴火の際に、565年ぶりに起こった側噴火で生じた火口群で、列状に11か所もの火口が並んでいる。ちょうどその火口列の部分を旧三原山ドライブウェイが完全に縦断していた。噴火により、このドライブウェイは完全に分断されたが、その前後はまだ道路が残っていた。

撮影地からは、少し下がると、すぐに遊歩道が途切れ、舗装道路が姿を現した。
この舗装道路、ここから湯場までの間の道路も旧三原山ドライブウェイの跡だ。
サイクリングガイドのパンフでは通行止になっているが、道路に柵などはなく、このまま進んで行けそうだったので、そのまま進んでいくことにした。

※割れ目火口の下側に当たる、遊歩道が途切れた辺りには、1987年の天皇陛下臨幸之跡を示す碑が立っているほか、避難壕、お手洗が整備されている。しかし、避難壕、お手洗とも入口の前が草ぼうぼうで放置されており、実質的に使用できない。1986年の大噴火の後に暫く使われていたようなのだが、三原山温泉から歩いた都道207号線(三原山登山道路)が全線開通した後に役目を終えたようだ。伊豆大島のパンフレットの中には、トイレ有との表示があるパンフもあるが、実質的に用を足せないので要注意だ。

それにしてもこの道路、全く使っている様子がない。落ち葉が堆積し、路面はコケで滑りやすい状態。滑るので坂道は走るのには適しておらず、少しチンタラ歩いたり走ったりを繰り返した。
道端には東京大学地震研究所が数多くの地震計を設置していたので、それなりに人の出入りがあるようだが、当然ながらすれ違う人はいなかった。

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旧三原山ドライブウェイの途中に富士見展望台があった。冬なのに草ぼうぼうでぎりぎり富士山が見える程度(写真中央のうっすら白いのが富士山)。草がなければ空港も見えるそうだが、ほぼ見えなかった。

■ドライブウェイは車両は完全に通行止
湯場までの道は多少の上下はあったものの、ほぼ平坦だった。割れ目火口より山頂側が急坂だったのとは全く対照的だ。
割れ目火口付近は、元々ドライブウェイが一気に標高をあげていく場所なので、傾斜が一気に変わる割れ目火口付近は、地形的にも側火口になりやすい場所だったのかもしれない。

富士見展望台付近では何か所かで、道路に土嚢が列状に積まれていて、車で通り抜けができないようになっていた。
通行止は通行止らしい。

ほとんどの土嚢地帯は路面の一部が見えていたが、1か所道路の端から端まで大きな土嚢が置かれた場所があって、ここだけは歩きの人も土嚢の上を跨がないと通行できなかった。

湯場三叉路の少し手前には撤去済みの料金所跡地があり、交差点直前には、湯場福祉センターだった建物の廃墟が不気味に残っていた。この建物があるあたりが旧三原山ドライブウェイの起点で、下流側が三原山登山道路であることを指す標識も残っていた。
湯場福祉センターがあった場所は、湯場の名称のごとく水蒸気の噴出があって、昔からサウナ状の湯治場があったそうだ。1971年から、宿泊施設も兼ねた町営の湯場福祉センターになり、コンクリ建物が建てられたが、大きくなった施設を補うほどの噴出量がなく、1984年に廃止されている。つまり50年ほど前の建物の廃墟だったようだ。
今回現場で見たときは、1986年の大噴火で廃墟と化したのかと思っていたのだが、それよりも前に廃止になっているということだ。

それにしても、この旧三原山ドライブウェイは、1986年大噴火の重要な遺構とも言えるのではないだろうか。
せっかく人間と自然の関わりを体感できるのに、ほとんど注目されていないのは残念なことだろう。

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旧三原山ドライブウェイの開始点で今来た道を振り返った様子。土嚢が並び完全行き止まりだ。
青標識は、そこより手前側が三原山登山道路であることを指している。
青標識が指す登山道路の区間は未だ正式なようだ。ここからすぐの湯場三叉路では、車が通れないよう柵があるのに、車が入れない山頂側から見える形で、STOP入り止まれの赤三角新標識があった。

■空港までは半分マラソン
湯場三叉路で都道207号線(三原山登山道路)に戻ってきた。ここから空港まではずっと下り坂だ。
ここから空港までは7キロ弱。時刻は8時50分で、走れば何とか9時35分の離陸にギリギリ間に合うかもしれない感じだったので、半分マラソン半分早歩きで一気に空港へと向かった。

休み休みではあるものの、とりあえず走って走って、空港入口には9時35分ピッタリに到着。ちょうどエプロンでNCAの飛行機が出発準備でプロペラを回していたところだった。
ここからもとにかく走って展望デッキへ。
何とかギリギリ滑走路で離陸直前の飛行機を捉えることに成功。前回来た時には見えなかった富士山もまだよく見えていて、なんとか良い感じの写真を残せた。

それにしても走りすぎで疲れ果ててしまった。
調布便の離陸を見た後は、空港内の見学は後回しにして、まずは2階の喫茶で一服。昼飯も兼ねて食事をし、それからゆっくり空港内を見学した。

この後、大島空港では、11時30分着11時50分発で東邦航空(TAL)のヘリコプター定期便(東京愛らんどシャトル)の運航がある。現在の時刻は10時でちょうど便の切れ目だ。
TALの手続きは11時からの開始なので、チェックインロビーでは人が入らない写真が撮れると思っていたのに、なぜかTAL窓口で何やら係員が業務中。さらに、早くも11時50分発の利島行を待つ利用者がいて、うまい写真は写せなかった。熱海・伊東からの高速船かNCA調布便からの乗り継ぎ客なのだろうか、喫茶しか時間がつぶせないターミナルなので、ロビーのベンチでかなり暇そうにしていた。

ターミナルの見学は一時間ほどで完了。ターミナル側からのエプロン撮影は、さきほどのNCA便で済んだので、ヘリ便はターミナル地区の反対側からターミナルを絡めた撮影をすることにした。
空港ターミナルは10時半過ぎに出発。牛と富士山とヘリが絡めた写真が写せないか、ぶらっとハウスを経由したものの、そのような構図での撮影は無理そうだったので、そのまま滑走路の反対側へ。
30分弱道端で待って、やっと到着したヘリコプターの着陸に合わせて撮影を済ませた。

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ターミナル地区の反対側から眺めた空港。こちら側は滑走路とほぼ同じ長さで側道が取り付いているが、このあたりのみ側道が少し高くなっていて、唯一空港を眺められる。三原山をバックに空港ターミナルを写る構図の写真が撮れる。

■港湾ターミナルは未就航日も空いている
ヘリ便の撮影を済ませたのが12時前。船の出発までは、まだ2時間半ある。
ヘリ便は利島に行った後、12時15分には大島空港に戻ってくるが、大島空港の撮影は完了しているので、もう大島空港にいる必要はない。そこで、競合する航空便と船舶便を比較すべく、空港ターミナルと港湾ターミナルでどちらが快適かを確認するため、元町港の船舶旅客ターミナルを見学しにいくことにした。

元町港13時30分発の路線バス大島公園ラインに乗れば、岡田港には14時前には着ける。元町港の見学時に30分かかるとすれば、13時位までに元町に着ければ良い。空港から元町までは5キロほどで、ちょうど良いバス便もないので、そのまま海岸沿いを歩いて向かった。

元町港には12時45分頃に到着した。
元町港の船舶旅客ターミナルは天井の非常に高い建物で、かなり広々としていた。ほぼロビー空間で、利用者が集中した時には、充分な収容量がありそうだ(今日はほぼ誰もいないのでガランという音が聞こえてきそうだった)。
今日は元町港を発着する船舶便は1便もないが、船舶旅客ターミナルはしっかりオープン。東海汽船の窓口も開いていて、案内は行われていた。一方で、売店や飲食店は未就航の日は閉店となるらしく、全店シャッターが下りていた状況だった。閑散とはしていたものの、何人か利用者の出たり入ったりがあり、大島公園ラインのバス待ち客も見られるなど、拠点施設としてしっかり機能しているようだった。

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「岡田港」という大きな文字が目立つが、今日の船便の出航地を示しているだけで、ここは元町港。島の中心地にある港だが、今日は出航していないので閑散としていた。

■新ターミナルに移行した岡田港
元町港からは13時30分発の路線バス大島公園ラインで岡田港へと向かった。
バスには元町港からは5人が乗車したが、その全員が岡田港で下車。途中の停留所で乗降はなく、完全に港間を結ぶためのバスルートになっていた。

岡田港では、旧ターミナルが閉鎖されて中に入れなくなっており、代わりにきれいなターミナルが整備されていた。
家に帰ってから調べてみたら、新ターミナルは、なんと訪問した2月7日に使用開始になったばかりだった。当日ターミナル内でなんだか写真撮ってるオタクが多いなあと思っていたら、そうではなくて、ほんとに珍しくて撮影していた人が多かったようだ。
東京都知事も参加した記念式典は、既に5日にされていたそうで、当日はお祝いムードが全然なかったけど、何も知らずに初日に使用していたとは、、、。
空港ターミナルではないけれど、珍しい旅客ターミナル記念日に立ち会えたようだ。

この新ターミナルは、津波避難施設を兼ねたもの。最上階の展望デッキは、災害時には避難スペースとなり、食料などの備蓄倉庫も整備されていた。

復路の大型客船は、神津島から新島、利島に寄ってから大島に到着する。到着客が結構降り、大島から乗る人はあまりいなかったため、船内は往路以上にガラガラだった。
最終的に竹芝で降りたのは40人ほどしかいなかった

大型客船の大島→東京間は4時間半と往路よりかなり短い所要時間だ。しかし、これも距離からすると時間がかかりすぎ。その原因は、東京湾内では長さ50メートル以上の大型船は航路航行義務があり、航路では12ノット以下で運航することが義務付けられているため、普通に運航した場合より時間がかかっているためだ。
東京湾の入口に当たる久里浜沖までは2時間程度しかかからないから、ここで下してもらえれば、都内へより早くアクセスできるが、大型客船はノロノロと竹芝までノンストップで向かうことになる。その代わり、高速船ジェットフォイルは久里浜経由や館山経由(館山は期間限定らしい)が運航されていて、選択肢が多く用意されている。
ちなみに、伊豆大島を大型客船より後から出発する高速船は、竹芝までの所要時間が約2時間だ。大型客船は途中で追い抜かれ、高速船の方が1時間半早く竹芝に着ける。今の時期は神津島、新島、利島からは大型客船しかないから、神津島方面から大型客船に乗り岡田港で降りた乗客の中には高速船に乗り継いだ人も多くいたのかもしれなかった。

竹芝には予定通り19時に到着。帰宅ラッシュで混雑した下り線の電車で家へと戻った。

それにしても、レンタカーを借りて回ればいいのに、格安に済ますことだけ考えて、ずっと歩いてばかりだったので、歩き疲れるだけ歩き疲れた空港訪問となってしまった。

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岡田港を船上から眺めた様子。背後は急な崖になっているのが分かるが、そのおかげで風がさえぎられた天然の良港になっているようだ。正面に見える三角屋根が旧ターミナルで、左に見える高い建物が新ターミナル。


■おまけ:岡田港新ターミナル
ということで、せっかく供用開始日に岡田港の新ターミナルを利用したので、ちょっとだけ内部を公開!
個人的にはもう見ることができない旧ターミナルの内部を見たかったけど、、、。一日間に合わずでした、、、。

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新ターミナル全景。オシャレなガラス張りだ。津波避難施設なのに割れやすいガラス張りで大丈夫?

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(左)1階待合所。チェックインロビーで吹抜は高い。
(右)1階出札窓口。一番手前は観光協会窓口。

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(左)2階大島交流施設。何も使える広い空間。2階は吹抜を挟んだ反対側が狭い通路状の空間になっていて、椅子が並ぶ待合スペースになっている。
(右)4階屋上。実質的な展望デッキだが、施設名は津波避難スペース。

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(左)飲食店は3階に1店舗がある。飲食スペースは自由な感じ。
(右)飲食店脇には畳スペースもあった。

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売店は2階に1店舗が出店。みやげ物は、大体のものが手に入る。

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(左)旧ターミナル外観。(右)旧ターミナル内部をのぞいた様子。


■今日の教訓!
[伊豆大島]港は岡田か元町←当日朝に利用港が決まります
[伊豆大島]早朝バスは3経路←島の南東側以外はほぼ行けます
[伊豆大島]早朝登山は三原山温泉から←早朝バスは山頂口には行かないです
[大島空港]海の向こうの富士山見よう←デッキや搭乗待合室から眺められます
[伊豆大島]バスダイヤに要注意←船舶便の発着に合わせてダイヤが変わります
[伊豆大島]岡田港は新ターミナル←2月7日にオープン!

■実際の旅程
02/07 THU
(東海汽船大型客船さるびあ丸)→06:00大島岡田港
大島岡田港06:08(大島バス)→06:34三原山温泉
三原山温泉06:35(徒歩 3km)→07:30山腹火口
山腹火口 08:30(徒歩 9km)→09:35[大島空港]
[大島空港]10:30(徒歩 7km)→12:45大島元町港
大島元町港13:30(大島バス)→13:47大島岡田港
大島岡田港14:30(東海汽船大型客船さるびあ丸)→19:00竹芝桟橋
竹芝桟橋 19:30(徒歩 1km)→19:45浜松町駅
浜松町駅 19:45(JR京浜東北線等)→21:00自  宅


posted by johokotu at 21:00| 東京 ☀| Comment(0) | ◆旅行記 | 更新情報をチェックする
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