特集 ニッポンの空港から振り返る平成十一年
平成十一年は、紋別空港(北海道)が新空港に移転しました。名古屋空港(現・名古屋飛行場/愛知県)、福岡空港(福岡県)、宮崎空港(宮崎県)と次々に新しい国際線施設ができ、国際化の波が感じられた一年。そして、のちに繋がる出来事がたくさん起こった一年でした。
名古屋空港の新国際線ターミナルは、のちにショッピングモールとして再利用される建物でした。
また、この後の空港ターミナル整備に大きな影響を与えたのが、この年の7月に発生した全日空61便ハイジャック事件です。出発客と到着客が混在する構造に問題があることが分かり、以後建てられる空港ターミナルは、出発と到着を分離するのが必須になりました。
さらに、この年の9月に、山口宇部空港(山口県)が台風18号の高潮の影響で冠水(床上浸水)。その後海沿い空港で津波対策が進むなど、大きな影響を与えました(それでも平成23年の仙台空港や平成30年の関西国際空港などで冠水被害が出ています)。
サービス面では、1月に新東京国際空港(千葉県)がPSFCの徴収を航空券発券時に徴収する方法に変更(オンチケット化)。このあと、多くの空港では、航空券に含ませる方法が一般的になりました。
■平成十一年 空港の主な出来事
01月:新東京国際空港 PSFCの徴収方式を航空券発券時徴収に変更(オンチケット化)
02月:宮崎空港 国際線施設開館
03月:新東京国際空港 第1ターミナル北ウイング・中央ビル新館 開館
04月:名古屋空港 国際線ターミナル(現・エアポートウォークの建物)開館
05月:福岡空港 新国際線ターミナル開館、旧国際線ターミナルを第3ターミナルに改称
05月:那覇空港 新国内線ターミナル開館
06月:利尻空港 滑走路1,800mでジェット化
06月:福島空港 国際線ターミナル開館
07月:与那国空港 滑走路舗装強化で暫定ジェット化
07月:全日空61便ハイジャック事件発生
09月:山口宇部空港 台風18号で冠水(最高で約1.5メートル、4日後に有視界飛行で暫定再開)
10月:ANA スターアライアンス加盟(日本初の航空連合参加)
11月:新紋別空港 開港、旧紋別空港 廃港(紋別空港 移転)
12月:那覇空港 沖縄型特定免税店(空港内店)開業(日本初の国内線内空港型免税店)